2025年2月1日号
設問 1 住居関連過敏性肺炎,夏型過敏性肺炎に対して,抗原除去の具体的な方法を述べよ。
解答1 ・カビの繁殖した部屋のリフォーム
・カビの生えた製品や家具,寝具の撤去
・最も確実なのは転居
設問 2 羽毛製品を使用中の鳥関連過敏性肺炎患者に対する生活指導のポイントを述べよ。
解答2 ・羽毛製品を,同居家族の分も併せて廃棄する。
・屋内に収納するだけでは不十分なことを説明する。
設問 1 喘息において好酸球が気道過敏性亢進をもたらす機序は何か?
解答1 気道上皮傷害(気道上皮剥離)
設問 2 厚生労働省の健康日本21(第三次)において,COPDに関して定められた具体的な目標は何か?
解答2 死亡率の減少
設問 1 潰瘍性大腸炎の病態に関与する3つのサイトカインプロファイルは何か?
解答1 Th1,Th2,Th17
設問 2 クローン病の臨床的再燃を防ぐための目指すべき治療目標は何か?
解答2 粘膜治癒
設問 1 日本人のCOVID-19重症化のリスク因子に関するコホート研究でCOVID-19の死亡率が最も高いと報告されている因子は何か?
解答1 腎疾患または透析患者
参考:Terada M et al. BMJ Open. 2021 Jun 15;11(6):e047007. doi:10. 1136/bmjopen-2020-047007.
設問 2 高齢者ではブースター接種から何日を超えるとvaccine effectiveness が明らかに低下するか述べよ。
解答2 高齢者では特にブースター接種から180 日を超えるvaccine effectiveness はより低下する。
参考: Maeda H, et al. Expert Rev Vaccines. 2024 Jan-Dec;23(1):213-225. doi:10. 1080/14760584. 2024. 2310807. Epub 2024 Feb 8.
設問 1 本邦の食道がんにおけるバレット食道腺がんの割合を述べよ。
解答1 食道がんにおける腺がんの発生割合をみると1995年の1.7%から2015年の7.4%と増加傾向である。
設問 2 バレット食道がんのリスクを述べよ。
解答2 バレット食道に加えて,高齢者・男性,GERD,肥満,喫煙,大腸腫瘍といったリスクが報告されている。
設問 1 咽頭・食道癌を発見するために重要なポイントは何か?
解答1 アルコールに関連する問診,特に飲酒量,フラッシュ現象の有無,食生活習慣の聴取が重要。
設問 2 下咽頭・食道癌を内視鏡で発見する際に有用な方法は何か?
解答2 NBIやBLIなどの画像強調内視鏡技術(IEE)を用いて観察することが有用。
設問 3 食道・咽頭癌は予防について重要なことを述べよ。
解答3 少量の飲酒で顔が赤くなるフラッシャーの方は日常的な飲酒を控えるなど,アルコールに対する体質に合わせた適正な飲酒習慣を行うことが重要。
設問 4 胃がん・大腸がんに対するアルコールの影響を述べよ。
解答4 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン2024において,胃がんは男性で少量の飲酒でリスク上昇,女性で150g/週,大腸がんでは男女ともに150g/週でリスクが増加する。
設 問 重症筋無力症治療において,現在本邦で使用できる分子標的治療薬のターゲットを2つ答えよ。
解 答 補体C5,胎児型Fc受容体
解 説 補体C5阻害薬:エクリズマブ,ラブリズマブ,ジルコプラン
FcRN阻害薬:エフガルチギモド,ロザノリキシズマブ
設問 1 多発性硬化症に関して,以下のうちで正しいものはどれか答えよ。
① 近年,日本において患者数が急増している。
② AQP4抗体が診断バイオマーカーになる。
③ 高次脳機能障害の評価は,主にHDS-RやMMSEを用いて行う。
解答1 ①
設問 2 以下の薬剤のうち,多発性硬化症で用いられるものはどれか答えよ。
① リツキシマブ
② オファツムマブ
③ イネビリズマブ
解答2 ②
解説2 ① リツキシマブ (抗CD20)
② オファツムマブ (抗CD20)
③ イネビリズマブ (抗CD19,視神経脊髄炎に用いられる)
設 問 NMOSD 治療のターゲットを述べよ。
解 答 NMO/NMOSDの再発には,病原性自己抗体であるアクアポリン4抗体が重要な役割を果たしている。
その抗体産生に関わるB細胞(①)やIL-6(②)は,再発時に髄液中で増加する。
また,アクアポリン4抗体は,補体(③)の存在下で重篤な組織破壊を生じる。
これら3つのターゲットに対する薬(①イネビリズマブ,リツキシマブ,②サトラリズマブ,③エクリズマブ,ラブリズマブ)が開発されている。
設 問 次の中から正しいものを一つ選べ。
① 母指CM関節症の手術療法は術式により治療成績に大きな差がある。
② 関節リウマチの人工手関節全置換術と全関節固定術では除痛効果に大きな差がある。
③ 家族歴は手指OAの大きなリスク因子である。
④ エクオールはすべての女性において体内で産生できる。
⑤ エクオールは閉経後に抗エストロゲン作用が大きくなる。
解 答 ③
設問 1 PS(Performance Status)がいくつ以下だと化学療法の適用となるか答えよ。
解答1 PS2 以下
設問 2 悪性軟部腫瘍を示唆する所見を述べよ。
解答2 サイズ5cm 以上
深部発生