介護保険ニュース – 高齢者施設等が定める協力医療機関の要件に係る取り扱いについて

 令和6年度介護報酬改定では,高齢者施設等(介護老人福祉施設,地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護,介護老人保健施設,介護医療院,養護老人ホーム,軽費老人ホーム,特定施設入居者生活介護,地域密着型特定施設入居者生活介護および認知症対応型共同生活介護)と協力医療機関との連携強化に係る見直しが行われています。
 今般,高齢者施設等が定める協力医療機関の要件に係る取り扱いについて,Q&Aが示されましたのでお知らせします。

【居住系サービス・施設系サービス】
○ 協力医療機関について

問 介護老人保健施設は,基準省令において,入所者の病状の急変等に備えるため,あらかじめ,協力医療機関を定めておかなければならないこととされている。この点,協力医療機関の要件として,「当該介護老人保健施設からの診療の求めがあった場合において診療を行う体制を,常時確保していること。」,「入所者の病状が急変した場合等において,当該介護老人保健施設の医師又は協力医療機関その他の医療機関の医師が診療を行い,入院を要すると認められた入所者の入院を原則として受け入れる体制を確保していること。」が規定されているが,それぞれ,入所者に対して常に往診を行う体制が整っていない場合,入所者が入院を要する場合に備えて,常に空床を確保していない場合においても要件を満たすものとして差し支えないか。

(答) 貴見のとおり。介護老人保健施設の人員,施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第30条第1項第2号に規定する「当該介護老人保健施設からの診療の求めがあった場合において診療を行う体制を,常時確保していること」の要件については,介護老人保健施設からの診療の求めがあった場合において,常時外来も含めて診療が可能な体制を確保する必要があることを求めているものであり,必ずしも往診を行う体制を常時確保している必要はない。
 また,同項第3号に規定する「入所者の病状が急変した場合等において,当該介護老人保健施設の医師又は協力医療機関その他の医療機関の医師が診療を行い,入院を要すると認められた入所者の入院を原則として受け入れる体制を確保していること」の要件については,必ずしも当該介護老人保健施設の入所者が入院するための専用の病床を確保する必要はなく,一般的に当該地域で在宅療養を行う者を受け入れる体制が確保されていればよい。
 これらの考え方については,介護老人福祉施設,地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護,介護医療院及び養護老人ホームにおける協力医療機関についても同様(※)である。なお,協力医療機関を定めておくことは,令和9年4月1日より義務化(令和9年3月31日まで努力義務)されるが,期限を待たず,可及的速やかに連携体制を構築することが望ましい。

  •  前段の「診療の求めがあった場合において診療を行う体制を,常時確保していること」の要件の考え方については,令和6年度介護報酬改定で協力医療機関を定めることを努力義務とした特定施設入居者生活介護,地域密着型特定施設入居者生活介護,認知症対応型共同生活介護及び軽費老人ホームについても同様である。

2025年10月15日号TOP