公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取り扱いについて

 医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されているところですが,保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品については,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取り扱いが中医協総会にて了承されています。
 今般,3月3日に開催された薬食審第一部会において,下記の3成分7品目についての事前評価が行われた結果,当該品目については公知申請を行っても差し支えないとの結論となりました。
 これを受け,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても3月3日から保険適用が可能となりましたので,お知らせします。

▷3月3日から保険適用が可能となった医薬品

  1. 一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)
    販売名:リツキサン点滴静注100mg,同点滴静注500mg
    会社名:全薬工業株式会社
    追記される予定の効能・効果:
        既存治療で効果不十分なループス腎炎
    追記される予定の効能・効果に関連する注意:
        〈既存治療で効果不十分なループス腎炎〉
    • 既存治療(ステロイド,免疫抑制剤等)で十分な効果が得られない患者に対して本剤の投与を考慮すること。また,診療ガイドライン等の最新の情報を参考に,本剤の投与が適切と判断される患者に使用すること。
    追記される予定の用法・用量:
        〈既存治療で効果不十分なループス腎炎〉
        通常,リツキシマブ(遺伝子組換え)として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。
    追記される予定の用法・用量に関連する注意(関連箇所のみ抜粋):
        〈既存治療で効果不十分なループス腎炎〉
    • 原則として副腎皮質ステロイドと併用すること。
    • 再投与時の有効性及び安全性に関する情報は限られているため,本剤の再投与に関しては,実施の可否を慎重に検討すること。
  2. 一般名:インドシアニングリーン
    販売名:ジアグノグリーン注射用25mg
    会社名:第一三共株式会社
    追記される予定の効能・効果:
        肝外胆管の造影
    追記される予定の用法・用量:
        〈肝外胆管の造影〉
        インドシアニングリーンとして2.5mgを1mLの注射用水で溶解し,静脈内投与する。
  3. 一般名:メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム
    販売名:ソル・メドロール静注用40mg,同静注用125mg,同静注用500mg,同静注用1000mg
    会社名:ファイザー株式会社
    追記される予定の効能・効果:
        川崎病の急性期(重症であり,冠動脈障害の発生の危険がある場合)
    追記される予定の効能・効果に関連する注意:
        〈川崎病の急性期(重症であり,冠動脈障害の発生の危険がある場合)〉
         ・静注用免疫グロブリン不応例又は静注用免疫グロブリン不応予測例に投与すること。
    追記される予定の用法・用量:
        〈川崎病の急性期(重症であり,冠動脈障害の発生の危険がある場合)〉
        通常,メチルプレドニゾロンとして30mg/kg(最大1000mg)を1日1回,患者の状態に応じて1~3日間点滴静注する。

2023年4月15日号TOP