2020年3月1日号
福知山市夜久野町額田地区で行われます。10 月の第二土曜日曜日に向けて準備が始まるのが9月の中旬から、下山車(しただし)上山車(うわだし)本宮(ほんみや)の順番に始まります。
下山車は街角に飾られる野菜人形で、馬や人や建物が野菜を使って作られます。それぞれにストーリーがあったり動きがあったりします、今年のテーマは大河ドラマになるということで明智光秀「麒麟がくる」ということになり、福知山城や光秀の狩りの様子、また麒麟が創られました。四角に切ったボール紙に特産の黒豆を張り付けて福知山城の瓦にしたり、のっぱらの穴から飛び出すウサギを馬に乗った刈装束の武士が追いかけたり、大きなキリンビールのラベルのようなキリンがうねるように天に昇ったりします。1か月ほど毎夜、のみながら、口論しながら、役割分担しながら作ります。野菜は傷みますので、傷みやすい細工ものは、あとから あとからとなり完成は宵宮の日の昼頃になります。午前様徹夜 一人仕事ありです。
2週間ほど前から下山車準備と並行して上山車の準備が始まります。上山車はいわゆる屋台で、祭囃子の太鼓と鐘の子供たちを1階に、主に武将の人形とご祝儀に頂くお金の整理をして張り出す書記3人を乗せます。昔からめずらしいと言われますのは、屋台の2階部分が、1階の天井中央の心棒を中心にぐるぐる回るところです。町を練り歩きながらご祝儀を頂くと、四本柱といわれる役の人が、2階部分をぐるぐると何回か回して、屋台2階の正面を、ご祝儀を頂いた家に向けて拍子木をカチカチとならします。そのあと書記さんが名前と頂いた金額を障子紙に書いて屋台の軒に大きく張り出します。屋台の軒は二重にも三重にもなるご祝儀の紙と花飾りでいっぱいになり、2階部分が回るたびにそれらが家々の軒にあたってにぎやかに音をたてたり破れたり、紙細工の花が散ったりします。上山車は、宵宮から本宮の日のお昼まで巡行します。
日曜日、本宮の日のお昼を過ぎますといよいよ本祭りといわれる本宮が始まります。最初にお祭りの行列、日章旗 御太刀 砲兵など明治維新の戊辰戦争を思わせるような役付けの中に、ご神木といわれるおみこしの原型ともいわれる5メートルほどの木の柱を捧げ持つ白装束の若者たちの一団が現れます。柱の先には榊と障子紙を短冊のように切った御幣が付けてあります。どうも御はらいの棒を大きくしたようなものです。お祭りの行列がお旅を終えると、いよいよご神木が「おいさーおいさー」と声をかけながら氏子の家を一軒一軒走りまわります。家々に走りこんでは先頭の榊と御幣にお神酒を頂きます。時に川にも入って禊(みそぎ)もします。かきての若者たちは、汗まみれ泥まみれになりながら、家々に突っ込みます。夜の9時ごろ氏子の家を周り終えると、お宮入り、村人たちはお宮さんの入り口で通せんぼして、なかなかご神木をお宮入りさせてくれません。ご神木はお宮さんの周りを何回も突っ込んだり走り抜けたりしながら、すきを窺ってやっとお宮入り、神主さんに祝詞と御供さんを頂いて2日間にわたるお祭りは終わります。「ご神木が無事お宮入りしました。」という放送があって、家々の祭り堤灯がぱっと消えると軒軒は真っ暗になって。一晩明けると何もなかったみたいなひっそりとした、ひなびた商店街の佇まいが戻ってきます。
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