2025年11月1日号
広報担当理事 冨井 康宏
昭和21年6月、現在の南区を含む下京の東部が下京第一支部となり、昭和22年1月に下京東部医師会が発足しました。昭和23年の会員数は7班75名、当時のA会員の入会金30円、月会費10円には物価の違いを感じます。昭和30年9月におおむね当時の国鉄東海道本線以南を南区として下京区から分区された後、昭和57~58年頃に下京西部医師会から「南区にある医療機関を合併して南区医師会を新設しよう」と打診があったものの、「下東を壊したくないから南区に税務署ができたら考えよう」と反対されたそうで、その想いは『下東医旗』にも込められています(図1)。会長任期は2年、副会長が次期会長を務める伝統が続いており、現在第36代会長を前田眞里先生が務めています。
当地区医師会には病院がありません。診療所のみで、現在の会員数は9班105名(A会員81名、B会員24名)、法人化はせず、言わば開業医の仲良しグループで、事務所は前田内科医院を間借りしています。このような規模でも、定例理事会を月1回開催して議論を重ね、京都府医師会や京都府保険医協会との懇談会に臨み、定時総会の他(図2)、納涼ビールパーティー、敬老月見の宴、日帰りレクリエーション、新年会といった会員家族も含めた親睦の諸行事は昭和40年代から慣行しています。最近では、前田眞里会長肝入りの当地区医師会主催の短時間勉強会を定例開催し、日々の診療に役立つ知識を深めています。
さて、当地区医師会が位置するところは、下京区・南区の2つの行政区を2つの地区医師会が担当しています。東が正横綱!とはいかず下京西部医師会に随分多くの役割を担っていただき感謝するばかりですが、少しでも相互補完できればと思います。
このような地区の街並みは変貌しています。下西では大内学区の梅小路公園が整備され、下東では崇仁学区に京都市立芸術大学が移転しました。そして、松井孝治京都市長は令和7年度からの新京都戦略として京都駅前再生を掲げられています。その中心となる京都駅は、明治10年2月5日に神戸−大阪間の鉄道を東に延伸して開業したことにはじまり、さらに東への延伸、奈良や山陰方面への開通、他社線の開業、東海道新幹線の開業などとともに、駅舎の改築も重ね、京都の玄関口として発展しました。建築物やモノや風景のありようが急速に変化する中で、暮らし続けたい地域住民もビジネスパーソンも多国籍の旅行者も、健康面で不安を感じない「街づくり」をできればと思います。
閑話休題。当地区医師会では歴代会長、諸先輩方が「和の精神」を大切に、今日まで受け継がれてきました。COVID-19の流行を経て、医療界でもDXが進められ、利点を活かす「攻め」と欠点を理解する「守り」をいかに共存させるかを考えるべき時が来ていると感じます。時代を超えて普遍的な価値を持つものと時代の変化に合わせて生まれる新しいものが互いに調和し共存することを、松尾芭蕉は蕉風俳諧の理念として「不易流行」という言葉で提唱しました。この理念を大切に、下京東部医師会は邁進してまいります。京都府医師会、行政区をともにする下京西部医師会をはじめとした各地区医師会の皆様には、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
下京東部医師会
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会 長:前田 眞里
会員数:105 人(2025.10 現在)