2025年3月1日号
令和6年11月下旬から令和7年1月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆厚生労働省が11月20日に開いた「新たな地域医療構想等に関する検討会」では,医師偏在是正対策の経済的インセンティブについて議論された。「重点医師偏在対策支援区域(仮称)」の医師確保を推進するため,都道府県の「医師偏在是正プラン(仮称)」に基づき,経済的インセンティブを講じることを提案。必要な財源の一部を保険者からの拠出で賄う考え方を巡り,賛否の意見が出た。◆厚生労働省は11月28日,社会保障審議会の医療保険部会と医療部会に,「新たな地域医療構想等に関する検討会」で議論している医師偏在是正策の内容を報告した。両部会を通じて,保険者から財源の拠出を求める考えについて,被保険者を納得させられる根拠が示されていないとの声が相次ぎ,慎重な対応を求める意見が大勢を占めた。◆厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会は11月28日,高額療養費制度の見直しについて議論。同部会委員の城守日医常任理事は,高額薬剤の登場や医療技術の進歩で医療保険財政が逼迫している点に理解を示す一方,受療行動の変化が患者の状態悪化を招かないためにも,見直しの議論は丁寧に進めることが重要だと訴えた。◆松本吉郎日医会長は12月4日の定例会見で,医療・介護・障害福祉従事者の賃上げや医師偏在対策として2,861億円が計上された2024年度補正予算案について,「医療界全体による切実な訴えが,今回の予算措置として実を結んだもの」と評価した。ベースアップ評価料の算定施設を対象に支援する「生産性向上・職場環境整備等事業」では,ベア評価料をこれから算定する医療機関も対象となるよう国へ働きかけるとともに,届け出をしていない医療機関に対して積極的な届け出を引続き呼びかける考えを示した。◆厚生労働省が通常国会への提出を目指している医療法改正案の概要として,地域医療構想の見直し,医師偏在是正に向けた総合的対策,医療DXの推進が大きな柱となることが示された。与党との調整を経て,予算関連として2月中旬に閣議決定し,提出される見通し。医療法のほか,医療介護総合確保推進法,健康保険法などが一括して改正される。―といった話題を中心に説明した。
地区からは,財務省が提案する「特定過剰サービス」の具体的な内容について問われた。
府医は,地域間や診療科間で生じている医師偏在を是正するため,医療サービスの過剰地域において特定の医療機関に対し,「特定過剰サービス」として診療報酬上の減算を行うなどの措置をとるよう財務省が主張していると説明した上で,その内容は医療現場と大きくかけ離れた提案であるとの考えを示し,日医とともに意見を申し入れていると回答した。
令和7年2月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。
府医感染症対策委員会は,新型コロナウイルス感染症への対応を検証するための基礎データ作成を目的としてアンケート調査を実施していることを連絡。調査結果は令和7年6月頃に京都医報等で報告する予定とした。
外来・在宅ベースアップ評価料(1)の届出方法について手順を解説し,広く算定することを呼びかけた。