2025年2月1日号
副会長 今出 陽一朗
一般社団法人与謝医師会は宮津市,伊根町,与謝野町の1市2町の領域で現在会員はA会員32名,B会員27名,C会員2名の計61名で構成されている小規模な医師会です。今回は当地域でのACPを活用した在宅医療戦略「マイホームミクスにおける3本の矢」を紹介させていただきます。
マイホームクスとは宮津・与謝地域の在宅医療戦略「Miyazu Yosa Home Medical Care Strategy(MY Home MCS)」の略で,身体的健康度が下がって要介護状態になっても3本の矢で,自分らしく幸せや楽しみ,安らぎを感じながら過ごせるように,想いに沿った体系的な支援を行うというもので,医療・介護関係者用(2024年1月),一般住民用(2024年9月)のリーフレットを発行しました。第1の矢は「ACP/人生会議による本人の想いの確認・共有」,第2の矢は「多職種連携による丁寧で切れ目のない支援」,第3の矢は「在宅看取りサポートシステムによる後方支援」です。この3本の矢の体系的支援で身体的健康度が下がっても本人の幸せ度を高い水準に保ち,ご家族の精神的・身体的負担を最小限にして在宅療養を継続し,自宅での最期を望む方には可能な限り在宅看取りを叶えることを目指しています。
リーフレット2頁目の上段に身体的健康と心の幸せ度とご家族の負担度のイメージ図を載せています。第1の矢の説明では当医師会でACPのきっかけ作りのために作成したリーフレット「人生会議と私の想い(事前指示書:簡易版)」を用いてACPの説明を行い,その際に本人の想いと人生観等をお聴きして望まれるあり方に近づけます。このリーフレットの特徴は地域住民の方に馴染み親しみやすいように,イラストを多用して事前指示書の項目も最小限にしぼり簡潔にしている点です。第2の矢では多職種連携の患者情報を共有する手段として「京あんしんネット」を活用して支援の充実を図っています。第3の矢では北部医療センターの全面的協力により,かかりつけ医不在時の看取り(死亡診断)を代行で往診して行っていただき,かかりつけ医不在でも穏やかな在宅看取りができています。
資料1.「マイホームミクスにおける3本の矢」(一般住民用)
資料2.「人生会議と私の想い(事前指示書:簡易版)」
なお,住民用のリーフレットは2024年10月5日開催の宮津市在宅医療・介護連携シンポジウムと11月30日開催の与謝野町在宅医療・介護連携事業セミナーにて参加された住民に配布して説明を行いました。またリーフレットは与謝医師会もしくは今出クリニックのHPで閲覧やダウンロード可能となっています。
一般社団法人 与謝医師会
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会 長:山根 行雄
会員数:61 人(2025.1.1現在)