第10回 地区庶務担当理事連絡協議会(令和8年3月25日開催)

△報告ならびに協議事項

1.最近の中央情勢について

 令和8年2月下旬から令和8年3月中旬にかけての社会・医療保険の状況について,◆高市首相は施政方針演説において「攻めの予防医療」を掲げ,少子高齢化・人口減少への対応として「健康寿命の延伸を図り,社会保障制度を含めた社会の支え手となるようにする」と述べた。あわせて,出産費用の負担軽減を進めるほか,給付付き税額控除を柱とする税・社会保障一体改革を検討し,当面は食料品の消費税ゼロも視野に入れる考えを示した。◆片山財務相は財政演説において,2026年度予算について「診療報酬改定・介護報酬改定をはじめ,予算全体において経済・物価動向等を適切に反映した」と述べた。また,診療報酬改定による物価・賃上げ対応や,介護報酬改定,障害福祉サービス等報酬改定による処遇改善について,「経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算している」と強調した。◆松本日医会長は高市首相と面会し,出産無償化について「出産する方に大きなメリットが生まれるとともに,産科医療機関が経営を維持し地域からなくならないよう,十分な手当てが必要である」と求めた。◆政府は26日,社会保障と税の一体改革を議論する「社会保障国民会議」の初会合を首相官邸で開催した。高市首相は「給付と負担のあり方について,全世代が納得できる社会保障制度の構築に向け,国民的議論を進める必要がある」と述べた。◆上野厚生労働相は3日の衆院予算委員会において,OTC類似薬を含む薬剤自己負担および高額療養費制度の見直しによる保険料への影響について,「機械的に算出すると,加入者1人あたり年平均約2,200円の減少を見込む」と述べた。また,健保組合加入者については年約4,500円の減少を見込むとした。◆厚労省は,2026年度診療報酬改定について,物価高騰や賃金上昇,人口および医療従事者の減少といった環境変化の中で実施する,従来とは異なる改定であるとの認識を示した。改定内容として,入院料体系を病棟単位から病院機能単位へ再編し,急性期は「急性期病院A・B」の選択制とすることで,地域ニーズに応じた機能を評価する仕組みへ見直した。また,回復期リハビリテーション病棟については,実績指数の基準引上げおよび対象拡大により,量から質重視への転換を図った。◆かかりつけ医機能については,答申書の付帯意見において,「改定の影響の調査・検証を行うとともに,かかりつけ医機能報告制度の施行状況等を踏まえ,評価の在り方を検討する」と明記されたことに対し,1月の中医協総会では支払い側委員から「報告制度を踏まえた体系的な見直しには至っておらず,踏み込みが不十分である」と指摘された。◆厚労省は,2026年度診療報酬改定を官報告示し,ベースアップ評価料に関して「継続的に賃上げを実施している医療機関」に該当する要件を明確化した。外来・在宅医療については,賃上げの継続実施の有無に応じて点数差を設けるとした。また,2026年3月31日時点でベースアップ評価料を届け出ている施設に加え,同時点で未届けであっても,2026年度以降に報酬上担保された水準に相当する賃上げを行う場合は対象とする取り扱いを示した。◆国立大学病院長会議は,2026年度診療報酬改定により,44の国立大学病院合計で年間443億円以上の増収となる見通しを公表し,2025年度の赤字分は十分に補填可能であるとの認識を示した。

2.かかりつけ医機能報告制度について

 1月に開始後,3月18日時点で報告済(報告作業中を含む)が60%であることを報告した。本制度は新たな取組みではなく,日常診療をありのままに報告し,地域の機能を見える化するものであると説明。報告数が少なければ財務省が目論む「登録制や定額制」の議論につながる恐れがあるとして,報告を呼びかけた。
 また,新規IDの付与が遅れている件については,府医からも京都府に確認し新たな情報があれば周知していくとした。

3.日医生涯教育制度一括申告について

 府医では,2025年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)の生涯教育講座受講実績について,日医へ一括申告を行うと連絡。追加申告がある場合は,出席証明書(参加証等)の写しを添付の上,所定の申告用紙により5月29日(金)必着で提出を求めた(郵送・FAX)。追加がない場合は手続き不要となるとした。
 追加申告の対象は,他府県医主催の研修会や各種学会参加のほか,医師国家試験問題作成,研修指導,体験学習,論文・著書執筆等とし,いずれも所定の単位基準および証明書類が必要であるが,府医または地区医が主催・認定した講演会や,日医が管理するeラーニング等については,申告の必要はない旨を説明した。
 また,MAMIS研修管理機能により,マイページから単位確認や受講証明書の出力が可能であることについても併せて呼びかけた。

4.府医主・共催学術講演会実施予定について

 令和8年4月に予定している府医学術講演会を紹介し,参加を呼びかけた。

5.その他

・令和8年度からの定期予防接種について
 令和8年4月から予防接種制度の一部が変更される旨を説明。高齢者肺炎球菌ワクチンについては,定期接種で使用するワクチンがPPSV23(ニューモバックスNP)からPCV20(プレベナー20)へ変更され,ニューモバックスNPは同年3月31日をもって対象外となるとした。対象者は従来どおり,満65歳の者および60〜64歳で一定の基礎疾患を有する者とされていることを説明した。また,HPVワクチンについては,同年4月1日以降は9価ワクチン(シルガード9)のみが定期接種の対象となり,すでに2価または4価ワクチンで接種を開始している者についても9価ワクチンへの切り替えが可能とされているので再度,会員への周知に協力を依頼した。また,全国でも麻疹が流行しているとの注意喚起に加え,早期のワクチン接種を併せて呼びかけた。

2026年5月1日号TOP