2021年10月15日号
医薬品は,原則として承認された効能・効果および用法・用量を前提に保険適用されていますが,保険適用を迅速に行うことでドラッグ・ラグを解消する観点から,一定の条件を満たした医薬品については,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても保険適用を可能とする取り扱いが中医協総会にて了承されています。
今般,9月6日に開催された薬食審第二部会において,下記1成分1品目についての事前評価が行われた結果,当該品目については公知申請を行っても差し支えないとの結論となりました。
これを受け,今後追加される予定の効能・効果および用法・用量についても9月6日より保険適用が可能となりましたので,お知らせします。
記
▷9月6日から保険適用が可能となった医薬品
一般名:乾燥人フィブリノゲン
販売名:フィブリノゲンHT静注用1g「JB」
会社名:一般社団法人日本血液製剤機構
追記される予定の効能・効果(下線部追加):
先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向
産科危機的出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症に対するフィブリノゲンの補充
追記される予定の用法・用量(下線部追加):
<先天性低フィブリノゲン血症>
注射用水に溶解し,静脈内に注入する。通常1回3gを用いる。なお,年齢・症状により適宜増減する。
<後天性低フィブリノゲン血症>
注射用水に溶解し,1回3gを静脈内投与する。投与後に後天性低フィブリノゲン血症が改善されない場合は,同量を追加投与する。
追記される予定の注意喚起(下線部追加):
【効能・効果に関連する使用上の注意】
<後天性低フィブリノゲン血症>
・後天性低フィブリノゲン血症とは血中フィブリノゲン値が150mg/dLを下回る状態であることに注意し,本剤投与の適否を判断すること。
・本剤投与直前の血中フィブリノゲン値を必ず測定し,基本的に血中フィブリノゲン値の測定結果を確認した上で投与を開始すること。
・本剤投与の適否や投与開始時期の判断にあたっては,関連学会のガイドライン等,最新の情報を参考とすること。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
<効能共通>
・輸注速度が速すぎるとチアノーゼ,心悸亢進又は血管内凝固による栓塞を起こすおそれがあるのでゆっくり注入すること。
<後天性低フィブリノゲン血症>
・出血に伴う後天性低フィブリノゲン血症が改善されない場合における本剤の追加投与の適否は,フィブリノゲン以外の因子の出血への関与の可能性も考慮して慎重に判断し,本剤を漫然と投与しないこと。なお,本剤の追加投与の適否の判断にあたっては,関連学会のガイドライン等,最新の情報を参考とすること。