2021年12月15日号
今般,厚労省労働基準局長より通知が発出され,脳・心臓疾患の労災認定基準が改正されましたので,お知らせします。
今回の改正は,「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の検討結果を踏まえ,約20年ぶりに新たな認定基準が策定されたもので,9月15日から施行されています。
主な改正のポイントは下記のとおりです。
記
[変更点]
●長期間の過重業務の評価に当たり,労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することが明確化されました
【業務と発症との関連が強いと評価】
発症前1か月間に100時間または2~6か月平均で月80時間を超える時間外労働の水準には至らないが,これに近い時間外労働
+
一定の労働時間以外の負担要因
●労働時間以外の負荷要因が見直されました
「勤務間インターバルが短い勤務」「身体的負荷を伴う業務」などが評価対象として,追加されました。
●短期間の過重業務・異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合が明確化され,例が示されました
・発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合
・業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した場合 など
●対処疾病に「重篤な心不全」(不整脈によるものを含む)が追加されました
[変更がない点]
●「長期間の過重業務」「短期間の過重業務」「異常な出来事」により過重性を評価すること
●発症前1か月間に100時間または2~6か月間平均で月80時間を超える時間外労働は,発症との関連性は強いとされていること 等