松井執行部 5期目 発足

新執行部役員に就任して

新任のご挨拶  理事  鎌田 雄一郎

 この度,新たに理事を拝命いたしました亀岡市医師会の鎌田雄一郎です。地域医療部で「地域医療対策」などを,保険医療部で「労災・自賠」を担当させていただきます。
 40歳⼿前から公立南丹病院(現京都中部総合医療センター)で勤務し,亀岡市立病院開設にともない,立ち上げに参加した後,当地で開業しています。
 新型コロナウイルス感染症蔓延時に運悪く地区医師会長でした。当時亀岡市の人口は9万人前後で,京都府からは人口規模から亀岡市単独での対応を指示されています。担当市職員は非常によく対応され毎夜遅くまで情報が上がってくる状況でした。亀岡市には核となる総合病院が無い中,府医,南丹保健所,近隣病院,何より地区の先生方,等のご協力でなんとか乗り切ることができ,皆様方には改めて感謝いたします。
 ただ,その中で露呈された郡部での問題点は変わらず,特に夜間休日の医療体制はさらに悪化しています。医療経営も難しくなる中,地方の医療をどのように維持できるのか,皆様と考えていければと思っています。 オールドルーキーですがアミロイドβとともに,少しは経験も蓄積されてきています。2年間よろしくお願いいたします。

再任のご挨拶  理事  内田 寛治

 今期も府医理事を務めさせていただきます。改めまして,よろしくお願いいたします。
 2期4年間総務部全般,会計を担当しておりましたが,今期は総務部では医業経営,保険医療部では指導を主に担当することになりました。診療報酬改定の度に各項目の算定要件などが煩雑になり,先生方のご負担になっていると思います。解りにくい部分も多くありますので,保険診療の理解を深めていただき誤った保険請求にならないよう,新規開業の先生方に対して随時府医で開催しております保険診療講習会や各地区懇談会での保険医療懇談会において情報提供しておりますが,さらに広く提供していきたいと考えております。また,総務部全般,保険医療部全般,健康スポーツにも今までどおり関わり,しっかりサポートしてまいります。
 府医の最重要課題の一つである会員増強,組織力強化に対しても,今まで以上に取組んでいきたいと考えておりますので,皆様のさらなるご理解,ご協力をお願いいたします。

再任のご挨拶  理事  髙階 謙一郎

 この度,松井府医執行部において引続き理事を拝命いたしました,髙階謙一郎です。府医理事としての任を仰せつかるのは今回で5期目となります。今期からは,従来の「救急災害委員会」を発展させた「救急災害危機管理対策委員会」において,JMAT等の災害対応,メディカルコントロールに関する救急医療全般,さらに危機管理全般を担当させていただきます。
 新型コロナウイルス感染症という“災害級”のパンデミックもようやく落ち着きましたが,この経験は私たちに多くの課題と教訓を残しました。とくに,救急医療体制の脆弱性が明らかとなり,今後の備えの方向性が見えてきたと実感しております。府内における司令塔機能の整備,医療機関の役割分担の明確化,さらには福祉・介護施設との連携強化など,取組むべき課題は山積しています。
 災害医療においては,南海トラフ地震や花折断層地震を想定した地震対策をはじめ,自然災害全般への備えとして,より実効性ある災害・危機管理体制の構築を進めてまいります。府医としても,これまでの災害拠点病院中心の対策から一歩進め,地域の医療機関・診療所・在宅医療機関を含めた地元に密着した災害対応体制へとシフトし,全体の災害対応力の底上げを目指していきたいと考えております。
 また,日医関連では「外国人医療対策委員会」の委員を引続き務めており,訪日外国人医療への対応を担当しています。コロナ禍を経て訪日外国人数は再び増加傾向にあり,今後は診療所を含め,より幅広い医療機関での対応が求められると予想されます。現場で対応される先生方の負担軽減に向けて,制度整備や支援策の推進にも努めてまいります。
 微力ではございますが,全力を尽くしてまいりますので,会員の先生方のご指導・ご鞭撻を賜りますよう,何卒よろしくお願い申し上げます。

再任のご挨拶  理事  松田 義和

 この度,引続き6期目の理事を拝命いたしました,松田でございます。前期と引続き学術総括・ICT推進・京あんしんネット・学校乳幼児保健を担当いたします。
 現在多くの医療機関で導入されている全国医療情報プラットホーム(レセプトオンライン請求およびオンライン資格確認)や,厚労省の推進している標準型電子カルテなどは,医療現場におけるICT連携に資するシステムですが,経費面と運用上のメリットとのバランスが大きな問題となっています。府医としては,個々の医療機関にとって本当に必要なしくみが医療機関の負担なく構築されることを引続き要望していきます。
 府医におきましては引続き京あんしんネット・京あんしんフォンについて取組んでまいります。ことに京あんしんフォンは全国に先駆けて地域ネットワークとセキュリティを安価で担保するツールでございます。会員のみなさまにおかれましては是非とも導入について前向きにご検討いただきますようお願い申し上げます。
 学校保健に関しては,家庭や社会の問題が直接・間接的にさまざまな影響を与えております。学校医の先生方におかれましては,大変お忙しい中非常な労力を割きながらも懸命にご対応いただいていることまことにありがたく思います。上半身脱衣問題が社会問題にもとりあげられるなど,学校医に対する理不尽とも思える報道など現場に大きな負担感があることを府医としても認識しており,また地域によっては学校医の確保にも大変なご尽力をいただいております。京都市内におきましては京都市学校医会と,京都市以外の地域では各地区医と各教育委員会ともしっかり足並みをそろえて,各種の問題にしっかりと対応してまいる所存です。また予期せぬ問題などがございましたら,ご意見頂戴できれば幸いでございます。

再任のご挨拶  理事  市田 哲郎

 この度,理事再任となりました市田でございます。3期目になります。今期も地域医療を中心にスポーツ医学,リハビリテーション,災害対策,ICT,DXに取組んでいきたいと思っております。
 先日来,在宅医療に関するアンケートを集計しておりますが,開業医の減少が思ったよりも速いペースで進む可能性を危惧しております。影響が大きい地域については今後に向けてのプランニングが急務となりそうであり,今期はこれがメインのテーマになるものと考えております。ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

再任のご挨拶  理事  加藤 則人

 4期目の府医理事を務めさせていただきます加藤則人です。引続き医師の臨床研修を担当することになりました。
 「京都で良医を育てる」との理念に基づいて,研修サポート委員,若⼿医師ワーキンググループを始めとする多くの方々の尽力により,若い医師を対象にして他の都道府県医師会に類を見ないユニークな取組みを数多く展開しています。卒後研修については4月の「新研修医総合オリエンテーション」夏と冬の「臨床研修屋根瓦塾KYOTO」,情報誌「Arzt」の発刊をはじめとした事業を通じて,未来の医療を担う若い医師たちに必要な知識やスキルの習得をサポートするとともに,多くの医師たちとの「タテのつながり」,「ヨコのつながり」をつくる機会を提供しています。これらの府医の活動を通じて京都府民の健康のために貢献していきたいと決意を新たにしています。
 今後とも,会員の先生方のご指導,ご鞭撻をお願い申し上げます。

再任のご挨拶  理事  尾池 文隆

 学術・生涯教育,勤務医関係を担当させていただきます尾池⽂隆です。
 学術生涯教育委員会は,各専門医会や大学から選出される委員によって,生涯教育セミナーや京都医学会,京都医学会雑誌などを企画していただき,会員の皆様に学術研鑽の機会を提供しています。昨年の第50回京都医学会は,Re-1グランプリや専門医会レクチャーなど,実地に役立つ情報が満載で,若⼿医師たちとともに学ぶ喜びは素晴らしいものでした。第51回もわくわくするような特別講演,シンポジウムが企画されておりますので,是非とも先生方のご参加をお願いいたします。
 昨今の病院をとりまく状況は,公的であるか私立であるかを問わず非常に厳しいものになっています。私自身,医師になり35年が過ぎましたが,この期間においてもこれほどの状況は初めてのことだと感じています。特に人⼿不足は急速に進んでおり,医療提供体制の根本を揺るがす深刻な問題です。勤務医部会では,多くの病院の病院長,副病院長の方々に幹事に就任していただいており,京都における働き方改革,医師偏在など,病院・勤務医に関する諸問題について議論されてきましたが,病院全体が危機に陥っているこの現状においては,勤務医・開業医,病院・大学,医療・行政をつないだ,より視野の広い議論が必要です。府医という唯一の医師専門職能団体の中で勤務医の果たすべき役割は,ますます重要になっています。
 今期2期目の府医理事を拝命し,ますます厳しくなる医療情勢のなか,重責を果たせるのか大変不安を感じておりますが,少しでも会員の先生方のお役に立てるように精一杯努力いたしますので,皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

新任のご挨拶  理事  飯田 明男

 この度,理事を拝命いたしました飯田明男と申します。
 広報,医事紛争,前立腺がん検診を担当させていただきます。
 前回,2019年6月から2023年6月までの4年間,ちょうどコロナ禍と重なる時期に理事をさせていただき,新興感染症に対する対応は貴重な経験となりました。
 今回の担当は前回と同じで,馴染みがあると同時に新たな責任を身に染みて感じております。
 広報に関しましては,京都医報,京の医⾷住,BeWellなどの出版物の企画・編集が主なものとなりますが,京の医⾷住では著名人との対談という任務があります。
 これまでギャル曽根⽒,兄弟漫才のミキ⽒,マツダCXシリーズのデザイナーである前田育男⽒,俳優の佐々木蔵之介⽒などとの対談の機会を得ましたが,何れも私にとって大きな財産となっております。
 京都医報につきましては第一義的には府医からの情報伝達ツールとしての役割が大きいことは言うまでもありませんが,読み物としての面白みに欠けるとの声をお聞きすることもあり,コンテンツの充実が今後の課題と考えております。
 医事紛争に関しましては,毎月第二火曜日に医事紛争相談室を開催しており,様々な専門領域の会員医師約10名,弁護士,損保会社の担当者,事務局の10数名が集まって事故報告のあった案件について紛争対応や賠償に関する審議を行っております。
 紛争はないに越したことはありませんが,採血にともなう神経損傷や施設内での転倒事案など,いつどこで発生してもおかしくない状況であり,会員先生方におかれましては是非ともケーエムエーの医賠責保険へのご加入をおすすめいたします。
 前立腺がん検診に関しましては泌尿器科医の私にとっては専門領域であり府立医大の泌尿器科医としてはライフワークともいえるものですが,自己負担額が他の市町よりも高いことやPSAという腫瘍マーカーの認知度が高く,かかりつけ医・人間ドック・高齢者がん検診など,検診の機会が他にもあることなどもあり受診率が伸び悩んでいる状況です。
 今後も受診率の向上と精度管理に尽力してまいります。
 今後とも,会員先生方からのご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして,就任のご挨拶とさせていただきます。

再任のご挨拶  理事  細田 哲也

 この度,6月の定時代議員会で理事に再任していただきました。
 引続き,母子保健,妊婦健診,母体保護法,子宮がん検診等を担当させていただきます。
 少子化は災害級に加速し今後の医療体制の変更を余儀なくされ,我々産婦人科は日々皮膚感覚でその危機を痛感しております。医業経営や周産期医療の維持のために行政と協働し対策する必要性が増します。また懸案である妊産婦メンタルヘルスにおける京都府内での診療体制の構築も急がねばなりません。
 母体保護法関連では経口人工妊娠中絶薬の使用が拡大しつつあり,京都府内での運用を監視する責務が益々増えていきます。事務的な負担が増大しないように効率化が必要になると考えております。また中絶症例が減少する中での指定医師の質の担保も課題です。
 子宮がん検診においては国が従来の細胞診からHPV遺伝子検査単独法による検診に舵を切りました。京都府においてもその導入に向けて各市町の担当者や産婦人科医会の会員で構成されるワーキングが昨年度から始動しましたが,可及的速やかにかつ慎重に進める必要があります。
 府医の理事を拝命してから丸6年経過し,本当に素晴らしい経験をさせていただいていることに感謝しております。同時に個人的・環境的な問題も把握できました。皆さまのご理解とご指導を賜りながら今期努めてまいりたいと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。

再任のご挨拶  理事  武田 貞子

 会員先生方には日頃より大変お世話になり誠にありがとうございます。府医理事として6期目を務めさせていただきます武田貞子です。今期も,地域医療総括,乳がん検診,府医看護専門学校を担当いたします。
 さて,今期の抱負ですが,乳がん検診について,38%と低い受診率(令和5年度京都府調査)を向上させるための取組みを行政と協力しながら進めていきたいと考えています。また,看護専門学校については,4年後の閉校までの入学者全員を看護師,助産師として社会に送り出すために,学校として⼿厚い支援体制を整えることに注力したいと考えています。
 府医看護専門学校の閉鎖については昨年の定時代議員会で松井道宣府医会長から詳細にご報告いただきましたように,18歳人口の減少に加え,大学における看護学科の新設が相次ぎ,特に専門学校においては受験者数の減少から定員の確保すら困難となる状況が続いております。本校も例に漏れず,この数年で受験者数,学生数が大幅に減少し,結果として学校運営で発生した赤字を看護学校改築特別会計で賄うという状況が常態化しておりました。しかし,この看護学校改築特別会計が底をつけば,学校の赤字が府医本体の会計に重くのしかかります。そのため,2024年に急遽「学校のあり方検討会議」を設置し協議を重ねた結果,苦渋の決断ではありましたが2029年3月をもって閉校することが決定いたしました。看護師等の育成を府医の責務として学校の運営にかかわってこられた先達には大変申し訳ない気持ちでいっぱいですが,今後は,「看護師等の育成は地域社会の責務」とし,看護師等確保対策とともに地域医療構想の一環に加え,そこに我々医師会も協力する形で進めていくのがあるべき姿ではないかと考えます。
 今期も微力ではございますが府医理事として尽力してまいりますので,会員先生方におかれましては,ご理解,ご協力のほどを,どうぞ宜しくお願い申し上げます。

再任のご挨拶  理事  小柳津 治樹

 6月の改選を経て再び理事の任を務めさせていただくこととなりました,小柳津でございます。前期までは,主に地域医療を担当させていただいておりましたが,この度,新たに保険医療全般と医療政策を担当することとなり,深い責任を感じるとともに,貴重な機会をいただいたことを感謝申し上げます。
 現在,医療政策や健康保険制度は多くの課題を抱え,今後ますます複雑化することが予想されます。その中で,適切かつ持続可能な政策が実現されているか,客観的な視点に基づく分析と協議が必要不可欠であると考えます。また,政策決定に至ったプロセス等を吟味し,皆様へわかりやすく丁寧にお伝えしていくことを目指し誠心誠意取組んでまいります。
 皆様の知恵とご意見を活かしながら,医師会全体の発展に寄与できるよう精一杯務めてまいります。引続きのご指導,ご支援を賜りますようお願い申し上げます。ともに,より良い医療環境の構築を目指して進んでいければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

再任のご挨拶  理事  森口 次郎

 去る6月の府医代議員会で理事に再任していただきました。今期も,地域医療の産業保健を中心に担当させていただきます。
 産業医に関わる行政の動向として,労働者50人未満の事業場へのストレスチェックの義務拡大を含む改正労働安全衛生法が大きな注目を集めています。この義務拡大に関しては,50人未満の事業場の負担等を考慮して,準備期間を確保するため,「公布後3年以内に政令で定める日」とされています。これにともない昨年3月から10月にかけて開催された「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」が再開されることとなり,私は引続き検討会の構成員を担当するとともに小規模事業場向けのストレスチェックマニュアルワーキンググループにも参加することとなりました。府医の立場を踏まえて議論に参加したいと考えております。
 そのほかにも,化学物質の自律的管理,小規模事業場向け産業医活動支援モデル事業など産業保健に関わる新たな動きがあります。今後も産業医科大学との連携による認定産業医研修「集中講座」など良質でタイムリーな産業医研修を行うとともに,安心して産業医として勤務いただける体制整備にも取組み,京都府の産業保健向上に努めてまいる所存です。
 一層のご指導,ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。

2025年8月15日号TOP