2025年4月1日号
会長 髙折 晃史
この度、地区だよりに京都大学医学部附属病院(以下、京大病院)の近況をご報告させていただきます。
京大病院は、3つの基本理念
1. 患者中心の開かれた病院として、安全で質の高い医療を提供する。
2. 新しい医療の開発と実践を通して、社会に貢献する。
3. 専門家としての責任と使命を自覚し、人間性豊かな医療人を育成する。
のもと、世界に発信する新規医療開発を含め、高度先進医療を京都府のみならず日本中に届けること、一方、地域に根差した高度急性期医療の砦として、地域の方々に急性期医療を届けることを両輪に活動しております。
その中で、2023年3月に中央診療棟の改修が終了し、一連の再開発事業が一段落いたしました。これにより、60床のケアユニット、18室の中央手術室、30床の治験病棟が整備され、これらを現在最大限に稼働させております。なかでも、昨年4月に京都府から救命救急センターに指定されたことにより、中病棟1階をE-ICU20床として使用、3階のHCU、4階のICUを現在フル稼働させております。地域の先生方はもとより、消防・警察とも協力しながら、これまで以上に京都府の救急医療に貢献できればと考えております。
地域における活動として、京都府医師会との共催で「地域連携の集い」を2019年より毎年開催しております。今年度は、「地域に根差した京大病院であるために」をテーマとして、初期診療・救急科の大鶴教授による「京大らしい、地域に根ざした救命救急センターを目指して」、循環器内科の尾野教授による「京大循環器内科の診療~心不全診療の最前線~」、乳腺外科の増田教授による「一人ひとりに最善の乳癌診療をめざして」と題した3つの講演を行いました。講演終了後には、意見交換会を開催し、京大病院と地域の医療機関の方々が顔の見える関係を築く場となりました。
その他、各分野の連携活動として、京都府脳卒中・心臓病等総合支援センター事業では京都市北部エリア脳卒中地域連携の会および市民公開講座、京都府てんかん地域診療連携体制整備事業では府民公開講座およびてんかん診療講演会を開催いたしました。いずれの活動も京都府医師会からの共催や後援の支援をいただき、医療関係者・府民を問わず、多くの参加と好評をいただいております。今後もこのような取組みを通じて、地域に根差した京大病院であるためにたゆまず努力してまいりますので、皆様のご指導のほどよろしくお願いいたします。
最後に、昨年2024年は京大病院が1899(明治32)年12月に開設されてから125周年にあたり、各種記念事業を展開しておりますことを紹介させていただきます。昨年8月から11月まで毎月1回、それぞれ「母と子の健康を守る」、「脳心血管病を防ぐ」、「最先端がん治療を知る」、「健康長寿のために」をテーマとした計4回に亘る記念講演会を行い、患者さんやご家族、一般市民の方々など多くの参加がありました。また、11月には125周年記念誌を刊行し、12月21日には多くの来賓の方々にご出席いただき記念式典が無事に挙行できました。この記念事業は皆様方の多大なご支援の賜物であり、今後は外来診療部門の拡充(外来化学療法部、内視鏡部)や先進的医療機器の導入、老朽化した医療機器の更新をはじめ、京大病院がますます発展できるよう各種事業の実現を目指しておりますので、是非、ご支援を賜れれば幸いです。
京都大学医師会
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京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院 総務課 総務掛
TEL:075-751-3007 FAX:075-751-6151会 長:髙折 晃史会員数:312 人(2025.3.6現在)