4月以降の医療DX 推進体制整備加算等の取り扱いについて

 3月5日付府医メーリングリストおよび府医FAX情報で既報のとおり,厚労省より,医療DX推進体制整備加算および在宅医療DX情報活用加算に関するQ&Aが示されましたので,お知らせします。
 また,日医が4月以降の取り扱いを整理しましたので,併せてご参照ください。

1.医療DX 推進体制整備加算等の取扱いに関するQ&A(その1)について

【医療DX 推進体制整備加算】

問1 令和7年3月31日時点で既に医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている医療機関は,同年4月1日からの医療DX推進体制整備加算の評価の見直しに伴い,施設基準の届出を改めて行う必要があるか。

(答)<電子処方箋を導入し,加算1~3を算定する場合>
  同年4月1日まで(編注:4月4日までに変更)に新たな様式による届出直しが必要である。
<電子処方箋未導入で,加算4~6を算定する場合>
届出直しは不要である。
<施設基準通知の第1の9の3(3)及び6(3)について>
 小児科外来診療料を算定している医療機関であって,かつ前年(令和6年1月1日から同年12月31日まで)の延外来患者数のうち6歳未満の患者の割合が3割以上の医療機関が,加算3及び加算6を算定するに当たっては,令和7年4月1日から同年9月30日までの間に限り,マイナ保険証利用率実績の要件を「15%以上」ではなく,「12%以上」とすることが可能であるが,この場合は同年4月1日まで(編注:4月4日までに変更)に新たな様式による施設基準の届出が必要である。

 なお,令和7年3月31日時点で既に医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている医療機関は,マイナ保険証利用率の実績が,加算1~6のいずれの基準にも満たない場合であっても,届出直しは不要である。ただし,この場合は当該加算を算定することはできない。
 これに伴い,「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年9月3日事務連絡)別添1の問1及び「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その2)」(令和6年9月27日事務連絡)別添1の問1は廃止する。

問2 電子処方箋を発行する体制又は調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制とは具体的にどのような体制を指すか。

(答)  院外処方を行う場合には,原則として,電子処方箋を発行し,又は引換番号が印字された紙の処方箋を発行し処方情報の登録を行っていることを指し,院内処方を行う場合には,原則として,医療機関内で調剤した薬剤の情報を電子処方箋管理サービスに登録を行っていることを指す。
 電子処方箋管理サービスへの登録等については,「電子処方箋管理サービスの運用について」(令和4年10月28日付け薬生発1028第1号医政発1028第1号保発1028第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長・医政局長・保険局長通知。)を参照すること。ただし,当該加算を算定するに当たっては,電子処方箋システムにおける医薬品のマスタの設定等が,適切に行われているか等安全に運用できる状態であるかについて,厚生労働省が示すチェックリストを用いた点検が完了する必要がある。なお,点検が完了した医療機関は,医療機関等向け総合ポータルサイトにおいて示される方法により,その旨を報告すること。
(参考1)電子処方箋について(厚生労働省)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/denshishohousen.html
(参考2)電子処方箋管理サービスについて(医療機関等向け総合ポータルサイト)
 https://iryohokenjyoho.servicenow.com/csm?id=kb_article_view&sys_kb_id=c0252a742bdb9e508cdcfca16e91bf57

問3 医療機関は,自らの「前年(令和6年1月1日から同年12月31日まで)の延外来患者数のうち6歳未満の患者の割合」をどのように把握すればよいか。

(答) 前年(令和6年1月1日から同年12月3日まで)において,小児科外来診療料,小児かかりつけ診療料,初診料における乳幼児加算,再診料における乳幼児加算,外来診療料における乳幼児加算又は在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)における乳幼児加算のいずれかを算定した延外来患者数を,前年の延外来患者数で除して算出した割合とする。

問4 医療機関の責めによらない理由により,マイナ保険証利用率が低下することも考えられ,その場合に医療DX推進体制整備加算が算定できなくなるのか。

(答)  施設基準を満たす場合には,その時点で算出されている過去3か月間で最も高い「レセプト件数ベースマイナ保険証利用率」率を用いて算定が可能である。
 なお,これに伴い,「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年9月3日事務連絡)別添1の問3は廃止する。

問5 当該加算の施設基準通知において,「医療DX推進体制整備加算を算定する月の3月前のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率に代えて,その前月又は前々月のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率を用いることができる。」とあるが,具体的にはどのように用いることができるのか。

(答)  例えば令和7年4月分の当該加算算定におけるマイナ保険証利用率については,同年1月のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率が適用されるが,令和6年11月あるいは12月のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率を用いることが出来る。
 なお,これに伴い,「医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年9月3日事務連絡)別添1の問5は廃止する。

【在宅医療DX 情報活用加算】

問6 令和7年3月31日時点で既に在宅医療DX情報活用加算の施設基準を届け出ている医療機関は,同年4月1日からの在宅医療DX情報活用加算の評価の見直しに伴い,施設基準の届出を改めて行う必要があるか。

(答)  同年4月1日以降に在宅医療DX情報活用加算2を算定する場合には届出直しは不要であるが,同加算1を算定する場合には同年4月1日まで(編注:4月4日までに変更)に新たな様式で届出直しが必要である。

2.4月以降の医療DX 推進体制整備加算の取扱いについて

(1) 令和7年4月以降の点数及び届出について
 令和7年4月からは,電子処方箋を発行する体制又は調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制を有している場合の点数である「加算1,2,3」と,電子処方箋要件がない「加算4,5,6」に分かれることとなります。
 また,令和7年3月31日時点で既に医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている医療機関が同年4月以降に「加算1,2,3」を算定する場合,同年4月4日までに新たな様式による届出直しが必要となります。なお,「加算4,5,6」を算定する場合は新たな様式による届出直しは不要です。

 上記の内容に加え,それぞれの点数とマイナ保険証利用率をまとめた表と要点は下記のとおりです。

<令和7年4月以降の医療DX 推進体制整備加算の取扱いについて>

  • 電子処方箋の体制を導入しなくてもよい点数として,加算4,5,6が新設された。
  • 加算6の点数(電子処方箋の体制を導入せず,マイナ保険証利用率が最も低い場合の点数)は8点とされ,現在の加算3の8点と同じ点数を4月以降も引き続き算定することが可能。
  • マイナ保険証利用率の実績要件は,昨年12月2日からマイナ保険証を基本とする仕組みに移行したこと等を踏まえて引き上げられるが,利用率が上がれば,より高い点数を算定できる。
  • 令和7年10 月以降のマイナ保険証利用率の実績要件は附帯意見を踏まえ,同年7月を目途に検討,設定される予定。

 なお,小児においてはマイナ保険証の利用率が低いことから,小児科外来診療料を算定している医療機関であって,かつ,前年(令和6年1月1日から同年12月31日まで)の延外来患者数のうち6歳未満の患者の割合が3割以上の医療機関が加算3及び加算6を算定するに当たっては,令和7年4月1日から同年9月30日までの間に限り,マイナ保険証利用率実績の要件を「15%以上」ではなく,「12%以上」とすることが可能であり,この取扱いを適用する場合は同年4月4日までに新たな様式による施設基準の届出が必要となっております。

  • 令和7年3月31日時点で既に医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている医療機関であって,上記の小児に配慮した取扱いを利用せずとも,同年4月以降に加算3及び加算6を算定可能である場合は,新たな様式で届出し直すことは不要。

(2) マイナ保険証利用率について
 令和7年4月以降の算定に係るマイナ保険証利用率とは,「レセプト件数ベースマイナ保険証利用率」であって,社会保険診療報酬支払基金よりメールでお知らせがあり,また医療機関等向け総合ポータルサイトでも確認できるものです。
 本加算を算定する月の3月前のマイナ保険証利用率とその前月,前々月の利用率のうち最も高い率を用いて算定が可能となります。

  • マイナ保険証利用率が変動したことに伴い加算の区分が変更する場合であっても,届出をし直す必要はありません。なお,加算3または加算6の基準に満たない場合は加算を算定できませんが,その場合でも届出の取り下げは不要です。

【電子処方箋要件なしの場合の例】

2025年4月1日号TOP