2020年11月1日号
今般,ラブリズマブ(遺伝子組換え)製剤(販売名:ユルトミリス点滴静注300mg)について,「非典型溶血性尿毒症症候群」の効能・効果を追加する製造販売事項一部変更承認がされたことにともない,本剤の使用にあたっての留意事項が下記のとおり示されましたのでお知らせします。
記
1.本剤については,本承認に際し,製造販売業者による全症例を対象とした使用成績調査,適正な流通管理の実施等を承認条件として付したこと。
【承認条件】
<非典型溶血性尿毒症症候群>
1.医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
2.国内での治験症例が極めて限られていることから,製造販売後,一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は,全症例を対象に使用成績調査を実施することにより,本剤使用患者の背景情報を把握するとともに,本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し,本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
3.本剤の投与が,非典型溶血性尿毒症症候群の診断,治療に精通し,本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関のもとで,髄膜炎菌感染症の診断,治療に精通した医師との連携を取った上でのみ行われるよう,製造販売にあたって必要な措置を講じること。
2.本剤の警告及び効能・効果に関連する使用上の注意の記載は以下のとおりであり,髄膜炎菌感染症の発症のリスクには特段の留意をお願いすること。なお,その他の使用上の注意についても別添の添付文書を参照されたいこと。
1.警告(下線部は本承認に伴う追記箇所)
1.1 (中略)
1.2 本剤は,発作性夜間ヘモグロビン尿症あるいは非典型溶血性尿毒症症候群に十分な知識を持つ医師のもとで,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また,本剤投与開始に先立ち,本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め,本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し,同意を得てから投与すること。
5.効能・効果に関連する注意(下線部は本承認に伴う追記箇所)
<効能共通>
5.1 本剤は,補体C5の開裂を阻害し,終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため,髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,本剤投与の是非を慎重に検討し,適切な対象患者に使用すること。また,本剤投与に際しては,緊急治療を要する場合等を除いて,原則,本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては,肺炎球菌,インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し,未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること。