保険だより – フェントステープおよびフォシーガ錠の効能・効果等の変更にともなう留意事項について

 6月23日付厚生労働省保険局医療課長通知により,「フェントステープ0.5mg,同テープ1mg,同テープ2mg,同テープ4mg,同テープ6mg及び同テープ8mg」および「フォシーガ錠5mg,同錠10mg」の保険適用上の取り扱いに関する留意事項が一部改正等されましたのでお知らせします。
 今回の改正は,同日付けで,医薬品医療機器法第14条第9項の規定に基づき,効能・効果等の一部変更承認がなされたことにともなうものです。

▷「医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について」(令和2年6月29日付保医発0629第1号)の記の1の(1)を次のように改める(下線部は改正部分)。
(1)フェントステープ0.5mg,同テープ1mg,同テープ2mg,同テープ4mg,同テープ6mg及び同テープ8mg
① (略)
② がん疼痛
 本製剤の効能又は効果に関連する注意において「成人の場合,本剤貼付前にオピオイド鎮痛剤を使用していないがん疼痛患者に対しては,経口オピオイド鎮痛剤に比べ本剤による治療が有益であると考えられる場合(経口投与が困難な患者,経口剤による副作用発現のおそれがある患者,多剤併用等により貼付剤の投与が望まれる患者など)にのみ使用すること。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
③ (略)

▷「医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について」(令和2年11月27日付保医発1127第3号)の記の1の(1)を次のように改める(下線部は改正部分)。
(1)フォシーガ錠5mg,同錠10mg
 慢性心不全
 効能又は効果において,「ただし,慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。また,効能又は効果に関連する注意において,「左室駆出率が保持された慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため,左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。」とされているので,投与開始に当たっては,左室駆出率の計測年月日及び左室駆出率の値をレセプトに記載すること。なお,他の医療機関で左室駆出率を測定した場合には,当該測定結果及び医療機関名を記載することで差し支えない。
 慢性腎臓病
1)効能又は効果において,「ただし,末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」とされているので,使用に当たっては十分留意すること。
2)効能又は効果に関連する注意において,「eGFRが25mL/min/1.73m²未満の患者では,本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること,本剤投与中にeGFRが低下することがあり,腎機能障害が悪化するおそれがあることから,投与の必要性を慎重に判断すること。」及び「「臨床成績」の項の内容を熟知し,臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患,併用薬,腎機能等)を十分に理解した上で,慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準等を参考に,適応患者を選択すること。」とされているので,本製剤の投与開始に当たっては,本製剤の適応患者であると判断した理由及び判断に用いた指標の値等(eGFRの値を含む。)をレセプトの摘要欄に記載すること。

2021年10月1日号TOP