2025年9月15日号
医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されているところですが,保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品については,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取り扱いが中医協総会にて了承されています。
今般,7月24日に開催された薬事審議会第二部会において1成分2品目,7月31日に開催された薬事審議会第一部会において2成分3品目についての事前評価が行われた結果,公知申請を行っても差し支えないとの結論となりました。
これを受け,3成分5品目については今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用が可能となりましたので,お知らせします。
記
〈7月24 日から保険適用〉
一般名:トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物
販売名:メキニスト錠0.5mg,同錠2mg
会社名:ノバルティスファーマ株式会社
追記される予定の効能・効果:
がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣癌
追記される予定の効能・効果に関連する注意:
<低異型度漿液性卵巣癌>
本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
追記される予定の用法・用量:
<低異型度漿液性卵巣癌>
通常,成人にはトラメチニブとして2mg を1日1回,空腹時に経口投与する。なお,患者の状態により適宜減量する。
追記される予定の用法・用量に関連する注意:
<低異型度漿液性卵巣癌>
他の抗悪性腫瘍剤との併用について,有効性及び安全性は確立していない。
〈7月31 日から保険適用〉
追記される予定の効能・効果:
自己免疫性溶血性貧血
追記される予定の効能・効果に関連する注意:
<自己免疫性溶血性貧血>
診療ガイドライン等の最新の情報を参考に,本剤の投与が適切と判断される温式又は冷式の自己免疫性溶血性貧血患者に使用すること。
追記される予定の用法・用量:
<自己免疫性溶血性貧血>
通常,リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2 を1週間間隔で4回点滴静注する。
追記される予定の効能・効果(下線部追記):
○次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定
乳癌,悪性黒色腫,子宮頸癌,子宮体癌
○リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価
効能・効果に関連する注意(変更なし):
<センチネルリンパ節の同定>
本剤を用いたセンチネルリンパ節生検は,本検査法に十分な知識と経験を有する医師のもとで,実施が適切と判断される症例において実施すること。なお,症例の選択にあたっては,最新の関連ガイドライン等を参照し,適応となる腫瘍径や部位等について十分な検討を行うこと。
追記される予定の用法・用量(下線部追記):
<センチネルリンパ節の同定>
乳癌のセンチネルリンパ節の同定においては,インドシアニングリーンとして25mgを5mLの注射用水で溶解し,通常5mL以下を悪性腫瘍近傍又は乳輪部の皮下に適宜分割して投与する。悪性黒色腫のセンチネルリンパ節の同定においては,インドシアニングリーンとして25mgを5mLの注射用水で溶解し,通常1mLを悪性腫瘍近傍の皮内数箇所に適宜分割して投与する。子宮頸癌及び子宮体癌のセンチネルリンパ節の同定においては,インドシアニングリーンとして25mgを20mLの注射用水で溶解し,通常4mLを子宮頸部に適宜分割して投与する。<リンパ管静脈吻合術に係るリンパ流の評価>
インドシアニングリーンとして25mg を10mL の注射用水で溶解し,通常1mL をリンパ管静脈吻合術を行う肢の皮下又は皮内に適宜分割して投与する。