第5回地区庶務担当理事連絡協議会(令和6年9月25日開催)

△報告ならびに協議事項

1.‌医療機能情報提供制度に係る定期報告について

 医療法第6条の3の規定により,すべての病院,診療所などの管理者は,住民・患者が病院等を適切に選択するために必要となる医療機能情報について京都府へ報告することとされており,これまで,「京都健康医療よろずネット」により府民向けに公表されてきたが,令和6年4月から公表ページが厚生労働省のHP「医療情報ネット」へと移行されたことを報告。
 しかし,各医療機関の医療機能情報が「医療情報ネット」に公表されるためには,G-MISにより,令和5年度の医療機能情報の定期報告を完了させる必要があるが,京都府内の医療機関の定期報告率が29.3%に留まっている状況を明らかにした。すべての医療機関を「医療情報ネット」において検索および閲覧できる状態とするため,昨年度の定期報告が未完了の医療機関については速やかに入力をしていただくよう依頼した。

2.最近の中央情勢について

 令和6年7月下旬から令和6年9月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆中医協薬価専門部会は8月7日,2025年度薬価改定に関して関係業界団体からヒアリングを行った。日本製薬団体連合会の岡田安史会長は「25年度に中間年改定を実施する状況にはない」と強調し,薬価差が生じる要因などの本質的な議論を行った上で中間年改定のあり方を検討するよう要望した。◆厚生労働省保険局の林修一郎医療課長は,2024年度診療報酬改定で新設したベースアップ評価料について,小規模の医療機関への普及のため,できるだけ簡便に届け出を行えるよう取組む姿勢を示した。賃上げに充てられた財源を確実に活用することが重要だとし,「今回算定してもらうことが,次(の改定)につながる」と述べた。◆城守国斗日医常任理事は9月8日,2026年度の次期診療報酬改定に向け,主に診療所の経営状況を把握するため,日医総研を通じて経営実態調査を行う意向を示した。24年度改定で,財務省は「機動的調査」の結果を根拠に,診療所の報酬引下げを主張。しかし,城守氏は「結果を恣意的に利用された部分がある」と批判し,独自の調査が必要との認識を示した。◆財務省主計局の大来志郎主計官は,2025年度予算編成に当たって,24年度診療報酬改定で新設した「ベースアップ評価料」の算定など,処遇改善の取組みが現場に広がっているか,注視していく姿勢を示した。「確認し,行き渡るように努力していくことがファーストステップだ」と述べた。―といった話題を中心に説明した。
 地区医からは,国が検討しているという民間保険の活用も含めた保険外併用療養費制度について,国民皆保険制度に影響を与えるのではないかと危惧が示された。
 府医は,保険外併用療養については,国民皆保険制度の中で保険診療を平等に提供することを原則としつつ,イノベーションの進展にともない新たに開発された医薬品や高度な医療技術を一定のルールの下で,患者が自己負担によって活用できるものであると説明。国は,社会保険費の削減を目的として,保険外療養の拡大を企図しており,ご指摘のとおり,国民皆保険制度への影響が懸念されるとした。

3.‌府医主・共催学術講演会実施予定について

 10月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。

4.麻薬免許の一斉更新について

 麻薬免許の更新申請(令和6年12月31日まで有効の免許保持者)と受払数量届の提出が10月1日(火)から18日(金)まで府医事務局にて行われることを報告し,期限までの提出を依頼した。特に,免許が失効した場合,麻薬の取り扱いはもとより,在庫の所有についても麻薬および向精神薬取締法違反として厳重に罰せられることを説明し,申請忘れには十分留意するよう呼びかけた。
 また,一昨年より,京都府が収入証紙の販売を終了したことにともない,更新手数料の納付方法が,京都市内で薬務課に申請する場合と京都市外で保健所に申請する場合,納付済証等による納付へと変更されたことを報告した。
 最後に,更新手続や麻薬の在庫の有無にかかわらず,数量届の提出は必須であるため,会員への周知徹底を求めた。〔京都医報:令和6年9月15日号(No.2277)付録参照〕

5.京都市介護認定審査会の運営について

 介護認定審査会におけるFAX意見提出票の取り扱いについて,新型コロナウイルス感染症に係る臨時的な取り扱いとして実施してきたものであり,審査会のオンライン開催の導入にともない,令和7年度以降,当該取り扱いを廃止することを報告した。
 また,現行の介護認定審査会委員の任期が令和7年3月31日をもって終了するため,改選があるとして,各地区に改めて次期委員の推薦を依頼すると協力を求めた。

6.感染症関連について

‌・新型コロナウイルス関連会員アンケート調査について
 令和6年8月度の庶務担にて案内した「新型コロナウイルス感染症への対応を検証するための基礎データ作成を目的としたアンケート調査の実施」について,回答率が低いことから再度,会員への周知を依頼した。内容は,発生当初から5類感染症への引下げに至るまでの診療状況やワクチン接種,検査,感染予防策などとし,今後の感染症対策の向上のため,多くの回答が集まるよう協力を求めた。
・‌今シーズンの季節性インフルエンザワクチンおよび新型コロナワクチンの供給等の見通しについて
 令和6年度の季節性インフルエンザワクチン供給量は,約2,734万本となる見込みであるとして,昨年度と比べ供給量は少ないが,近年の使用量等から,ワクチンを適切に使用すれば不足は生じないのではないかとの見解を示した。
 また,新型コロナワクチンについては,全体で約3,224万回の供給となる見込みであり,ワクチンモダリティ別にはmRNA約2,527万回,組換えタンパク約270万回,mRNA(レプリコン)約427万回が供給される見込みであるとした。新型コロナウイルス感染症がB類疾病に位置づけられたことから,季節性インフルエンザワクチンと同様に,ワクチンの効率的な使用等について医療現場に働きかけることを検討しているとした。

△地区からの協議事項

1.人権擁護推進研修について

 地区より,市の事業を受託している企業等は,年1回以上人権擁護推進研修の実施およびその実績報告書の提出を求められているとし,他の地区での状況について質問が出された。
 府医からは,京都市では「企業向け人権啓発講座」として実施しているが,業務委託をしている企業や団体等に案内するに留まっており,参加も任意であり,報告書の提出もないとした。
 さらに,事前に伺った他地区の状況についても,実施を求められている地区はないと回答した。

2024年11月15日号TOP