新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱いにかかる疑義解釈について

 令和5年5月8日以降の新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱いにかかる疑義解釈につきましては,今般,厚労省より疑義解釈資料(その3)および(その4)が示されましたので,お知らせします。
 具体的にその3では,新型コロナウイルス感染症治療薬についての院外処方箋を交付する際,当該処方箋に公費負担者番号および公費負担医療の受給者番号をできる限り記載すること等が示されています。
 また,その4では,新型コロナウイルス感染症患者に対する療養指導に係る特例,罹患後症状に悩む方の診療,新型コロナウイルス感染症患者に対する入院調整に係る特例等に関する取り扱いが示されています。
 なお,5月8日以降の診療報酬上の臨時的取り扱いは府医ホームページ「新型コロナウイルス関連特設サイト」に掲載していますのでご参照ください。

◇疑義解釈資料(その3)(5月17日付)

問1 保険医が新型コロナウイルス感染症治療薬(ラゲブリオカプセル200mg,パキロビッドパック600及びパキロビッドパック300,ゾコーバ錠125mg,ベクルリー点滴静注用100mg。以下同じ)についての処方箋を交付する際,当該処方箋に公費負担者番号及び公費負担医療の受給者番号を記載する必要はあるか。

(答) できる限り記載すること。
<府医注釈>院外処方箋に記載する公費負担者番号=28260800,公費負担医療の受給者番号=9999996。院外処方の場合,医療機関のレセプトに公費負担者番号等の記載不要。

問2 保険薬局において新型コロナウイルス感染症治療薬が処方された処方箋を受け付けた際,当該処方箋に公費負担者番号及び公費負担医療の受給者番号の記載がない場合,どのように取り扱えばよいか。

(答) 新型コロナウイルス感染症治療薬の薬剤料に係る費用は全額公費支援の対象とされている。したがって,処方箋に公費負担者番号等の記載がない場合であっても,令和5年3月20日医療課長通知を踏まえ,保険薬局において公費負担者番号等を調剤報酬明細書へ記載するなど,一部負担金の計算を含めて適切に費用の請求について取り扱われたい。

◇疑義解釈資料(その4)(5月18日付)

問1 令和5年3月31日事務連絡別添1の1(2)①に示す,療養上の指導を実施した場合のB000の2に規定する「許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数(147点)(※)について,小児科外来診療料,地域包括診療料,認知症地域包括診療料,小児かかりつけ診療料,生活習慣病管理料,在宅時医学総合管理料,施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料を算定している患者についても算定可能か。

(答) 可能。

  • <府医注釈>「特定疾患療養管理料(100床未満・療養指導)(特例)147点」は,入院中の患者以外の新型コロナウイルス感染症患者に対し,新型コロナウイルス感染症に係る診療(往診,訪問診療及び電話や情報通信機器を用いた診療を除く)において,家庭内の感染防止策や,重症化した場合の対応等の療養上の指導を実施した場合に,発症日(無症状病原体保有者の場合は検体採取日)から起算して7日以内に限り算定できる。なお,指導内容の要点をカルテに記載すること。

問2 「「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」にかかる疑義解釈資料の送付について(その2)」(令和5年4月27日厚生労働省保険局医療課事務連絡)別添の問1に示す,罹患後症状に係る特定疾患療養管理料(147点)(府医注釈:特定疾患療養管理料(100床未満・罹患後症状持続)(特例))について,小児科外来診療料,地域包括診療料,認知症地域包括診療料,小児かかりつけ診療料,生活習慣病管理料,在宅時医学総合管理料,施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料を算定している患者についても算定可能か。

(答) 可能。

問3 令和5年3月31日事務連絡別添1の2(3)①において「慢性疾患又は精神疾患を有する定期受診患者に対して,電話や情報通信機器を用いた診療及び処方を行う場合であって,電話や情報通信機器を用いた診療を行う以前より,対面診療において診療計画等に基づき療養上の管理を行い,「情報通信機器を用いた場合」が注に規定されている管理料等に基づく管理を行う場合は,B000の2に規定する「許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数(147点)(府医注釈:慢性疾患等の診療(特例))を月1回に限り算定できる」とあるが,「管理料等」とは,何を指すのか。

(答) 令和4年度診療報酬改定以前に「情報通信機器を用いた場合」が注に規定されていた,特定疾患療養管理料,小児科療養指導料,てんかん指導料,難病外来指導管理料,糖尿病透析予防指導管理料,地域包括診療料,認知症地域包括診療料及び生活習慣病管理料を指す。

問4 令和5年3月31日事務連絡別添1の各項において,「B000の2に規定する「許可病床数が100床未満の病院の場合」の点数(147点)を月1回に限り算定できる」とあるが,当該特例については,診療所又は許可病床数が100床以上の病院においても算定可能か。

(答) 可能。
<府医注釈>診療行為マスター「特定疾患療養管理料(100床未満の病院)(特例)」「特定疾患療養管理料(100床未満・療養指導)(特例)」「特定疾患療養管理料(100床未満・罹患後症状持続)(特例)」

問5 令和5年3月31日事務連絡別添1の9に示す救急医療管理加算1(950点)(府医注釈:入院調整した場合の「救急医療管理加算1(入院調整)(特例)」)について,「「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」にかかる疑義解釈資料の送付について」(令和5年4月17日厚生労働省医療課事務連絡)問6において,「当該医療機関が入院調整を行わず,各都道府県・保健所設置市・特別区,医療関係団体,他医療機関,あるいは外部業者等が入院調整を実施した場合」は算定できない旨示されたが,当該医療機関が,各都道府県・保健所設置市・特別区,医療関係団体,他医療機関,あるいは外部業者等に入院調整業務を依頼した場合は算定できないのか。

(答) そのとおり。ただし,都道府県や保健所等から受入れ可能な医療機関等について情報提供を受けることは入院調整業務の依頼にはあたらない。

2023年6月15日号TOP