2025年5月1日号
日医は3月26日(水),都道府県医師会かかりつけ医機能担当理事連絡協議会を開催し,府医からも3名の役員がWEBにて参加した。
当日は,城守日医常任理事から「かかりつけ医機能報告について」,今村日医常任理事から「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修について」,厚労省からは「かかりつけ医機能報告制度について」と題してそれぞれ説明がされた。
令和7年1月15日号京都医報にてお知らせした「かかりつけ医機能報告制度の概要」と併せて参照されたい。
◆地域のかかりつけ医機能の可視化が目的
-財務省が狙うかかりつけ医の登録制や認定制ではない
城守日医常任理事は,かかりつけ医機能報告制度の目的が地域のかかりつけ医機能を可視化し,必要な機能を確保するためであると強調。この目的を達成するためには,多くの医療機関の報告が必要不可欠であるとして,積極的な報告を要請した。
報告が少なければ,「現在の制度設計では,地域を面として支えることは困難だ」と財務省などに追及されることは必至で,かかりつけ医機能のハブとなる医療機関の認定や患者の登録制などの議論が蒸し返されることに懸念が示された。
具体的な報告方法は,夏ごろに厚労省がガイドラインを示す予定であり,極めて簡便な方法となるよう厚労省に要望していることを強調した。また,医療機関が定期報告している「医療機能情報提供制度」に追加され,初回は令和8年1月~3月に,都道府県に対して,G-MIS(医療機関等情報支援システム)を用いて報告することになるとの説明があった。
◆日医がかかりつけ医機能報告制度にかかる研修を新設
-多くの会員が研修修了できる設計
今村日医常任理事は,日医が創設する「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」は,「座学(知識)」と「実地(経験)」のそれぞれが必須で,あわせて10単位以上で修了証が発行されるとし,多くの会員が修了できる制度設計にしていると説明した(10ページ記事参照)。
座学は日医生涯教育制度の単位取得(1時間・1単位),実地は地域に根差した活動(1項目・5単位)となり,例えば①座学(5単位)+実地(5単位)または②座学(1単位)+実地(10単位)で修了証が発行されるとした。
質疑応答では,報告が煩雑にならないよう簡易な仕組みを要請する意見に対して,日医からも厚労省に簡素化するよう求めていると回答した上で,煩雑といった理由で制度整備が進まなければ,5年後の制度の見直し時に財務省主導の認定制や登録制につながりかねないとの危機感があらためて示された。また,松本日医会長は,かかりつけ医の制度化に結び付かないよう,かかりつけ医機能を強化することに注力してきたと説明し,ニュアンスの違いへの理解を求めた。
※日医作成スライドを抜粋