保険だより – 公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取り扱い等について

 医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されていますが,
保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品に
ついては,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取
り扱いが,平成22 年8月25 日の中医協総会にて了承されています。

 これを受けて,下記のリツキサン点滴静注については,追加が予定された効能・効果および用法・
用量についてもすでに保険適用されていましたが,今般,2月21 日付で医薬品医療機器等法に基
づく承認事項の一部変更承認がなされ,上記取り扱いによらず保険適用が可能となりました。当該
品目の今後の使用にあたっては,新しい添付文書をご参照いただくこととなります。

 また,2月28 日の薬食審第二部会における事前評価の結果,下記のサンドスタチン皮下注につ
いて公知申請を行っても差し支えないとされ,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量
についても2月28 日から保険適用が可能となりましたので,併せてお知らせします。

○一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)

販売名:リツキサン点滴静注100mg 及び同500mg
会社名:全薬工業株式会社
追記される予定の効能・効果:後天性血栓性血小板減少性紫斑病
追記される予定の用法・用量:
通常,成人には,リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/㎡を1週間間隔で4回点滴静注する。
追記される予定の注意喚起:
【効能・効果に関連する使用上の注意】
後天性血栓性血小板減少性紫斑病に用いる場合は,再発または難治の場合にのみ使用を考慮すること。

○一般名:オクトレオチド酢酸塩

販売名:サンドスタチン皮下注用50㎍,同皮下注用100㎍
会社名:ノバルティスファーマ株式会社
追記される予定の効能・効果:
先天性高インスリン血症に伴う低血糖(他剤による治療で効果が不十分な場合)
追記される予定の用法・用量:
先天性高インスリン血症に伴う低血糖の場合通常,オクトレオチドとして1日量5㎍ /㎏を,3~4回に分けて皮下投与または24時間持続皮下投与する。なお,患者の状態に応じて適宜増減するが,最大投与量は1日量25㎍ /㎏までとする。
追記される予定の注意喚起:
【効能・効果に関連する使用上の注意】

  1. ジアゾキシドによる治療で効果が不十分な場合に本剤の投与を検討すること。
  2. 重症低血糖によって引き起こされる中枢神経症状に対する有効性は認められていない。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
先天性高インスリン血症に伴う低血糖について,本剤の用量は,患者の低血糖状態の重症度,血糖値及び臨床症状に基づき,最も少ない用量で効果が認められるよう,個別に調整すること。増量の際には観察を十分に行いながら慎重に増量すること。 【使用上の注意】
  1. 新生児及び幼児において,壊死性腸炎が報告されていることから,観察を十分に行 い,異常が認められた場合には適切な処置を行う必要があることに関する注意事項。
  2. 成長遅延が報告されていることから,小児に投与する場合は定期的に身長,体重を 測定する必要があることに関する注意事項。

2020年4月1日号TOP