2023年7月1日号
設問 1 消化器症状で“虚実”とその治療の対応はどうするか?
解答 1 ・消耗の病歴や状態は,“虚”の病態を考える。治療法は“補法”を行う。消化器症状では,人参などが入った処方を使う。
・過剰なものがあれば,または急性の問題は“実”の病態を考える。治療法は“瀉法”を行う。消化器症状では,半夏や厚朴が入った処方を使う。
設問 2 消化器症状で“寒熱”とその治療の対応はどうするか?
解答 2 ・自覚的冷え,寒冷で増悪する症状,温暖で寛解する症状,舌粘膜が淡色,舌苔が白色は“寒”の病態。治療法は“温法”を行う。消化器症状では,乾姜,桂皮が入った処方を使用する。
・自覚的熱感,温暖で増悪する症状,寒冷で寛解する症状,舌粘膜の赤みが強い,舌苔が黄色は“熱”の病態。治療法は“清法”を行う。消化器症状では,黄連,黄芩が入った処方を使用する。
設問 3 精神的問題での消化器症状で考慮すべきポイントは?
解答 3 ・漢方では情緒の中枢は,“肝”。肝の問題がからむ場合は,柴胡が含まれた処方を選択する。
設問 1 急性期脳梗塞の2つの再開通療法は何か?それぞれの療法が本邦ガイドライン上推奨度Aに該当するのは発症から何時間以内か?
解答 1 rt-PA 静注療法と機械的血栓回収療法の2つであり,推奨度Aは前者が 4.5 時間以内,後者が 16 時間以内。
設問 2 非心原性脳梗塞(脳血栓症)および心原性脳塞栓症の再発予防として本邦ガイドライン上推奨度Aに該当する抗血栓薬は何か?
解答 2 非心原性脳梗塞はアスピリンとクロピドグレル,シロスタゾール,心原性脳塞栓症はDOAC とワーファリン。
設問 1 炎症性腰背部痛とは,安静によって悪化し,運動によって改善する腰背部痛のことである。
○か×か?
解答 1 ○
設問 2 体軸性脊椎関節炎の診断に関しては,治療効果が十分でない場合,診断そのものを疑い,再度鑑別診断を行う必要がある。 ○か×か?
解答 2 ○
設問 1 次のうち,成長期における裂離骨折の好発部位でないものはどれか。
a.上前腸骨棘
b.下前腸骨棘
c.坐骨結節
d.脛骨粗面
e.大腿骨小転子
解答 1 e
解説 1 裂離骨折は付着する筋の強い収縮によって生じることが多い。上前腸骨棘には縫工筋,大腿筋膜張筋,下前腸骨棘には大腿直筋,坐骨にはハムストリングス,脛骨粗面には膝蓋腱が付着する。
Cf.上腕骨内側上顆にも裂離骨折は生じ,内側野球肘とも呼ばれ,繰り返す投球動作にともなう外反ストレスによって生じるとされている。
設問 2 成長期のスポーツ障害との関連が最も薄い部位の骨端線はどれか。
a.肩峰
b.上腕骨近位
c.第5中足骨基部
d.肘頭
e.大腿骨遠位
解答 2 e
解説 2 a.肩峰骨端症 投球障害肩に含まれる
b.骨端線離開 リトルリーガーズショルダー
c.骨端線閉鎖不全 Iselin 病
d.端線閉鎖不全 野球