今般,レカネマブ(遺伝子組換え)製剤(販売名:レケンビ点滴静注200mgおよび同点滴静注500mg)に関して,最適使用推進ガイドラインが策定されたことにともない,留意事項が下記のとおり発出されましたのでお知らせします。
記
- レケンビ点滴静注200mg及び同点滴静注500mgについては,最適使用推進ガイドラインに従い,有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間,本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに,副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用するよう十分留意すること。
- 本製剤を最初に投与した際には,次の事項をレセプトの摘要欄に記載すること。
- 次に掲げる患者の要件のうち,該当するもの(「患者要件ア」~「患者要件ウ」までのうち該当するものを記載)
- 患者本人及び家族・介護者の,安全性に関する内容も踏まえ本剤による治療意思が確認されている患者
- 以下に示す本剤の禁忌に該当しないことが確認された患者
- 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴がある患者
- 本剤投与開始前に血管原性脳浮腫,5個以上の脳微小出血,脳表ヘモジデリン沈着症又は cm を超える脳出血が認められる患者
- MRI 検査(1.5 Tesla 以上)が実施可能であることが確認された患者
- 認知機能の低下及び臨床症状の重症度範囲について,次に掲げるすべての項目のスコア及び実施年月日
- 認知機能評価 MMSE スコア
- 臨床認知症尺度 CDR 全般スコア
- 次に掲げる検査のうち,当該患者の診断に用いた検査に該当するもの(「患者要件エ」又は「患者要件オ」と記載),実施年月日及び検査実施施設名
- 次に掲げる医師の要件のうち,当該患者の本製剤に関する治療の責任者として配置されている者が該当するもの(「医師要件ア」から「医師要件エ」までのうち該当するものを記載)
- 日本神経学会の専門医
- 日本老年医学会の専門医
- 日本精神神経学会の専門医
- 日本脳神経外科学会の専門医
- 次に掲げる医師の要件のうち,当該患者の本製剤に関する治療の責任者として配置されている者が該当するもの(「医師要件オ」から「医師要件ク」までのうち該当するものを記載)
- 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に,10 年以上の軽度認知障害の診断,認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験を有していること
- 画像所見からARIAの有無を判断した上で,臨床症状の有無と併せて本剤の投与継続,中断又は中止を判断し,かつ必要な対応ができる医師であること
- 製造販売業者が提供する ARIA に関するMRI読影の研修を受講していること
- の投与対象患者及び治療に関する研修を受講していること日本認知症学会又は日本老年精神医学会の実施するアルツハイマー病の病態,診断,本剤
- 次に掲げる項目のうち,該当するもの(「施設要件ア」又は「施設要件イ」と記載)
- 以下のⅠからⅧをすべて満たす施設である。
- 以下のⅠからⅧをすべて満たす施設でない。
(項目)
- MRI検査(1.5 Tesla以上)が実施可能な医療機関であり,かつ,ARIAが認められた場合に,画像所見や症状の有無から,本剤の投与継続,中断又は中止を判断し,かつ,施設内で必要な対応ができる体制が整っていること
- 認知機能のスコア評価(MMSE スコア)及び臨床認知症尺度(CDR 全般スコア)が実施可能な者が配置されていること
- 同一施設内又は連携がとれる施設において PET 検査又はCSF検査が実施可能であること
- 上記の④及び⑤に該当する,常勤医師が複数名配置されていること
- CDR全般スコア評価に精通し,一定以上の評価経験を有する医療従事者がいること
- ARIAのリスク管理に必要な知識を有し,かつ,MRI読影に関する医療従事者向け研修を受講した,ARIAの鑑別を含むMRI読影が適切に行える常勤医が1名以上いること
- 認知症疾患医療センター又は認知症疾患医療センターと連携がとれる施設であること
- 製造販売業者に課せられている全例調査を確実に実施できる施設であること
- 本製剤の投与開始後6か月以降の投与の際には,次の事項をレセプトの摘要欄に記載すること。
- 本製剤の投与施設(「施設要件ウ」又は「施設要件エ」と記載)及び「施設要件エ」に該当する場合は,連携施設名及び所在地
- 初回投与施設((2)の初回投与施設と同一の施設)
- 連携施設((2)の初回投与施設と連携している施設)
- 次に掲げる施設要件のうち,本製剤の投与施設に該当するもの(「施設要件オ」と記載)
- 製造販売業者に課せられている全例調査を確実に実施できること
- 次に掲げる医師の要件のうち,本製剤に関する治療の責任者として配置されている者が該当するもの(「医師要件ケ」から「医師要件シ」までのうち該当するものを記載)
- 日本神経学会の専門医
- 日本老年医学会の専門医
- 日本精神神経学会の専門医
- 日本脳神経外科学会の専門医
- 次に掲げる医師の要件のうち,本製剤に関する治療の責任者として配置されている者が該当するもの(「医師要件ス」~「医師要件タ」までのうち該当するものを記載)
- 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に,10年以上の軽度認知障害の診断,認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験を有していること
- 画像所見からARIAの有無を判断した上で,臨床症状の有無と併せて本剤の投与継続,中断又は中止を判断し,かつ必要な対応ができる医師であること
- 製造販売業者が提供するARIAに関するMRI読影の研修を受講していること
- 日本認知症学会又は日本老年精神医学会の実施するアルツハイマー病の病態,診断,本剤の投与対象患者及び治療に関する研修を受講していること
- 本製剤の継続投与の際には,次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお,本製剤は,初回投与後6か月までは,初回投与施設で投与すること。
- 本製剤の初回投与から起算して,何週目の投与であるか。
- 本製剤投与中,CDR全般スコア推移,MMSEスコア推移,患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による臨床症状の評価を実施した直近の年月日
- 本製剤投与中,MRI検査を受けた直近の年月日
- 本製剤の初回投与から起算して,18か月を超える投与の際には,次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
- 本剤投与の継続が必要と判断した理由(CDR 全般スコア推移,MMSE スコア推移,患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による臨床症状の評価を踏まえた有効性の観点,並びにARIAの有無や副作用発現状況等を踏まえた安全性の観点を含めて具体的に記載すること)
- 本剤の最適使用推進ガイドラインにおいて「中等度以降のアルツハイマー病による認知症と診断された場合,中等度以降に進行した患者に投与を継続したときの有効性が確立していないことから,本剤の投与を中止し,再評価を行うこと。」とされていることから,中等度以降のアルツハイマー病による認知症と診断された患者に対して本剤の投与継続を行う場合には,再評価を行った結果として(2)の①~②及び投与継続を判断した理由(上記①と同様に具体的に記載すること)