府医では,府民・市民向け広報誌「BeWell」,VOL.105「心肺蘇生法」を発刊しました(本号に同封)。
各医療機関におかれましては,本紙を診療の一助に,また待合室の読み物としてご活用ください。
本誌に関するお問い合わせは,府医総務課(電話:075-354-6102,FAX:075-354-6074)までご連絡ください。
VOL.105「心肺蘇生法」
(A3版,見開き4ページ)
解説
市立福知山市民病院 小児外科 ICLS コースディレクター 深田 良一
いくら医療が進歩しても,倒れた人に対して初期対応がなされないと生存率が上がってきません。つまり,目の前で倒れた人に対して一般市民が初期対応することになります。このため一般市民にも分かりやすいような心肺蘇生法の広報BeWellVol.105を作成しました。この広報を基に一般市民への心肺蘇生法の啓発をお願いいたします。
- 初期対応
- 傷病者の意識・反応確認を行い,反応がない場合は,即座に 119 番通報および AED の準備を依頼
- スマートフォンのスピーカー機能を使用し,救急通信指令員の指導を受けることを推奨
- 呼吸状態の評価
- 胸と腹部の動きを 10 秒以内に観察し,普段どおりの呼吸があるか判断
- 呼吸が正常でない,もしくは判断が困難な場合は,速やかに胸骨圧迫を開始し,AED の準備
- 胸骨圧迫
- 胸骨の下半分に両手を重ね,強く速く(100 ~120 回/分)絶え間なく圧迫
- 圧迫は5cm 沈み込む強さで,垂直に体重をかけて行うことが推奨
- 圧迫中に適切なリコイルを確保し,交代時には「あと5回で交代」と声を掛け合いながら連続した胸骨圧迫を維持
- AED の使用
- AED の電源を入れ,音声指示に従う
- 傷病者の胸の服をずらして,電極パッドをイラストに従って右鎖骨下と左わき腹あたりの素肌に貼る。ショックが必要と判断された場合は,周囲の安全を確認の上,ショックボタンを押す
- ショック後は,すぐに胸骨圧迫を再開。ショック不要時も,直ちに胸骨圧迫を再開
- 子どもに対する CPR
- 乳児や子どもにおいては,人工呼吸を併用したCPR が推奨
- 胸骨圧迫は胸の厚さの1/3程度沈み込む強さで行い,人工呼吸は気道確保を適切に行った上で実施
- AED 使用時は,小児用電極パッドや未就学児モードに切り替えて対応