2022年12月1日号
2022 年の京都府立医科大学創立 150 周年に向けまして、約4年前から記念事業・式典実行委員会を立ち上げ、私、夜久が実行委員会委員長を拝命しておりました。折しもコロナ禍に遭遇し準備がかなり滞りましたが、2022 年を 150 周年記念 Year として、年初めより1~2カ月に1回のペースで府民公開講座を行い、11 月になりましてからは 150 周年 Week として、11 月2日から大学本部棟のライトアップ、11 月3日は学園祭であるトリアス祭と一緒に様々な合同企画を組みました。その中で「大同窓会」と銘を打って、現在大学外で活躍をされている先生方に、対面あるいはWEB でご参加いただき、学生たちにも非常に刺激的な話をしていただきました。ご参加いただきましたのは、医学の領域を超えてご高名な白鷗大学学長北山修先生、国立がん研究センター中央病院院長島田和明先生、WHO ジュネーブ本部の川野美香先生等、大活躍の先生ばかりで、学生達からの質問も多く飛んでいました。また同日ゴールドリボン・ネットワークの協賛で、がんで闘う子どもたちのチャリティー・ウオーキングを開催し、約 900 人の参加者を得、晴天の中鴨川畔を皆で歩きました。11月4日には国際交流シンポジウムとして、現在協定を締結している海外の7つの大学の医学部長等に来ていただき、非常に有意義な討論ができました。
そして 2022 年 11 月5日には本番の記念式典・記念講演・祝賀会が開かれました。約 600 人のご参加をいただきました。記念式典では、竹中洋学長の式辞の後、三笠宮彬子女王殿下におことばをいただき、来賓祝辞を西脇隆俊知事、千玄室大宗匠等4人の方々からいただきました。記念講演は総合地球環境研究所所長・前京都大学総長の山極壽一先生に「未曾有の地球危機に今考えるべきこと」という現代の課題にふさわしいお話をいただきました。祝賀会は非常にカジュアルな雰囲気で進行し、祝辞を門川大作市長、井村裕夫元京大総長、松井道宣京都府医師会会長、宮本享京大病院長等7人の方々にいただきました。また府立医大卒業で眼科医服部匡志先生がアジアのノーベル賞ともいわれる Magsaysay Award 2022 を獲得されましたので、法人表彰の後ご講演をいただきました。
さて、京都府立医大は明治5年粟田口青蓮院に療病院として産声を上げました。鳥羽・伏見の戦いで負傷を負った藩士を見事に治癒に導いた、その頃日本に入りだした西洋医学を目の当たりにし、蘭学者明石博高(ひろあきら)、京都府参与山本覚馬(新島八重の兄)らが「学問と医療が無ければ国は滅びる」という信念の下、寺社、財界、府民、花街を動かし、当時の槇村京都府知事、そして明治天皇のご支援も受け設立に至りました。その建学の精神は現在の府立医大の理念「世界トップレベルの医学を地域へ」に受け継がれています。
もうすでに我々京都府立医科大学は 151年目の第一歩を歩み出したことになりますが、我々の建学の精神、そして大学の理念に根差し、あくまでも地域に軸足を置き、且つ世界レベルの研究・臨床を遂行し、そして次世代を担う医師・看護師の育成に邁進してまいります。それらを遂行するためには、どうしても連携が不可欠と考えます。コロナ禍で学びましたとおり、連携により組織は実力以上の力を発揮することができると思っております。そういう意味に於きましても、京都府医師会の皆様のご支援・ご協力をお願いする次第でございます。この創立 150 周年記念事業・式典の準備は、大学教職員の公募によるスローガン「継承し創造する未来」の下に、大学教職員、学友会が一致団結して行ってまいりました。今後 50 年、100 年に向けて我々京都府立医科大学が「創造する未来」を厳しく見守っていただければ幸いです。どうかよろしくお願いします。
京都府立医科大学医師会
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京都市上京区河原町広小路上ル梶井町 465
京都府立医科大学附属病院 病院管理課
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会 長:夜久 均
会員数:164 人(2022.11 現在)