2023年5月15日号
経口抗ウイルス薬「ニルマトレルビル/リトナビル」(販売名:パキロビッド®パック。以下,「パキロビッド」という。)の一般流通(3月22日~)にともない,高齢者施設等における一般流通後の経口抗ウイルス薬(ラゲブリオカプセルおよびパキロビッドパック)の活用方法を改めて整理した事務連絡が発出されましたのでお知らせします。
記
○投与方法 高齢者施設等の入所者への投与については,通常の医薬品と同様,引き続き,医療機関の往診等による対応が可能。 介護老人保健施設,介護医療院及び介護療養型医療施設(以下「介護老人保健施設等」)の入所者に対して,外部の医療機関の医師が経口抗ウイルス薬の処方を行うにあたっては,外部の医療機関の医師が往診すること以外に,電話等を用いた0410対応(7月末終了予定)やオンライン診療により行うことも可能。
○算定方法 入所者に投与した場合の経口抗ウイルス薬に係る薬剤料については,「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その75)」(令和4年9月13日付け事務連絡,10月15日号本紙既報)及び「同(その81)」(令和5年3月30日付け事務連絡,5月1日号本紙既報)のとおり,医療機関が投与し当該事務連絡が適用となる場合に,当該医療機関において診療報酬にて算定可能。 なお,介護老人保健施設等が卸売販売業者から購入して対応することも可能だが,医療機関ではない介護老人保健施設等が購入して投与する場合は,通常の医薬品と同様,診療報酬による算定はできないので,留意すること。
○高齢者施設等において患者又は代諾者の同意書がその場で取得できない場合の対応について 使用に当たって,国購入品・一般流通品のいずれについても患者又は代諾者に病状説明を実施する際,その場で同意書を取得できない場合においては,病状説明を実施した医師が患者又は代諾者から口頭にて同意を取得した上で,その日付とともに診療録に明記すること。 なお,同意書の原本(患者又は代諾者がサインしたもの。電子署名も含む。)は後日,必ず患者若しくは代諾者又はこれらの者から同意書を預かった高齢者施設等から,処方した医療機関等に郵送,FAX,もしくは電子媒体等で送付するようにすること。また,送付された同意書は処方した医療機関等において保管すること。 また,医療逼迫状況下で医療機関がひとりでも多くの患者を診療するため同意文書取得が困難であると判断する場合は,口頭にて同意を受けることにより,文書による同意取得は省略しても差し支えない。この場合も,口頭で同意を得た日付を診療録に明記することが必要であり,郵送等により事後的に文書による同意を得ることに努めること。 なお,文書又は口頭のいずれの方法で同意を得る場合でも,同意取得に当たっては,製造販売業者が準備する同意説明文書に沿って説明すること。