薬価基準の一部改正等について

 11月11日付厚生労働省告示第298号および299号をもって薬価基準,掲示事項等告示が改正され,11月12日から適用されました(ただし,厚生労働省告示第298号の改正規則は,令和8年2月1日から適用)ので,概要を下記のとおりお知らせします。

▷新たに収載されたもの(令和7年 11 月 12 日から適用)

< 内 用 薬 >

< 注 射 薬 >

< 外 用 薬 >

▷費用対効果評価結果に基づき価格調整されたもの(令和8年2月1日から適用)

< 注 射 薬 >

▷市場拡大再算定を適用し薬価改定されたもの(令和8年2月1日から適用)

< 注 射 薬 >

▷掲示事項等告示の一部改正について
(1) 経過措置品目となったもの(令和8年3月 31 日まで)

< 内 用 薬 >

< 注 射 薬 >

< 外 用 薬 >

(2) 新医薬品(医薬品医療機器等法第14 条の4第1項第1号に規定する新医薬品をいう。)につ いては,掲示事項等告示第10 第2号(1)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14 日分を 限度とする。)が適用されるが,新たに当該制限の例外とした新医薬品は,次のとおりであること。
・ビルベイ顆粒200μg 及び同顆粒600μg(1回の投薬量が30 日分以内である場合に限る。)

▷薬価基準の一部改正に伴う留意事項について

  • ナルティーク OD 錠 75mg
    •  本製剤の重要な基本的注意において,「本剤は片頭痛の治療に関する十分な知識及び経験を有する医師のもとで使用すること。」とされているので,片頭痛の治療に関する十分な知識及び経験を有し,本製剤についての十分な知識を有している医師のもとで使用すること。
    •  片頭痛発作の急性期治療本製剤の効能又は効果に関連する注意において「本剤は国際頭痛学会による片頭痛診断基準により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
    •  片頭痛発作の発症抑制
      •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において「十分な診察を実施し,前兆のある又は前兆のない片頭痛の発作が月に複数回以上発現している,又は慢性片頭痛であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。」とされており,国内第Ⅲ相試験では,「観察期間(28日間)中の片頭痛日数が4日以上かつ頭痛日数が18日以下」の患者が対象とされていることから,使用に当たっては十分留意し,本製剤の投与開始前の4週間あたりの片頭痛日数の平均をレセプトの摘要欄に記載すること。
      •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,
        「最新のガイドライン等を参考に,非薬物療法,片頭痛発作の急性期治療等を適切に行っても日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
      •  本製剤の用法及び用量に関連する注意において,「本剤投与中は症状の経過を十分に観察し,本剤投与開始後3ヵ月を目安に治療上の有益性を評価して症状の改善が認められない場合には,本剤の投与中止を考慮すること。」とされているので,当該評価を実施した際のレセプトの摘要欄に,症状の改善が認められた旨を記載すること。
      •  本製剤の用法及び用量に関連する注意において,「定期的に投与継続の要否について検討し,頭痛発作発現の消失・軽減等により日常生活に支障をきたさなくなった場合には,本剤の投与中止を考慮すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
  • ネクセトール錠 180mg
    •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,
       「HMG-CoA 還元酵素阻害剤で効果不十分,又は以下に示す HMG-CoA 還元酵素阻害剤による治療が適さない患者に使用すること。
      • 副作用の既往等により HMG-CoA 還元酵素阻害剤の使用が困難な患者
      • HMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が禁忌とされる患者」
        とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
    •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「家族性高コレステロール血症のうちホモ接合体については使用経験がないので,治療上やむを得ないと判断される場合のみ,LDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として本剤の適用を考慮すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
  • ビルベイ顆粒 200μg 及び同顆粒 600μg
    •  本製剤は,新医薬品として承認されたものであるが,掲示事項等告示第10第2号(1)に規定する新医薬品に係る投薬期間制限(14日分を限度とする。)の適用に当たっては,本製剤の効能・効果に係る疾患の特性や治験の成績を勘案し,特例的に当該医薬品の投薬期間制限を14日分ではなく30日分として取り扱うこと。
       なお,本製剤の取扱い上の注意において,「光を避けるため,ボトル開封後も元のボトルのまま保管すること」とされているので,本製剤は,基本的に小分けせずにボトル単位で処方・管理することが望ましい。
    •  令和7年12月1日から起算して1年を経過していない間は,概ね1か月に1回の頻度で診察を行うとともに,概ね2週間に1回の頻度で電話等を用いて,患者の状態や服薬の状況等を確認すること。また,その間,本製剤処方時には前回処方時以降の当該診察又は電話等による確認の実施年月日をレセプトの摘要欄に記載すること。
  • イブトロジーカプセル 200mg
     本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により,ROS1融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。」とされているので,ROS1融合遺伝子陽性を確認した検査の実施年月日をレセプトの摘要欄に記載すること。
     なお,当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし,本製剤の初回投与に当たっては,必ず当該検査の実施年月日を記載すること。
  • ヘルネクシオス錠 60mg
     本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により,HER2(ERBB2)遺伝子変異が確認された患者に投与すること。」とされているので,HER2(ERBB2)遺伝子変異を確認した検査の実施年月日をレセプトの摘要欄に記載すること。
     なお,当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし,本製剤の初回投与に当たっては,必ず当該検査の実施年月日を記載すること。
  • アイザベイ硝子体内注射液 20mg/mL
    •  本製剤の投与にあたっては,本製剤の効能又は効果が「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」である点に十分留意すること。
    •  本製剤の重要な基本的注意において,「網膜疾患に関する専門知識を有し,硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。」とされているので,萎縮型加齢黄斑変性の病態,診断及び治療を熟知し,本製剤についての十分な知識を有している医師のもとで使用すること。
    •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「眼底自発蛍光検査や眼底三次元画像解析を用いて,投与開始時に加え投与中には定期的に地図状萎縮の中心窩への拡大の有無を評価した上で,治療上の有益性と危険性を十分に勘案し,本剤の投与の適否を慎重に判断すること。」とされており,その他の注意において,「地図状萎縮の中心窩への拡大が認められた被験者では,持続性視力喪失のハザード比の点推定値において,本剤群とシャム群の間に差は認められなかった。」とされているので,地図状萎縮の中心窩への拡大に関する評価を実施した際のレセプトの摘要欄に,当該評価の結果を記載すること。
  • プルヴィクト静注
    •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「承認された診断用医薬品を用いた検査により,PSMA陽性病変を有することが確認された患者に投与すること。」とされているので,PSMA陽性病変を有することを確認した検査の実施年月日をレセプトの摘要欄に記載すること。
       なお,当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし,本製剤の初回投与に当たっては,必ず当該検査の実施年月日を記載すること。
    •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「臨床試験に組み入れられた患者の治療歴等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,タキサン系抗悪性腫瘍剤の適応となる患者においては,タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療の実施についても慎重に検討し,適応患者の選択を行うこと。」及び「アビラテロン,エンザルタミド,アパルタミド又はダロルタミドによる治療歴のない患者における有効性及び安全性は確立していない。」とされているので,本製剤の投与開始に当たっては,本製剤の投与が必要と判断した理由及び前立腺癌に対する薬物治療歴をレセプトの摘要欄に記載すること。
  • ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ及びガリアファーム溶出用0.1mol/L塩酸溶液塩化ガリウム(68Ga)溶液の溶出を行う際に,構成品の溶出用0.1mol/L塩酸溶液とは別に,ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ専用の溶出用0.1mol/L塩酸溶液を用いて溶出を行った場合に限り,「ガリアファーム溶出用0.1mol/L塩酸溶液」として算定できるものであること。算定にあたっては,本製剤の適用上の注意において,「充填量は,事前溶出では10mL,68Ga標識のための溶出では5mLとする。」とされていることから,事前溶出が必要な場合は15mL,事前溶出が必要ない場合は5mLを算定できるものであること。
  • トシリズマブ BS 点滴静注 80mg「CT」,同点滴静注 200mg「CT」及び同点滴静注 400mg「CT」
    •  既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)及び既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
       本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「過去の治療において,少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても,効果不十分な場合に投与すること。」と記載されているので,使用に当たっては十分留意すること。
    •  既存治療で効果不十分な全身型若年性特発性関節炎
       本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「過去の治療において,副腎皮質ステロイド薬による適切な治療を行っても,効果不十分な場合に投与すること。」と記載されているので,使用に当たっては十分留意すること。
    •  悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群
       本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「本剤の投与にあたっては,学会のガイドライン等の最新の情報を参考に適応患者を選択し,その他の対症療法の実施とともに使用すること。」と記載されているので,使用に当たっては,十分留意すること。
  • 「医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について」(令和2年11月27日付け保医発1127第3号)の記の1の(2)の「ゾフルーザ錠20mg」を「ゾフルーザ錠10mg,同錠20mg及び同顆粒2%分包」に,1の(2)の②の「使用上の注意」を「用法及び用量に関連する注意」に改め,③を加える。
    • ゾフルーザ錠 10mg,同錠 20mg 及び同顆粒2% 分包
      •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において,「小児に対する投与については,低年齢になるほど低感受性株の出現頻度が高くなる傾向が示されていることから,学会等から提唱されている最新のガイドライン等を参照し,慎重に検討すること。」及び「体重20kg未満の小児に対する投与については,他の抗インフルエンザウイルス薬の使用を考慮した上で,本剤の投与の必要性を特に慎重に検討すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
  • 「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について」(平成29年8月29日付け保医発0829第8号)の記の3の(3)を次のように改める。
    • スピンラザ髄注 12mg,同髄注 28mg,髄注 50mg
      •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において「遺伝子検査により,SMN1遺伝子の欠失又は変異を有し,SMN2遺伝子のコピー数が1以上であることが確認された患者に投与すること。」とされているので,SMN1遺伝子の欠失又は変異を有し,SMN2遺伝子のコピー数が1以上であることを確認した遺伝子検査の実施年月日をレセプトの摘要欄に記載すること。
         なお,当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし,本製剤の初回投与に当たっては,必ず当該検査の実施年月日を記載すること。
      •  日本小児神経学会の「ゾルゲンスマ点滴静注適正使用指針」において,「本品投与後に脊髄性筋萎縮症に対する他剤(ヌシネルセンナトリウム等)を投与した際の有効性及び安全性は確認されていないことから,本品投与後の他剤(ヌシネルセンナトリウム等)投与を推奨しない。他剤による追加治療については,本品による治療の後,一定期間維持されていた運動マイルストーンが消失し,本品投与によって生じた副作用が臨床的に問題ない状態まで回復し,安全性上のリスクが十分管理可能と考えられる患者にのみ検討すること。」とされていることから,オナセムノゲンアベパルボベク(販売名:ゾルゲンスマ点滴静注)の投与後に本製剤を投与する場合は,その必要性を適切に判断し,投与が必要な理由をレセプトの摘要欄に記載すること。
      •  本製剤の効能又は効果に関連する注意において「SMN2遺伝子のコピー数が4以上の臨床所見が発現する前の患者については,無治療経過観察の選択肢についても十分検討し,本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与の必要性を判断すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
      •  本製剤の用法及び用量に関連する注意において「本剤の用法・用量の選択に当たっては,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,1回50mg/28mg投与時及び1回12mg相当量投与時における,有効性及び安全性を十分に理解した上で,患者の状態に応じて判断すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。

▷関係通知の一部改正について

(1) 「使用薬剤の薬価(薬価基準)の一部改正等について」(令和元年11 月18 日付け保医発 1118 第1号)の記の3の(5)(傍線部分は改正部分)

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