勤務医通信

“コロナとともに”

舞鶴共済病院 副院長 外科主任部長 消化器センター長
竹内 一雄

“コーロナくん♪仲良くしましょう♪”
 コロナ感染流行当初いかに封じ込めることができるのか,東京オリンピックはできるのか延期すべきか,などを議論していた時期もありました。またpost CORONA,after CORONAという言葉もあります。しかし今となってはwith CORONAを考えていくべきではないかなと思います。いかにコロナと共存していくか。私事ではありますが,今年還暦を迎え,コロナ感染統計上では感染,重症化,死亡リスクなどが跳ね上がるカテゴリーの仲間入りです。これから先は私にとってCORONAを無視しての人生は難しいのです。
 当初単なる風邪のウィルスでありそれほど怖いのもではないと高を括っていましたが,これほどに猖獗を極め,人類に危機感を与えるとは想定外でした。今後はいかに上手に付き合っていくべきかを考えなければと。そのためにはコロナを少しでも多く理解しなければ。私も医者の端くれ,コロナ感染の病態についてある程度理解をしているつもりです。ただ多くの謎,疑問を抱いております。その中のいくつかについて述べます。

①発祥はいつ,どこから?
 私の知るところによれば2019年12月頃中国武漢市の市場で感染が起こり,これがきっかけで中国国内外に拡がりをみせました。しかしいまだに感染源や原因がはっきりしていません。諸説(ウワサ)が飛び交い,感染源については武漢市内の研究室からだとか,またそれよりも以前に欧米で流行っていたとか。今年に入ってWHOが武漢に視察を行ったと報道で知りました。今後対策を講じるためには発生源,原因はできる限り正確に把握すべきではないでしょうか。

②日本人のコロナ感染率,重症化率,死亡率は低い?
 全世界をパンデミックで恐怖に陥れた今回の感染,全世界では約1.4億人の感染,約300万人の死亡者数,特にUSAの3,000万人超え,ブラジル,インドの1,000万人超えをはじめ欧州などでも多くの人が感染し,死亡者もUSAでは30万人とすざましい。とてもとても痛ましい。一方日本では感染者数53万人,死亡者数1万人足らず。人口あたりでも低いようですが,なぜなのだろうか?人種の特性?BCGの接種の恩恵?国民の真面目さ?感染率が低いことは結構ですが,何がFactorXなのだろうか?
 とりあえず日本に生まれ,日本人でよかったなと思います。

③ワクチンについて
 海外で先行接種されており感染率を80-95%も抑えたと報告があります。素晴らしいの一言です。また短期の副反応も掌握されつつあります。
 しかし今回のmRNAワクチンは長期的な成績や副反応は未知であろうと考えます。過去にも安全性が高いとされているワクチンであっても不幸な副反応を経験してきました。ましてや新しい機序であるこのワクチンの接種については両手を上げて賛同はし兼ねます。また感染率が低い日本でワクチンは本当に必要なのでしょうか?私は国策であるワクチンを決して否定しているわけではありません。今後安全にかつ安心して接種できる時期が来ることを心から期待しています。
 現在感染の波状攻撃を繰り返し受ける中,ロックダウンをはじめとした活動自粛を行いその度ごとなんとか感染は抑えられていそうですが,それを繰り返せば国の存亡に関わります。自分の残りの明るい余生,我が子たちの素晴らしい未来,日本や世界のますますの繁栄が今後も続くことができるように導かれてほしいものです。
 できれば縁を切りたいコロナくん。しかし……。
 仕方ないですが,“コーロナくん♪仲良くしましょう♪”

Information
 病院名 舞鶴共済病院
 住 所 京都府舞鶴市字浜1035番地
 電話番号 0773-62-2510
 ホームページ https://maizuru.kkr.or.jp/index.html

2021年5月15日号TOP