2024年12月1日号
令和6年9月下旬から令和6年10月中旬にかけての社会・医療保険状況について,◆厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会は9月19日,医師の偏在是正に向けた総合対策の骨子案を巡って議論を始めた。経済的インセンティブによる偏在是正で,国,地方,保険者の協力を得るとの論点が焦点になり,医療保険料の投入を警戒する保険者や労働団体からは,懸念の声が上がった。◆厚生労働省は9月30日に開いた「新たな地域医療構想等に関する検討会」に,医師偏在対策の具体的な手法を示した。規制的手法の一つとして,医師多数区域における開業規制を提示し,構成員の間で意見が割れた。支払側の構成員からは,多数区域での開業について「不足機能を充足させる場合のみで,守らない場合は指定取り消し」と提案された他,「規制的手法はまだまだ甘い。現状の手法では是正の力は弱い」とし,参入規制はタクシー業界など他産業でもあること,医師養成や診療報酬には税金や保険料が投入されていることを根拠に,多数区域における規制導入の正当性を指摘。江澤日医常任理事は「指定取り消しは職業選択の自由との関係整理が必要であり,自由開業の否定となるような,過度の規制には反対する」と明確に反論した。◆厚生労働省医政局は,2040年ごろを見据えた新たな地域医療構想に向けて,病床機能報告や,創設する医療機関機能報告は,「今から決め打ちせず,ベストな結論を得られるよう議論を進める」とし,従来の病床機能報告に対しては,制度見直しが必要との声が構成員から上がっていることから,医療機関ごとの役割を明示する医療機関機能の報告を求める姿勢を示した。―といった話題を中心に説明した。
11月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。
有効期限が令和6年12月31日の麻薬免許の更新手続きの期限が迫っているため,更新未申請の先生方は速やかに手続きを行うよう注意を促した。
また,今回の更新手続を行わず,麻薬業務を廃止する場合は,免許の廃止手続きが必要であると補足した。
在宅医療の現状や将来像について,府医会員の認識や実態を調査することを目的に実施している「在宅医療への取組み状況アンケート」について,10月2日(水)現在で675件/2,066件(回収率:32.7%)の回答率であったことを報告。
各圏域で実施されている地域医療構想調整会議において,在宅医療の実態および将来像,課題等について検討を行うためのデータとして重要となるため,改めてアンケートへの協力を呼びかけた。
府医感染症対策委員会は,新型コロナウイルス感染症への対応を検証するための基礎データ作成を目的として第3回目のアンケート調査を実施することを案内した。
調査項目は,発生当初から5類感染症への引下げに至るまでの診療状況やワクチン接種,検査,感染予防策など多岐にわたり,現在,第1回目・第2回目のアンケートを実施。第3回目を12月に実施し,令和7年6月にアンケート結果を報告する予定と説明した。
実施方法はインターネットでの回答としているが,インターネットでの回答が難しい場合は,府医事務局までFAXにて連絡いただくよう依頼した。
府医より,日医は従来,書類で行ってきた入会・異動等の手続きをWEB上で行う新会員情報管理システム「MAMIS」へ2025年1月に完全移行することを報告。
MAMISは会員の手続きの負担軽減を目指して構築されたシステムであり,会員がMAMISに入力すると申請情報が所属の郡市区医師会に送られ,地区で承認後,都道府県医,日医と従来の流れに沿って申請・承認する形であることを説明した。
また,日医はMAMISの機能追加を継続的に行うとし,2025年3月には研修管理機能をスタートさせ,認定産業医・認定スポーツ医関連,生涯教育,かかりつけ医機能研修関連などについて機能拡張や医師の学習支援と取得単位の可視化,認定制度の申請や証明書発行などの簡便化を目指し,会員ポータルサイトとして情報提供にも力を入れていく予定であることを紹介した。
現在,MAMIS運営事務局から日医会員宛に送付されたログインの案内ハガキについては,10月30日よりログインが可能となるため,管理していただき,紛失された場合は,MAMISコールセンターに連絡するよう依頼した。