令和6年度 臨床研修屋根瓦塾KYOTO ―冬の陣―を開催

 府医では,臨床研修医を対象とした「令和6年度臨床研修屋根瓦塾KYOTO―冬の陣―」を2月1日(土),府医会館にて開催した。当日は,府内の研修医32 名が参加。
 屋根瓦塾は「京都府全体で次代の良医を育てる」という理念のもと毎年開催しており,全国的にも先進的な取組みとして注目を集めている。

 屋根瓦塾KYOTO はこれまで夏のみの開催だったが,参加者のニーズの高まりから,今年は冬にも開催。夏と同様に,若手医師が中心となり研修内容の企画・構成を行い,講師も務めた。
 参加者は手技を中心としたさまざまな研修を受講。所属施設の異なる研修医とグループを作って取組むことで,他施設の研修医の実力を知る機会にもなり,参加した研修医のモチベーションは高く,府医オリジナルスクラブを着用することで一体感も生まれ,有意義な会となった。

■ 開会

上田府医副会長

 冒頭,挨拶に立った上田府医副会長は,「知識・技術の習得に留まらず,研修医同士で目標などを共有するとともに,病院の枠を超えた“ヨコ”の繋がりや先輩医師との“タテ”の繋がりを築くことも屋根瓦塾の目的の一つ」と述べた。

■ 明日から役立つ技術を身につけるシミュレーション

 “明日から使える臨床力を持ち帰っていただく”ことを目標に,実践的な技術を学ぶ「シミュレーションシナリオ」を準備。標準的な医療を意識したスライド作りや,見落としの多いポイントなどをわかりやすくレクチャーすることで,教える側の若手医師にとっても,自身の学びや交流になることが屋根瓦塾の特徴の一つである。

 今回は,「CV 穿刺」,「皮膚縫合」,「尿道カテーテル」,「経皮ペーシング」をテーマにした4つのブースを設けて,参加者は各ブースを40 分ずつ受講して回り,シミュレーターなどを用いた体験を通して,救急外来で出会う頻度の高い超実践的な技術の習得を図った。
 皮膚縫合のブースでは,豚皮膚を用いて黙々とトレーニングを行う姿が見られた。救急医と皮膚科医が,それぞれの立場から状況に応じた細かいコツをレクチャーし,実臨床に則した縫合への意識づけに繋がった。

CV 穿刺
皮膚縫合
尿道カテーテル
経皮ペーシング

 休憩時間には,異なる施設の研修医と情報交換をするなどグループ内での交流が積極的に行われていた。
 参加者の中には,今後教える側として参加を希望する研修医もいて,さらなる発展が期待される。
 府医では今後も,研修医をはじめとする若手医師育成のサポートに努めていく方針である。

■参加者コメント(抜粋)

  • 知識から実践への橋渡しがとてもスムーズで,定着がしやすいように感じた。
  • 約1年で行ってきた手技の復習になり定着する機会となったので楽しく感じた。
  • 他の病院の同期と勉強する機会をいただけてとても学びのある時間となった。
  • 夏から参加すればよかったと後悔している。またぜひ参加したい。

■協力いただいた若手指導医

 大江  熙氏(京都府立医科大学附属北部医療センター)
 大阿久達郎氏(京丹後市立弥栄病院)
 松原  慎氏(京都府立医科大学)
 北島 直輝氏(京都桂病院)
 寺本 圭佑氏(京都桂病院)
 藤田 凱斗氏(京都市立病院)
 山中 宏高氏(京丹後市立久美浜病院)
 今中 真生氏(京都府立医科大学附属病院)

 稲葉 哲士氏(市立福知山市民病院)
 懸高 祥梧氏(京都中部総合医療センター)
 中川 真一氏(宇治徳洲会病院)
 丸山 彩乃氏(京都府立医科大学)
 飯田 悠太氏(京都府立医科大学)
 家原 昌弘氏(京都第二赤十字病院)
 畑野翔太郎氏(大阪赤十字病院)
 田仲 一大氏(京都府立医科大学附属病院)

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