委員会だより – 乳幼児保健委員会〈答申〉

◎藤田 克寿(伏見)
〇長谷川 功(京都市西陣)
〇石丸 庸介(綴喜)
 髙屋 和志(船井)
 清水 恒広(京都市立病院)
 河井 昌彦(京都大学医学部附属病院)
 嶋元 孝純(京都府眼科医会)
 中井  茂(京都府耳鼻咽喉科医会)
 十一 英子(京都皮膚科医会)
 糸井 利幸(京都府)
 有本 晃子(京都市) 
 栗山 政憲(京都小児科医会)

(敬称略,順不同,◎=委員長,○=副委員長)
担当副会長 北川 靖 / 担当理事 松田 義和・禹   満・細田 哲也

幼稚園・保育園における感染症対策について

 令和元年8月~令和3年6月期の乳幼児保健委員会で協議してまとめられた答申書が,6月10日(木)に藤田委員長から松井府医会長へ提出された。
 乳幼児保健委員会では過去の諮問において,先ず平成11年に保育所・保育園,幼稚園,学校への出席停止期間の基準を定め,平成24年には保育所・保育園,幼稚園,学校における感染症予防のための登園(校)停止基準を改定し,登園を許可する登園届の様式を示した。これにより登園(校)停止基準の理解が進み,医師が署名すると診断書扱いとなり費用の発生する登園届について,医療機関のゴム印を押印することで診断書ではない扱いとする登園届が関係者間で一定の理解を得られたと考えている。しかしながら,①登園届の意図が十分に浸透しきらなかったこと,②登園届提言から9年が経過し,会員の間でこの登園届の認識が薄れていること,③新しく開設された医療機関や,保育所・保育園,幼稚園にはこの取り決めが伝わりにくいこと,などの問題が生じていた。
 今期の乳幼児保健委員会では会長から,この点を踏まえた「幼稚園・保育園における感染対策について」の諮問があり,今回は幼稚園・保育所に限定した登園停止基準と登園届について協議を重ねた。結果,登園届の感染症病名を見直し,学校保健安全法施行規則第二種を参考に,保育園・幼稚園でよく見られる病名を取捨選択し,また,極めて感染力が強い『出血性結膜炎』を追加した。さらに,「なお,この件に関して,対面または書面等で病状を上記医療機関に問い合わせることを認めます。」という一文を登園届に追加することにより,園と保護者と診察医の判断に齟齬が生じないようにした。
 最後に,「集団生活の中で子どもの感染症をどう考えるかについて,保護者,園関係者,医療従事者の間で議論し,一定の理解を得ることを期待する」として答申を締めくくった。

※新たな登園届はBe Well「感染症罹患時の登園(校)停止基準と登園届」の修正版として発刊予定。

松井府医会長に答申書を提出する藤田委員長(右)と
松田府医理事(中央)

2021年7月15日号TOP