保険だより – オンライン資格確認等システム導入に関する「医療情報化支援基金における追加補助」および「システム事業者の不適切対応事例の収集」について

 9月1日号にて既報のとおり,令和3年3月から開始されるオンライン資格確認については,導入する医療機関に対し,医療情報化支援基金により顔認証付きカードリーダーの無償提供および必要な機材の購入やシステム改修等に対する一部補助が行われます。
 しかしながら,コロナ禍の影響や導入に必要な情報の不足等によりカードリーダーの申込率が低調であったことを受け,10月30日付で田村厚生労働大臣がマイナンバーカードの保険証利用の普及に向けた「加速化プラン」において,医療機関等へのさらなる導入支援として追加的な財政補助を検討していることが公表されたところです。
 今般,その具体的内容が示されるとともに,日医によるシステム事業者の不適切対応事例の収集について情報提供がありましたので,お知らせします。

1.医療情報化支援基金における追加補助について
 医療情報化支援基金による補助は,①顔認証付きカードリーダーの無償提供(診療所は1台,病院は3台まで),②その他の費用への補助(基準とする事業額を上限に,診療所は3/4,病院は1/2を補助)となっていますが,今回の追加的な財政補助により,特例として,令和3年3月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関に対しては,②について,「基準とする事業額(※)を上限に実費補助」されることになりました。
 オンライン資格確認に関する申請と導入準備の流れの中で,今回の追加補助を得るための条件は,「顔認証付きカードリーダーの申込」であり,補助金交付申請の期限(令和5年3月までに対応を完了し,同年6月までに申請)に変更はありません。
 追加補助の詳細については,厚生労働省ホームページに説明動画が掲載されていますので,ご参照ください
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html)。

2.システム事業者の不適切対応事例の収集について
 オンライン資格確認を導入する医療機関は,事前に既存の院内システムを導入したシステム事業者(ベンダー)と十分にご相談いただく必要がありますが,その際,不当に高額な見積もりが提示される事例が報告されています。これを受けて,日医がシステム事業者による不適切対応事例を収集のうえ,その情報を随時厚生労働省に提供し,問題があるシステム事業者に対して働きかけが行われることとなりました。
 補助限度額を大きく上回るような不当に高額と思われる見積もり(※)が提示された場合には,日医ホームページ・メンバーズルーム内の専用フォームから情報をお寄せください。
【不適切対応事例受付フォーム】(日医ホームページ・メンバーズルーム内)
 http://www.med.or.jp/japanese/members/info/jirei.html

※一般的に,余程カスタマイズされたレセコンや電子カルテを運用していない限りは,概ねカードリーダー1台の場合の上限事業費(診療所42.9万円,病院210.1万円)に近い金額の見積もりが提示されるケースが多いとされています。

2021年1月15日号TOP