令和8年度診療報酬改定の「議論の整理」をまとめる/中医協

 令和8年度診療報酬改定率が決定したことを受けて,厚生労働大臣は1月 14 日,中医協総会に令和8年度診療報酬改定の諮問書を提出。同日の総会に「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」を示すとともにパブリックコメントを募集した。医療現場や患者等国民から集まった意見も踏まえ,骨子をもとに中医協でより具体的な議論が行われている。
 「議論の整理」では,これまでの物価高騰を踏まえ,初・再診料,入院基本料について必要な評価を行うとし,さらに令和8年度・令和9年度におけるさらなる高騰に対応する観点から,医療機能を踏まえた物価高騰に対応した新たな評価を行うとされている。外来診療については,かかりつけ医機能に係る評価に関連して,機能強化加算や生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の見直し,特定疾患療養管理料の対象疾患の要件の見直し,地域包括診療加算等の対象患者や要件の見直しなどが示されている。また,後発医薬品の処方に係る評価体系を見直す一方,不安定な供給状況への追加的な業務を新たに評価するとされている。さらに,長期収載品の選定療養費の患者負担の見直しや,残薬確認,長期処方,リフィル処方に関連して処方箋様式を見直すことが示されている。
 入院医療については,急性期病棟において,看護職員や他の医療職種が協働して病棟業務を行う体制を新たに評価することや,救急搬送の受入や手術等の病院の機能に着目した施設基準を設け,体制整備も含めた新たな評価を行うとされている。
 中医協ではこれらの項目に基づいた議論を経て,2月中旬を目途に答申する予定である。
 前述のごとく,厚労省は,広く国民からの意見を踏まえた上で,幅広く議論を進めるという観点から,「議論の整理」についてパブリックコメントを募集したが,府医としては,各地区医・専門医会宛に全体の内容およびパブリックコメントの提出要項をお知らせするとともに,内容を検討の上コメントの提出を依頼した。
 「議論の整理」は下記のとおり。

令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(抜粋)

Ⅰ 物価や賃金,人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応

Ⅰ-1 医療機関等が直面する人件費や,医療材料費,食材料費,光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応

  • これまでの物価高騰による医療機関等の物件費負担の増加を踏まえ,初・再診料等及び入院基本料等について必要な見直しを行う。また,令和8年度及び令和9年度における物件費の更なる高騰に対応する観点から,その担う医療機能も踏まえつつ,物価高騰に対応した新たな評価を行う。
  • 食材料費や光熱・水道費の上昇等を踏まえ,入院時の食費及び光熱水費の基準額を引き上げる。
  • 入院時の食事療養の質の向上を図る観点から,おいしく安全な食形態で適切な栄養量を有する嚥下調整食について新たな評価を行うとともに,多様なニーズに対応できるよう,特別料金の支払を受けることができる食事の要件を見直す。

Ⅰ-2 賃上げや業務効率化・負担軽減等の業務改善による医療従事者の人材確保に向けた取組

Ⅰ-2-1 医療従事者の処遇改善

  • 看護職員,病院薬剤師その他医療関係職種の確実な賃上げを更に推進するとともに,令和6年度診療報酬改定で入院基本料や初・再診料により賃上げ原資が配分された職種についても他の職種と同様に賃上げ措置の実効性が確保される仕組みを構築する観点から,賃上げに係る評価を見直す。
  • 看護職員の夜勤負担を組織的に軽減することを促す観点から,看護職員夜間配置加算等において,夜勤に係る負担の軽減や処遇の改善に資する計画を立案し,体制の整備が促進されるよう要件を明確化する。

Ⅰ-2-2 業務の効率化に資する ICT,AI,IoT 等の利活用の推進

  • 看護業務において,ICT機器等を活用することで業務の更なる効率化や負担軽減を推進する観点から,見守り,記録及び医療従事者間の情報共有に関し,業務効率化に有用なICT機器等を組織的に活用した場合に,入院基本料等に規定する看護職員の配置基準を柔軟化する。
  • ICT等の活用による医師事務に係る業務効率化・負担軽減等の業務改善推進の観点から,医師事務作業補助体制加算の人員配置基準を柔軟化する。
  • 医療機関等における医療DXへの対応及び業務の簡素化を図る観点から,診療に係る様式の簡素化や署名・記名押印の見直し,施設基準等に係る届出や報告事項を見直す。
  • 入院基本料等の施設基準に係る届出を行うに当たって看護要員の必要数及び配置数を算出するために使用する「様式9」について,医療現場の実態を踏まえ,また,業務の簡素化の観点から,病棟における勤務時間に算入できる内容を見直すとともに,小数点以下の処理方法を含む注意事項の記載を整理する。

Ⅰ-2-3 タスク・シェアリング/タスク・シフティング,チーム医療の推進

  • 更なる生産年齢人口の減少に伴って医療従事者確保の制約が増す中でも,患者像に合わせた専門的な治療やケアを提供し,患者のADLの維持・向上等に係る取組を推進するため,重症度,医療・看護必要度の高い高齢者等が主に入棟する病棟において,看護職員や他の医療職種が協働して病棟業務を行う体制について,新たな評価を行う。

Ⅰ-2-4 医師の働き方改革の推進/診療科偏在対策

  • 外科医師の減少等に対応するため,診療科偏在による医師数の減少が課題となっている診療科の医師の勤務環境・処遇の改善を図りつつ,高度な医療を提供する医療機関等への新たな評価を行う。また,特定地域医療提供機関及び連携型特定地域医療提供機関において,医師の働き方改革を更に推進しつつ,勤務環境・処遇改善等により,医師の診療科偏在を解消して医療提供体制を確保する観点から,地域医療体制確保加算の要件を見直す。
  • 医師の働き方改革を推進する観点から,処置及び手術に係る休日加算1,時間外加算1及び深夜加算1の要件を見直す。

Ⅰ-2-5 診療報酬上求める基準の柔軟化

  • 医療現場を取り巻く人手不足の状況下で,質の高い医療提供体制の維持とそのための人材確保の取組の両立を図る観点から,公共職業安定所や無料職業紹介事業者,適正認定事業者を活用する等により,平時から看護職員確保の取組を行っているにもかかわらず,やむを得ない事情によって一時的に看護職員確保ができない場合について,看護職員の配置基準を柔軟化する。
  • 医療現場を取り巻く人手不足の状況を踏まえ,業務効率化の観点から,医療安全管理加算,感染対策向上加算及び入院栄養管理体制加算における専従に係る基準を見直す。
  • 一般職の職員の勤務時間,休暇等に関する法律に規定されている1日当たり勤務時間を踏まえ,常勤職員の柔軟な配置を促進する観点から,常勤職員の常勤要件に係る所定労働時間数を見直す。
  • 質の高い摂食嚥下機能回復に係る取組を推進する観点から,摂食嚥下機能回復体制加算の施設基準における,言語聴覚士の専従要件や実績の計算方法を見直す。また,療養病棟入院基本料における経腸栄養管理加算について,対象となる患者の要件を見直す。
  • より柔軟なリハビリテーション提供体制の構築を促進するとともに,病棟内に限らず専門性を活かした指導等を推進する観点から,疾患別リハビリテーションや病棟の業務に専従の理学療法士,作業療法士,言語聴覚士が従事できる業務の範囲を広げるとともに,明確化する。

Ⅱ 2040 年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保,地域包括ケアシステムの推進

Ⅱ-1 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価

Ⅱ-1-1 患者のニーズ,病院の機能・特性,地域医療構想を踏まえた医療提供体制の整備

  • 地域で病院が果たしている救急搬送の受入や手術等の急性期機能に着目し,地域ごとの急性期の病院機能を確保する観点から,病院の機能に着目した施設基準を設け,体制整備も含めた新たな評価を行う。
  • 救急搬送症例や手術なし症例における重症度,医療・看護必要度の適切な評価を進める観点から,重症度,医療・看護必要度による評価の方法を見直す。
  • 地域における拠点的な医療機関を評価する観点から,総合入院体制加算及び急性期充実体制加算を見直し,新たな評価を行う。その際,人口の少ない地域において,救急搬送の受入を最も担う病院について配慮する。
  • 特定機能病院について,高度な医療等を提供する拠点としての機能や,地域医療における役割を積極的に果たす機能を評価する観点から,特定機能病院入院基本料の区分を見直す。
  • 特定集中治療室を有する病院が担う医療機能に係る実績に応じた評価を行う観点から,特定集中治療室管理料について以下の見直しを行う。
    •  重症の救急搬送患者や全身麻酔手術後患者に特に密度の高い医学的管理を行うこと等が特定集中治療室を有する病院が担う役割であることを踏まえ,特定集中治療室管理料について,救急搬送件数及び全身麻酔手術件数に関する病院の実績を要件とする。
    •  専任の医師に宿日直を行う医師が含まれる治療室とそれ以外の治療室における診療の現状等を踏まえ,宿日直を行う医師が含まれる治療室の範囲及び施設基準を見直す。
    •  急性冠症候群の治療後や心停止蘇生後の患者に必要な処置等を踏まえ,特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度の項目を見直す。
    •  特定集中治療室に入室する重症患者について,その臓器機能障害の程度に応じた適切な評価を行う観点から,入室時にSOFAスコアが一定以上である患者割合の要件を見直す。
    •  集中治療領域における重症患者対応の強化及び人材育成に関する取組を推進する観点から,特定機能病院においても重症患者対応体制強化加算を算定可能とするよう見直す。
    •  遠隔集中治療について,地域によらず特定集中治療室を有する病院が担うべき医療機能に応じて適切に推進する観点から,特定集中治療室遠隔支援加算の施設基準を見直す。
    •  広範囲熱傷特定集中治療管理料の有無によって区分が分かれている特定集中治療室管理料1から6までの評価体系について,簡素化の観点からその区分を統合し整理する。
  • ハイケアユニットを有する病院が担う医療機能に係る実績に応じた評価を行う観点から,ハイケアユニット入院医療管理料について以下の見直しを行う。
    •  重症の救急搬送患者や全身麻酔手術後患者に密度の高い医学的管理を行うこと等がハイケアユニットを有する病院が担う役割であることを踏まえ,ハイケアユニット入院医療管理料について,救急搬送件数及び全身麻酔手術件数に関する病院の実績を要件とする。
    •  急性冠症候群の治療後や心停止蘇生後の患者に必要な処置等を踏まえ,ハイケアユニット用の重症度,医療・看護必要度の項目を見直す。
    •  ハイケアユニット入院医療管理の必要性に応じた適切な評価を行う観点から,ハイケアユニット用の重症度,医療・看護必要度について,基準を満たす患者割合の要件を見直す。
  • 救命救急入院料について,簡素化の観点から,その区分を統合し整理する。
  • 脳卒中ケアユニットを有する病院が担う医療機能に係る実績に応じた評価を行う観点から,脳卒中ケアユニット入院医療管理料について要件を見直す。
  • 地域包括医療病棟において,高齢者の中等症までの救急疾患等の幅広い受入を推進する観点から,高齢者の生理学的特徴や頻度の高い疾患を踏まえ,平均在院日数,ADL低下割合及び重症度,医療・看護必要度の基準を見直す。また,医療資源投入量や急性期病棟の併設状況に応じた評価を導入する。更に,リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組を推進する観点から,加算の体系を見直す。
  • より質の高い回復期リハビリテーション医療を推進する観点から,回復期リハビリテーション病棟入院料,回復期リハビリテーション入院医療管理料及び特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の施設基準及び要件を見直す。
  • 療養病棟入院基本料を算定する患者の病態や医療資源投入量をより適切に反映させる観点から,医療区分2又は3に該当する疾患や状態,処置等の内容を見直す。あわせて,より医療の必要性が高い患者の受入れを推進する観点から,療養病棟入院料2における医療区分2及び3の患者の割合を引き上げる。
  • 患者の状態に応じた適切な管理を更に推進する観点から,障害者施設等入院基本料等について,重度の肢体不自由児(者)に該当しない廃用症候群に係る評価を見直す。
  • 障害者施設等入院基本料における看護職員及び看護補助者の業務分担・協働及び夜間における看護業務の負担軽減を更に推進する観点から,看護補助加算及び看護補助体制充実加算の評価を見直す。
  • 入院料ごとに医療機能を適切に評価し,医療機能に応じた患者の入棟を円滑にする観点から,入院料に薬剤料が包括されない薬剤及び注射薬について,範囲を見直す。
  • DPC/PDPSについて,医療の標準化・効率化を更に推進する観点から,改定全体の方針を踏まえつつ,診断群分類点数表の改定,医療機関別係数の設定及び算定ルールの見直し等の所要の措置を講ずる。
  • 手術の外来移行を促すとともに,実態に即した評価を行う観点から,短期滞在手術等基本料について,対象手術等を追加するとともに,要件及び評価を見直す。
  • 令和6年人事院勧告における国家公務員の地域手当の見直しに伴い,地域加算の対象地域及び評価を見直す。

Ⅱ-1-2 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価

  • 医療資源の少ない地域に配慮した評価を適切に行う観点から,医療資源の少ない地域の対象となる地域及び経過措置を見直す。
  • 人口の少ない地域における外来・在宅を含む医療提供機能を確保する観点から,地域の外来・在宅医療の確保に係る支援を行い,病状の急変等により緊急で入院が必要となった患者を受け入れる体制を有する医療機関について,新たな評価を行う。
  • 歯科医療が十分に提供されていない地域等において歯科診療を適切に推進するため,地方自治体等と連携して実施する歯科巡回診療車を用いた巡回診療について,新たな評価を行う。

Ⅱ-2 「治し,支える医療」の実現

Ⅱ-2-1 在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援(緊急入院等)を担う医療機関の評価

  • 介護保険施設や在宅医療機関の後方支援を行うに当たり,実効性のある連携関係を保ちつつ業務効率化を図る観点から,協力医療機関に対して求めている協力対象施設との情報共有・カンファレンスの頻度を見直す。
  • 高齢者救急,在宅医療及び介護保険施設の後方支援を更に充実させる観点から,地域包括医療病棟入院料及び地域包括ケア病棟入院料について,これらの体制及び一定の実績を持つ医療機関を更に評価する。
  • 地域包括ケア病棟における在宅医療や協力対象施設の後方支援の機能をより高く評価する観点から,初期加算の対象となる患者の範囲及び評価並びに退院支援に係る診療報酬項目の包括範囲を見直す。

Ⅱ-2-2 円滑な入退院の実現

  • 入退院支援において,関係機関との連携,生活に配慮した支援及び入院前からの支援を強化する観点から,入退院支援加算等の評価や要件を見直す。
  • 入退院時の支援において,居宅介護支援事業所等の介護支援専門員等との連携及び地域の入退院支援に係る情報共有等の規定に基づいた入院前からの支援を強化する観点から,介護支援等連携指導料の要件を見直す。
  • 高次脳機能障害患者に対して退院後も必要な障害福祉サービス等を適切に提供する観点から,回復期リハビリテーション病棟入院料に高次脳機能障害患者の退院支援体制に係る要件を追加する。
  • 感染症対策等の専門的な知見を有する者が,介護保険施設等からの求めに応じてその専門性に基づく助言を行うことを促進する観点から,感染対策向上加算等の要件を見直す。

Ⅱ-2-3 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進

  • リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組を更に推進する観点から,リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の算定要件を見直す。また,地域包括医療病棟のリハビリテーション・栄養・口腔連携加算についても同様の見直しを行う。更に,地域包括ケア病棟においてもリハビリテーション・栄養・口腔連携加算を算定可能とする。
  • 質の高い摂食嚥下機能回復に係る取組を推進する観点から,摂食嚥下機能回復体制加算の施設基準における,言語聴覚士の専従要件や実績の計算方法を見直す。また,療養病棟入院基本料における経腸栄養管理加算について,対象となる患者の要件を見直す。(Ⅰ-2-5-(4)再掲)
  • 入院患者が有する口腔状態の課題への質の高い対応を推進する観点から,医科点数表により診療報酬を算定する医療機関が歯科医療機関とあらかじめ連携体制を構築し,口腔状態の課題を有する入院患者が歯科診療を受けられるよう連携を行った場合について,新たな評価を行う。
  • 医科歯科連携を推進し入院患者の口腔管理を充実させる観点から,医科点数表により診療報酬を算定する医療機関からの依頼に基づき入院患者に対して歯科訪問診療を実施した場合について,新たな評価を行う。

Ⅱ-3 かかりつけ医機能,かかりつけ歯科医機能,かかりつけ薬剤師機能の評価

  • かかりつけ医機能に係る体制整備を推進する観点から,機能強化加算の要件等を見直す。
  • 生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から,生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を見直す。
  • 特定疾患療養管理料は,プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものであることを踏まえ,当該管理が適切に実施されるようその対象疾患の要件を見直す。
  • 地域包括診療加算等について,対象疾患を有する要介護高齢者等への継続的かつ全人的な医療を推進する観点や,適切な服薬指導の実施を推進する観点から,対象患者や要件を見直す。
  • 休日・夜間等の問い合わせや受診へ対応する体制整備を更に推進する観点から,時間外対応加算の評価を見直す。
  • 〜 (8) (略)

Ⅱ-4 外来医療の機能分化と連携

Ⅱ-4-1  大病院と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携による大病院の外来患者の逆紹介の推進

  • 外来機能の明確化及び医療機関間の連携を推進する観点から,紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等を紹介状なしで受診した患者等に係る初診料及び外来診療料について,以下の見直しを行う。
    •  紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等を紹介状なしで受診した患者等に係る初診料及び外来診療料について,逆紹介割合の基準を引き上げる。
    •  紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等において,初診料及び外来診療料が減算となる対象患者について,頻繁に再診を受けている患者を含むよう見直す。
  • 診療所又は許可病床数が200床未満の病院において,特定機能病院等からの紹介を受けた患者に対する初診を行った場合について,新たな評価を行う。
  • 病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携しながら共同で継続的に治療管理を行う取組を推進する観点から,連携強化診療情報提供料の評価体系を見直す。

Ⅱ-5 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

  • 利用者の状態像を適切に把握し,適正な訪問看護の提供を推進する観点から,訪問看護ステーションに作成を求めている指定訪問看護の実施に係る記録書の記載内容の明確化等を行う。
  • 適切な訪問看護提供体制の構築や,指定訪問看護事業者の適正な手続きの確保等を推進する観点から,指定訪問看護に係る安全管理に関する内容や適正な請求等について,指定訪問看護の運営基準に新たな規定を設ける。
  • 健康保険事業の健全な運営を確保する観点から,療養担当規則において,医療機関が,特定の訪問看護ステーション等を利用するべき旨の指示等を行うことの対償として,財産上の利益を収受することを禁止する規定を新たに設ける。

Ⅱ-5-1 地域において重症患者の訪問診療や在宅看取り等を積極的に担う医療機関・薬局の評価

  • 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算について,在宅医療において積極的役割を担う医療機関を更に評価する観点から,名称を変更した上で,要件及び評価を見直す。
  • 地域における24時間の在宅医療提供体制を面として支える取組を更に推進する観点から,往診時医療情報連携加算の要件を見直す。
  • 入院中に栄養管理の必要性が高い患者が,安心・安全に在宅療養に移行し,在宅療養を継続できるよう支援する観点から,退院直後の一定期間に入院医療機関が行う訪問栄養食事指導について,新たな評価を行う。
  • 連携型の機能強化型在宅療養支援診療所において,地域の24時間医療提供体制を支える医療機関を更に評価する観点から,自ら実際に医療提供体制を確保している時間に応じて評価を見直す。
  • 在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院について,災害時における在宅患者への診療体制を確保する観点から,要件を見直す。
  • 患者の医療・介護の状態を踏まえた適切な訪問診療の提供を推進する観点及び安心・安全な医療提供体制を確保する観点から,在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料並びに在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院について,要件を見直す。
  • 患者ごとの適切な医療提供を推進する観点から,在宅療養指導管理材料加算の算定要件を見直す。
  • 在宅医療におけるポリファーマシー対策及び残薬対策を推進する観点から,医師及び薬剤師が同時訪問することについて,新たな評価を行う。
  • 患家における残薬の整理や適切な服薬指導の実施を推進する観点から,地域包括診療加算等並びに在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の要件を見直すとともに,指定訪問看護の運営基準において残薬対策に係る取組を明確化する。
  • へき地における在宅医療の提供体制を確保する観点から,在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の要件を見直す。
  • 〜(13) (略)

Ⅱ-5-2 重症患者等の様々な背景を有する患者への訪問看護の評価

  • 住み慣れた地域で療養しながら生活を継続することができるよう,過疎地域等における訪問看護について,遠方への移動負担を考慮し,特別地域訪問看護加算の対象となる訪問の要件を見直す。
  • 手厚いケアの必要がある,重症な難治性皮膚疾患を持つ利用者に対する訪問看護の充実を図る観点から,在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定する利用者について,訪問看護基本療養費等を算定できる回数を見直す。
  • 在宅での療養を行っている利用者に対して,訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行う際に,当該利用者の医療・ケアに携わる関係職種がICTを用いて記録した診療情報等を活用した場合について,新たな評価を行う。
  • 精神科訪問看護の質の向上を推進する観点から,地域の関係者と連携して支援ニーズの高い利用者に対して精神科訪問看護を提供する等の役割を担う訪問看護ステーションについて,機能強化型訪問看護ステーションとして新たな評価を行う。
  • 乳幼児に対する訪問看護について,状態に応じた質の高い訪問看護が提供されるよう,乳幼児加算の評価を見直す。
  • 適切な指定訪問看護に係る管理を推進するとともに,利用者のニーズや療養環境の多様化に適切に対応するために,訪問看護管理療養費の評価を見直す。
  • 訪問看護基本療養費(Ⅱ)等やその加算について,1月当たりの訪問日数や建物内の訪問看護実施人数等に応じたきめ細かな評価に見直す。
  • 高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションは,居住者に短時間で頻回の訪問看護を効率的に実施できることを踏まえ,訪問看護療養費に包括で評価する体系を新設する。

Ⅱ-6 人口・医療資源の少ない地域への支援

  • 医療資源の少ない地域に配慮した評価を適切に行う観点から,医療資源の少ない地域の対象となる地域及び経過措置を見直す。(Ⅱ-1-2-(1)再掲)
  • 人口の少ない地域における外来・在宅を含む医療提供機能を確保する観点から,地域の外来・在宅診療の確保に係る支援を行い,病状の急変等により緊急で入院が必要となった患者を受け入れる体制を有する医療機関について,新たな評価を行う。(Ⅱ-1-2-(2)再掲)
  • へき地における在宅医療の提供体制を確保する観点から,在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の要件を見直す。(Ⅱ-5-1-(10)再掲)
  • (略)

Ⅱ-7 医療従事者確保の制約が増す中で必要な医療機能を確保するための取組

Ⅱ-7-1 業務の効率化に資する ICT,AI,IoT 等の利活用の推進(再掲)
(Ⅰ-2-2を参照)

Ⅱ-7-2 タスク・シェアリング/タスク・シフティング,チーム医療の推進(再掲)
(Ⅰ-2-3を参照)

Ⅱ-8 医師の地域偏在対策の推進

  • 医療資源の少ない地域に配慮した評価を適切に行う観点から,医療資源の少ない地域の対象となる地域及び経過措置を見直す。(Ⅱ-1-2-(1)再掲)
  • 人口の少ない地域における外来・在宅を含む医療提供機能を確保する観点から,地域の外来・在宅診療の確保に係る支援を行い,病状の急変等により緊急で入院が必要となった患者を受け入れる体制を有する医療機関について,新たな評価を行う。(Ⅱ-1-2-(2)再掲)
  • 改正医療法に基づき都道府県知事が行う,地域で不足している医療機能等に係る医療提供の要請に応じず,医療機関の指定が3年以内とされた医療機関は,地域医療への寄与が不十分との位置付けであることを踏まえ,当該医療機関については機能強化加算,地域包括診療加算及び地域包括診療料の対象としない等,評価を見直す。

Ⅲ 安心・安全で質の高い医療の推進

Ⅲ-1 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価

  • 治療と仕事の両立を推進する観点から,療養・就労両立支援指導料について,対象患者,算定可能な期間及び評価を見直す。
  • 健康診断,検診及び予防接種等(健診等)の受診後に,健診等に関する疾病に対して保険診療を実施する場合について,当該保険診療に係る初再診料等の算定方法を明確化する。
  • 手術等の医療技術について,以下の見直しを行う。
    •  医療技術評価分科会における検討結果等を踏まえ,医療技術の評価及び再評価を行い,優先的に保険導入すべきとされた新規技術(先進医療として実施されている技術を含む。)について新たな評価を行うとともに,既存技術の評価を見直す。
    •  新規医療材料等として保険適用され,現在準用点数で行われている医療技術について,新たな評価を行う。
    •  外科的手術等の医療技術について,適正かつ実態に即した評価を行うため,外保連試案の評価等を参考に評価を見直す。
    •  医療技術の体系的な分類について,外科系学会社会保険委員会連合の手術基幹コードであるSTEM7の分類に基づく解析により手術時間の差が明らかになったこと等を踏まえ,整形外科領域のKコードの分類を見直す。
  • 内視鏡手術用支援機器を用いた手術について,多数の手術を実施している医療機関における医療機器の効率的な活用及び高額医療機器の集約化を図る観点から,ロボット手術について,年間手術実績に応じた新たな評価を行う。
  • 安全で質の高い麻酔管理を評価する観点から,全身麻酔の評価について,麻酔の深度,気道確保デバイスの有無及び麻酔管理体制に応じた評価に見直す。
  • 質の高いゲノム医療を推進する観点から,遺伝学的な検査の実施時等における遺伝学的な情報に基づく療養指導に係る評価について,療養指導を実施できる回数等,要件の見直しを行う。
  • 難病患者に対する診断のための検査を充実させる観点から,指定難病の診断に必要な遺伝学的検査について,対象疾患を拡大する。
  • フィブリノゲン製剤の適正使用の観点から,同剤の投与に際し必要となる迅速なフィブリノゲン測定を行う場合について,新たな評価を行う。
  • 質の高い臨床検査の適正な評価を進めるため,新規臨床検査として保険適用され,現在準用点数で行われている検査について,新たな評価を行う。
  • 関係学会における骨粗鬆症の治療管理での骨塩定量検査の位置付けを踏まえ,算定回数を見直す。
  • 近視の進行抑制を効能・効果として有する医薬品の処方に係る一連の検査を適切に評価するため,同医薬品の処方に係る検査について,新たな評価を行う。
  • 患者への安心・安全な医療の提供を更に推進する観点から,検体検査管理加算の要件を見直す。
  • カルタヘナ法を遵守した薬剤投与や医学管理を推進する観点から,新たな評価及び特定薬剤治療管理料の対象薬剤の見直しを行う。
  • 心不全治療による再入院予防を推進する観点から,急性心不全で入院した患者に対して,早期から多職種による介入を実施し,退院後も必要な治療を地域で連携して実施した場合について,新たな評価を行う。
  • 血液透析患者に対するより安心・安全で質の高い診療体制を確保する観点から,人工腎臓に関して,腎代替療法に関する情報提供,災害対策及びシャントトラブルに係る医療機関間連携等を実施した場合について,新たな評価を行う。
  • 経皮的シャント拡張術・血栓除去術について,シャント閉塞及び高度なシャント狭窄とその他の場合の治療効果の違いを踏まえ,算定要件を見直す。
  • 腹膜透析の管理を行う医療機関が乏しい二次医療圏が多いことを踏まえ,腹膜透析を導入する基幹病院とかかりつけ医師の連携により,そうした地域の患者にとっての医療アクセスを確保しつつ,質の高い管理を提供することが可能となるよう,在宅自己腹膜灌流指導管理料の算定要件を見直す。

Ⅲ-1-1 身体的拘束の最小化の推進

  • 身体的拘束の最小化に向けた取組を更に推進する観点から,質の高い取組を行う場合の体制について新たな評価を行うとともに,身体的拘束を行った日の入院料の評価を見直す。
  • 認知症を有する患者へのアセスメントやケアの充実を図りながら身体的拘束の最小化の取組を推進する観点から,認知症ケア加算について評価を見直す。

Ⅲ-1-2 医療安全対策の推進

  • 患者への安心・安全な医療の提供を更に推進する観点から,医療安全対策加算の要件及び評価を見直す。

Ⅲ-2 アウトカムにも着目した評価の推進

  • 回復期リハビリテーション病棟において,より質の高いアウトカム評価を推進する観点から,リハビリテーション実績指数の算出方法及び除外対象患者の基準を見直す。
  • 入院基本料並びに特定入院料における平均在院日数,及び在宅復帰率の計算対象を明確化する。あわせて,短期滞在手術等基本料3を算定する患者について,特定入院料における患者割合等の計算から除外する。また,病棟が1看護単位として機能するに当たり,患者割合等の要件が過度に複雑となることを避ける観点から,1病棟において届け出ることのできる特定入院料の種類数を明確化する。

Ⅲ-2-1 データを活用した診療実績による評価の推進

  • データに基づくアウトカム評価を推進する観点から,データ提出加算に係る届出を要件とする入院料の範囲を拡大する。
  • 外来医療について,データに基づく適切な評価を推進する観点から,データ提出に係る評価を見直す。
  • 質の高い在宅持続陽圧呼吸療法の提供を推進する観点から,在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料並びに終夜睡眠ポリグラフィーの要件及び評価を見直す。

Ⅲ-3 医療DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価

  • 医療DX関連施策の進捗状況を踏まえ,普及した関連サービスの活用を基本としつつ,更なる関連サービスの活用による質の高い医療の提供を評価する観点から,診療録管理体制加算,医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の評価を見直す。

Ⅲ-3-1 電子処方箋システムによる重複投薬等チェックの利活用の推進

  • 向精神薬の処方実態を踏まえ,情報通信機器を用いた診療に当たって,向精神薬を処方する場合には電子処方箋管理サービス等による重複投薬等チェックを行うことを要件とする。
  • 情報通信機器を用いた診療の更なる利便性の向上と,電子処方箋システムを活用した質の高い処方を評価する観点から,情報通信機器を用いた医学管理において重複投薬等チェックを行い,電子処方箋を発行する場合について,新たな評価を行う。

Ⅲ-3-2 外来,在宅医療等,様々な場面におけるオンライン診療の推進

  • 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」及び情報通信機器を用いた診療の実態を踏まえ,情報通信機器を用いた診療の施設基準に,チェックリストのウェブサイト等への掲示及び医療広告ガイドラインの遵守等を追加する。
  • D to P with Nによるオンライン診療の適正な推進の観点から,診療時の看護職員の訪問に関する評価,訪問看護療養費等との併算定方法や,検査及び処置等の算定方法を明確化する。
  • D to P with Dによるオンライン診療について,期待される役割や調査結果を踏まえ,遠隔連携診療料の対象疾患を見直すとともに,入院及び訪問診療における活用ついて,新たな評価を行う。
  • 向精神薬の処方実態を踏まえ,情報通信機器を用いた診療に当たって,向精神薬を処方する場合には電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックを行うことを要件とする。(Ⅲ-3-1-(1)再掲)
  • 情報通信機器を用いた診療の更なる利便性の向上と,電子処方箋システムを活用した質の高い処方を評価する観点から,情報通信機器を用いた医学管理において重複投薬等チェックを行う際に電子処方箋を発行する場合について,新たな評価を行う。(Ⅲ-3-1-(2)再掲)
  • 情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導を推進する観点から,外来栄養食事指導料について,情報通信機器又は電話による指導の評価を見直すとともに,情報通信機器による指導のみでも算定を可能とする要件の明確化を図る。
  • 情報通信機器を用いた診療における不随意運動症に対する脳深部刺激療法の有用性や,「脳深部刺激療法(DBS)における遠隔プログラミングの手引き」を踏まえ,情報通信機器を用いた場合の在宅振戦等刺激装置治療指導管理料について,新たな評価を行う。
  • 情報通信機器を用いた療養指導について,対面と組み合わせた実施を適切に推進することにより,患者のセルフケア支援の充実や負担軽減を図る観点から,在宅療養指導料の算定対象者のうち,在宅自己注射指導管理料を算定している患者及び慢性心不全の患者に係る要件を見直す。
  • プログラム医療機器等指導管理料が併算定できるニコチン依存症管理料や生活習慣病管理料(Ⅱ)に情報通信機器を用いた場合の規定があることを踏まえ,プログラム医療機器等指導管理料に情報通信機器を用いた場合の規定を設ける。

Ⅲ-4 質の高いリハビリテーションの推進

  • 退院時リハビリテーション指導料の目的を踏まえた適切な患者への指導を推進する観点から,対象患者について要件を見直す。
  • より質の高い生活機能回復に資する取組を促進する観点から,医療機関外における疾患別リハビリテーション料の上限単位数を見直す。
  • 適切な疾患別リハビリテーション料の算定を推進する観点から,運動器リハビリテーション料等に係る算定単位数の上限が緩和される対象患者を見直す。
  • より質の高いリハビリテーションを推進する観点から,疾患別リハビリテーション料について,訓練内容に応じた評価に見直す。
  • リハビリテーションに係る書類の簡素化の観点から,リハビリテーション総合計画評価料の評価等を見直す。
  • リンパ浮腫複合的治療料について,より実態に即した評価を行う観点から,リンパ浮腫複合的治療料の評価を見直す。

Ⅲ-4-1 発症早期からのリハビリテーション介入の推進

  • 入院直後における早期リハビリテーション介入の推進及び効果的なリハビリテーションを推進する観点から,より早期に開始するリハビリテーションを評価する。

Ⅲ-4-2 土日祝日のリハビリテーション実施体制の充実

  • 休日であっても平日と同様のリハビリテーションを推進する観点から,休日におけるリハビリテーションについて,新たな評価を行う。

Ⅲ-5 重点的な対応が求められる分野への適切な評価

Ⅲ-5-1 救急医療の充実

  • 救急医療機関における,夜間休日を含めた応需体制の構築及び地域の救急医療に関する取組等の現状を踏まえ,院内トリアージ実施料及び夜間休日救急搬送医学管理料等を見直し,救急外来医療を24時間提供するための人員や設備,検査体制等に応じた新たな評価を行う。
  • 高次の救急医療機関と他の医療機関との連携を強化し,救急患者の適切な転院搬送の実施及び受入を更に推進する等の観点から,救急患者連携搬送料の要件及び評価を見直す。

Ⅲ-5-2 小児・周産期医療の充実

  • 周産期医療の体制構築に係る評価を適切に推進する観点から,母体・胎児集中治療室管理料について,要件を見直す。
  • 新生児集中治療室を有する病院における低出生体重児の入院数が減少傾向であることを踏まえ,周産期医療体制を適切に維持する観点から,新生児特定集中治療室管理料2について,低出生体重児の新規入院患者数に関する実績の基準を見直す。
  • 成人移行期の小児について,良質な医療の継続を推進する観点から,難病外来指導管理料の要件を見直す。
  • 小児医療に係る高額な検査・薬剤の必要性等の実態を踏まえ,小児入院医療管理料等,小児科外来診療料について必要な見直しを行う。
  • 分娩件数の減少に伴い,分娩を取り扱う産科病棟の混合病棟化や他科患者の増加に配慮した対応が必要となっていることを踏まえ,母子の心身の安定・安全に配慮した産科における管理や,妊娠・産後を含む継続ケアを行う体制について,新たな評価を行う。
  • 療養病棟入院基本料を算定する患者の病態や医療資源投入量をより適切に反映させる観点から,医療区分2又は3に該当する疾患や状態,処置等の内容を見直す。(Ⅱ-1-1-(11)再掲)
  • 6歳以上の小児の薬剤調製において体重による投与量調整が発生すること等を踏まえ,無菌製剤処理加算の評価対象を見直す。

Ⅲ-5-3 質の高いがん医療及び緩和ケアの評価

  • 悪性腫瘍の患者に対する外来における安心・安全な化学療法の実施を推進する観点から,外来腫瘍化学療法診療料について,要件を見直すとともに,皮下注射を実施した場合についても評価を行う。
  • 質の高いがんゲノム医療の効率的な提供を推進する観点から,がんゲノムプロファイリング評価提供料及びがんゲノムプロファイリング検査について,エキスパートパネルを省略可能な症例に係る知見が集積されたことを踏まえ,要件及び評価を見直す。
  • 地域における強度変調放射線治療(IMRT)の提供体制を確保する観点から,がん診療連携拠点病院等におけるIMRTについて,遠隔の医師と共同で放射線治療計画を作成できるよう医師配置に係る要件を見直す。
  • 悪性腫瘍の患者に対する診療方針等に関する患者の意思決定支援や,患者の心理的不安を軽減するための指導の実施を推進する観点から,がん患者指導管理料について,算定要件を見直す。
  • 遺伝性乳癌卵巣癌症候群の患者のうち,乳癌及び卵巣癌を発症していない患者に対する両側乳房切除及び卵管・卵巣切除の有効性に関するエビデンスを踏まえ,診断に必要なBRCA1/2遺伝子検査及びがん患者指導管理料の要件を見直す。
  • 抗がん剤のばく露リスクに関する国内の疫学調査や,閉鎖式接続器具を用いた場合の抗がん剤による環境汚染の低減に関する報告を踏まえ,無菌製剤処理料について,抗がん剤投与時に閉鎖式接続器具を使用した場合について新たな評価を行う。
  • 末期呼吸器疾患患者及び終末期の腎不全患者等に対する質の高い緩和ケアを評価する観点から,緩和ケアに係る評価の対象に末期呼吸器疾患患者及び終末期の腎不全患者を加えた上で,緩和ケア病棟入院料の包括範囲を見直す。
  • 療養病棟入院基本料を算定する患者の病態や医療資源投入量をより適切に反映させる観点から,医療区分2又は3に該当する疾患や状態,処置等の内容を見直す。(Ⅱ-1-1-(11)再掲)

Ⅲ-5-4 質の高い精神医療の評価

  • 多職種の配置による質の高い精神医療の提供を推進する観点から,急性期等の入院料における精神保健福祉士,作業療法士又は公認心理師の病棟配置について新たな評価を行う。
  • 精神病床に入院する患者数が減少する中で,精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に貢献する医療機関を将来にわたって確保する必要があること等を踏まえ,小規模医療機関又は病床数を削減する取組を行っている医療機関が,多職種の配置等による質の高い入院医療,地域定着に係る外来医療や障害福祉サービス等の提供等を一体的に行うことについて,新たな評価を行う。
  • 様々な精神疾患に対応できる精神科リエゾンチームの専門性を評価する観点から,精神科リエゾンチーム加算の要件及び評価を見直す。
  • 精神病床に入院する患者の高齢化が進む中で,慢性的に身体合併症への対応を要する患者への精神科以外の医師による診療の体制を確保し,適切な対応を推進する観点から,継続的な管理が必要な身体合併症に対応した場合について,新たな評価を行う。
  • 維持透析を必要としながら精神病床へ入院する必要のある患者への対応を推進する観点から,精神病床において算定可能な入院料における包括範囲を見直す。
  • 精神科救急医療体制加算について,充実した精神科救急医療体制の構築を更に推進する観点から,要件及び評価を見直す。
  • 非自発的入院を促進しないような配慮を行う観点から,精神科救急急性期医療入院料等について,医療保護入院等の割合に係る要件を,緊急的な入院医療の必要性等に関する指標に見直す。
  • 精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者の医療提供体制の普及を更に推進する観点から,精神科救急急性期医療入院料等の要件を見直す。
  • 長期入院患者に対する地域移行に係る取組を更に推進する必要があること等を踏まえ,人員配置基準の低い精神病棟入院基本料について,長期入院患者に対する評価を見直す。
  • 精神疾患と身体疾患を併せ持つ患者,急性期の精神疾患患者及び治療抵抗性統合失調症患者の医療提供体制の普及を更に推進する観点から,精神科急性期医師配置の要件を見直す。
  • 質の高い精神医療の提供を推進する観点から,通院・在宅精神療法について要件及び評価を見直す。
  • 同一の精神保健福祉士による継続的な伴走支援を推進する観点から,病棟に専従配置されている精神保健福祉士に係る要件を見直す。
  • 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害に対する公認心理師による心理支援を推進する観点から,心理支援加算の要件及び評価を見直す。
  • 精神疾患を有する患者に対する質の高い医療の提供を推進する観点から,認知療法・認知行動療法の要件及び評価を見直す。
  • 公認心理師の養成状況を踏まえ,臨床心理技術者に係る経過措置を見直す。
  • 児童思春期の精神疾患患者の受入体制を更に確保する観点から,児童思春期支援指導加算の要件及び評価を見直す。
  • 精神疾患の早期発見及び早期からの重点的な診療を更に推進する観点から,早期診療体制充実加算の要件及び評価を見直す。
  • 「情報通信機器を用いた精神療法の適切な実施に関する指針」の策定を踏まえ,情報通信機器を用いた精神療法の要件を見直す。

Ⅲ-5-5 難病患者等に対する適切な医療の評価

  • 認定ドナーコーディネーターを医療機関に配置することにより,臓器提供を希望する国民の意思がより尊重され,脳死臓器提供機会の確保等に繋がることが期待されること,脳死判定基準に係る関係省令の改正により,法的脳死判定に当たって脳血流消失判定検査等を実施することや,法的脳死判定後にも継続して補助循環装置等を使用しながら脳死患者の管理を実施することが可能となったこと等を踏まえ,脳死臓器提供管理料の評価を見直す。
  • 臓器移植を実施する体制の確保を推進する観点から,臓器採取術及び臓器移植術について,新たな評価を行う。
  • 質の高い造血幹細胞移植を推進する観点から,臍帯血移植の評価を見直す。
  • 病歴から抗HLA抗体陽性が疑われる患者以外の移植待機患者においても,抗HLA抗体陽性患者が一定程度存在することを踏まえ,臓器生着率の向上に資する観点から,抗HLA抗体スクリーニング検査の対象患者を見直す。

Ⅲ-6 感染症対策や薬剤耐性対策の推進

  • 抗菌薬の適正使用を推進する観点から,薬剤感受性検査の要件を見直すとともに,関係学会による提言も踏まえ,一部の感染症に係る検査の要件を見直す。
  • 感染対策向上加算1について,微生物学的検査室が果たす役割を踏まえ,抗菌薬適正使用を推進する観点から,微生物学的検査室を有する医療機関について新たな評価を行う。
  • 入院患者数の減少により,医療機関が結核病棟を維持することが難しくなっている中で,結核患者受入体制の確保の観点から,結核病棟と一般病棟を併せて1看護単位とするいわゆる「ユニット化病床」やモデル病床等における重症度,医療・看護必要度等の対象となる患者の範囲等を見直す。
  • 院内感染対策において感染対策が特に必要となる感染症の入院患者について,標準予防策に加えて適切な感染対策を推進する観点から,特定感染症入院医療管理加算及び特定感染症患者療養環境特別加算の対象疾病の範囲を見直す。

Ⅲ-7  口腔疾患の重症化予防等の生活の質に配慮した歯科医療の推進,口腔機能発達不全及び口腔機能低下への対応の充実,歯科治療のデジタル化の推進

(略)

Ⅲ-8  地域の医薬品供給拠点としての薬局に求められる機能に応じた適切な評価,薬局・薬剤師業務の対人業務の充実化

(略)

Ⅲ-9 イノベーションの適切な評価や医薬品の安定供給の確保等

  • 医薬品・医療機器等のイノベーションの適切な評価や医薬品・特定保険医療材料の安定供給の確保等の観点から,薬価専門部会・保険医療材料専門部会の議論を踏まえて取りまとめられた「令和8年度薬価制度改革の骨子」や「令和8年度保険医療材料制度改革の骨子」に基づき対応する。

Ⅳ 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上

Ⅳ-1 後発医薬品・バイオ後続品の使用促進

  • 後発医薬品の使用促進等の観点から,処方等に係る評価体系を見直す。
  • バイオ後続品の使用を促進するための体制が整備されている医療機関をより適切に評価する観点から,バイオ後続品使用体制加算の要件を見直す。
  • 後発医薬品の使用が定着しつつある一方,主に後発医薬品において不安定な供給が発生することが課題となっており,これにより医療機関及び薬局において追加的な業務が生じている状況を踏まえ,医薬品の安定供給に資する体制について,新たな評価を行う。
  • バイオ後続品の使用を促進する観点から,薬局におけるバイオ後続品の調剤体制の整備及び患者への説明について,新たな評価を行う。
  • 長期収載品の選定療養について,後発医薬品の供給状況や患者負担の変化にも配慮しつつ,創薬イノベーションの推進や後発医薬品の更なる使用促進に向けて,患者負担の見直しを行う。

Ⅳ-2 費用対効果評価制度の活用

  • 費用対効果評価専門部会の議論を踏まえて取りまとめられた「令和8年度費用対効果評価制度改革の骨子」に基づき対応する。

Ⅳ-3 市場実勢価格を踏まえた適正な評価

Ⅳ-3-1 医薬品,医療機器,検査等に関する,市場実勢価格を踏まえた適正な評価/効率的かつ有効・安全な利用体制の確保

  • 薬価専門部会の議論を踏まえて取りまとめられた「令和8年度薬価制度改革の骨子」及び保険医療材料専門部会の議論を踏まえて取りまとめられた「令和8年度保険医療材料制度改革の骨子」に基づき対応する。
  • 衛生検査所検査料金調査による実勢価格等を踏まえ,検体検査の実施料等について,評価を見直す。

Ⅳ-4 電子処方箋の活用や医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用等の推進

Ⅳ-4-1 重複投薬,ポリファーマシー,残薬,適正使用のための長期処方の在り方への対応

  • 処方変更理由や服薬状況等の薬剤情報が適切に共有されないことにより,ポリファーマシー対策が途切れてしまうことを防止する観点(転院・退院等があっても継続的な薬物治療を行う観点)から,病院薬剤師による施設間の薬剤情報連携が促進されるよう,薬剤総合評価調整加算の要件及び評価を見直す。
  • 向神薬の処方実態を踏まえ,情報通信機器を用いた診療に当たって,向精神薬を処方する場合には電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックを行うことを要件とする。(Ⅲ-3-1-(1)再掲)
  • 情報通信機器を用いた診療の更なる利便性の向上と,電子処方箋システムを活用した質の高い処方を評価する観点から,情報通信機器を用いた医学管理において重複投薬等チェックを行う際に電子処方箋を発行する場合について,新たな評価を行う。(Ⅲ-3-1-(2)再掲)
  • 保険薬局において,患家に残薬があることを確認した場合に,医療機関と保険薬局が連携して円滑に処方内容を調整することができるよう,処方箋様式を見直す。
  • 長期処方及びリフィル処方箋による処方を適切に推進する観点から,計画的な医学管理を継続して行うこと等を評価する医学管理料の要件を見直すとともに,処方箋様式を見直す。

Ⅳ-4-2 医師及び薬剤師の適切な連携による医薬品の効率的かつ安全で有効な使用の促進

  • 処方変更理由や服薬状況等の薬剤情報が適切に共有されないことにより,ポリファーマシー対策が途切れてしまうことを防止する観点(転院・退院等があっても継続的な薬物治療を行う観点)から,病院薬剤師による施設間の薬剤情報連携が促進されるよう,薬剤総合評価調整加算の要件及び評価を見直す。(Ⅳ-4-1-(1)再掲)
  • ポリファーマシー対策や施設間の薬剤情報連携,転院・退院時の服薬指導等に資する薬学的介入の実績を適切に評価する観点から,病棟薬剤業務実施加算について,薬剤総合評価調整や退院時薬剤情報管理指導の実績に応じた評価に見直す。
  • 在宅医療におけるポリファーマシー対策及び残薬対策を推進する観点から,医師と薬剤師が同時訪問することについて,新たな評価を行う。(Ⅱ-5-1-(8)再掲)

Ⅳ-4-3 医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方の推進

  • 保険給付の適正化の観点から,栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の要件を見直す。

Ⅳ-4-4 電子処方箋システムによる重複投薬等チェックの利活用の推進(再掲)

(Ⅲ-3-1を参照)

Ⅳ-5 外来医療の機能分化と連携(再掲)

(Ⅱ-4を参照)

Ⅳ-6 医療 DX や ICT 連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価(再掲)

(Ⅲ-3を参照)

  • この他,「令和8年度診療報酬改定の基本方針」においては,OTC類似薬を含む薬剤自己負担の在り方の見直しも含まれているが,中央社会保険医療協議会において議論が行われていないため,「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」には含めていない。社会保障審議会医療保険部会における議論や,令和8年度予算案に係る「大臣折衝事項」(令和7年12月24日)も踏まえ,今後,必要に応じて,中央社会保険医療協議会においても議論する。

2026年2月1日号TOP