2022年3月1日号
府医では,1月22日(土)~23日(日)の2日間にわたって「日本医師会第18回指導医のための教育ワークショップ」をWeb開催し,臨床研修指定病院における指導医および研修協力施設で指導にあたっている医師22名の参加を得て,e-ラーニングを含む計16時間におよぶ講義やグループワークを実施した。
昨年に引続き,新型コロナウイルスの影響を受けないように全プログラムをオンラインで実施。教育目標の設定,教育方法の立案および評価法のカリキュラムプランニングを中心に,3組に分かれてのグループワークや3人1組で研修医・指導医・観察者役に分かれて行ったロールプレイなど,リモートであっても例年の現地開催と遜色ない実践に即した内容に取組んだ。
初日は,リモート参加も相まって,参加者はどこかぎこちなく,意思疎通の難しさを感じる場面もあったが,セッションを重ねるごとに発言量が増え,意欲的にグループワーク後の発表,討論が交わされるなど,真剣に取組んでいる様子がうかがえた。
厚労省が定める16時間のプログラムをすべてオンラインで行うことから,集中力や持続力が懸念されていたものの,アンケートでは「グループワークが多く参加型だったので刺激が多く退屈しなかった」,「パソコンを使うため資料作成も簡単でよかった」,「講義部分が事前にe-ラーニングになっていたため,無理なく自分のペースで進めることができたり,理解が不十分な部分を繰り返し閲覧することができた」と評価された。現地開催ならではの膝をつき合わせての交流や情報交換は叶わなかったが,移動時間や場所に縛られない形態は,北部地域など遠方の医師や子育て世代の医師が参加しやすくなるなど,感染対策のみならず幅広くオンラインのメリットを感じることができた。
府医では,今後も両大学の協力を得て,指導医の育成を通して府内の魅力ある研修医育成に努めるとともに,病院の垣根を越えて多くの先生方が交流できる場を提供できるよう引続き企画・運営していく予定である。
【ディレクター】
松井 道宣 京都府医師会会長
加藤 則人 京都府医師会理事
【チーフタスクフォース】
小西 靖彦 京都大学医学研究科 医学教育・国際化推進センター 教授
【タスクフォース】
山本 憲 京都大学医学部 医学教育・国際化推進センター講師
木村 武司 京都大学医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター特定病院助教
植野 司 京都大学医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター特定病院助教
丹羽 文俊 京都府立医科大学附属病院 総合医療・医学教育学教室講師
深田 良一 京都府立医科大学臨床准教授
市立福知山市民病院副診療部長
神田 圭一 京都府立医科大学附属病院 心臓血管外科・卒後臨床研修センター准教授
石野 秀岳 京都府立医科大学附属北部医療センター 総合診療科副診療部長兼医長
横井 大祐 京都府立医科大学附属北部医療センター 総合診療科医長
松原 慎 京都府立医科大学 総合医療医学教育学助教
(敬称略)