2025年7月15日号
(敬称略,順不同,◎=委員長, ○=副委員長)
担当副会長 谷口 洋子 / 担当理事 市田 哲郎・角水 正道・小柳津治樹
前期の府医地域ケア委員会が作成した答申書が完成し,6月2日(月)に伊藤照明委員長から松井府医会長へ手渡された。
日医はかかりつけ医機能を単独の医師が担うのではなく,複数の医療機関や介護・福祉関係者が連携して実現するべきだと提唱しており,この考え方は地域医療の未来に向けた大きな指針となる。地域医療における包括的な連携の必要性を示唆しており,特に地域差が顕著な京都府においては重要な課題であるため,会長諮問事項を「京都で求められる面としてのかかりつけ医機能を実現するために必要なこと」とし,活発な議論をいただいた。
答申は,各回のテーマに応じた講師をお迎えして,京大病院での地域連携の取組みや,能登半島地震での医療支援,京あんしんネット,在宅療養あんしん病院登録システム,地域医療連携推進法人等についての発表内容と,取り交わされた意見を合わせて報告としてまとめ,病診連携や多職種連携等の具体的な課題をまとめた各論から構成されている。
京都府の医療体制は地域ごとに異なる課題を抱えており,多職種連携は進んでいるものの,医療・介護スタッフが不足している地域や,医療機関が極めて少ない地域もあり,平時には対応可能な課題でも災害時やパンデミック時には医療機能が破綻する恐れがあるため,地域に応じた解決策が必要とした。
また,府医は単なる支援組織ではなく,地域医療のハブとしての役割を強化する必要があり,人材育成や診療報酬の見直しを通じて,持続可能な医療システムの構築をめざすことが重要であるとした。