2023年1月15日号
設問 1 COPD の呼吸困難の特徴は何か?
解答 1 気流閉塞(1秒量の低下)と動的肺過膨張により「息が吸えない」,「胸がつまる」などと訴えることが多いが,進行するとガス交換障害,気道の過分泌,肺高血圧症なども関与し,病態は複雑となる。
設問 2 間質性肺炎/肺線維症の呼吸困難の特徴は何か?
解答 2 拘束性換気障害(肺活量の低下)と拡散障害により「息が切れる」,「空気が足りない」などと訴えることが多いが,肺高血圧症の合併にも注意が必要である。
設問 3 呼吸器疾患にともなう肺高血圧症(第3群肺高血圧症)を疑う症候は何か?
解答 3 “呼吸機能では説明のつかない”呼吸困難,運動耐容能の低下,低酸素血症(PaO2・SpO2 の低下)などを認めた場合,肺高血圧症の合併を念頭に置く。
設問 1 肝肺症候群と門脈性肺高血圧(PoPH)の違いは何か?
解答 1
設問 2 消化器内科医による PoPH スクリーニングのポイントは何か?
解答 2 ① 次回の診察時に「息切れありますか?」と聞く
② 次回の検査時に BNP を追加して測定する
③ 年に1回程度「検診もかねて,胸部 X-P と EKG しましょう」と誘う
④ 次のエコー検査時に IVC の呼吸変動を見てみる
設問 1 ボノプラザンの特徴で誤っているのはどれか?
① Nocturnal acid breakthrough が起こりにくい。
② 酸に安定している。
③ 即効性がある。
④ 非可逆的に proton pomp と結合する。
⑤ CYP2C19 の影響を受けにくい。
解答 1 ④ 非可逆的に proton pomp と結合する。
解説 1 ボノプラザンは可逆的に proton pomp と結合できるため,壁細胞の turn over の影響を受けにくい。
設問 2 重症逆流性食道炎に対してガイドラインで推奨されている治療はどれか?
① ファモチジン
② ボノプラザン
③ ランソプラゾール
④ ブチルスコポラミン
⑤ イルソグラジン
解答 2 ② ボノプラザン
解説 2 胃食道逆流症診療ガイドライン2021の記載を引用する。
重症逆流性食道炎の初期治療として,ボノプラザン20mg/日を4週間投与することを提案する。
設問 3 好酸球性消化管疾患の診断で必須検査はどれか?
① 末梢血好酸球数
② 消化器内視鏡下生検
③ CT スキャン
④ 血清 IgE 値
解答 3 ②
設問 1 糖尿病を有する患者において,MODY(Maturity-onset diabetes of the young)を疑うポイントは?
解答 1 ① 非自己免疫性糖尿病(non-autoimmune diabetes)であること
② 若年発症(古典的には25歳未満/より高齢での診断もある)であること
③ 通常,常染色体顕性遺伝形式をとることが参考となる。
設問 2 MODY(Maturity-onset diabetes of the young)の合併症の特徴は?
解答 2 ① GCK-MODY では,非増殖網膜症を除いて合併症は稀で,通常,妊娠時以外に薬物療法を必要としない。
② HNF1A-MODY では,1型糖尿病・2型糖尿病同様に,高血糖が細小血管合併症の原因となり,心血管イベントの頻度は変異非保持者に比して高い。
③ HNF1B-MODY では,高血糖を原因としない腎障害をともなうことがある。
設問 1 糖尿病性神経障害の簡易診断で行う神経学的検査2つと,その判定基準は何か?
解答 1 ① 両側アキレス腱反射低下または消失
② 両側内踝振動覚10秒以下
設問 2 糖尿病性末梢神経障害性疼痛治療の第一選択薬は何か?現在の保険適用薬を3系統4剤挙げよ。
解答 2 ① プレガバリン,ミロガバリン
② デュロキセチン
③ アミトリプチリン
設問 1 手指のばね指,ドケルバン病,手根管症候群は妊娠後期・授乳期と更年期に多い。
正しいか,正しくないか。
解答 1 正しい。
解説 1 妊娠授乳期や更年期に類似した手の疾患が見られるのはエストロゲンが変動(急激に低下)するといった共通の背景があるからと思われる。
設問 2 手指の変形性関節症(へバーデン結節・ブシャール結節)の発症率には男女差はない。
正しいか,正しくないか。
解答 2 正しい。
解説 2 変形性関節症の発症率に男女差はみられない。しかし,症状の発現は女性に多く,病院を受診するのは圧倒的に女性が多い。症状の強さはエストロゲンの変動が大きいことと関係があると思われる。
設問 3 女性におけるテストステロン値,男子におけるエストロゲン値は生涯を通して大きな変動はない。
正しいか,正しくないか。
解答 3 正しい。
解説 3 女性においてエストロゲンは生涯で1/8から1/10に低下するが,テストステロンの値はほぼ一定のため,50歳過ぎには男性ホルモン優位となり,エストロゲン値も男性より低下する。
設問 軟部腫瘍のエコー診断のポイントを3つ答えよ。
解答 ・腫瘍の局在診断
・周辺組織との位置関係
・血流