2024年8月15日号
舞鶴共済病院
加藤 雅之
皆様初めまして。舞鶴共済病院の加藤と申します。
昨年11月より勤務医部会幹事会に参加させていただくこととなり今回勤務医通信に執筆をとのことであり色々と考えましたが私の医師人生(殆どが当地でありますが)の振り返りおよびその間の舞鶴市の医療の変化について書かせていただこうかと思います。
思い返せば平成6年10月,医師になって半年程で何の知識も技量もないまま大学の医局より派遣され当院循環器科に最初の赴任をしました。約3年間循環器疾患についての研鑽を積ませていただき平成9年7月に大学の人事で一旦当地を離れることとなりました。
その後様々なご縁があり平成14年7月に再び舞鶴に戻ってくることとなり現在に至っておりますが,最初に赴任した頃には京都縦貫道はおろか舞鶴自動車道さえも開通しておらずまさに陸の孤島といった印象だったように覚えてます。元来田舎育ちの身としては自然豊かで日々を静かに過ごせ,交通網が発達した現在多少足を伸ばせば京都・大阪・神戸もそれなりに近いというロケーションはとても気に入ってます。
再赴任してから思えばすでに 20 年以上経過しておりますがその間に舞鶴の医療事情は大きな変貌を遂げることとなりました。ご存知の方もおられるかもしれませんが当地には古くから公的4病院(市民病院,国立病院,赤十字病院,共済病院)が存在し,平成6年当時はそれぞれがそれぞれの役割を持って医療にあたり,当地の医療体制は安定しておりました。しかしながら一病院の医師大量退職に端を発し,その後の医師研修医制度の変革も追い打ちとなりいわゆる“地方の病院”での医師確保が困難となってきています。この傾向は年々顕著となってきており当院では以前40人以上在籍した常勤医師数も現在は30人を下回る状態で,人材確保の問題は医師に関わらず看護師を含めたコメディカルスタッフも同様で,さらには当院に限らず市内の4病院とも同様の状況にあるものと思われます。このような状況の中,数年前より舞鶴市の医療再編の問題が大きく取り上げられるようになり病院統合という案も出ておりましたが,経営母体の異なる病院間での話でもあり,なかなか実現には至らず「選択と集中,分担と連携」という医療再編プランの元それぞれの病院が特徴,特色を生かし協力しあって何とか当地の医療を支えていますが,どこの病院も手一杯であり特に救急医療に関しては限界を向かえつつあるように思います。令和6年より公的4病院院長,舞鶴医師会長,舞鶴市長,京都府立医科大学医療センター所長兼北部キャンパス長,舞鶴市医療アドバイザーで構成される「舞鶴地域医療のあり方検討会」という会が立ち上がり年に数回今後の舞鶴市の医療についての検討会が行われその内容については舞鶴市ホームページで市民にも公開されてます。ある程度の道筋ができるのには恐らく数年の時間が必要かと思いますが当地の医療が良い方向に向かうのを願いつつ,自分自身はあと10年当地の医療のために頑張らなければと思っています。
Information
病 院 名 舞鶴共済病院
住 所 舞鶴市字浜 1035 番地
電話番号 0773-62-2510
ホームページ https://maizuru.kkr.or.jp/