2022年12月1日号
医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されていますが,保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品については,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取り扱いが中医協総会にて了承されています。 今般,10月31日に開催された薬食審第二部会において,下記の3成分7品目についての事前評価が行われた結果,当該品目については公知申請を行っても差し支えないとの結論となりました。 これを受け,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても10月31日から保険適用が可能となりましたので,お知らせします。
▷ 10月31日から保険適用が可能となった医薬品
1.一般名:オキサリプラチン 販売名:エルプラット点滴静注液50mg,同点滴静注液100mg,同点滴静注液200mg 会社名:株式会社ヤクルト本社 効能・効果(変更なし): 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌,結腸癌における術後補助化学療法,治癒 切除不能な膵癌,胃癌,小腸癌 変更される予定の用法・用量(取消線部削除,下線部追加): 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び,結腸癌における術後補助化学療法及 び胃癌にはA法又はB法を,治癒切除不能な膵癌及び小腸癌にはA法を,胃癌にはB 法を使用する。なお,患者の状態により適宜減量する。 A法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはオキサリプラチンとして 85mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し,少なくとも 13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。 B法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはオキサリプラチンとして 130mg/m2(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し,少なくとも 20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。 変更される予定の用法・用量に関連する注意(下線部追加,関連箇所のみ抜粋): 〈胃癌における術後補助療法〉 A法を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。
2.一般名:フルオロウラシル 販売名:5-FU注250mg,同注1000mg 会社名:協和キリン株式会社 変更される予定の効能・効果(下線部追加,関連箇所のみ抜粋): レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法 結腸・直腸癌,小腸癌,治癒切除不能な膵癌,治癒切除不能な進行・再発の胃癌 変更される予定の効能・効果に関連する注意(下線部追加,関連箇所のみ抜粋): 〈治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。 ※レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法を実施する場合に限る 変更される予定の用法・用量(取消線部削除,下線部追加,関連箇所のみ抜粋): 小腸癌,及び治癒切除不能な膵癌及び治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対するレボ ホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法 通常,成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて 点滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラ シルとして400mg/m2(体表面積)を静脈内注射,さらにフルオロウラシルとして 2400mg/m2(体表面積)を46時間持続静注する。これを2週間ごとに繰り返す。 なお,年齢,患者の状態などにより適宜減量する。
3.一般名:レボホリナートカルシウム 販売名:アイソボリン点滴静注用25mg,同点滴静注用100mg 会社名:ファイザー株式会社 変更される予定の効能・効果(取消線部削除,下線部追加,関連箇所のみ抜粋): レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法 結腸・直腸癌,小腸癌,及び治癒切除不能な膵癌及び治癒切除不能な進行・再発の胃 癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強 変更される予定の用法・用量(取消線部削除,下線部追加,関連箇所のみ抜粋): 小腸癌,及び治癒切除不能な膵癌及び治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対するレボ ホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法 通常,成人にはレボホリナートとして1回200mg/m2(体表面積)を2時間かけて点 滴静脈内注射する。レボホリナートの点滴静脈内注射終了直後にフルオロウラシル として400mg/m2(体表面積)を静脈内注射するとともに,フルオロウラシルとして 2400mg/m2(体表面積)を46時間かけて持続静脈内注射する。これを2週間ごとに繰り返す。