「郡部医師会における今後の運営」について議論

 舞鶴医師会と府医執行部との懇談会が2月25日(土)舞鶴医師会館で開催され,舞鶴医師会から9名,府医から4名が出席。「郡部医師会における今後の運営」をテーマに活発な議論が行われた。

郡部医師会における今後の運営について

 舞鶴医師会より,医師不足,後継者不足,会員減少にともなう医師会費の問題等,舞鶴医師会の抱える問題点について説明があり,意見交換を行った。

~舞鶴医師会の現状について~
 舞鶴市は人口約78,000人(R5.1.1現在)で東西に2分しており,人口規模の割に病院・診療所の多い地域である。
 病院班は5施設(舞鶴医療センター,舞鶴共済病院,舞鶴赤十字病院,舞鶴市民病院,東舞鶴病院)で常勤医87名。特に公的4病院においては,それぞれに特化した病院再編で救急医療に対応し,麻酔科医不足に関しては,令和5年1月11日に舞鶴医療センター内に舞鶴地域麻酔診療支援センターを開設し,麻酔科医3名で取組んでいる。
 開業医は42施設で52名いるが,高齢化が進んでおり,後継者問題も深刻である。今後,75歳以上の開業医会員が増加することから,高齢会員の減免年齢を改正する。
 舞鶴医師会では,北部医師会の交流も鑑み医師会館を維持しているが,会員減少・高齢化にともない会館維持費は大変厳しい状況に直面している。

 府医からは地域医療構想調整会議の活用と,医師会の組織率の現状を述べた。

~地域医療構想調整会議の活用を~
 2024年度から2029年度の第8次医療計画では,5疾病5事業に加え新興感染症対策が盛り込まれる。平時の医療提供体制を検討する中で,5疾病の中でも心筋梗塞や脳卒中は緊急性が高く,アクセスの時間で整備が進められる必要がある。一方で,がん治療などは循環器疾患や脳卒中と比べると比較的時間的猶予があり,状況に応じて近隣圏域での医療機能の集約などの検討が必要になる。
 地域によって医療資源に差がある中で,地域に不足する医療機能を把握し,どこにどういう機能や病床がどれだけ必要かという議論が地域医療構想調整会議で必要になることから,地区医からの積極的な意見の発信が求められる。

~医師会の組織率~
 20年前の日医の組織率は60%だったが,現在は50%を切りそうな状況にあり,全国的にも組織率向上が重要な課題となっている。今般のリフィル処方の導入や医療 DX の推進など職能団体である医師会の意見聴取がないままに医療政策が進められるケースが散見され,医師会が医師の団体として立場をより確立するためには,組織率の向上が必要である。
 舞鶴のようにそもそも医師数が少ないところで,会員を増やすことは難しく,医師会維持のため,会費の増額や減免規定を変更されるなど,厳しい現状を改めて認識した。今後,府医が支援できることを地区医とともに検討していきたい。

意見交換

 地区から「ここ1年間で20名の常勤医が減った。各医療機関では,専門医でなくても,診れる範囲で努力しているが,腎臓内科,呼吸器内科,血液内科(悪性腫瘍の化学療法),小児科などの専門医が不足している。仮に常勤医が就任しても,1名の常勤医では燃え尽きてしまう」との厳しい現状が示された。
 また,「北部の産業活性化が人口減少に歯止めをかけることになり,それにともなって教育施設等の充実がなされれば,単身赴任せずに舞鶴など北部にも医師が定着することにつながるのではないか」など様々な意見交換が行われた。

保険医療懇談会

 新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的取り扱いについて解説するとともに,個別指導における主な指摘事項について資料提示した。また,療養費同意書の交付(マッサージ,はり・きゅう)に関する留意点を解説し,慎重な判断と適切な同意書の発行に理解と協力を求めた。

2023年5月15日号TOP