地区だより 宇治久世医師会

会長 堀内 房成

 世界遺産の観光都市、運動公園の若者たち、緑と自然の街、お茶の香り、国を支える交通の要所、校庭、そんな街から笑顔と歓声をうばったCOVID-19。変わらずたたずむ平等院や宇治神社はこんな光景を何度見てきたのだろう。宇治市、城陽市、久御山町の600人を超える医師で構成されている宇治久世医師会に与えられたこと、何をすればいいのだろう、COVID-19対策、ワクチン、流行拡大期の通常診療、山積する課題。
 本年7月から医師会長をお引き受けした。多くの優秀な先生方が理事として運営に携わっていただいている。力不足の会長を支えてくださっている。新体制になってすぐに第5波がきた。
 山城北保健所管内の第5波は連日100人を超える陽性者が報告されていた。数人の保健師で対応している保健所からは悲鳴の声がきこえた。陽性報告から保健所による初回連絡に数日以上かかる。呼吸状態の悪い患者さんが自宅にいる。所長と話し合い。「自宅療養者を一人も死なせない」を目標に協力を要請された。診療所による自宅療養者の健康観察、診療・検査医療機関での濃厚接触者の検査。陽性患者さんの在宅診療には複数の医療機関が協力を申し出ていただいた。コロナ受け入れ病院のハイレベルな診療、病院間の連携。みんな、「頑張った」。
 新型コロナワクチンは多くの先生方の協力で、集団接種、個別接種、職域接種で行った。
 とりわけ、個別接種での接種能力は素晴らしいものがあり、賞賛に値すると思っている。
 m-RNAワクチン、抗体カクテル、ECMOのなかった時代の先輩たちは今の宇治久世医師会をどう思っているのだろう。医師会長をどう思っているのだろう。医師会は宇治久世医療介護連携センターを運営している。在宅医が感染した時のバックアップ体制を作った。医療だけでなくコロナ禍の介護の問題もあった。感染対策のDVDを作成し介護施設に貸し出した。
 そのような中でも、月一回のオンラインの学術講演会を行った。住民健診やがん検診も例年通り行った。
 さあこれからも、警戒はするけれど、恐れることなくCOVID-19に向かっていこうと思う。通常診療にむけて対策を考えていこうと思う。いつか「むかし新型コロナだと言っていた風邪ですよ」、診察室で笑って言える時まで。もう少しの間、医師会長を続けていこうと思う。

一般社団法人 宇治久世医師会
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会 長:堀内 房成
会員数:641人(2021.11現在)

2021年12月1日号TOP