2024年11月1日号
厚生労働省より,長期収載品の処方等に関する疑義解釈(その3/9月25 日付)が示されましたので,お知らせします。
厚労省が示す長期収載品の対象医薬品には多くの注射薬が含まれており,通知上特段の記載もなかったことから,外来患者への注射も選定療養費徴収の対象となると解釈されていましたが,この疑義解釈により否定され,在宅自己注射を除き,対象とはならないことが明らかになりました。
【入院中の患者以外の患者に対する注射について】
問1 「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について」(令和6年3月27日保医発0327第10号)において,「別表第一C200に掲げる薬剤」,「別表第一G100に掲げる薬剤」及び「別表第二G100に掲げる薬剤」が選定療養の対象となるとされているが,入院中の患者以外の患者(往診又は訪問診療を行った患者も含む)に対して医療機関が注射を行った場合も,長期収載品の選定療養の対象となるのか。
(答) 長期収載品の選定療養の対象とはならない。 なお,在宅自己注射を処方した場合については,「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年7月12 日厚生労働省保険局医療課事務連絡。以下「疑義解釈その1」という。9月1日号京都医報保険だより9~11 ページ参照)問9に記載するとおり,長期収載品の選定療養の対象となる。
【医療上の必要性について】
問2 疑義解釈その1問1の②において,「当該患者が後発医薬品を使用した際に」とあるが,後発医薬品の添付文書において,当該患者への投与が禁忌とされている場合も,実際に当該患者に使用したうえで判断する必要があるのか。
(答) 後発医薬品の添付文書において禁忌とされている患者に対しては,当該後発医薬品を使用したうえで判断する必要はなく,この場合は疑義解釈その1問1の②に該当するとみなして差し支えない。
問3 複数の医薬品を混合する際,後発医薬品を用いると配合変化により薬剤が分離する場合であって,長期収載品を用いることにより配合変化が回避できるときは,医療上の必要性があると認められるか。
(答) 疑義解釈その1問1の④に該当するため,医療上の必要性があると認められる。