労災保険における二次健康診断等給付の取り扱いに係る今後の留意事項等について

 労災保険の二次健診等給付等については,新型コロナウイルス感染症の感染拡大時は,時限的・特例的な対応がされていたところですが,令和6年度以降通常の体制に移行したことから,時限的・特例的取り扱いは令和5年度に廃止することとなりました。
 ただし,①二次健康診断等給付の請求期限(一次健康診断から3か月以内)は,新型コロナウイルス感染症等の事情によるものについては,やむを得ない理由として取り扱って差し支えないこととし,②特定保健指導についても,通信機器を用いた面接指導が引続き実施可能とされた上で,留意点が示されていますのでご参照ください。

1 二次健康診断等給付の請求期限について
 二次健康診断等給付の請求は,一次健康診断を受けた日から3か月以内に行われなければならないが,天災その他請求しなかったことについてやむを得ない理由(以下,「やむを得ない理由」という)があるときは,この限りでないとされているところ,請求期限を徒過した二次健康診断等給付の請求があった場合,その事情がやむを得ない理由に該当するかどうかは個別の判断となるため,請求人等に事情を聴取するなどした上で,慎重に判断すること。
 上記について対応した上でも判断が困難な場合は,本省補償課医事係に連絡すること。
 なお,新型コロナウイルス感染症の感染拡大時のように,医療機関が感染症の拡大防止の観点から,一時的に受診予約を受け付けない等により期限内に受診できなかった場合は,やむを得ない理由と取り扱って差し支えないこと。

2 特定保健指導について
 情報通信機器を用いた面接指導に係る取扱いについては,令和6年3月18 日付け基補発0318 第6号「「労働者災害補償保険法第26 条第2項第2号の規定に基づく面接により行われる医師又は保健師による保健指導」を情報通信機器を用いて実施する場合の留意点について」に基づき対応すること。

(1)基本的な考え方

 情報通信機器を用いて特定保健指導を行うに当たっては,労働者の状況確認や必要な指導が適切に行われ,対面で行う場合と同程度の質が確保されるよう,下記2の事項について留意して行う必要がある。
 ただし,実施する医師又は保健師が必要と認める場合には,直接対面によって行われる必要がある。

(2)情報通信機器を用いた特定保健指導の実施に係る留意事項

  • 実施体制
    実施者は,情報通信機器の使用方法や労働者との意思疎通について,十分な技量を有することが求められること。
    また,実施に当たっては,健診給付医療機関を利用するなど,機器の的確な利用や通信環境が確保された実施体制が求められること。なお,労働者の利便性確保の観点から,労働者が自らの家庭で面接指導を受けることは可能である。
  • 特定保健指導に用いる情報通信機器の要件
    • 特定保健指導を行う医師又は保健師と労働者とが相互に表情,顔色,声,しぐさ等を確認できるものであって,リアルタイムの映像と音声の送受信が常時安定し,かつ円滑であること。
    • 情報セキュリティ(外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセス防止)が確保されること。
    • 労働者が特定保健指導を受ける際の情報通信機器等の操作が,複雑,難解なものでなく,容易に利用できること。
  • 個人情報の保護等
    実施時に個人情報及び特定保健指導の内容が外部に漏えいすることがないよう,個人情報の保護に十分に配慮するとともに,「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(厚生労働省)に準拠した情報管理など,個人情報保護に必要な措置を講じる必要があること。
    また,プライバシーが保たれるように,実施者側,労働者側ともに,録音,録画,撮影を同意なしに行うことがないように確認すること。加えて,使用するシステムのセキュリティポリシーを適宜確認し,必要に応じて労働者に説明すること。
  • 本人確認
    実施者と労働者の本人確認を的確に行うこと。本人確認の方法として,実施者については,その氏名及び所属を示す書類等を提示する等の方法が挙げられる。労働者については,その氏名,生年月日及び連絡先(電話番号,住所,勤務地等)を実施者において照合する等の方法が挙げられる。
  • その他
    情報通信機器を用いた面接指導は,労働者の利便性向上や効率的な面接指導の体制の確保の観点から導入するものであるので,実施のために労働者が機器等を購入することがないように対応する必要があること。
    その他,実施に当たっては,「労災保険二次健康診断等給付担当規程」及びその別添「特定保健指導の実施基準」に基づき実施すること。

2024年5月15日号TOP