「OTC 類似薬の保険給付のあり方」,「かかりつけ医機能報告制度」,「MAMIS への登録」について議論

 綾部医師会と府医執行部との懇談会が 12 月 13 日(土),萬家にて開催され,綾部医師会から7名,府医から6名が出席。「OTC 類似薬の保険給付のあり方」,「かかりつけ医機能報告制度」,「MAMIS への登録」をテーマに議論が行われた。

※この記事の内容は,開催日時点のものであり,現在の状況とは異なる場合があります。

OTC 類似薬の保険給付のあり方について

 OTC類似薬の保険給付のあり方については,6月11日の三党合意,同13日に示された骨太の方針の内容を踏まえ,11月27日の社会保障審議会医療保険部会において,費用負担のあり方,配慮が必要な者の範囲,OTC類似薬の範囲について協議が行われた。費用負担に関して,保険適用除外とした場合,患者の自己負担が大きく増えるケースがあり,過度な負担や急激な変化が生じないよう十分に配慮すべきであることや,医師の診察・医学管理に基づき投薬するもので,医療機関の受診はただ薬を出すものとは全く違うとの意見とともに,子どもや慢性疾患の患者,低所得者に加えて,難病や心身障害者等に対しては負担増加への配慮が必要であることが指摘されている。同部会では,「薬剤そのものを保険給付の対象外とはしない」ことを前提として,保険適用の除外ではなく,保険適用を維持しつつ患者に新たな自己負担を求めることが現実的であるとの判断で一致しており,子どもや入院患者,公費負担医療の患者等に配慮し,別途の負担を免除する方向性にも賛成意見が多数を占めている。
 自民党と日本維新の会の社会保障改革に関する協議体においても,OTC類似薬を一律に薬価基準から削除して保険給付外とする案は除外し,保険外併用療養の仕組みとした場合は定率負担とする方針で合意がなされおり,対象となる医薬品の範囲として,「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」や「成分が同一のOTCのある医療用医薬品」とする案など,複数案が示されている。
 日医としては,OTC 類似薬の保険給付のあり方の見直しには反対の立場であり,その理由として,①患者・家族の経済的,物理的な負担の問題,②アクセス等の問題,③医学的な見地からの問題―を挙げている。
 まず,①患者・家族の経済的,物理的な負担の問題として,医療用医薬品であれば1~3割負担であるところ,一般医薬品ではその10倍以上の価格になるものもあり,その全額が自己負担となるため,経済的弱者の負担が重くなること,また,難病や心身障害者,生活保護受給者,小児の医療費助成等で,助成の対象外となることを指摘している。②医療機関にアクセスできても,地方やへき地等で市販薬に簡単にアクセスできない地域もあり,患者に薬が届かないこと,さらに,③医学的な見地から,受診遅延による健康被害や重篤な疾患の早期発見・早期治療の機会を喪失するリスクに懸念を示している。
 現時点で,保険外しは回避され,選定療養費の形で決着がつく見通しであるが,引続き,今後の議論を注視していく必要がある。

かかりつけ医機能報告制度について

 かかりつけ医機能報告制度は,各医療機関がその機能や専門性,地域の実状に応じて連携しつつ,自らが担うかかりつけ医機能の内容を強化することにより必要なかかりつけ医機能の確保を図ることを目的とし,より多くの医療機関が自院の医療機能を報告することで,各地域の医療提供体制の実状を可視化させ,面としてのかかりつけ医機能の充実を目指すものである。
 先生方が行っている日常診療の内容をそのまま報告していただければよく,新たに何かしなければならない,あるいは報告内容によって不利益が生じるといったものではない。
 財務省が訴える「かかりつけ医の制度化」や,一部の医療機関を優良なものと認定するといった趣旨のものではなく,フリーアクセスの下で,国民・患者がそのニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できるよう,2006年に開始された従来の「医療機能情報提供制度」をよりわかりやすく刷新し,情報提供を強化するものである。特定機能病院等を除き,病院・診療所の別や診療科にかかわらず,ほぼすべての医療機関が報告できるものであり,各医療機関の現状を報告していただければよいという建付けになっている。5年後に見直しが行われる予定であるが,報告する医療機関が少ない場合,財務省は医療費抑制を目的に,かかりつけ医を登録制として患者一人あたりの定額払い制を導入することを強力に推し進めてくることが予想されるため,多くの医療機関に報告していただきたいと考えている。
 今後のスケジュールとしては,令和8年1月~3月に医療機関から都道府県へ報告することとなっており,4月にはウェブサイト等で結果が公表される予定である。
 報告する内容には,「1号機能」と「2号機能」があり,1号機能を有する医療機関が2号機能を報告することとなるが,1号機能は,「日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能」として,①「具体的な機能」を有することおよび「報告事項」について院内掲示により公表していること,②かかりつけ医機能に関する研修の修了者の有無,総合診療専門医の有無,③17の診療領域と一次診療を行うことができる疾患,医療に関する患者からの相談対応―等を報告事項としており,②については,あくまで「有無」を報告すればよく,「無」であっても要件を満たさないというものではない。そのため,ほとんどの医療機関が「1号機能あり」になると考えている。その他の報告事項としては,医師数・外来の看護師数・専門看護師等の数,全国医療情報プラットフォームに参加・活用する体制の有無および参加・活用の状況等である。
 2号機能については,1号機能を有する医療機関が報告するもので,①通常の診療時間外の診療,②入退院時の支援,③在宅医療の提供,④介護サービス等と連携した医療提供(主治医意見書の作成など)―等への対応の可否等が報告事項となっている。
 また,報告は G-MIS から行うこととなっているが,紙ベースでの報告も可能である。
 「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」の修了要件は,座学研修,実地研修ともに1単位以上,かつ合計で10単位以上あれば単位充足となるが,報告はあくまで修了者の「有無」だけであって,日医としても,報告の内容と診療報酬とを結び付けさせないよう対応していくとしている。
 上述のとおり,かかりつけ医機能報告制度の報告内容は,従前から各医療機関が地域の中で実践しているものであり,新たに取組みを要するものではない。従来どおり,地域の中で医療機関同士が連携を深め,それぞれの役割を理解して相互に助け合うことで地域における面としてのかかりつけ医機能のさらなる充実を目指していくことが重要である。

MAMISへの登録について

 昨年10月末に公開されたMAMISの主な機能としては,①会員の先生方が医師会の入退会や異動に際して,Web上で各医師会への届出が一括でできるようになること,②日医生涯教育や認定産業医,健康スポーツ医に係る研修の受講単位をシステム上で付与し,医師本人が管理できるようにすること,また,産業医やスポーツ医等の認定医資格の更新に際してもWeb上で手続き可能とすること―の2つである。
 MAMIS の構築は,組織強化に係る取組みの一環として,医師が都道府県をまたいで異動した場合にもWebからワンストップで手続きが行えるようにし,会員の各種手続きに係る負担軽減を図ることが目的である。また,数年前に産業医の単位シールがフリマサイト上で売買されていたことが発覚したことを受けて,その対応のために単位付与のデジタル化が急務であったとことも導入を急ぐ理由の1つである。

MAMISの研修管理機能について
 令和8年1月から開始される「かかりつけ医機能報告制度」は,厚生労働省のG-MISからご報告いただくことになるが,その報告事項の1つである「研修の修了」に関して,MAMISで自身のマイページから取得単位の充足状況を確認することができる。これは必ずしも必要というわけではないが,先生方からMAMISで「かかりつけ医機能報告制度にかかる研修」の認定(修了)申請をしていただき,所属地区医において「承認」の作業をしていただくことで,修了証のダウンロードが可能となる。
 ※京都医報令和7年12月15日号
 なお,「かかりつけ医機能報告制度」においては,「研修の修了」に関して,特に修了証の添付は不要であるため,取得単位の充足状況が確認できれば十分である。
 MAMISは現在もアップデートの途上にあるため,認定産業医および認定健康スポーツ医の更新手続きなど,一部の機能はまだ整っていない状況である。日医としても,現在は「安定稼働に注力する」と説明しているが,今後,会員の先生方,各医師会事務局にとってより使い勝手のよいシステムになることを期待している。

保険医療懇談会

 初・再診料の加算や生活習慣病管理料と他の点数の併算定の可否等について整理し,算定にあたっての留意点を説明するとともに,算定漏れを防ぐなど適正な運用により健全な医業経営を呼びかけた。また,療養費同意書の交付(マッサージ,はり・きゅう)に関する留意点を解説し,慎重な判断と適切な同意書の発行に理解と協力を求めた。

2026年2月15日号TOP