地区だより 与謝医師会 伊根町国民健康保険 伊根診療所 石野 秀岳

  与謝医師会は,その名の如く与謝地方に存在する3つの自治体の医療機関から成り立っています。まず一つ目の宮津市は,みなさまご存知の日本三景天橋立が有名で, 南北の飛び地を天橋立がその名称由来どおり繋いでいるという地形的特徴も持ちます。与謝野町は,町名の由来となった与謝蕪村や与謝野鉄幹・晶子が有名ですが,実は与謝という名称は古墳時代にまでさかのぼり,日本書紀にも記載を認めることができます。

  北部医療センター屋上から眺める天橋立と朝焼けです。当直明けに見える絶景で, さすがは日本三景の1つ。疲れも吹き飛ぶほどの気持ちよさです。

  冬季の雪化粧された天橋立もとても幻想的で素晴らしいものです。

  そして最後の伊根町は私の生まれ故郷です。最近になって舟屋がブームになりましたが,昭和57 年公開「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」でも取り上げられました。子どもの頃寅さんの伊根町ロケを幼なじみと見学に行って本番最中に騒いでしまい, つまみ出されたのを覚えています。

朝焼けに染まる天橋立と阿蘇海

 

京都府立医科大学附属北部医療センターから望む,雪の天橋立
2017 年7月 丹後保健所主催,与謝医師会,北部医療センターの合同症例検討会の様子

 全国の僻地と同様に超高齢化が進行しておりますが,お年寄りの方々はみんなお元気で,畑に,海へ漁にと毎日を過ごしておられます。

  当医師会は,昭和20 年に発足して以後, 地域医療に貢献された諸先輩がたのお力で維持運営され現在に至っています。会員数は令和2年度に51 名となりますが,当地域出身の医師だけでなく,むしろ他地域出身の医師が北部医療センターでの勤務を経て開業することも多いです。おそらく当地域の住民の気持ちの優しさ,医療関係者への労りや敬意などに感じ入って開業を決められたのだと思います。

  地域基幹病院である北部医療センターとの研修会も活発に活動しております。

  この写真は,北部医療センターの勤務医と看護師,与謝医師会の医師,そして行政, 福祉の関係者約110 名が一堂に会して開かれた病診連携の会の様子です。架空の,しかしよくありそうな困難事例(認知症,老老介護,癌末期の帰宅希望)を,グループに別れて議論検討します。議論を繰り返す中で,経験豊富な医師会員から在宅診療の実践を聞いて,「在宅でそこまでできるのだ!」という病院若手勤務医の驚き,気づきがあったり,他に病院で快く受け入れてくれる基準はこれくらいの状態なのだ,という開業医−勤務医間の共通理解が進んだりします。また直接議論をして,顔の見える関係を作っておくと,普段の紹介,逆紹介が大変円滑に進行するため,当地域では入院困難者や受け入れ困難という事態は全くと言っていいほどありません。

  さらに在宅診療医師を悩ませる,学会出張時など不在時の患者看取りに関しても, 中核基幹病院である北部医療センターと提携を結び病院勤務医に訪問診療を依頼できるシステムを構築しています。

  これらは,他の地域では確立されていない先進的な事業であり,地域の人々の暮らしの上での大きな安心となるものと思います。

一般社団法人 与謝医師会
〒626-0041
京都府宮津市鶴賀2109-3
TEL:0772-22-3525 FAX:0772-25-1384
H P:http://www.yosamed.com/
e-mail:yosaishikai@tuba.ocn.ne.jp
会 長:山根 行雄
会員数:51 人(2020.4.1現在)

2020年5月1日号TOP