学術講演会における「確認問題」

京都消化器医会 定例学術講演会
とき:10月14日(土)  ところ:京都府医師会館 + WEB 配信

「便秘と下痢の対処法 -便通異常症診療ガイドライン2023に沿って-」

兵庫県立はりま姫路総合医療センター 院長 木下 芳一 氏

設問 1  便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症)で提案・推奨されているものはどれか。
a.体外式超音波検査による慢性便秘症の病態評価
b.病態生理に沿った慢性便秘症の治療
c.慢性便秘症に対する浸透圧性下剤の投薬
d.慢性便秘症に対する粘膜上皮機能変容薬の投薬
e.慢性便秘症に対する胆汁酸トランスポーター阻害薬の投薬

解答 1  aからeのすべて

設問 2   慢性下痢の原因となる疾患の中で大腸内視鏡検査と生検診断を実施しても,診断の確定が困難な疾患はどれか。
a.潰瘍性大腸炎
b.好酸球性胃腸炎
c.胆汁酸性下痢症
d.顕微鏡的大腸炎
e.過敏性腸症候群

解答 2  c,e

京都内科医会 定例学術講演会
とき:10月21日(土)  ところ:京都府医師会館 + WEB 配信

「頭痛診療の真相 〜片頭痛を理解し,明日の診療へ〜」

医療法人石川医院 理事長 石川 光紀 氏

設問 1  頭痛の診断に関して,次の中から正しいものを2つ選べ。
①救急の場で二次性頭痛が疑われる場合には,画像診断としてCTもしくはMRIが必須である。
②慢性頭痛がある患者において,COVID-19感染症による頭痛は,罹患前にある頭痛と同じ頭痛を生じることが多い。
③片頭痛の発症機序には神経原性炎症が関与すると言われており,三叉神経血管説として支持されている。
④本邦において緊張型頭痛は,最も頭痛疾患の中で数が多く,片頭痛の併存率は低い。
⑤群発頭痛は女性にも発症が見られ,発作時自律神経症状が見られる。

解答 1  ③,⑤

設問 2  頭痛の治療に関して,次の中から正しいものを2つ選べ。
①緊張型頭痛に適応のある治療薬には抗うつ剤も含まれ,予防療法として用いられるが,他の頭痛には使用しない。
②片頭痛に特化している,セロトニン受容体に作用する薬剤はトリプタン系,ジタン系があり,それぞれの特徴をよく説明して処方したい。
③CGRP関連抗体薬は,「最適使用推進GL」にしたがって使用すべきであるが,中止にあたっては最低6か月の経過を見て考慮することが望ましい。
④トリプタン製剤によるMOHは,今のところ存在しない。
⑤授乳中でも乳汁への薬剤以降を考慮した上で,投与が可能かどうかを考えてよい。

解答 2  ②,⑤

第354回 京都整形外科医会
とき:10月28日(土)  ところ:ハートンホテル京都 + WEB 配信

「変形性膝関節症に対する関節温存術と置換術の進歩」

東京女子医科大学医学部整形外科学 教授(主任)・基幹分野長 岡崎  賢 氏

設問 1  内側半月板後根損傷の臨床的特徴のうち,誤りはどれか。
①中高年に生じやすい。
②多くの場合,転倒やスポーツなどの外傷が原因である。
③急性発症の強い痛みを訴える。
④OA発症の高リスクとなる。
⑤MRI矢状断でPCLの内側での半月板像が不明瞭になる。

解答 1  ②

設問 2  膝の手術療法について正しいのはどれか。
①HTOのよい適応は進行期OAである。
②内反アライメントは半月板縫合術の成績不良リスクとなる。
③UKAの長期成績は不良である。
④TKA後の全下肢アライメントで3度以上の内反や外反の残存は成績不良となる。
⑤人工膝関節術後のスポーツは禁ずるべきである。

解答 2  ②

2023年12月15日号TOP