2025年3月15日号
府医では,臨床研修医を対象とした「令和6年度臨床研修屋根瓦塾KYOTO―冬の陣―」を2月1日(土),府医会館にて開催した。当日は,府内の研修医32 名が参加。
屋根瓦塾は「京都府全体で次代の良医を育てる」という理念のもと毎年開催しており,全国的にも先進的な取組みとして注目を集めている。
屋根瓦塾KYOTO はこれまで夏のみの開催だったが,参加者のニーズの高まりから,今年は冬にも開催。夏と同様に,若手医師が中心となり研修内容の企画・構成を行い,講師も務めた。
参加者は手技を中心としたさまざまな研修を受講。所属施設の異なる研修医とグループを作って取組むことで,他施設の研修医の実力を知る機会にもなり,参加した研修医のモチベーションは高く,府医オリジナルスクラブを着用することで一体感も生まれ,有意義な会となった。
冒頭,挨拶に立った上田府医副会長は,「知識・技術の習得に留まらず,研修医同士で目標などを共有するとともに,病院の枠を超えた“ヨコ”の繋がりや先輩医師との“タテ”の繋がりを築くことも屋根瓦塾の目的の一つ」と述べた。
“明日から使える臨床力を持ち帰っていただく”ことを目標に,実践的な技術を学ぶ「シミュレーションシナリオ」を準備。標準的な医療を意識したスライド作りや,見落としの多いポイントなどをわかりやすくレクチャーすることで,教える側の若手医師にとっても,自身の学びや交流になることが屋根瓦塾の特徴の一つである。
今回は,「CV 穿刺」,「皮膚縫合」,「尿道カテーテル」,「経皮ペーシング」をテーマにした4つのブースを設けて,参加者は各ブースを40 分ずつ受講して回り,シミュレーターなどを用いた体験を通して,救急外来で出会う頻度の高い超実践的な技術の習得を図った。
皮膚縫合のブースでは,豚皮膚を用いて黙々とトレーニングを行う姿が見られた。救急医と皮膚科医が,それぞれの立場から状況に応じた細かいコツをレクチャーし,実臨床に則した縫合への意識づけに繋がった。
休憩時間には,異なる施設の研修医と情報交換をするなどグループ内での交流が積極的に行われていた。
参加者の中には,今後教える側として参加を希望する研修医もいて,さらなる発展が期待される。
府医では今後も,研修医をはじめとする若手医師育成のサポートに努めていく方針である。
大江 熙氏(京都府立医科大学附属北部医療センター)
大阿久達郎氏(京丹後市立弥栄病院)
松原 慎氏(京都府立医科大学)
北島 直輝氏(京都桂病院)
寺本 圭佑氏(京都桂病院)
藤田 凱斗氏(京都市立病院)
山中 宏高氏(京丹後市立久美浜病院)
今中 真生氏(京都府立医科大学附属病院)
稲葉 哲士氏(市立福知山市民病院)
懸高 祥梧氏(京都中部総合医療センター)
中川 真一氏(宇治徳洲会病院)
丸山 彩乃氏(京都府立医科大学)
飯田 悠太氏(京都府立医科大学)
家原 昌弘氏(京都第二赤十字病院)
畑野翔太郎氏(大阪赤十字病院)
田仲 一大氏(京都府立医科大学附属病院)