2021年5月1日号
4月3日(土),府医では新研修医総合オリエンテーションを初の試みとしてオンラインにて開催。京都府内の臨床研修指定病院において本年4月から初期研修を開始する新研修医,新型コロナウイルスの感染拡大により,やむなく中止とした昨年のオリエンテーション参加予定者であった2年目の研修医,合計184名の参加を得た。
本オリエンテーションは,府医で取組む研修医事業の柱となっており,本年で10回目の開催となる。今回は,新型コロナウイルス感染拡大を防止するために,例年のオンサイト開催とは一線を画したオンラインならではのグループワークを主軸とした魅力あるプログラムを提供した。
終了後に実施したアンケートの結果では,大多数の参加者から高く評価されたほか,「他の病院に勤務する同期と話せて,とても良い機会であった」,「今後,医師として働くことに不安を感じているが,困った時に身近に相談できる場所があることを知ることができて良かった」,「Webでの開催だったが,有意義で満足できた」等の感想が多く寄せられた。
アニメーション動画にて府医の取組みを紹介
冒頭,挨拶に立った松井府医会長は,出席した新研修医に対し医師国家試験合格の祝意を示した上で,本オリエンテーションは府内の研修医同士が親睦を深め,結束を強めていただくことが最大の開催意義であると強調した。
また,府医では「京都府全体で次代の良医を育てる」という基本理念を示しつつ,専門医になるまでの約10年間を親身になってサポートし,研修医への支援活動の取組みを継続的に行っていると説明。
最後に,晴れて医師となった研修医に対して激励の言葉を送るとともに,今後の医師としての人生に府医として積極的に関わっていく意向を示し,研修医に対しても府医の取組みへの理解と協力を求め締めくくった。
続いて,加藤府医理事より,医師会が提供する医師賠償責任保険を例に挙げた動画を用いて入会のメリットが示されたほか,本オリエンテーションの概要や目的,府医が取組んでいる研修医向け事業について説明。病院の規模や研修医の数の枠を超えて交流が図れる企画であることを紹介するとともに,研修医に対して「スキルアップ」,「レベルアップ」,「ネットワークづくり」の重要性を強調した。
松井府医会長,加藤府医理事
オンライン開催となった本オリエンテーションの肝となるグループワークの企画・運営を京都府立医科大学大学院医学研究科総合医療・医学教育学/総合医療・医学教育学教育助教の松原慎先生が担当。グループワークは,アイスブレイク的要素を大きく含んだ内容となっており,参加者を1グループあたり3~6名に分割し,合計38グループを作成。全グループ同時進行で積み木式の自己紹介,複数のテーマに沿ったディスカッションを行った。参加者からは,「初対面で緊張したが,積み木式自己紹介などを通じて段々と打ち解けることができた」,「敬語が禁止されていたので,堅苦しくなく楽しく同期の方と話せてよかった」といったポジティブなフィードバックが多数寄せられたことから,他施設の研修医同士のネットワークの構築の一助になったことがうかがえた。
本オリエンテーション開催にあたり,Web臨床研修医,若手勤務医向け事業に積極的にご参画いただいいたタスクの先生方には多大なるご協力に敬意を表すとともに,深く御礼申し上げます。
府医では,このコロナ禍においても,可能な限り研修医,若手医師の研鑽の場を確保すべく,工夫を凝らしながら開催方法を検討するとともに,Webであっても「スキルアップ」,「レベルアップ」,「ネットワークの構築」が可能な取組みを模索し,希望を見出せるよう今後も試行錯誤を続けていきます。
松原 慎氏(京都府立医科大学)