2024年5月15日号
令和6年4月6日(土),新年度を迎え令和6年に研修医となる医師を対象に,26病院から185名(たすき掛けで他県の医療機関に所属する研修医を含む)の参加を得て,「新研修医総合オリエンテーション」をオンライン開催した。
この新研修医総合オリエンテーションは,府医の研修医事業の柱の1つであり,毎年,京都府内の臨床研修指定病院で初期研修を受ける新研修医を対象に,府医独自のオリエンテーションプログラムを提供することで,研修医が身につけるべき最低限の知識の均一化を図るとともに,研修医同士の「ヨコ」のつながりを深めることを目的として開催している。
冒頭,松井府医会長があいさつに立ち,医師国家試験合格の祝意を示した上で,若手医師に向けた学びやワークライフバランスを支援する取組みを紹介し,手厚いサポートの提供を約束した。
また,オリエンテーションを通じて医師会を身近に感じてほしいこと,研修医同士の「ヨコ」のつながりができることを期待して,結びの言葉とした。
医学生や研修医,若手医師の先生方とのつながりを継続できる仕組みとして昨年より運用を開始した「KMA.com」について,堀田府医理事より概要を説明。多くの先生に医師会の事業に触れてもらえることを期待し,登録を呼びかけた。
今回も,オンラインならではのグループワークを主軸としたプログラムを組み立てた。グループワークの企画・運営は,府医若手医師ワーキンググループのメンバーの市立福知山市民病院の稲葉哲士氏が担当。グループワークは,全33グループ,1グループあたり5~6名で構成し,全グループ同時進行で自分のオンリーワンであることを発表する形式で自己紹介や,チーム対抗の臨床クイズに取組んだ。勤務先の異なる者同士でグループを組むことで,今後の臨床研修プログラムの中で必要な①コミュニケーション力(“初対面の人”患者,ローテート先の上司,先輩,コメディカルなどと円滑にコミュニケーションをとる力),②検索力(すぐに情報にアクセスできる力),③チームワーク力(多様な人たちと連携,情報共有する力)を学んだ。
続いて,加藤府医理事より「研修医を応援する医師会活動」として,臨床研修屋根瓦塾 KYOTO,研修医ワークショップ,Arzt の発刊など,府医が取組んでいるユニークな研修医向けの事業を紹介するとともに,医師賠償責任保険などについて説明した。
上田府医副会長は終わりの挨拶として,本オリエンテーションで学んだ内容をスキルアップ,レベルアップ,ネットワークづくりにつなげてほしいと話した。これらを達成するためには,医師会に入会することが大きな力となることを紹介。また,医師会の先輩から後輩に学びをつなぎつづけることで京都府の医療全体が高まることを期待し,医師会として研修医の先生を見守り続けたいとエールを贈った。
グループワークにおいて KMA.com のサイトを使用した臨床クイズを行った。事前登録を呼びかけた結果,194名の登録があった。今後の研修医向けの研修会や研修医に知ってほしい講演会の動画について情報共有するツールでもあることから,多くの研修医の登録が得られたことは本オリエンテーションの成果の一つである。