2025年4月1日号
設問 1 コロナ後遺症の特徴について正しいものを選べ。
① 女性より男性に多い傾向がある。
② コロナ感染後2-3ヶ月の時点で診断する。
③ 変異株の変化でも罹患後症状は変わらない。④ 患者血清中に特異的血清反応が検出される。⑤ 全身倦怠感よりも嗅覚障害・味覚障害が多い。
解答1 ②
設問 2 コロナ後遺症の治療・予後について間違っているものを選べ。
① 後遺症に対する特効薬が存在する。② 罹患後症状は急性期の重症度に関連する。③ 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群へ移行しうる。④ コロナ罹患後症状以外の潜在する疾患に注意する。⑤ ワクチン未接種はコロナ後遺症のリスクになりうる。
解答2 ①
設問 1 改善の余地のない手術はあるか?
解答1 ない
解説1 ・虫垂炎,鼠径ヘルニア手術を含めすべての手術に大なり小なり改善点はある。・もし10 年後も全く同じ手術をしていればそれは怠慢である。・合併症ゼロ,治癒率100%,侵襲・痛み軽微/なしとなるまで探求は続く。
設問 2 外科医を突き動かす最大の動機は何か?
解答2 ・喜ばれる喜び・後進指導の喜び・研究開発にともなう喜び・社会貢献の喜び・リスペクトされる喜び
解説2 ・つまりトキメキである・経済的インセンティブも大事だが外科の原点を見失ってはならない
設問 3 弓部大動脈瘤の標準治療は何か?
解答3 人工血管を用いた弓部置換術
解説3 ・しかし,耐術能のない患者も存在し,患者・家族とも破裂の恐怖に慄きながらその時をまっており不憫である。・こうした患者には枝付きステントグラフトやRIBS が大いなる福音となる。
設問 1 西洋薬と比較した漢方薬のメリットを述べよ。
解答1 ① 効率よく大腸通過時間を短縮させる。② 大黄の含有量により作用の強いものから弱いものまで種類が豊富にあり調節し易い。③ 作用が緩徐で,副作用を起こしにくい。④ 通常の便秘薬では対応不可の腹痛や腹部膨満などの排便周辺症状に対応できる。
設問 2 「 便通異常症診療ガイドライン 2023 -慢性便秘症」 で,漢方薬は代替・補助治療薬に位置付けられているが,具体的にどのような症例に処方されるか述べよ。
解答2 ・ 便秘+周辺症状(腹部膨満感,腹痛など)・ 西洋薬で治療効果不十分・ 高齢者・他疾患併存患者
設問 3 大黄が強すぎて腹痛が生じるため使用できない慢性便秘症患者で腹部膨満感をともなう場合に考慮すべき漢方薬は何か?
解答3 大建中湯:山椒の作用により消化管運動を促進させる。
設問 1 脊柱側弯症は骨成熟後に側弯の進行が止まるか?
解答1 Cobb 角が大きい症例では骨成熟後も側弯が進行する可能性があり注意が必要。
設問 2 骨粗鬆症性椎体骨折の診断に有用なMRI 撮像法は何か?
解答2 STIR(short tau inversion recovery)が有用。
設問 1 股関節脱臼の予防運動の効果は何か?
解答1 ① 脱臼患者数の減少② 2次性OA の減少
設問 2 近年増加している小児の栄養不良で代表的な整形外科疾患は何か?
解答2 ビタミンD欠乏性くる病(または くる病)
設問 1 「 糖代謝異常者における糖尿病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント」において,糖尿病患者を循環器専門医へ紹介する基準として明記してあるBNP の値を答えよ。
解答1 BNP 100 pg/ml 以上
設問 2 エンパグリフロジン10mg の適応疾患を3つ答えよ。
解答2 2型糖尿病,慢性心不全,慢性腎臓病
設問 1 心外膜脂肪が惹起する心血管疾患を3つ選べ。① 虚血性心疾患② 心房細動③ 心不全④ 拡張型心筋症⑤ 心アミロイドーシス
解答1 ① ② ③
解説1 冠動脈周囲の心外膜脂肪は冠動脈の動脈硬化をきたし虚血性心疾患を惹起する。心房周囲の心外膜脂肪は心房線維化をきたし心房細動を惹起する。心外膜脂肪は心臓全体の拡張能を障害し心不全(特にHFpEF)を惹起する。
設問 2 心外膜脂肪の量を減らす薬剤を1つ選べ。① SU 剤② インスリン製剤③ ループ利尿剤④ β遮断薬⑤ SGLT-2 阻害薬
解答2 ⑤
解説2 SGLT-2 阻害薬は,臨床上,心外膜脂肪の量を減らすエビデンスがある。我々の検討では,SGLT-2 阻害薬は,IL6 やMCP1 といった炎症性サイトカインの遺伝子発現を抑制している。