保険医療部通信(第355報) – 令和4年4月診療報酬改定について

令和4年4月診療報酬改定に関する「Q&A」(その1)

◇厚生労働省疑義解釈資料(その1/令和4年3月31日付)

〔初診料(情報通信機器を用いた場合)〕

Q1 「A000」初診料の注1のただし書に規定する情報通信機器を用いた初診を行った結果,医師が続けて対面診療を行う必要があると判断し,患者に来院して対面診療を受けるよう指示し,同日に当該医療機関において対面診療を行った場合の初診料の算定は,どのように考えればよいか。

A1 「A000」初診料288点のみを算定すること。

〔初診料,外来診療料〕

Q2 「A000」初診料の注2及び注3並びに「A002」外来診療料の注2及び注3における紹介割合及び逆紹介割合(以下単に「紹介割合及び逆紹介割合」という。)の計算等については令和5年4月1日から適用することとされているが,計算の対象となる期間及び地方厚生(支)局長への報告の時期についてどのように考えればよいか。

A2 令和5年4月1日までに,令和4年度中の任意の連続する6か月の紹介割合及び逆紹介割合に係る実績について,別添様式28により地方厚生(支)局長へ報告すること。なお,当該実績が基準に達していない場合にあっては,令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間,「A000」初診料の注2若しくは注3又は「A002」外来診療料の注2若しくは注3の所定点数を算定すること。
 また,令和5年10月1日までに,令和4年度の年間の紹介割合及び逆紹介割合に係る実績について,別紙様式28により,地方厚生(支)局長へ報告すること。

Q3 Q2において,紹介割合及び逆紹介割合について「令和5年4月1日までに,令和4年度中の任意の連続する6か月の紹介割合及び逆紹介割合に係る実績について,別添様式28により地方厚生(支)局長へ報告すること」とされているが,令和4年10月1日までの報告については,どのように考えればよいか。

A3 令和3年度の実績について,令和4年度診療報酬改定後の計算式を用いて紹介割合及び逆紹介割合等を計算し,報告を行うこと。ただし,令和3年度の実績について基準を満たさない場合であっても,令和5年3月31日までは初診料の注2及び注3並びに外来診療料の注2及び注3における紹介割合等が低い医療機関とはみなされない。なお,やむを得ない理由等により報告ができない場合は,その理由を記載した理由書を別添様式28に添付すること。

Q4 新たに紹介割合及び逆紹介割合等の報告が必要となる医療機関に該当する場合,「新規に対象となる医療機関については,届出前3か月間の実績を有していること」とされているが,紹介割合及び逆紹介割合等の計算の対象となる期間及び地方厚生(支)局長への報告の時期についてどのように考えればよいか。

A4 新たに紹介割合及び逆紹介割合等の報告が必要となる医療機関に該当する場合は,当該医療機関となった年度の,連続する少なくとも3か月の紹介割合及び逆紹介割合に係る実績について,翌年度の4月1日までに,別紙様式28により地方厚生(支)局長へ報告すること。なお,当該実績が基準に達していない場合にあっては,翌年度において,「A000」初診料の注2若しくは注3又は「A002」外来診療料の注2若しくは注3の所定点数を算定すること。

Q5 紹介割合及び逆紹介割合における初診の患者数,再診の患者数,紹介患者数,逆紹介患者数及び救急患者数は,延べ人数を使用するのか。

A5 そのとおり。

Q6 紹介割合及び逆紹介割合における「初診の患者数」は,どのように考えればよいか。

A6 初診の患者数とは,「A000」初診料の算定の有無に関わらず,患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為が行われた患者の数を指す。

〔機能強化加算〕

Q7 「A000」初診料の注10に規定する機能強化加算の施設基準において,地域におけるかかりつけ医機能として,必要に応じ実施する対応について,「ホームページ等に掲示する等の取組を行っていること」とされているが具体的にはどのようなことを指すのか。

A7 例えば,
  ・当該医療機関のホームページへの掲載
  ・自治体,地域医師会等のホームページ又は広報誌への掲載
  ・医療機能情報提供制度等への掲載
 等が該当する。

〔外来感染対策向上加算,感染対策向上加算〕

Q8 「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準における「新興感染症の発生時等に,都道府県等の要請を受けて感染症患者を受け入れる体制」について,具体的にはどのような医療機関が該当するか。

A8 現時点では,新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関が該当する。

Q9 「A234-2」の「2」感染対策向上加算2の施設基準における「新興感染症の発生時等に,都道府県等の要請を受けて…疑い患者を受け入れる体制」について,具体的にはどのような医療機関が該当するか。

A9 現時点では,新型コロナウイルス感染症に係る協力医療機関が該当する。

Q10 「A000」初診料の注11及び「A001」再診料の注15に規定する外来感染対策向上加算(以下単に「外来感染対策向上加算」という。)並びに「A234-2」の「3」感染対策向上加算3の施設基準における「新興感染症の発生時等に,都道府県等の要請を受けて…発熱患者の診療等を実施する体制」について,具体的にはどのような医療機関が該当するか。

A10 現時点では,新型コロナウイルス感染症に係る診療・検査医療機関が該当する。

Q11 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算の施設基準において,「新興感染症の発生時等に,都道府県等の要請を受けて(中略)診療等を実施する体制を有し,そのことを自治体のホームページにより公開していること」とされているが,
① 「新興感染症の発生時等に,都道府県等の要請を受けて感染症患者を受け入れる体制」等を有する医療機関について,現時点では新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関,協力医療機関及び診療・検査医療機関が該当することとされているが,自治体のホームページにおいて,それぞれどのような情報を公開する必要があるか。
② 診療の体制を有しているにもかかわらず,自治体のホームページの更新がなされていない等の理由により,当該要件が満たせない場合について,どのように考えればよいか。

A11 それぞれ以下のとおり。
① 重点医療機関及び協力医療機関については,少なくとも医療機関の名称,所在地及び確保病床数を,診療・検査医療機関については,少なくとも医療機関の名称,所在地,電話番号及び診療・検査医療機関として対応可能な日時を公開する必要がある。
② 自治体のホームページにおいて公開されるまでの間,当該医療機関のホームページ等において公開していることをもって,当該要件を満たしているものとして差し支えない。

Q12 「A234-2」感染対策向上加算について,感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関において,連携する感染対策向上加算2又は感染対策向上加算3の届出を行っている医療機関が複数ある場合,それぞれの医療機関と個別にカンファレンスを開催する必要があるか。

A12 感染対策向上加算2又は感染対策向上加算3の届出を行っている複数の医療機関と合同でカンファレンスを開催して差し支えない。

Q13 「A234-2」感染対策向上加算について,感染対策向上加算2又は感染対策向上加算3の届出を行っている医療機関において,連携する感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関が複数ある場合,これらの医療機関が主催するカンファレンス全てに参加する必要があるか。

A13 感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関が複数ある場合でも,これらの医療機関が主催するカンファレンスに,それぞれ少なくとも年1回以上参加する必要があるが,これらの医療機関が合同でカンファレンスを主催している場合には,合同開催のカンファレンスに参加することをもって,それぞれの医療機関のカンファレンスに1回ずつ参加したこととして差し支えない。

Q14 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算におけるカンファレンスについて,書面により持ち回りで開催又は参加することは可能か。

A14 不可。

Q15 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算の届出医療機関間の連携について,以下の場合においては届出可能か。
① 特別の関係にある医療機関と連携している場合
② 医療圏や都道府県を越えて連携している場合

A15 それぞれ以下のとおり。
① 可能。
② 医療圏や都道府県を越えて所在する場合であっても,新興感染症の発生時や院内アウトブレイクの発生時等の有事の際に適切に連携することが可能である場合は,届出可能。

Q16 「A234-2」感染対策向上加算について,
① 感染対策向上加算2及び感染対策向上加算3の施設基準において,「当該医療機関の一般病床の数が300床未満を標準とする」とされているが,300床未満とは,医療法上の許可病床数をいうのか,診療報酬上の届出病床数をいうのか。
② 一般病床の数が300床未満の医療機関が,感染対策向上加算1の届出を行うことは可能か。

A16 それぞれ以下のとおり。
① 医療法上の許可病床数をいう。なお,300床以上である場合であっても,感染対策向上加算2又は感染対策向上加算3の施設基準を満たしていれば,届出を行って差し支えない。
② 可能。

Q17 「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準において,「他の医療機関(感染対策向上加算1に係る届出を行っている医療機関に限る。)と連携し,少なくとも年1回程度,(中略)感染防止対策に関する評価を行い,当該医療機関にその内容を報告すること」とされているが,
① 複数の医療機関が,同一の医療機関の「感染防止対策に関する評価」を行うことは可能か。
② 「感染防止対策に関する評価」は,当該加算に係る感染制御チームが行う必要があるか。
③ 当該評価は対面で実施する必要があるか。

A17 それぞれ以下のとおり。
① 可能。
② 感染制御チームを構成する職種(医師,看護師,薬剤師及び臨床検査技師)のうち,医師及び看護師を含む2名以上が評価を行うこと。
③ リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

Q18 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算の施設基準において,「感染制御チーム(外来感染対策向上加算にあっては,院内感染管理者。以下本問において同じ。)により,職員を対象として,少なくとも年2回程度,定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること」とされているが,当該研修は,必ず感染制御チームが講師として行わなければならないのか。

A18 感染制御チームが当該研修を主催している場合は,必ずしも感染制御チームが講師として行う必要はない。
 ただし,当該研修は,以下に掲げる事項を満たすことが必要であり,最新の知見を共有することも求められるものであることに留意すること。
・院内感染対策の基礎的考え方及び具体的方策について,当該医療機関の職員に周知徹底を行うことで,個々の職員の院内感染対策に対する意識を高め,業務を遂行する上での技能の向上等を図るものであること。
・当該医療機関の実情に即した内容で,職種横断的な参加の下に行われるものであること。
・医療機関全体に共通する院内感染対策に関する内容について,年2回程度定期的に開催するほか,必要に応じて開催すること。
・研修の実施内容(開催又は受講日時,出席者,研修項目)について記録すること。
 なお,研修の実施に際して,AMR臨床リファレンスセンターが公開している医療従事者向けの資料(※)を活用することとして差し支えない。
http://amr.ncgm.go.jp/medics/2-8-1.html

Q19 外来感染対策向上加算の施設基準において,「院内感染管理者により,職員を対象として,少なくとも年2回程度,定期的に院内感染対策に関する研修を行っていること」とされているが,医療機関外で開催される研修会への参加により,当該要件を満たすものとしてよいか。

A19 不可。

Q20 「A000」初診料の注13,「A001」再診料の注17及び「A234-2」感染対策向上加算の注4に規定するサーベイランス強化加算並びに「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準において,「院内感染対策サーベイランス(JANIS),感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)等,地域や全国のサーベイランスに参加していること」とされているが,
① 対象となるサーベイランスには,JANIS及びJ-SIPHE以外にどのようなものがあるか。
② JANISに参加する場合にあっては,JANISの一部の部門にのみ参加すればよいのか。

A20 それぞれ以下のとおり。
① 現時点では,JANIS及びJ-SIPHEとするが,市区町村以上の規模でJANISの検査部門と同等のサーベイランスが実施されている場合については,当該サーベイランスがJANISと同等であることが分かる資料を添えて当局に内議されたい。
② 少なくともJANISの検査部門に参加している必要がある。なお,診療所についてもJANISの検査部門への参加は可能である。

Q21 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算の施設基準において,「院内感染防止対策に関する取組事項を掲示していること」とされているが,具体的にはどのような事項について掲示すればよいか。

A21 以下の内容について掲示すること。
・院内感染対策に係る基本的な考え方
・院内感染対策に係る組織体制,業務内容
・抗菌薬適正使用のための方策
・他の医療機関等との連携体制

Q22 「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準において求める看護師の「感染管理に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A22 現時点では,以下の研修が該当する。
・日本看護協会の認定看護師教育課程「感染管理」
・日本看護協会が認定している看護系大学院の「感染症看護」の専門看護師教育課程
・東京医療保健大学感染制御学教育研究センターが行っている感染症防止対策に係る6か月研修「感染制御実践看護学講座」

Q23 「A234-2」の「2」感染対策向上加算2の施設基準において求める薬剤師及び臨床検査技師の「適切な研修」並びに「A234-2」の「3」感染対策向上加算3の施設基準において求める医師及び看護師の「適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A23 現時点では,厚生労働省の院内感染対策講習会③(受講証書が交付されるものに限る。)が該当する。なお,令和4年度の研修については,令和4年10月頃に配信される予定である。

Q24 「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準において,「抗菌薬適正使用支援チームを組織し,抗菌薬の適正使用の支援に係る業務を行うこと」とされているが,
① 新たに抗菌薬適正使用支援チームに係る体制を整備する場合であっても届出可能か。
② 抗菌薬適正使用支援チームの構成員は,感染制御チームの構成員と兼任することは可能か。
③ 構成員のうち「3年以上の病院勤務経験を持つ微生物検査にかかわる専任の臨床検査技師」について,院内に細菌検査室がなく,微生物検査を院外に委託している医療機関においては,微生物検査に係る管理を行っている院内の専任の臨床検査技師は,「微生物検査にかかわる専任の臨床検査技師」に該当すると考えてよいか。

A24 それぞれ以下のとおり。
① 届出時点で当該体制が整備されていれば届出可能である。
② 可能。ただし,いずれかのチームにおいて専従である者については,抗菌薬適正使用支援チームの業務又は感染制御チームの業務(第1章第2部入院料等の通則第7号に規定する院内感染防止対策に係る業務を含む。)のいずれかのみ実施可能であること。
③ よい。

Q25 外来感染対策向上加算並びに「A234-2」の「2」感染対策向上加算2及び「3」感染対策向上加算3の施設基準において,「有事の際の対応を想定した地域連携に係る体制について,連携する感染対策向上加算1に係る届出を行った他の医療機関等とあらかじめ協議されていること」とされているが,
① 「等」にはどのようなものが含まれるか。
② 具体的には,どのようなことを協議するのか。また,協議した内容は記録する必要があるか。

A25 それぞれ以下のとおり。
① 保健所や地域の医師会が含まれる。
② 有事の際に速やかに連携できるよう,例えば,必要な情報やその共有方法について事前に協議し,協議した内容を記録する必要がある。

Q26 外来感染対策向上加算及び「A234-2」の「3」感染対策向上加算3の施設基準において,「院内の抗菌薬の適正使用について,連携する感染対策向上加算1に係る届出を行った他の医療機関又は地域の医師会から助言を受けること」とされているが,具体的にはどのようなことをいうのか。

A26 助言を受ける医療機関が,「中小病院における薬剤耐性菌アウトブレイク対応ガイダンス」における地域の感染管理専門家から,適切に助言を受けられるよう,感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関や地域の医師会から,助言を受け,体制を整備しておくことをいう。

Q27 外来感染対策向上加算及び「A234-2」感染対策向上加算の施設基準において,「新興感染症の発生等を想定した訓練については,少なくとも年1回以上参加していること」とされているが,当該訓練とは,具体的にはどのようなものであるか。また,当該訓練は対面で実施する必要があるか。

A27 新興感染症患者等を受け入れることを想定した基本的な感染症対策に係るものであり,例えば,個人防護具の着脱の訓練が該当する。また,当該訓練はリアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて実施して差し支えない。

Q28 Q8において,「A234-2」の「1」感染対策向上加算1の施設基準における「新興感染症の発生時等に都道府県等の要請を受けて感染症患者を受け入れる体制」を有する医療機関について,現時点では新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関が該当することとされているが,DPC/PDPSの機能評価係数Ⅱの地域医療指数(体制評価指数)における「新型コロナウイルス感染症に係る病床確保を行っていること」の評価が0ポイントの場合であっても,当該加算の届出は可能か。

A28 届出時点で新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関に該当している場合には届出可能である。

Q29 外来感染対策向上加算の施設基準において,「感染対策向上加算1に係る届出を行った医療機関又は地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加していること」とされているが,当該カンファレンスの内容は,具体的にはどのようなものであればよいか。

A29 具体的な定めはないが,感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関は,地域の医師会と連携することとされていることから,感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関が主催するカンファレンスの内容を参考として差し支えない。なお,例えば,以下に掲げる事項に関する情報の共有及び意見交換を行い,最新の知見を共有することが考えられる。
(例)
・感染症患者の発生状況
・薬剤耐性菌等の分離状況
・院内感染対策の実施状況(手指消毒薬の使用量,感染経路別予防策の実施状況等)
・抗菌薬の使用状況

Q30 「A234-2」感染対策向上加算の注2に規定する指導強化加算の施設基準において,「過去1年間に4回以上,感染対策向上加算2,感染対策向上加算3又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関に赴き院内感染対策に関する助言を行っていること」とされているが,
① 「院内感染対策に関する助言」について,抗菌薬の適正使用に関する助言を行った場合も当該要件を満たすものとしてよいか。
② 複数の医療機関と連携している場合,1施設につき1年間に4回以上助言を行う必要があるか。

A30 それぞれ以下のとおり。
① よい。
② 複数の医療機関と連携している場合には,複数の医療機関に対して助言を行った数の合計が過去1年間に4回以上であれば当該要件を満たすこととして差し支えない。

Q31 「A000」初診料の注12,「A001」再診料の注16及び「A234-2」感染対策向上加算の注3に規定する連携強化加算の施設基準において,「過去1年間に4回以上,感染症の発生状況,抗菌薬の使用状況等について報告を行っていること」とされているが,具体的にはどのような内容について,どのくらいの頻度で報告すればよいか。

A31 報告の内容やその頻度については,連携する感染対策向上加算1の届出を行っている医療機関との協議により決定することとするが,例えば,感染症法に係る感染症の発生件数,薬剤耐性菌の分離状況,抗菌薬の使用状況,手指消毒薬の使用量等について,3か月に1回報告することに加え,院内アウトブレイクの発生が疑われた際の対応状況等について適時報告することが求められる。

〔電子的保健医療情報活用加算〕

Q32 「A000」初診料の注14に規定する電子的保健医療情報活用加算について,ただし書の「当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合」とは,どのような場合が対象となるのか。

A32 当該加算は,医療機関においてオンライン資格確認等システムが開始され,診療情報等を取得し,当該情報を活用して診療等を実施できる体制が整えられていることを評価する趣旨であることから,オンライン資格確認等システムの運用を開始している医療機関であれば,実際に患者が個人番号カードを持参せず,診療情報等の取得が困難な場合であっても,ただし書の「当該患者に係る診療情報等の取得が困難な場合」に該当するものとして差し支えない。
 また,患者の個人番号カードが破損等により利用できない場合や患者の個人番号カードの利用者証明用電子証明証が失効している場合なども,同様に該当する。

Q33 「A000」初診料の注14等に規定する電子的保健医療情報活用加算の施設基準において,「当該情報を活用して診療等を実施できる体制を有していることについて,当該医療機関の見やすい場所に掲示していること」とされているが,医療機関の窓口や掲示板に「マイナ受付」のポスターやステッカーを掲示することでよいか。

A33 よい。

Q34 「A000」初診料の注14等に規定する電子的保健医療情報活用加算の施設基準において,「電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること」とあるが,光ディスク等を用いた診療報酬請求を行っている場合であっても,当該基準を満たすか。

A34 光ディスク等を用いた診療報酬請求を行っている場合は,当該基準を満たさない。

〔外来管理加算〕

Q35 「A001」再診料の注8に規定する外来管理加算について,注1に規定する情報通信機器を用いた再診を行った場合も算定可能か。

A35 外来管理加算の算定に当たっては,医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診,聴診,打診及び触診等)を行う必要があるため,算定不可。

〔褥瘡対策〕

Q36 第1章第2部入院料等の通則第7号に規定する褥瘡対策の施設基準において,「褥瘡対策の診療計画における薬学的管理に関する事項及び栄養管理に関する事項については,当該患者の状態に応じて記載すること」とあるが,褥瘡に関する危険因子のある患者及び既に褥瘡を有する患者について,「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和4年3月4日保医発0304第2号)別添6の別紙3「褥瘡対策に関する診療計画書」の<薬学的管理に関する事項>及び<栄養管理に関する事項>は,それぞれの対応が必要な場合に記載すればよいか。

A36 よい。

Q37 「褥瘡対策に関する診療計画書」の<薬学的管理に関する事項>における「薬剤滞留の問題」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A37 例えば,創の状態や外用薬の基剤特性の不適合等により,薬剤が創内に滞留維持できていないこと等が想定される。

〔一般病棟用の重症度,医療・看護必要度〕

Q38 「注射薬剤3種類以上」について,ビタミン剤を薬剤種類数の対象に含めることができるのは,患者の疾患又は症状等により医師が当該ビタミン剤の投与が有効であると判断した場合であるとされているが,具体的にはどのような場合か。

A38 具体的には,以下に掲げる場合が該当する。ただし,当該ビタミン剤が薬事承認の内容に従って投与された場合に限る。
・患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害であることが明らかであり,かつ,必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合(例えば,悪性貧血のビタミンB12の欠乏等,診察及び検査の結果から当該疾患又は症状が明らかな場合)
・患者が妊産婦,乳幼児等(手術後の患者及び高カロリー輸液療法実施中の患者を含む。)であり,診察及び検査の結果から食事からのビタミンの摂取が不十分であると診断された場合
・患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害であると推定され,かつ,必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合
・重湯等の流動食及び軟食のうち,一分がゆ,三分がゆ又は五分がゆを食している場合
・無菌食,フェニールケトン尿症食,楓糖尿症食,ホモシスチン尿症食又はガラクトース血症食を食している場合
 なお,「ビタミン剤」とは,ビタミンを含有する配合剤を含むものである。

Q39 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度に係る基準を満たす患者の割合について,令和4年9月30日までの経過措置が設けられている入院料等については,令和4年度診療報酬改定後の評価票を用いた評価をいつから行う必要があるか。

A39 令和4年10月1日に届出を行うには,経過措置が令和4年9月30日までの入院料等については遅くとも令和4年7月1日から,令和4年度診療報酬改定後の評価票を用いた評価を行う必要がある。

Q40 許可病床数が200床以上400床未満の医療機関であって急性期一般入院料1を算定する病棟における一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱを用いた評価については,令和4年12月31日までの経過措置が設けられているが,一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱによる評価をいつから行う必要があるか。

A40 令和5年1月1日に届出を行うには,遅くとも令和4年10月1日から,令和4年度診療報酬改定後の一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱによる評価を行う必要がある。

Q41 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度に係る入院料等の施設基準における該当患者割合の基準について,令和4年3月31日時点で現に届出を行っている病棟又は病室は,令和4年9月30日までの経過措置が設けられているが,当該病棟又は病室を有する医療機関が「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)」(令和2年8月31日厚生労働省保険局医療課事務連絡。以下「8月31日事務連絡」という。)の対象医療機関等に該当する場合,どのように考えればよいか。

A41 8月31日事務連絡の対象医療機関等に該当するか否かにかかわらず,令和4年3月31日時点で現に届出を行っている病棟又は病室は,令和4年9月30日までの経過措置の対象となる。

〔療養病棟入院基本料〕

Q42 「A101」療養病棟入院基本料の注1について,「当該病棟において中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制が確保されている」とあるが,摂食機能又は嚥下機能の回復に係る実績を有している必要はあるか。

A42 必ずしも実績を有している必要はないが,中心静脈栄養を実施している患者については,嚥下機能に係る検査等の必要性等を定期的に確認すること。

Q43 「A101」療養病棟入院基本料の注11について,入院中の患者であって,「H000」心大血管疾患リハビリテーション料,「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料,「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料,「H002」運動器リハビリテーション料又は「H003」呼吸器リハビリテーション料(以下「疾患別リハビリテーション料」という。)を算定するものに対して,1月に1回以上,FIMの測定を行っていない場合には,当該患者に係る疾患別リハビリテーション料のうち,一日につき2単位を超えるものは,当該入院基本料に含まれることとされているが,「1月に1回以上」とは,暦月に1回以上のことを指すのか。

A43 そのとおり。

Q44 「A101」療養病棟入院基本料の注11に規定する点数を算定する患者について,疾患別リハビリテーション料の標準的算定日数を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う場合も,FIMの測定に係る規定は適用されるか。

A44 適用される。

Q45 「A101」療養病棟入院基本料の注11について,「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和4年厚生労働省告示第54号)による改正前の(中略)なお従前の例による」「令和4年3月31日において現に療養病棟入院基本料に係る届出を行っている医療機関については,令和4年9月30日までの間に限り,FIMの測定を行っているものとみなす」こととされているが,注11に規定する点数の適用について,どのように考えればよいか。

A45 令和4年4月1日より,改正後の点数(100分の75に相当する点数)を算定すること。

〔療養病棟入院基本料,回復期リハビリテーション病棟入院料〕

Q46 「A101」療養病棟入院基本料及び「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料について,脳血管疾患等により療養病棟入院基本料を算定する病棟に入院している患者が,令和2年3月31日以前から回復期リハビリテーションを要する状態に該当しており,令和2年4月1日以降に当該医療機関の回復期リハビリテーション病棟に転棟した場合においては,留意事項通知により「医療上特に必要がある場合に限り回復期リハビリテーション病棟から他の病棟への移動が認められる」こととされているが,当該患者が脳血管疾患等を有することをもって,「医療上特に必要がある場合」に該当するものとして,再度療養病棟入院基本料を算定する病棟に当該患者を転棟させることは可能か。

A46 当該患者を同一医療機関の療養病棟に再度移動させることは,原則として認められない。

〔看護補助体制充実加算〕

Q47 看護補助体制充実加算の施設基準における看護補助者及び看護職員の研修受講者の氏名について,届出の際に提出する必要があるか。

A47 必ずしも提出する必要はないが,求めに応じて提出できるよう医療機関内に控えておくこと。

Q48 看護補助体制充実加算の施設基準における看護職員に対して実施する院内研修について,
① 実施時間数や実施方法はどのようにすればよいか。
② 常勤の看護職員及び非常勤の看護職員のいずれも受講する必要があるのか。

A48 それぞれ以下のとおり。
① 日本看護協会「看護補助者との協働のための研修プログラム」(令和4年3月)を参考にされたい。
② いずれも受講する必要がある。

〔入院栄養管理体制加算〕

Q49 「A104」特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算における栄養管理計画は,第1章第2部入院料等の通則第7号に規定する栄養管理体制の基準における栄養管理計画をもって代えることはできるか。

A49 特定機能病院入院基本料を算定する病棟の専従の常勤管理栄養士が当該計画を作成した場合は,代えることができる。

Q50 「A104」特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算について,専従の常勤管理栄養士とは,雇用契約で定める所定労働時間に勤務する者でよいか。

A50 よい。

Q51 「A104」特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算について,特定機能病院入院基本料を算定する病棟に入院(当該病棟への転棟を含む。)した患者が,同一日に退院した場合(死亡退院を含む。)は,算定可能か。

A51 当該患者について,1回に限り算定可。

Q52 「A104」特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算について,集中治療室等から特定機能病院入院基本料を算定する病棟に転棟した患者については,当該加算は算定可能か。

A52 算定可。ただし,当該患者について,早期栄養介入管理加算又は周術期栄養管理実施加算を算定している場合は,算定不可。

〔入院基本料等の施設基準等〕

Q53 施設基準通知において,「平均入院患者数が概ね30名程度以下の小規模な結核病棟を有する医療機関については,一般病棟(一般病棟入院基本料,特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。),専門病院入院基本料又は障害者施設等入院基本料を算定する病棟)と結核病棟を併せて1看護単位とすることはできるが,看護配置基準が同じ入院基本料を算定する場合に限る。」とされている。結核病床を構造上区分すること等医療法に規定する構造設備の基準を遵守した上で,当該一般病棟と結核病棟を併せて1看護単位とする病棟を複数有することは可能か。

A53 可能。

〔急性期充実体制加算〕

Q54 「A200-2」急性期充実体制加算について,「入院した日とは,当該患者が当該加算を算定できる病棟に入院又は転棟した日のことをいう」とあるが,急性期一般入院料1を算定する病棟に入院後,当該加算を算定できない病棟又は病室に転棟し,再度急性期一般入院料1を算定する病棟に転棟した場合,起算日についてどのように考えればよいか。

A54 急性期一般入院料1を算定する病棟に最初に入院した日を起算日とする。

Q55 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準における「緊急手術」の定義について,「病状の急変により緊急に行われた手術をいう」とあるが,
① 「病状の急変」は入院外での急変に限定されるか。
② 休日に行われる手術又はその開始時間が医療機関の表示する診療時間以外の時間若しくは深夜である手術に限定されるか。
③ 病状の変化により手術予定日を早めた場合も対象になるか。

A55 それぞれ以下のとおり。
① 限定されない。
② 限定されない。手術の実施日及び開始時間にかかわらず,患者の病状の急変により緊急に行われた手術であれば,緊急手術に該当し,医療機関又は保険医の都合により行われた場合は該当しない。
③ 各病院において「手術が緊急である」と判断される場合にあっては対象として差し支えないが,手術実施の判断から手術開始までの時間が24時間を超える場合は緊急手術に該当しない。

Q56 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準において,「承認され,登録されている全てのレジメンのうち,4割以上のレジメンが外来で実施可能であること」とされているが,外来で実施可能なレジメンについて,外来で実施されている実績は必要か。

A56 外来で実施可能なレジメンについては,必ずしも実施されている実績は必要ないが,外来で実施可能なレジメンの対象となる患者に対しては,外来での化学療法の実施方法についても説明を行うこと。
 また,外来で実施可能なレジメンの一覧については,手術件数等と合わせて院内に掲示すること。

Q57 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準において,「急性期一般入院料1に係る届出を行っている病棟については,一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱを用いて評価を行っていること」とされているが,「A300」救命救急入院料,「A301」特定集中治療室管理料又は「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料を算定する病棟又は病室についてはどのように考えればよいか。

A57 急性期一般入院料1に係る届出を行っている病棟以外の病棟については,一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅰ又は特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度Ⅰを用いて評価を行っても差し支えない。

Q58 許可病床数が200床以上400床未満の医療機関において,令和4年3月31日時点で現に急性期一般入院料1を届け出ている病棟については,令和4年12月31日までの間に限り,一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱを用いた評価に係る基準を満たしているものとみなすこととされているが,「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準における「一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱを用いて評価を行っていること」について,どのように考えればよいか。

A58 当該加算の届出を行う医療機関にあっては,届出時点において当該基準を満たしている必要がある。

Q59 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準において求める「入院患者の病状の急変の兆候を捉えて対応する体制」に係る「所定の研修」には,具体的にどのようなものがあるか。

A59 現時点では,以下の研修が該当する。
① 一般社団法人日本集中治療医学会「Rapid Response System出動スタッフ養成コース(日本集中治療医学会認定ハンズオンセミナー)」
② SCCM(米国集中治療医学会)「FCCS(Fundamental Critical Care Support)」
③ 一般社団法人医療安全全国共同行動「RRSセミナー〜急変時の迅速対応とRRS」

Q60 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準において「日本医療機能評価機構が定める機能評価を受けている病院又は当該評価の基準と同等の基準について第三者の評価を受けている病院」とあるが,「第三者の評価」には,以下に掲げるものは該当すると考えてよいか。
① JCI(Joint Commission International)の「大学医療センター病院プログラム」又は「病院プログラム」
② ISO(国際標準化機構)9001の認証

A60 よい。

Q61 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準における「特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がない」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A61 「特定の保険薬局との間で不動産取引等その他の特別な関係がない」ことについては,調剤点数表の特別調剤基本料における考え方と同様である。
 具体的には,次の①から④までのいずれにも該当しない場合を指す。
① 医療機関が当該保険薬局と不動産の賃貸借取引関係にある場合
② 医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。)を当該保険薬局が利用して開局している場合
③ 医療機関に対し,当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している場合
④ 当該保険薬局が医療機関から開局時期の指定を受けて開局している場合
 なお,①から④までの詳細については,調剤点数表の特別調剤基本料に係る規定を参照すること。

Q62 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準において,「毎年7月において,前年度における手術件数等を評価するため,別添7の様式14により届け出るとともに,院内に掲示すること」とされているが,具体的にはどのような内容を院内に掲示する必要があるか。

A62 別添7の様式14の「2」のうち,次に掲げる項目の実績及び体制等について,院内の見やすい場所に掲示する必要がある。
・「1 手術等に係る実績」
・「2 外来化学療法の実施を推進する体制」
・「3 24時間の救急医療提供」
・「9 入院患者の病状の急変の兆候を捉えて対応する体制」
・「10 外来縮小体制」
・「13 退院に係る状況等」
・「14 禁煙の取扱い」

Q63 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準における「入院患者の病状の急変の兆候を捉えて対応する体制」に係る「年2回程度の院内講習の開催」について,「A234」医療安全対策加算における医療安全対策に係る体制を確保するための職員研修と併せて実施することは可能か。

A63 可能。

Q64 「A200-2」急性期充実体制加算の施設基準の手術等に係る実績において,「(イ)及び,(ロ)から(ヘ)までのうち4つ以上を満たしていること」とあるが,これは,(イ)を満たした上で,(イ)とは別に,(ロ)から(へ)までのうち4つ以上を満たしている必要があるのか。

A64 そのとおり。

〔救急医療管理加算〕

Q65 「A205」救急医療管理加算の施設基準において,「診療体制として通常の当直体制のほかに重症救急患者の受入れに対応できる医師等を始めとする医療従事者を確保していること」とあるが,医療従事者間で連携し,当直体制に支障が出ないよう体制を整えている場合においては,当直医師が重症救急患者の受入れに係る診療を行うことは可能か。

A65 可能。ただし,当該医師の業務負担への配慮を十分に行うこと。

Q66 「A205」救急医療管理加算の対象患者の状態について,「消化器疾患で緊急処置を必要とする重篤な状態」とあるが,具体的にはどのような処置を指すのか。

A66 現時点では,「J034」イレウス用ロングチューブ挿入法,「J034-3」内視鏡的結腸軸捻転解除術を指す。

〔医師事務作業補助体制加算〕

Q67 「A207-2」医師事務作業補助体制加算の施設基準における「当該医療機関における3年以上の医師事務作業補助者としての勤務経験を有する医師事務作業補助者が,それぞれの配置区分ごとに5割以上配置されていること」について,
① 他の医療機関での勤務経験を通算することは可能か。
② 雇用形態(常勤・非常勤等)にかかわらず,勤務経験を通算することは可能か。
③ 5割以上の配置は,実配置数か,配置基準の数か。

A67 それぞれ以下のとおり。
① 不可。
② 可能。
③ 配置基準の数である。なお,配置基準の数については,施設基準通知「第4の2 医師事務作業補助体制加算」の1の(2)を参照すること。また,同通知別添7の様式18における「1」の「ニ」の「医師事務作業補助者のうち,自院における3年以上の勤務経験を有する者の割合が5割以上」の項目については,配置基準の数で判断すること。

Q68 「A207-2」医師事務作業補助体制加算について,病床種別の異なる病床を有する医療機関において,病床種別ごとに15対1,20対1等の異なる配置区分での届出は可能か。

A68 可能。ただし,同一医療機関が医師事務作業補助体制加算1の届出と医師事務作業補助体制加算2の届出を併せて行うことはできない。

Q69 「A207-2」医師事務作業補助体制加算について,同一病床種別の病床に関し,様式18における「50対1,75対1又は100対1に限り算定できる病床」とそれ以外の病床で,異なる配置区分での届出は可能か。

A69 可能。ただし,医師事務作業補助体制加算1の届出と医師事務作業補助体制加算2の届出を併せて行うことはできない。

〔小児療養環境特別加算〕

Q70 「A221-2」小児療養環境特別加算の対象患者について,「麻疹等の感染症に罹患しており,他の患者への感染の危険性が高い患者」とあるが,具体的にはどのような者が該当するのか。

A70 結核,インフルエンザウイルス感染症,ロタウイルス感染症等の他の患者への感染の危険性が高い患者であり,保険医が治療上の必要から個室での管理が必要と認めた患者が該当する。

〔精神科リエゾンチーム加算〕

Q71 「A230-4」精神科リエゾンチーム加算の施設基準において求める看護師の「精神看護関連領域に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A71 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「認知症看護」
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「老人看護」及び「精神看護」の専門看護師教育課程
③ 日本精神科看護協会の精神科認定看護師教育課程
④ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」の区分の研修
 なお,これに伴い,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成24年3月30日事務連絡)別添1のQ39は廃止する。

〔依存症入院医療管理加算〕

Q72 「A231-3」依存症入院医療管理加算の施設基準において求める医師等の「薬物依存症に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A72 現時点では,以下の研修が該当する。
・国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが実施する「認知行動療法の手法を活用した薬物依存症に対する集団療法研修」
・日本アルコール・アディクション医学会が実施する「認知行動療法の手法を活用した薬物依存症に対する集団療法研修」
 なお,令和4年4月1日以降に実施される上記の研修については,入院医療に関する要点等が含まれ,これを履修する必要があるが,令和4年3月31日以前に上記のいずれかの研修を修了した者については,当該要点等について履修しているものとみなす。

〔摂食障害入院医療管理加算〕

Q73 「A231-4」摂食障害入院医療管理加算の施設基準における「摂食障害の年間新規入院患者数」について,「新規入院患者」は,当該加算の対象となる「摂食障害による著しい体重減少が認められる者であって,BMI(Body Mass Index)が15未満の患者」である必要があるか。

A73 そのとおり。

〔栄養サポートチーム加算〕

Q74 「A233-2」栄養サポートチーム加算の施設基準において求める看護師の「所定の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A74 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「摂食嚥下障害看護」又は「脳卒中看護
② 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修(以下の3区分の研修を全て修了した場合に限る。)
 ・栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連
 ・栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
 ・栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。

〔重症患者初期支援充実加算〕

Q75 「A234-4」重症患者初期支援充実加算の施設基準において,入院時重症患者対応メディエーターは,「以下の(イ)に掲げる者については,医療関係団体等が実施する特に重篤な患者及びその家族等に対する支援に係る研修を令和5年3月31日までに修了していることが望ましいこと」,「(イ)以外の者であって,医療関係団体等が実施する特に重篤な患者及びその家族等に対する支援に係る研修を修了し,かつ,当該支援に係る経験を有する者」であることとされているが,
① 「医療関係団体等が実施する特に重篤な患者及びその家族等に対する支援に係る研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。
② 令和5年3月31日までに当該研修を修了できなかった場合,重症患者初期支援充実加算の施設基準の届出を取り下げる必要があるか。
③ 「当該支援に係る経験を有する」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A75 それぞれ以下のとおり。
① 現時点では,一般社団法人日本臨床救急医学会が実施する「入院時重症患者対応メディエーター講習会」が該当する。
② 直ちに届出を取り下げる必要はないが,可能な限り速やかに研修を修了すること。
③ 集中治療領域における特に重篤な患者及びその家族等に対する支援について,3年以上の経験を有することを指す。

Q76 「A234-4」重症患者初期支援充実加算について,当該加算を算定できる治療室を複数有している場合,全ての治療室にそれぞれ別の入院時重症患者対応メディエーターを配置する必要があるか。

A76 当該医療機関内に入院時重症患者対応メディエーターが配置されていればよく,必ずしも全ての治療室にそれぞれ別の担当者が配置されている必要はない。

Q77 「A234-4」重症患者初期支援充実加算について,「入院した日とは,当該患者が当該加算を算定できる治療室に入院又は転棟した日のことをいう」とあるが,当該加算を算定できる病室に入院後,当該加算を算定できない病棟又は病室に転棟し,再度当該加算を算定できる病室に入室した場合,起算日についてどのように考えればよいか。

A77 重症患者初期支援充実加算を算定できる病室に最初に入室した日を起算日とする。

〔報告書管理体制加算〕

Q78 「A234-5」報告書管理体制加算の施設基準における「報告書管理の評価に係るカンファレンス」について,「A234」医療安全対策加算の施設基準におけるカンファレンスと兼ねることは可能か。

A78 当該カンファレンスに,報告書確認対策チームの構成員及び必要に応じて患者の診療を担う医師,画像診断を担当する医師,病理診断を担当する医師,看護師等が参加している場合に限り可能。ただし,医療安全対策加算の施設基準におけるカンファレンスと兼ねた場合には,その旨を記録に残すこと。

Q79 「A234-5」報告書管理体制加算の施設基準における「医療事故が発生した際に適切に報告する体制を整備」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A79 現時点では,公益財団法人日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業に参加していることを指す。

〔褥瘡ハイリスク患者ケア加算〕

Q80 「A236」褥瘡ハイリスク患者ケア加算の施設基準において求める看護師の「褥瘡等の創傷ケアに係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A80 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「皮膚・排泄ケア」
② 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる「創傷管理関連」の区分の研修

〔ハイリスク分娩等管理加算〕

Q81 「A237」ハイリスク分娩等管理加算について,ハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理を行った結果,死産だった場合,当該加算を算定できるか。

A81 ハイリスク分娩等管理加算の対象となる妊産婦(妊娠85日以降の場合に限る。)であって,医師がハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理が必要であると判断し,当該管理を行った者については算定できる。

〔地域連携分娩管理加算(ハイリスク分娩等管理加算)〕

Q82 「A237」の「2」地域連携分娩管理加算の施設基準における「助産に関する専門の知識や技術を有することについて医療関係団体等から認証された助産師」とは,具体的には何を指すのか。

A82 現時点では,一般財団法人日本助産評価機構の認証を受けた「アドバンス助産師」を指す。

Q83 「A237」の「2」地域連携分娩管理加算の対象患者について,当該加算の届出を行っている医療機関と連携している総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センターに当該患者を紹介した場合は,「B009」診療情報提供料(Ⅰ)は算定可能か。

A83 診療情報提供料(Ⅰ)の算定要件を満たす場合において,算定可。

Q84 「A237」の「2」地域連携分娩管理加算において,「ただし,ア~エに該当する妊産婦であっても,当該患者が複数の疾患等を有する場合においては,当該加算は算定できない」とあるが,「複数の疾患等を有する場合」とは具体的はどのような場合を指すのか。

A84 地域連携分娩管理加算の対象患者に係る疾患を複数有する場合又は地域連携分娩管理加算の対象患者に係る疾患に加え,ハイリスク分娩管理加算の対象患者に係る疾患等を有する場合を指す。

Q85 「A237」の「2」地域連携分娩管理加算の対象となる妊産婦について,総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センターから連携している有床診療所に紹介された場合,当該患者を再度総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センターに紹介し,受診させる必要はあるか。

A85 不要。

〔呼吸ケアチーム加算〕

Q86 「A242」呼吸ケアチーム加算の施設基準において求める看護師の「呼吸ケアに係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A86 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「クリティカルケア」,「新生児集中ケア」,「小児プライマリケア」又は「呼吸器疾患看護
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程
③ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修(以下の2区分の研修を全て修了した場合に限る。)
 ・呼吸器(気道確保に係るもの)関連
 ・呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。
 なお,これに伴い,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成22年3月29日事務連絡)別添1のQ77及び「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成24年3月30日事務連絡)別添1のQ53は廃止する。

〔術後疼痛管理チーム加算〕

Q87 「A242-2」術後疼痛管理チーム加算の施設基準において求める看護師の「術後疼痛管理に係る所定の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A87 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「手術看護」
② 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる「術後疼痛管理関連」の区分の研修
③ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる以下のいずれかの領域別パッケージ研修
 ・外科術後病棟管理領域
 ・術中麻酔管理領域
 ・外科系基本領域
④ 日本麻酔科学会「術後疼痛管理研修」
 なお,④については,令和4年3月31日までに,日本麻酔科学会が定める従前のカリキュラムにおいて研修を修了し,修了証等が発行されている者については,次期更新までは,術後疼痛管理に係る所定の研修を修了した者と判断して差し支えない。

Q88 「A242-2」術後疼痛管理チーム加算について,術後疼痛管理チームの麻酔に従事する常勤の医師が,「L009」麻酔管理料(Ⅰ)における麻酔後の診察を行うことと併せて必要な疼痛管理を行うことは可能か。

A88 可能。

〔病棟薬剤業務実施加算〕

Q89 「A244」病棟薬剤業務実施加算における病棟薬剤業務の実施時間について,「L009」の注5及び「L010」の注2に規定する周術期薬剤管理加算に係る業務に要する時間を含めることは可能か。

A89 周術期薬剤管理加算における「専任の薬剤師」が行う周術期薬剤管理に係る業務に要する時間は病棟薬剤業務実施加算の病棟薬剤業務の実施時間に含めることはできないが,周術期薬剤管理加算における「病棟薬剤師」が行う薬剤関連業務に要する時間は病棟薬剤業務実施加算の病棟薬剤業務の実施時間に含めることができる。

〔入退院支援加算〕

Q90 「A246」入退院支援加算について,患者及びその家族等との病状や退院後の生活等に関する話合いをビデオ通話が可能な機器を用いて行うことは可能か。

A90 可能。

〔特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度〕

Q91 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Ⅱが要件化されている急性期一般入院料を算定する病棟を有する場合,特定集中治療用の重症度,医療・看護必要度の測定についても,必要度Ⅱを用いた評価が要件となるのか。

A91 医療機関の実情に応じて,必要度Ⅰ又はⅡのいずれかを用いて評価を行ってよい。

Q92 「B 患者の状況等(B項目)」については,特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度に係る評価の基準の対象から除外されたが,特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度の評価票を用いて評価を継続する必要があるか。

A92 必要。

Q93 特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度ⅠからⅡへの評価方法の切替えを行う場合,届出時に,Ⅰ及びⅡのいずれの基準も満たしている必要があるか。

A93 届出を行う前月において,特定集中治療室用の重症度,医療・看護必要度Ⅱの基準を満たしていればよい。

〔救命救急入院料,特定集中治療室管理料〕

Q94 「A300」救命救急入院料の注1,「A301」特定集中治療室管理料の注1に規定する算定上限日数に係る施設基準において,「当該治療室に入院する患者について,関連学会と連携の上,適切な管理等を行っていること」とあるが,「関連学会と連携」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A94 日本集中治療医学会のデータベースであるJIPAD(Japanese Intensive care Patient Database)に症例を登録し,治療方針の決定及び集中治療管理を行っていることを指す。

〔救命救急入院料,特定集中治療室管理料,小児特定集中治療室管理料,
新生児特定集中治療室管理料,総合周産期特定集中治療室管理料〕

Q95 「A300」救命救急入院料2及び4,「A301」特定集中治療室管理料,「A301-4」小児特定集中治療室管理料,「A302」新生児特定集中治療室管理料並びに「A303」総合周産期特定集中治療室管理料の施設基準における「手術室と同程度の空気清浄度を有する個室」について,空気清浄度の具体的な基準はあるか。

A95 具体的な基準の定めはないが,「手術室と同程度の空気清浄度を有する個室及び陰圧個室を設置することが望ましい」こととされている。

〔精神疾患診断治療初回加算〕

Q96 「A300」救命救急入院料の注2に規定する精神疾患診断治療初回加算の「イ」の施設基準において求める医師の「自殺企図等により入院となった患者に対する生活上の課題等について指導等を行うための適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A96 現時点では,以下の研修が該当する。
① 厚生労働省自殺未遂者再企図防止事業(平成27~29年度)における「救命救急センターに搬送された自殺未遂者の自殺企図の再発防止に対する複合的ケース・マネージメントに関する研修会」
② 一般社団法人日本自殺予防学会「自殺再企図防止のための救急患者精神科継続支援研修会」

〔救命救急入院料〕

Q97 「A300」救命救急入院料を算定していた患者が,病状が安定し転棟したこと等により,退院時には他の入院料を算定している場合など,退院時に救命救急入院料を算定していない場合であっても,注10の規定による加算は算定可能か。

A97 算定可。

〔特定集中治療室管理料〕

Q98 「A301」特定集中治療室管理料1及び2の施設基準において求める看護師の「集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A98 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「クリティカルケア」,「新生児集中ケア」,「小児プライマリケア
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程
③ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修(以下の8区分の研修を全て修了した場合に限る。)
 ・「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」
 ・「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」
 ・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」
 ・「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」
 ・「循環動態に係る薬剤投与関連」
 ・「術後疼痛管理関連」
 ・「循環器関連」
 ・「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」
④ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる以下の領域別パッケージ研修
 ・集中治療領域
 ・救急領域
 ・術中麻酔管理領域
 ・外科術後病棟管理領域
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。
 なお,これに伴い,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成30年3月30日事務連絡)別添1のQ106は廃止する。

〔早期離床・リハビリテーション加算〕

Q99 「A300」救命救急入院料の注8,「A301」特定集中治療室管理料の注4,「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料の注3,「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料の注3,「A301-4」小児特定集中治療室管理料の注3に規定する早期離床・リハビリテーション加算(以下単に「早期離床・リハビリテーション加算」という。)の施設基準における早期離床・リハビリテーションチームの専任の常勤理学療法士,常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士は,疾患別リハビリテーションの専従者が兼任してもよいか。

A99 疾患別リハビリテーション料(2名以上の専従の常勤理学療法士,専従の作業療法士及び専従の言語聴覚士の配置を要件とするものに限る。)における専従の常勤理学療法士,専従の常勤作業療法士又は専従の常勤言語聴覚士のうち1名については,早期離床・リハビリテーション加算における専任の常勤理学療法士,専任の常勤作業療法士又は専任の言語聴覚士と兼任して差し支えない。ただし,早期離床・リハビリテーション加算に係る業務と疾患別リハビリテーション料に係る業務に支障が生じない範囲で行うこと。
 なお,これに伴い,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成30年3月31日事務連絡)別添1のQ107は廃止する。

Q100 早期離床・リハビリテーション加算の施設基準において求める看護師の「集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A100 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「クリティカルケア」,「新生児集中ケア」,「小児プライマリケア
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程
③ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修(以下の8区分の研修を全て修了した場合に限る。)
 ・「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」
 ・「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」
 ・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」
 ・「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」
 ・「循環動態に係る薬剤投与関連」
 ・「術後疼痛関連」
 ・「循環器関連」
 ・「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」
④ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる以下の領域別パッケージ研修
 ・集中治療領域
 ・救急領域
 ・術後麻酔管理領域
 ・外科術後病棟管理領域
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。

Q101 早期離床・リハビリテーション加算の施設基準における早期離床・リハビリテーションチームの専任の常勤看護師は,「A300」救命救急入院料の注11及び「A301」特定集中治療室管理料の注6に規定する重症患者対応体制強化加算(以下単に「重症患者対応体制強化加算」という。)の専従看護師が兼任しても差し支えないか。

A101 同一治療室内であれば,兼任して差し支えない。

Q102 重症患者対応体制強化加算の施設基準における専従の常勤臨床工学技士は,早期離床・リハビリテーションに係る取組を行うことが可能か。

A102 可能。

〔早期栄養介入管理加算〕

Q103 「A300」救命救急入院料の注9,「A301」特定集中治療室管理料の注5,「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料の注4,「A301-3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料の注4及び「A301-4」小児特定集中治療室管理料の注4に規定する早期栄養介入管理加算(以下単に「早期栄養介入管理加算」という。)の施設基準において求める管理栄養士の「集中治療を必要とする患者の栄養管理に係る3年以上の経験」とは,具体的にはどのようなことをいうのか。

A103 早期栄養介入管理加算を算定できる治療室に入室した患者に対する栄養管理計画に基づく栄養管理の実施や,栄養サポートチームでの栄養管理業務に係る3年以上の経験をいう。

Q104 早期栄養介入管理加算について,複数の治療室を有する医療機関においては,専任の管理栄養士は,複数の治療室を担当するものとして届出を行うことが可能か。

A104 可能。ただし,専任の管理栄養士が複数の治療室を担当している場合であっても,管理栄養士の数は,当該治療室の入院患者の数の合計数が10又はその端数を増すごとに1以上であること。
 なお,早期栄養介入管理加算又は「A233-2」栄養サポートチーム加算を算定する1日当たりの患者数は,専任の管理栄養士1名につき,合わせて15名以下であること。

Q105 「A104」特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算又は第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算を算定している患者が,早期栄養介入管理加算を算定できる治療室に入室した場合,当該加算は算定可能か。

A105 算定不可。

Q106 早期栄養介入管理加算を算定した場合には,「B001」の「10」入院栄養食事指導料は別に算定できないこととされているが,一連の入院期間中に早期栄養介入管理加算を算定した後,他の病棟に転棟し,別の入院料等を算定する場合は,入院栄養食事指導料は算定可能か。

A106 算定不可。

〔重症患者対応体制強化加算〕

Q107 重症患者対応体制強化加算の施設基準において求める看護師の「集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A107 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「クリティカルケア」,「新生児集中ケア」,「小児プライマリケア
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程
③ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修(以下の8区分の研修を全て修了した場合に限る。)
 ・「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」
 ・「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」
 ・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」
 ・「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」
 ・「循環動態に係る薬剤投与関連」
 ・「術後疼痛管理関連」
 ・「循環器関連」
 ・「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」
④ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる以下の領域別パッケージ研修
 ・集中治療領域
 ・救急領域
 ・術中麻酔管理領域
 ・外科術後病棟管理領域
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。

Q108 重症患者対応体制強化加算の施設基準における専従の常勤看護師の「集中治療を必要とする患者の看護に関する適切な研修」及び常勤看護師のほか,集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を3年以上有する看護師の「集中治療を必要とする患者の看護に関する以下のいずれかの研修」はいずれも同じ研修である必要があるか。

A108 同じ研修である必要はない。

Q109 重症患者対応体制強化加算の施設基準における「専従の常勤看護師」を配置した場合,特定集中治療室管理料1及び2の施設基準における「適切な研修を修了した専任の常勤看護師」の配置に係る基準を満たすこととしてよいか。

A109 よい。

Q110 重症患者対応体制強化加算の施設基準において,「常勤看護師のほか,集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を3年以上有する看護師が当該治療室内に2名以上配置されていること」とされているが,当該治療室内に配置される者について,変更することは可能か。

A110 可能。なお,その場合,遅滞なく変更の届出を行うこと。

Q111 Q110について,当該治療室内に配置される看護師2名以上は,「集中治療を必要とする患者の看護に関する(中略)研修を受講すること」とされているが,研修の受講が決定しているものの,当該研修が開始されていない場合,届出を行うことは可能か。

A111 届出を行う年度内に受講を開始する予定がある場合に限り届出可能。なお,届出時点で研修が開始されていない場合にあっては,届出時に受講開始予定日及び修了予定日を記載し,研修が開始された際に改めて当該看護師に係る届出を行うこと。

Q112 受講中の研修を中断することになった場合,届出を取り下げる必要があるか。

A112 遅延なく届出を取り下げる必要がある。

Q113 重症患者対応体制強化加算の施設基準において,「常勤看護師のほか,集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を3年以上有する看護師」が,「当該治療室以外の治療室又は病棟において勤務した場合,勤務した治療室又は病棟の施設基準に係る看護師の数に含めないこと」とされているが,外来で勤務することは可能か。

A113 可能。ただし,外来における重症患者への対応又は重症患者への看護実践の向上に寄与する内容に従事すること。

Q114 重症患者対応体制強化加算の施設基準において,「常勤看護師のほか,集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を3年以上有する看護師が当該治療室内に2名以上配置されていること」とされているが,当該治療室内に配置する看護師は非常勤の者でもよいか。

A114 不可。

Q115 重症患者対応体制強化加算の施設基準における「常勤看護師のほか,集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を3年以上有する看護師」が,既に適切な研修を修了している場合,当該看護師が院内研修に講師として参加することが必要か。

A115 必要。

Q116 重症患者対応体制強化加算の施設基準における専従の常勤臨床工学技士は,院内研修に講師として参加することが必要か。

A116 必ずしも必要ではないが,講師として参加しない場合においても,院内研修の講義及び演習等の内容が適切に実施されるよう,必要に応じて講師として参加する医師又は看護師と十分な連携を図ること。

Q117 重症患者対応体制強化加算は,「当該患者の入院期間に応じて算定する」こととされているが,入院期間の起算日は,当該医療機関に入院した日を指すか,当該加算を算定できる治療室に入室した日を指すか。

A117 当該治療室に入室した日を指す。

〔小児特定集中治療室管理料〕

Q118 「A301-4」小児特定集中治療室管理料の注1における「手術を必要とする先天性心疾患の新生児」について,
① 心臓手術ハイリスク群又は左室低形成症候群であり,手術を必要とする新生児
② 将来的には手術を必要とするが,当該入院期間中に手術を必要としない新生児
は含まれるか。

A118 ①は含まれる。②は含まれない。

〔成育連携支援加算〕

Q119 「A303」総合周産期特定集中治療室管理料の注3に規定する成育連携支援加算について,出生後「胎児が重篤な状態」に該当しなかった場合であっても,当該加算は算定可能か。

A119 可能。

Q120 「A303」総合周産期特定集中治療室管理料の注3に規定する成育連携支援加算について,「妊婦とその家族等に対し,母胎の病状等の十分な説明を行うこと」とあるが,説明を行う際は,医師,助産師,看護師,社会福祉士及び公認心理師の全ての職種が同席する必要があるか。

A120 必ずしも全ての職種が同席する必要はないが,対象となる妊婦及びその家族等の状態に応じ,必要と考えられる者を同席させること。

〔無菌治療管理加算〕

Q121 「A307」小児入院医療管理料の注5に規定する無菌治療管理加算の算定開始日はいつか。

A121 造血幹細胞移植を行う患者に対して無菌治療室管理が開始された日である。

〔回復期リハビリテーション病棟入院料〕

Q122 「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料1及び3の施設基準における「第三者の評価」について,ISO(国際標準化機構)9001の認証は該当するか。

A122 該当する。

〔地域包括ケア病棟入院料〕

Q123 「A308-3」地域包括ケア病棟入院料の施設基準において,「許可病床数が200未満の医療機関の一般病床において,地域包括ケア病棟入院料又は地域包括ケア入院医療管理料を算定する場合にあっては,ウ又はエについては,当該医療機関内に救急外来を有していること又は24時間の救急患者を受け入れていることにより当該基準を満たすものとみなすものであること」とあるが,「当該医療機関内に救急外来を有していること」とは,当該医療機関が「救急医療対策事業実施要項」(昭和52年7月6日医発第692号)に定める「救命救急センター」である必要があるということか。

A123 当該医療機関が「救命救急センター」である必要はなく,当該医療機関内に救急患者を受け入れる外来が設置されていればよい。

〔緩和ケア疼痛評価加算〕

Q124 「A310」緩和ケア病棟入院料の注4に規定する緩和ケア疼痛評価加算について,疼痛を有する入院中の患者に対して,疼痛の評価その他の療養上必要な指導等を実施した日に限り算定できるのか。

A124 そのとおり。

Q125 「A310」緩和ケア病棟入院料の注4に規定する緩和ケア疼痛評価加算について,疼痛の評価の結果をカルテに記録する必要があるか。

A125 疼痛の評価を実施した結果について患者又はその家族等に説明し,その内容をカルテ等に記載すること。

〔精神科救急医療体制加算〕

Q126 「A311」精神科救急急性期医療入院料の注6に規定する精神科救急医療体制加算の施設基準における「地域における医療提供体制や医療計画上の必要性等に係る文書」とは,具体的にはどのようなものか。

A126 当該加算の届出を行う医療機関が所在する都道府県等において,都道府県等精神科救急医療体制連絡調整委員会又は圏域ごとの精神科救急医療体制若しくは身体合併症患者の医療提供体制に係る検討部会(精神科救急医療体制整備事業)における意見を踏まえて当該医療機関が120床を超えて精神科救急医療に対応する病床数を確保することが必要であると認定された文書をいう。具体的には,以下の事項を含むものであること。
 ・地域において精神科救急医療体制を整備するに当たり,届出医療機関において,120床を超えた精神科救急医療に対応する病床が必要であること。
 ・精神科救急情報センター(精神科救急医療体制整備事業)等からの依頼を断らずに当該医療機関において患者を受け入れていること又は受け入れられない事例について,都道府県等精神科救急医療体制連絡調整委員会等に対して患者の受療調整状況及び事例の件数を報告していること。

〔特定機能病院リハビリテーション病棟入院料〕

Q127 「A308」回復期リハビリテーション病棟入院料を算定していた患者が,医療上の必要があり,「A319」特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する病棟に転院した場合,特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の算定上限日数は,回復期リハビリテーション病棟入院料の算定を開始した日を起算日として考えればよいか。

A127 よい。

Q128 「A319」特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の施設基準における専従の常勤の管理栄養士の配置について,専従の非常勤の管理栄養士を2名以上配置して常勤換算することにより,当該基準の該当性を判断してよいか。

A128 不可。

Q129 「A319」特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の施設基準における専従の常勤医師の配置について,専従の非常勤医師を2名以上配置して常勤換算することにより,当該基準の該当性を判断してよいか。

A129 不可。

〔短期滞在手術等基本料〕

Q130 「A400」短期滞在手術等基本料について,「術前に十分な説明を行った上で,別紙様式8を参考にした様式を用いて患者の同意を得ること」とあるが,検査や放射線治療を行う場合においても,患者の同意を得ることが必要か。

A130 必要。

〔外来栄養食事指導料〕

Q131 「B001」の「9」外来栄養食事指導料の注3に規定する施設基準における「悪性腫瘍の栄養管理に関する研修を修了」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A131 現時点では,日本病態栄養学会及び日本栄養士会が共同して認定している「がん病態栄養専門管理栄養士」に係る研修を修了し,認定証が発行されていることを指す。

Q132 「B001」の「9」外来栄養食事指導料の注3について,指導時間及び指導回数の基準はないのか。

A132 一律の基準はないが,専門的な知識を有する管理栄養士が,患者の状態に合わせ,必要な指導時間及び指導回数を個別に設定すること。

Q133 「B001」の「9」外来栄養食事指導料について,注3に規定する専門的な知識を有する管理栄養士が,同一月に初回の指導を30分以上,2回目の指導を20分以上実施した場合は,どのように考えればよいか。

A133 注3の所定点数を算定すること。

Q134 「B001」の「9」外来栄養食事指導料の注3を算定する場合,対面で実施する必要があるのか。

A134 情報通信機器等を用いて実施しても差し支えない。なお,留意事項通知の(12)と同様の対応を行うこと。

Q135 「B001」の「9」外来栄養食事指導料について,入院中の患者が退院した後,初回外来時に外来栄養食事指導を実施する場合,情報通信機器等を用いて実施することは可能か。

A135 可能。

Q136 「B001」の「9」外来栄養食事指導料について,「初回から情報通信機器等による指導を実施する場合は,当該指導までの間に指導計画を作成すること」とされているが,患者の入院中に退院後の外来栄養食事指導に係る指導計画を作成している場合であっても,当該患者が退院した後に改めて指導計画を作成する必要があるか。

A136 不要。

〔外来栄養食事指導料,入院栄養食事指導料〕

Q137 「B001」の「9」外来栄養食事指導料及び「B001」の「10」入院栄養食事指導料について,栄養食事指導の実施に際し,患者本人が同席せず,患者の家族等に対して実施した場合であっても,当該指導料を算定できるか。

A137 原則として患者本人に対して実施する必要があるが,治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等にあっては,患者の家族等にのみ指導を実施した場合でも算定できる。

〔高度難聴指導管理料〕

Q138 「B001」の「14」高度難聴指導管理料の施設基準における「補聴器に関する指導に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A138 現時点では,以下の研修が該当する。
① 厚生労働省「補聴器適合判定医師研修会」
② 一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「「補聴器相談医」委嘱のための講習会(秋季大会,地方部会)」

〔小児運動器疾患指導管理料〕

Q139 「B001」の「28」小児運動器疾患指導管理料について,20歳未満の患者が対象とされているが,当該患者が20歳に達する日の前日まで算定可能ということか。

A139 そのとおり。

〔二次性骨折予防継続管理料〕

Q140 「B001」の「34」二次性骨折予防継続管理料の施設基準において,「地域の医療機関等と連携し」とあるが,「地域の医療機関等」には,地域の保険薬局は含まれるか。

A140 含まれる。

Q141 「B001」の「34」二次性骨折予防継続管理料について,二次性骨折予防継続管理料1又は2の届出を行っている医療機関が,二次性骨折予防継続管理料3を算定しようとする場合は,新たに届出が必要か。

A141 必要。

Q142 「B001」の「34」の「イ」二次性骨折予防継続管理料1の施設基準において,「一般病棟入院基本料又は7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)に係る届出を行っている医療機関であること」とされているが,特別入院基本料を算定する病棟は対象に含まれるか。

A142 含まれない。

〔アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料〕

Q143 「B001」の「35」アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料について,令和4年3月31日時点で既にアレルギー性鼻炎免疫療法を実施している患者についても算定可能か。

A143 令和4年3月31日時点でアレルギー性鼻炎免疫療法を実施中の患者については,「ロ 2月目以降」に限り算定可。

Q144 「B001」の「35」アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料について,既にアレルギー性鼻炎免疫療法を開始していた患者が,転居等により,紹介を受けて他の医療機関において治療を開始する場合,「イ1月目」の点数は算定可能か。

A144 算定不可。当該患者については,「ロ 2月目以降」に限り算定可。

〔下肢創傷処置管理料〕

Q145 「B001」の「36」下肢創傷処置管理料の施設基準において求める医師の「下肢創傷処置に関する適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A145 現時点では,一般社団法人日本フットケア・足病医学会「日本フットケア足病医学会認定師講習会」のうち「Ver.2」が該当する。

〔小児科外来診療料〕

Q146 小児科外来診療料を算定する医療機関において,「対象患者に対する診療報酬の請求については,原則として小児科外来診療料により行う」こととされているが,情報通信機器を用いた診療を行った場合は,どのように考えればよいか。

A146 情報通信機器を用いた診療を行った場合は,小児科外来診療料は算定できず,「A000」初診料の注1のただし書に規定する251点又は「A001」再診料の73点若しくは「A002」外来診療料の注1のただし書に規定する73点を算定すること。なお,初・再診料以外の診療料については,算定要件を満たす場合は算定可。

〔外来腫瘍化学療法診療料〕

Q147 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料における「関係学会から示されている抗悪性腫瘍剤ばく露対策の指針」とは,具体的には何を指すのか。

A147 日本がん看護学会・日本臨床腫瘍学会・日本臨床腫瘍薬学会の「がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン」を指す。

Q148 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料において,「「外来化学療法の実施その他必要な治療管理を実施中の期間」とは,当該化学療法のレジメンの期間内とする」とあるが,副作用により化学療法の投与間隔の延長がみられた場合は,レジメンの期間内として差し支えないか。

A148 当該レジメンの継続が可能である場合に限り,レジメンの期間内として差し支えない。

Q149 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料の「1」の「ロ」及び「2」の「ロ」については,「1のイ又は2のイを算定する日以外の日において,当該患者に対して,抗悪性腫瘍剤の投与その他の必要な治療管理を行った場合に,週1回に限り算定」できることとされているが,抗悪性腫瘍剤の投与が月3回を超える場合に,「1」の「ロ」又は「2」の「ロ」は算定可能か。

A149 算定可。なお,外来腫瘍化学療法診療料の「1」の「ロ」又は「2」の「ロ」の算定は週1回に限る。

Q150 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料を算定する患者について,当該診療料を算定する日以外の日に当該医療機関を受診した場合は,初診料,再診料又は外来診療料は算定可能か。

A150 外来腫瘍化学療法診療料を算定しない場合は,算定可。

Q151 抗悪性腫瘍剤の初回投与を入院中に行い,退院後に2回目以降の投与を外来で行う場合,2回目以降の投与に係る診療において「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料は算定可能か。

A151 入院中に抗悪性腫瘍剤の初回投与を行っている場合は,当該初回投与のサイクル(クール,コースと同義。抗悪性腫瘍剤の投与と投与後の休薬期間を含む一連の期間を指す。)の期間中は外来腫瘍化学療法診療料を算定することはできないが,2サイクル目以降に外来で抗悪性腫瘍剤の投与を開始する場合においては,2サイクル目以降の外来化学療法に係る診療について算定可。

Q152 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料又は第2章第6部注射の通則第6号に規定する外来化学療法加算の届出を行う場合,それぞれの施設基準における「外来化学療法を実施するための専用のベッドを有する治療室」及び「実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し,承認する委員会」については,外来腫瘍化学療法診療料に係るものと外来化学療法加算に係るものを別に整備する必要があるか。

A152 いずれについても,外来腫瘍化学療法診療料に係るものと外来化学療法加算に係るものを併せて整備して差し支えない。

Q153 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料1及び第2章第6部注射の通則第6号に規定する外来化学療法加算1における「実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し,承認する委員会」については,外来腫瘍化学療法診療料1又は外来化学療法加算1を算定する患者に係るレジメンのみを評価・承認することで差し支えないか。

A153 当該委員会においては,外来腫瘍化学療法診療料1又は外来化学療法加算1の算定の有無にかかわらず,当該医療機関で実施される全ての化学療法のレジメンの妥当性を評価・承認する必要がある。

Q154 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料について,令和4年3月31日以前から診療を継続している患者については,改定により自己負担額等が変更になる場合があるが,患者へ説明すべき事項として,自己負担額等が変更になる場合があることは含まれるか。

A154 含まれる。なお,請求前に説明を行うなど,当該患者の理解が得られるよう工夫すること。また,当該説明については必ずしも主治医が行う必要はないが,他の職員が説明を行う場合は,主治医と十分に連携して行うこと。

Q155 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料を算定している患者が,外来化学療法を実施している悪性腫瘍以外の傷病について,当該診療料の算定に係る医療機関を受診した場合,外来腫瘍化学療法診療料の「1」の「ロ」又は「2」の「ロ」は算定可能か。

A155 外来化学療法を実施している悪性腫瘍又は外来化学療法に伴う副作用以外の傷病について受診した場合は算定不可。

Q156 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料の「1」の「ロ」及び「2」の「ロ」については,「診察(視診,聴診,打診及び触診等の身体診察を含む)の上,必要に応じて速やかに検査,投薬等を行う体制を評価したものである」とあるが,検査,投薬等を行わない場合であっても算定可能か。

A156 算定可。ただし,診察(視診,聴診,打診及び触診等の身体診察を含む。)は必ず行うこと。

Q157 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料において,「専任の医師,看護師又は薬剤師が院内に常時1人以上配置され,本診療料を算定している患者から電話等による緊急の相談等に24時間対応できる連絡体制が整備されていること」とあるが,
① 当該医師,看護師及び薬剤師は,化学療法の経験等を有している必要があるか。
② 「院内に常時1人以上配置」における常時とは,24時間ということか。

A157 それぞれ以下のとおり。
① 必ずしも化学療法の経験等を有している必要はないが,その場合であっても,当該医師等が緊急の相談等に適切に対応できるよう,状況に応じた対応方針等について,化学療法の経験を有する医師等を含めて協議し,あらかじめ定めておくこと。
② そのとおり。

〔バイオ後続品導入初期加算〕

Q158 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料の注7,「C101」在宅自己注射指導管理料の注4及び第2章第6部注射の通則第7号に規定するバイオ後続品導入初期加算について,従前からバイオ後続品を使用している患者について,先行バイオ医薬品が同一である別のバイオ後続品に変更した場合,当該加算は算定可能か。

A158 算定不可。

Q159 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料の注7,「C101」在宅自己注射指導管理料の注4及び第2章第6部注射の通則第7号に規定するバイオ後続品導入初期加算について,「バイオ後続品の初回の処方日の属する月から起算して3月を限度として加算すること」とされているが,初回処方日から3月以内に転医し,転医先で同一のバイオ後続品を処方した場合に,当該加算は算定可能か。

A159 算定不可。

Q160 「B001-2-12」外来腫瘍化学療法診療料の注7及び第2章第6部注射の通則第7号に規定するバイオ後続品導入初期加算について,「初回の使用日の属する月から起算して3月を限度として,月1回に限り」加算することとされているが,入院中にバイオ後続品を初めて使用した患者であって,退院後においてもバイオ後続品を使用したものについて,入院中の使用から2月目以降に当該加算の要件を満たす場合は,当該加算を算定することは可能か。

A160 初回の使用日の属する月にバイオ後続品導入初期加算を算定していない者についても,2月目以降に要件を満たす場合は算定可。ただし,その場合であっても,初回の使用日の属する月から起算して3月を限度として算定すること。

〔生活習慣病管理料〕

Q161 「B001-3」生活習慣病管理料において,「当該治療計画に基づく総合的な治療管理は,看護師,薬剤師,管理栄養士等の多職種と連携して実施しても差し支えない」とあるが,「多職種」には以下の職種の者は含まれるか。
① 理学療法士
② 保健所の職員又は他の医療機関の職員

A161 それぞれ以下のとおり。
① 含まれる。
② 含まれる。ただし,生活習慣に関する総合的な治療管理については,当該医療機関の医師が行う必要があり,保健所の職員又は他の医療機関の職員と連携する場合は,当該職員に対して指示した内容及び当該職員が実施した内容を,当該医療機関における療養計画書及びカルテに記録すること。

〔こころの連携指導料(Ⅰ)〕

Q162 「B005-12」こころの連携指導料(Ⅰ)の施設基準において求める医師の「自殺対策等に関する適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A162 現時点では,以下の研修が該当する。
・厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センターが主催する自殺未遂者ケア研修(精神科救急版)又は自殺未遂者ケア研修(一般救急版)
・日本臨床救急医学会等が実施するPEECコース
・自殺未遂者等支援拠点医療機関整備事業で各事業者が主催する研修

Q163 「B005-12」こころの連携指導料(Ⅰ)について,心療内科又は精神科を標榜する医療機関の心療内科又は精神科を担当する医師が,患者の病態を踏まえ,他の心療内科又は精神科に当該患者を紹介した場合,当該指導料は算定可能か。

A163 算定不可。

Q164 「B005-12」こころの連携指導料(Ⅰ)において,心療内科又は精神科を標榜する医療機関の内科等を担当する医師が,患者の病態を踏まえ,他の心療内科又は精神科に当該患者を紹介した場合,当該指導料は算定可能か。

A164 他の算定要件を満たせば算定可能。

〔診療情報提供料(Ⅰ)〕

Q165 「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の注7について,以下の者に対して,アナフィラキシーの既往歴のある患者又は食物アレルギー患者に関する診療情報等を提供する場合は,どの様式を用いる必要があるか。
① 幼稚園の学校医
② 認定こども園の嘱託医

A165 それぞれ以下のとおり。
① 適切な情報提供がなされるよう,患者の状況に応じて,別紙様式14の2と別紙様式14の3のいずれかを用いること。
② 別紙様式14の2を用いること。

〔連携強化診療情報提供料〕

Q166 「B011」連携強化診療情報提供料について,「当該患者を紹介した他の医療機関からの求めに応じ」とあるが,他の医療機関からの求めについては,必ず文書で得る必要があるか。

A166 必ずしも文書で得る必要はないが,他の医療機関からの求めがあったことをカルテに記載すること(文書で得た場合は当該文書をカルテに添付することで差し支えない。)。

〔在宅療養支援病院〕

Q167 機能強化型の在宅療養支援病院の施設基準における「在宅療養支援診療所等からの要請により患者の緊急の受入れを行った実績が過去1年間で31件以上あること」について,特別の関係にある在宅療養支援診療所等からの要請による受入れについても,当該実績に含めてよいか。

A167 不可。

〔在宅時医学総合管理料,施設入居時等医学総合管理料〕

Q168 「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002-2」施設入居時等医学総合管理料について,月1回訪問診療を実施し,翌月に複数回の情報通信機器を用いた診療を行う在宅診療計画を策定した上で当該診療を実施した場合,在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の算定方法はどのようになるか。

A168 「月1回訪問診療等を行っている場合であって,2月に1回に限り情報通信機器を用いた診療を行っている場合」の所定点数を算定する。

Q169 「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002-2」施設入居時等医学総合管理料について,情報通信機器を用いた診療を行う在宅診療計画を策定し,当該診療を実施した場合,情報通信機器を用いた診療に係る基本診療料は別に算定できるか。

A169 当該診療に係る基本診療料については,在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料に包括されており,別に算定できない。

Q170 「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002-2」施設入居時等医学総合管理料について,在宅医療のみを実施する医療機関においても,情報通信機器を用いた診療に係る施設基準の届出を行うことは可能か。

A170 可能。ただし,オンライン指針に沿って診療を行う体制を有していること。

Q171 「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002-2」施設入居時等医学総合管理料について,訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成し,当該計画に基づき,隔月で訪問診療と情報通信機器を用いた診療を実施した場合の算定について,どのように考えればよいか。

A171 訪問診療を実施した月及び情報通信機器を用いた診療を実施した月のいずれにおいても,「月1回訪問診療等を行っている場合であって,2月に1回に限り情報通信機器を用いた診療を行っている場合」の所定点数を算定すること。

Q172 「C002」在宅時医学総合管理料又は「C002-2」施設入居時等医学総合管理料を算定する患者に対して,定期的に情報通信機器を用いた診療を行う場合は,それを踏まえた在宅診療計画を作成し,「C002」在宅時医学総合管理料又は「C002-2」施設入居時等医学総合管理料の情報通信機器を用いた診療を行った場合の該当する区分の点数により算定するのか。

A172 そのとおり。

Q173 「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002-2」施設入居時等医学総合管理料について,訪問診療(月1回以上)を実施する在宅診療計画を作成し,当該計画に基づき,訪問診療等を実施する予定であったが,患者の都合等により,訪問診療を実施せず,情報通信機器を用いた診療のみを実施した月が生じた場合,当月分における算定はどのように考えればよいか。

A173 「月1回訪問診療等を行っている場合であって,2月に1回に限り情報通信機器を用いた診療を行っている場合」を算定してよい。ただし,このような状況が2回以上連続して生じるような場合には,在宅診療計画を変更すること。

Q174 「C002」在宅時医学総合管理料及び「C002-2」施設入居時等医学総合管理料について,「訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成する」場合は,診療の組合せについてどのように考えればよいか。

A174 在宅医療を開始する場合は,初回の診療は訪問診療により実施するよう在宅診療計画の作成を行うこと。なお,原則として,2月連続で訪問診療を行わず,情報通信機器を用いた診療のみを実施することはできない。

〔重症患者搬送加算〕

Q175 「C004」救急搬送診療料の注4に規定する重症患者搬送加算の施設基準における「関係学会により認定された施設」とは,具体的には何を指すのか。

A175 日本集中治療医学会学会専門医研修施設を指す。

Q176 「C004」救急搬送診療料の注4に規定する重症患者搬送加算における「日本集中治療医学会の定める指針等」とは,具体的には何を指すのか。

A176 現時点では,日本集中治療医学会が策定する「集中治療を要する重症患者の搬送に係る指針」を指す。

Q177 「C004」救急搬送診療料の注4に規定する重症患者搬送加算の施設基準における重症患者搬送チームの看護師は,重症患者対応体制強化加算の施設基準における専従看護師が兼ねることとしてよいか。

A177 不可。

Q178 「C004」救急搬送診療料の注4に規定する重症患者搬送加算の施設基準において求める看護師の「集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A178 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「クリティカルケア」,「新生児集中ケア」,「小児プライマリケア
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程
③ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修(以下の8区分の研修を全て修了した場合に限る。)
 ・「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」
 ・「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」
 ・「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」
 ・「血糖コントロールに係る薬剤投与関連」
 ・「循環動態に係る薬剤投与関連」
 ・「術後疼痛関連」
 ・「循環器関連」
 ・「精神及び神経症状に係る薬剤投与関連」
④ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる以下の領域別パッケージ研修
 ・集中治療領域
 ・救急領域
 ・術後麻酔管理領域
 ・外科術後病棟管理領域
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。

Q179 「A301」特定集中治療室管理料1及び2の施設基準における「特定集中治療の経験を5年以上有する医師」については,「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成26年3月31日事務連絡)別添1のQ43において,「集中治療部門での勤務経験を5年以上有しているほか,特定集中治療に習熟していることを証明する資料を提出すること」とされているが,「C004」救急搬送診療料の注4に規定する重症患者搬送加算の施設基準における重症患者搬送チームの「集中治療の経験を5年以上有する医師」についても,「特定集中治療に習熟していることを証明する資料」を提出する必要があるか。

A179 不要。集中治療での勤務経験を5年以上有する医師であればよく,関係学会が行う特定集中治療に係る講習会の受講を証明する資料の提出を行う必要はない。

〔訪問看護指示料〕

Q180 「C007」訪問看護指示料について,「退院時に1回算定できる」とあるが,訪問看護指示書を患者の退院日に交付する場合だけでなく,例えば,退院日に主治医が不在である等の理由により退院日前に訪問看護指示書を交付する場合においても,退院日に算定可能か。

A180 算定可。

〔外来在宅共同指導料〕

Q181 「C014」外来在宅共同指導料について,患者の在宅療養を担う医師の初回の訪問時に,外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている医療機関の医師との共同指導を実施する必要があるか。

A181 必ずしも初回に実施する必要はない。

〔遠隔モニタリング加算(在宅酸素療法指導管理料,在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料)〕

Q182 「C103」在宅酸素療法指導管理料の注2及び「C107-2」在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の注2に規定する遠隔モニタリング加算について,遠隔モニタリングを用いて療養上必要な指導を行った場合,情報通信機器を用いた診療に係る基本診療料は別に算定できるか。

A182 当該診療に係る基本診療料については,遠隔モニタリング加算に包括されており,別に算定できない。

〔血糖自己測定器加算〕

Q183 「C150」血糖自己測定器加算の「7」間歇スキャン式持続血糖測定器によるものについて,グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストの自己注射を承認された用法及び用量に従い1週間に1回以上行っている者に対して,血糖自己測定値に基づく指導を行うために間歇スキャン式持続血糖測定器を使用した場合は,算定可能か。

A183 算定不可。

〔血中ケトン体自己測定器加算〕

Q184 「C150」血糖自己測定器加算の注4に規定する血中ケトン体自己測定器加算について,「SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者に対し,糖尿病性ケトアシドーシスのリスクを踏まえ,在宅で血中のケトン体濃度の自己測定を行うために血中ケトン体自己測定器を給付した場合に算定する。なお,血中ケトン体測定用電極及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における…」とあるが,実際の使用状況を踏まえ,血中ケトン体測定用電極を追加的に給付しなかった場合であっても,算定可能か。

A184 追加の給付の有無にかかわらず,血中ケトン体自己測定器を使用している患者であれば,算定可。

〔がんゲノムプロファイリング検査〕

Q185 令和4年3月31日以前に旧医科点数表における「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査の「1」検体提出時を算定し,請求を終えた場合であって,これにより得られた包括的なゲノムプロファイルの結果について,同年4月1日以降に当該検査結果を医学的に解釈するための多職種による検討会での検討を経た上で患者に提供し,治療方針等について文書を用いて患者に説明した場合について,「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査の算定はどのように考えればよいか。

A185 「B011-5」がんゲノムプロファイリング評価提供料を算定する場合に限り,令和4年3月31日以前に算定した旧医科点数表における「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査の「1」検体提出時の算定を取り下げた上で,「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査により再請求すること。

Q186 「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査の注2の規定による減算について,「他の検査」として,腫瘍細胞を検体とし,医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして,胆道癌におけるFGFR2融合遺伝子検査,マイクロサテライト不安定性検査,NTRK融合遺伝子検査及び腫瘍遺伝子変異量検査をいずれも算定した場合であって,標準治療終了後に,「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査を算定する場合は,「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」の「イ」の「(1) 医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」2,500点(マイクロサテライト不安定性検査)と「1」の注2の「ロ 3項目以上」12,000点(FGFR2融合遺伝子検査,NTRK融合遺伝子検査及び腫瘍遺伝子変異量検査)を所定点数から減算するのか。

A186 そのとおり。

Q187 「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査の注2の規定による減算について,診断時に,「がんゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又は認証を得ている次世代シーケンシング」以外の方法を用いて,「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」の「イ」の「(1) 医薬品の適応判定の補助等に用いるもの」等を算定した場合であって,標準治療終了後に,「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査を算定する場合は,所定点数から診断時に算定した検査の点数を減算するのか。

A187 減算しない。

Q188 「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査の注2の規定による減算について,他の医療機関において,「がんゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又は認証を得ている次世代シーケンシング」を用いて,抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的とした検査を算定していた場合であっても,所定点数から当該検査の点数を減算するのか。

A188 そのとおり。

Q189 「D006-19」がんゲノムプロファイリング検査及び「B011-5」がんゲノムプロファイリング評価提供料について,令和4年3月31日以前から診療を継続している患者については,改定により自己負担額等が変更になる場合があるが,患者へ説明すべき事項として,自己負担額等が変更になる場合があることは含まれるか。

A189 含まれる。なお,請求前に説明を行うなど,当該患者の理解が得られるよう工夫すること。また,当該説明については必ずしも主治医が行う必要はないが,他の職員が説明を行う場合は,主治医と十分に連携して行うこと。

〔染色体構造変異解析〕

Q190 「D006-26」染色体構造変異解析における「関連学会が定める指針」とは,具体的には何を指すのか。

A190 現時点では,日本小児遺伝学会,日本先天異常学会,日本人類遺伝学会及び厚生労働省難治性疾患政策研究事業「先天異常症候群領域の指定難病等のQOLの向上を目指す包括的研究」研究班並びに「染色体微細欠失重複症候群の包括的診療体制の構築」研究班の「診療において実施するマイクロアレイ染色体検査のガイダンス」を指す。

〔レプチン〕

Q191 「D008」内分泌学的検査の「53」レプチンにおける「関連学会が定める指針」とは,具体的には何を指すのか。

A191 現時点では,日本内分泌学会の「全身性脂肪萎縮症診断における血中レプチン検査の運用指針」を指す。

〔百日咳菌抗原定性〕

Q192 「D012」感染症免疫学的検査の「46」百日咳菌抗原定性における「関連学会が定める指針」とは,具体的には何を指すのか。

A192 現時点では,日本小児呼吸器学会及び日本小児感染症学会の「小児呼吸器感染症診療ガイドライン」を指す。

〔白癬菌抗原定性〕

Q193 「D012」感染症免疫学的検査の「49」白癬菌抗原定性における「関連学会の定める指針」とは,具体的には何を指すのか。

A193 現時点では,日本皮膚科学会の「白癬菌抗原キット(販売名:デルマクイック爪白癬)の臨床活用に関して」を指す。

〔抗アデノ随伴ウイルス9型(AAV9)抗体〕

Q194 「D012」感染症免疫学的検査の「61」抗アデノ随伴ウイルス9型(AAV9)抗体の施設基準における「関連学会の定める適正使用指針」とは,具体的には何を指すのか。

A194 現時点では,日本小児神経学会の「ゾルゲンスマ適正使用指針」を指す。

〔循環動態解析装置を用いる冠血流予備能測定検査〕

Q195 「D206」心臓カテーテル法による諸検査の注5に規定する冠動脈血流予備能測定検査加算(循環動態解析装置)における「関連学会の定める指針」とは,具体的には何を指すのか。

A195 現時点では,日本循環器学会,日本医学放射線学会,日本核医学会,日本画像医学会,日本冠疾患学会,日本小児循環器学会,日本心エコー図学会,日本心血管インターベンション治療学会,日本心血管画像動態学会,日本心臓核医学会,日本心臓病学会,日本超音波医学会,日本動脈硬化学会,日本不整脈心電学会及び日本脈管学会の「慢性冠動脈疾患診断ガイドライン」を指す。

〔超音波減衰法検査〕

Q196 「D215-4」超音波減衰法検査における「関係学会が定めるガイドライン」とは,具体的には何を指すのか。

A196 現時点では,日本消化器病学会・日本肝臓学会の「NAFLD/NASH診療ガイドライン」を指す。

〔内視鏡的留置術加算〕

Q197 「D310」小腸内視鏡検査の注2及び「D313」大腸内視鏡検査の注4に規定する内視鏡的留置術加算における「関連学会が定めるガイドライン」とは,具体的には何を指すのか。

A197 現時点では,日本小児栄養消化器肝臓学会の「小児消化器内視鏡ガイドライン」を指す。

〔画像診断管理加算〕

Q198 第2章第4部画像診断の通則第5号に規定する画像診断管理加算3の施設基準において,「関係学会の定める指針に基づいて,人工知能関連技術が活用された画像診断補助ソフトウェアの適切な安全管理を行っていること」とあるが,「関係学会の定める指針」とは,具体的には何を指すのか。

A198 現時点では,公益社団法人日本医学放射線学会の「人工知能技術を活用した放射線画像診断補助ソフトウェアの臨床使用に関する管理指針」を指す。

〔ポジトロン断層撮影〕

Q199 「E101-2」ポジトロン断層撮影における「放射性医薬品管理者」とは,どのような者をいうのか。

A199 日本核医学会,日本核医学技術学会,日本診療放射線技師会及び日本病院薬剤師会の「放射性医薬品取り扱いガイドライン」においては,「放射性医薬品管理者は,各医療機関の「医薬品の安全使用のための業務手順書」に従い放射性医薬品の安全確保に関する業務を総括するものとし,定期的に「医薬品安全管理責任者」に保管・使用状況,放射性医薬品の安全使用のための研修の実施及び放射性医薬品の品質について年1回以上報告し,放射性医薬品が廃棄されるまでの管理を行う」こととされている。

〔血流予備量比コンピューター断層撮影〕

Q200 「E200-2」血流予備量比コンピューター断層撮影の施設基準において,「血流予備量比コンピューター断層撮影により冠動脈狭窄が認められたにもかかわらず,経皮的冠動脈形成術又は冠動脈バイパス手術のいずれも行わなかった症例が前年に10例以上あること」とあるが,新たに届出を行う場合について,どのように考えればよいか。

A200 機能的虚血の評価を実施しているものとして,「D206」の注4に規定する冠動脈血流予備能測定検査加算,「D215」の「3」の「ホ」負荷心エコー法,「E101」の注3に規定する断層撮影負荷試験加算及び「E202」の注4に規定する心臓MRI撮影加算の前年の算定回数を当該症例の数に含めても差し支えない。

〔疾患別リハビリテーション料〕

Q201 リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション実施総合計画書について,「計画書に患者自ら署名することが困難であり,かつ,遠方に居住している等の理由により患者の家族等が署名することが困難である場合には,(中略)家族等に情報通信機器等を用いて計画書の内容等を説明した上で,説明内容及びリハビリテーションの継続について同意を得た旨をカルテに記載することにより,患者又はその家族等の署名を求めなくても差し支えない。ただし,その場合であっても,患者又はその家族等への計画書の交付が必要であること等に留意すること」とあるが,
① この場合,医師が計画書の内容等の説明等を行う必要があるか。
② カルテに計画書を添付することをもって,「説明内容及びリハビリテーションの継続について同意を得た旨をカルテに記載すること」に代えることはできるか。
③ 交付する計画書の署名欄はどのように取り扱えばよいか。

A201 それぞれ以下のとおり。
① そのとおり。
② 不可。家族等への説明を行った医師によるカルテへの記載が必要である。
③ 当該計画書を作成した医師が,計画書の署名欄に,同意を取得した旨,同意を取得した家族等の氏名及びその日時を記載すること。

Q202 前問のリハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション実施総合計画書の署名の取扱いに関し,「疾患別リハビリテーションを当該患者に対して初めて実施する場合(新たな疾患が発症し,新たに他の疾患別リハビリテーションを要する状態となった場合であって,新たな疾患の発症日等をもって他の疾患別リハビリテーションの起算日として当該他の疾患別リハビリテーションを実施する場合を含む。)を除き」とあるが,他の医療機関から転院した患者であって,転院前から継続して疾患別リハビリテーションを実施するものについては,どのように考えればよいか。

A202 署名の取扱いについては,「疾患別リハビリテーションを初めて実施する場合」に該当するものとして取り扱うこと。

Q203 標準的算定日数を超えて,1月に13単位以内の疾患別リハビリテーションを行っている患者について,1月に1回以上FIMの測定を行う必要があるか。

A203 原則として測定を行う必要がある。

〔リハビリテーションデータ提出加算〕

Q204 「H000」心大血管疾患リハビリテーション料の注5,「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料の注7,「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料の注7,「H002」運動器リハビリテーション料の注7及び「H003」呼吸器リハビリテーション料の注5に規定するリハビリテーションデータ提出加算について,疾患別リハビリテーション料を現に算定している患者であって,標準的算定日数を超えて疾患別リハビリテーションを実施しているものについても,当該加算の算定に当たってはデータの提出が必要か。

A204 そのとおり。

〔摂食嚥下機能回復体制加算〕

Q205 「H004」の注3の「イ」摂食嚥下機能回復体制加算1について,経口摂取回復率に係る「栄養方法が経口摂取のみである状態に回復した患者」とは,どのような患者を指すのか。

A205 1か月以上栄養方法が経口摂取のみである患者を指す。

Q206 「H004」の注3の「イ」摂食嚥下機能回復体制加算1及び「ロ」摂食嚥下機能回復体制加算2について,摂食嚥下支援チームを構成する必要な職種として示されていない職種(薬剤師,理学療法士,作業療法士等)の参加については,どのように考えればよいか。

A206 必要に応じて参加すること。

Q207 「H004」の注3に規定する摂食嚥下機能回復体制加算について,内視鏡下機能検査又は嚥下造影の実施については,当該医療機関における実施だけでなく,連携する他の医療機関における実施も含まれるか。

A207 含まれる。

Q208 「H004」の注3の「イ」摂食嚥下機能回復体制加算1及び「ロ」摂食嚥下機能回復体制加算2の施設基準において求める看護師の「摂食嚥下障害看護に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A208 現時点では,日本看護協会の認定看護教育課程「摂食嚥下障害看護」又は「脳卒中看護」が該当する。
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。

〔療養生活継続支援加算〕

Q209 「I002」通院・在宅精神療法の注9に規定する療養生活継続支援加算の施設基準において求める看護師の「精神看護関連領域に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A209 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程「認知症看護」
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の「老年看護」及び「精神看護」の専門看護師教育課程
③ 日本精神科看護協会の精神科認定看護師教育課程

Q210 「I002」通院・在宅精神療法の注9に規定する療養生活継続支援加算について,患者1名に対し,複数の看護師又は精神保健福祉士が担当として支援等を行うことは可能か。

A210 不可。なお,複数の看護師又は精神保健福祉士がチームで対応することは可能であるが,その場合であっても,主たる担当者を定める必要があり,主たる担当者が交代する場合は,当該患者に対してその旨を説明すること。
 また,20分以上の面接等については,当該主たる担当者が実施することとし,他の看護師又は精神保健福祉士が同席することは差し支えないが,複数の者がそれぞれ実施して時間を合算することはできない。なお,支援計画書の作成や関係機関との連絡調整について,主たる担当者以外の者が補助することは可能である。

〔依存症集団療法(アルコール依存症の場合)〕

Q211 「I006-2」依存症集団療法の「3」アルコール依存症の場合の施設基準における「アルコール依存症に対する集団療法に係る適切な研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A211 現時点では,以下の研修が該当する。
・独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターが実施する「依存症入院管理加算(アルコール依存症の場合)に関する研修」
・独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターが実施する「アルコール依存症に対する集団療法研修」

〔耳鼻咽喉科乳幼児処置加算〕

Q212 第2章第9部処置の通則第7号に規定する耳鼻咽喉科乳幼児処置加算について,「J095からJ115-2までに掲げる処置を行った場合は,耳鼻咽喉科乳幼児処置加算として,1日につき60点を所定点数に加算する」とあるが,「J095」耳処置(耳浴及び耳洗浄を含む。)から「J115-2」排痰誘発法までに掲げる処置を行った日に限り,1日につき1回算定できるのか。

A212 そのとおり。

Q213 第2章第9部処置の通則第8号に規定する耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算について,「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(平成28年4月5日国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議)に位置づけられた「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」に係る活動に参加し,又は感染症にかかる研修会等に定期的に参加していること」とあるが,
① 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成30年3月30日事務連絡)別添1のQ127及びQ128と同様の取扱いであると考えてよいか。
② 「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」に係る活動や感染症に係る研修会等には,耳鼻咽喉科を担当する医師が参加する必要があるか。

A213 それぞれ以下のとおり。
① よい。
② 耳鼻咽喉科を担当する医師が参加している必要がある。

〔人工腎臓〕

Q214 「J038」人工腎臓について,「「1」から「3」までの場合(「注13」の加算を算定する場合を含む。)については,HIF-PH阻害剤は当該医療機関において院内処方することが原則である」とあるが,欠品等のやむを得ない事情がある場合は,医療機関から保険薬局に対してHIF-PH阻害剤の供給を依頼し,患者に対して使用してよいか。

A214 差し支えない。なお,その場合,当該薬剤の費用については,医療機関と保険薬局との相互の合議に委ねるものとする。

〔導入期加算(人工腎臓)〕

Q215 「J038」人工腎臓の注2に規定する導入期加算の施設基準における「腎代替療法に係る所定の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A215 現時点では,日本腎代替療法医療専門職推進協会「腎代替療法専門指導士」の研修が該当する。

Q216 「J038」人工腎臓の注2に規定する導入期加算について,「導入期加算3を算定している施設が実施する腎代替療法に係る研修を定期的に受講していること」とあるが,「定期的に受講」とは,具体的にはどのくらいの頻度で受講する必要があるのか。

A216 年1回以上の受講が必要である。

〔透析時運動指導等加算(人工腎臓)〕

Q217 「J038」人工腎臓の注14に規定する透析時運動指導等加算について,他院で指導が行われていた患者を自院において引き続き指導する場合,透析時運動指導等加算は算定可能か。

A217 算定可。ただし,その場合,算定上限日数の起算日は他院での初回指導日となることに留意すること。

Q218 「B001」の「31」腎代替療法指導管理料並びに「J038」人工腎臓の注2に規定する導入期加算2及び3について,「腎移植に向けた手続きを行った患者とは,日本臓器移植ネットワークに腎臓移植希望者として新規に登録された患者,(中略)腎移植が実施され透析を離脱した患者をいう」とあるが,腎臓移植希望者として日本臓器移植ネットワークに登録されてから1年以上経過した患者であって,当該登録を更新したものについても,「腎移植に向けた手続きを行った患者」に含まれるか。

A218 含まれる。

〔透析時運動指導等加算(人工腎臓)〕

Q219 「J038」人工腎臓の注14に規定する透析時運動指導等加算について,「医師に具体的指示を受けた」看護師が療養上必要な指導等を実施した場合に算定できることとされているが,ここでいう具体的指示とは,具体的にどのようなことか。

A219 個別の医学的判断による。なお,当該指示の内容については,指示を行った医師が適切にカルテに記載すること。

Q220 「J038」人工腎臓の注14に規定する透析時運動指導等加算について,「連続して20分以上患者の病状及び療養環境等を踏まえ療養上必要な指導等を実施した場合に算定できる」こととされているが,
① 1回の指導は同一の医師等が実施する必要があるか。
② 「患者の病状及び療養環境等を踏まえ」た療養上必要な指導とは,具体的にはどのような指導か。

A220 それぞれ以下のとおり。
① そのとおり。
② 日本腎臓リハビリテーション学会の「腎臓リハビリテーションガイドライン」等の関係学会によるガイドラインを参照して実施するものであること。

Q221 「J038」人工腎臓の注14に規定する透析時運動指導等加算について,人工腎臓を算定している患者に対して,療養上必要な運動指導等を実施した日に限り算定できるのか。

A221 そのとおり。

〔人工呼吸〕

Q222 「J045」人工呼吸の「3」5時間を超えた場合について,開始日からの日数に応じて評価が細分化されたが,令和4年3月31日以前に旧医科点数表における「3」5時間を超えた場合を算定していた患者であって,同年4月1日以降も当該処置を継続するものに係る起算日については,どのように考えればよいか。

A222 旧医科点数表における「J045」人工呼吸の算定を開始した日を起算日とする。

〔ネブライザ〕

Q223 副鼻腔内陰加圧ネブライザ,喉頭及び喉頭下ネブライザ及びアレルギー性鼻炎に対する鼻腔ネブライザを同一日に実施した場合,それぞれについて「J114」ネブライザを算定可能か。

A223 算定不可。主たるもののみについて算定すること。

〔治療用装具採型法〕

Q224 「J129-3」治療用装具採寸法については,「既製品の治療用装具を処方した場合には,原則として算定できない」こととされているが,「J129-4」治療用装具採型法について,既製品の治療用装具を処方した場合は,算定可能か。

A224 算定不可。

〔周術期栄養管理実施加算〕

Q225 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,専任の管理栄養士以外の者が栄養管理を行った場合であっても算定可能か。

A225 算定不可。

Q226 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,術前に行う栄養管理を,患者の入院前に外来において実施しても差し支えないか。

A226 差し支えない。

Q227 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算の施設基準における常勤の管理栄養士は,「A233-2」栄養サポートチーム加算等における専任の常勤管理栄養士と兼務することは可能か。

A227 可能。

Q228 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,当該加算を算定する患者が,特定集中治療室管理料等を算定する治療室に入室した場合,早期栄養介入管理加算は算定可能か。

A228 算定不可。

Q229 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,患者が手術中に死亡し,術後の栄養管理が実施できなかった場合であっても算定可能か。

A229 術前の栄養管理を実施している場合であれば,算定可。

Q230 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,「A104」特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算及び早期栄養介入管理加算は別に算定できないこととされているが,「A233-2」栄養サポートチーム加算又は「B001」の「10」入院栄養食事指導料は算定可能か。

A230 算定可。

Q231 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,「術前・術後の栄養管理を適切に実施した場合に算定する」こととされているが,術前の栄養管理には,緊急手術を実施する当日に実施した栄養管理も含まれるのか。

A231 要件を満たす栄養管理を実施している場合は含まれる。

Q232 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,「周術期における栄養管理の計画」を作成することとされているが,第1章第2部入院料等の通則第7号に規定する栄養管理体制の基準における栄養管理計画をもって代えることはできるか。

A232 当該栄養管理計画の作成に当たって,周術期栄養管理実施加算の留意事項通知において「静脈経腸栄養ガイドライン」等を参考として含めることとしている必要な項目を記載している場合は,「周術期における栄養管理の計画」を別に作成する必要はない。

Q233 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,術前に行う栄養管理を,患者の入院前に外来において実施する場合,外来における栄養管理と入院後の栄養管理を同一の管理栄養士が実施する必要があるか。

A233 同一の管理栄養士が実施する必要はないが,専任の管理栄養士が実施すること。

Q234 第2章第10部手術の通則第20号に規定する周術期栄養管理実施加算について,一連の入院期間中に,全身麻酔を伴う複数の手術を実施した場合,当該加算の算定はどのように考えればよいか。

A234 当該加算は,一連の入院期間中に実施された手術のうち主たるものについて,1回に限り算定すること。

〔緊急整復固定加算,緊急挿入加算〕

Q235 「K046」骨折観血的手術の注に規定する緊急整復固定加算及び「K081」人工骨頭挿入術の注に規定する緊急挿入加算(以下単に「緊急整復固定加算及び緊急挿入加算」という。)の施設基準における「関係学会等と連携」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A235 現時点では,日本脆弱性骨折ネットワークのレジストリに症例を登録することを指す。

Q236 緊急整復固定加算及び緊急挿入加算の施設基準における「多職種連携を目的とした,大腿骨近位部骨折患者に対する院内ガイドライン及びマニュアル」とは,具体的には何を指すのか。

A236 例えば,
 ・術後管理の観点から,整形外科以外の診療科の医師との連携
 ・骨粗鬆症に対する薬物治療の観点から,薬剤師との連携
 ・早期のリハビリテーションの実施の観点から,理学療法士との連携
 ・誤嚥防止の観点から,看護師との連携
 ・骨粗鬆症に対する栄養指導の観点から,管理栄養士との連携
 ・退院又は転院支援の観点から,社会福祉士との連携
 等を目的として作成されたものを指す。
 なお,作成に当たっては,現時点では,「骨折リエゾンサービス(FLS)クリニカルスタンダード」,「日本脆弱性骨折ネットワーク(FNN)クリニカルツールキット」等の内容を参照されたい。

Q237 緊急整復固定加算及び緊急挿入加算の施設基準における「速やかな術前評価を目的とした院内の内科受診基準を作成」とは,具体的にはどのようなことを指すのか。

A237 例えば,
 ・心機能に応じた循環器内科の受診基準
 ・呼吸機能に応じた呼吸器内科の受診基準
 ・腎機能に応じた腎臓内科の受診基準
 ・耐糖能に応じた内分泌内科の受診基準
 等をあらかじめ定めておくことを指す。

〔術中MRI撮影加算〕

Q238 「K169」頭蓋内腫瘍摘出術の注3及び「K171-2」内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術の注に規定する術中MRI撮影加算における「関係学会の定めるガイドライン」とは,具体的には何を指すのか。

A238 現時点では,日本術中画像情報学会の「術中MRIガイドライン」を指す。

〔舌下神経電気刺激装置植込術〕

Q239 「K190-8」舌下神経電気刺激装置植込術の施設基準における「関係学会から示されている指針」とは,具体的には何を指すのか。

A239 現時点では,日本循環器学会,日本耳鼻咽喉科学会,日本呼吸器学会及び日本睡眠学会の「舌下神経電気刺激装備適正使用指針」を指す。

〔網膜冷凍凝固術〕

Q240 「K277」網膜冷凍凝固術について,網膜芽細胞腫,網膜血管腫,コーツ病,血管増殖性網膜腫瘍は対象となるか。

A240 対象となる。

〔植込型骨導補聴器(直接振動型)植込術〕

Q241 「K305-2」植込型骨導補聴器(直接振動型)植込術における「関連学会の定める適応基準」とは,具体的には何を指すのか。

A241 現時点では,日本耳科学会の「骨導インプラントBONEBRIDGEの適応基準」を指す。

〔耳管用補綴材挿入術〕

Q242 「K308-3」耳管用補綴材挿入術の施設基準における「関係学会」とは,具体的には何を指すのか。

A242 現時点では,「日本耳科学会」を指す。

〔頭頸部悪性腫瘍光線力学療法〕

Q243 「K470-2」頭頸部悪性腫瘍光線力学療法の施設基準における「関係学会」とは,具体的には何を指すのか。

A243 現時点では,「日本頭頸部外科学会」を指す。

Q244 「K470-2」頭頸部悪性腫瘍光線力学療法において求める医師の「所定の研修」には,どのようなものがあるか。

A244 現時点では,当該療法に係る医療機器の製造販売業者が主催する「アキャルックスとレーザ光照射による治療講習会」が該当する。

〔経カテーテル弁置換術〕

Q245 「K555-2」経カテーテル弁置換術の「3」経皮的肺動脈弁置換術における「関連学会の定める適正使用基準」とは,具体的には何を指すのか。

A245 現時点では,経カテーテル人工生体弁セットを用いる場合,経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会の「サピエン3経カテーテル生体弁の経皮的肺動脈弁留置術適正使用基準」を指し,経カテーテル人工生体弁セット(ステントグラフト付き)を用いる場合,経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会の「Harmony経皮的肺動脈弁システム適正使用指針」及び「Harmony経皮的肺動脈弁システム実施施設・実施医基準」を指す。

〔副腎腫瘍ラジオ波焼灼療法〕

Q246 「K755-3」副腎腫瘍ラジオ波焼灼療法における「関係学会の定める適正使用指針」とは,具体的には何を指すのか。

A246 現時点では,日本医学放射線学会,日本インターベンショナルラジオロジー学会,日本高血圧学会,日本内分泌学会,日本内分泌外科学会及び日本泌尿器科学会の「片側性アルドステロン過剰分泌による原発性アルドステロン症を対象とした経皮的手術による副腎腺腫の凝固における実施施設ならびに施行医師資格の要件」を指す。

〔体外式膜型人工肺管理料〕

Q247 「K916」体外式膜型人工肺管理料における管理を行う日数に応じた評価について,令和4年3月31日以前から,急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪であって,人工呼吸器で対応できない患者に対して,体外式膜型人工肺を使用し,同年4月1日以降も使用を継続する場合は,当該患者に係る起算日については,どのように考えればよいか。

A247 旧医科点数表における「K601」人工心肺の算定を開始した日を起算日とする。

〔周術期薬剤管理加算〕

Q248 「L009」麻酔管理料(Ⅰ)の注5及び「L010」麻酔管理料(Ⅱ)の注2に規定する周術期薬剤管理加算について,当直の薬剤師が周術期に必要な薬学的管理を行った場合,当該加算は算定可能か。

A248 算定可。ただし,周術期薬剤管理加算の施設基準における専任の薬剤師と連携した上で実施すること。

Q249 「L009」麻酔管理料(Ⅰ)の注5及び「L010」麻酔管理料(Ⅱ)の注2に規定する周術期薬剤管理加算の施設基準における「周術期薬剤管理に関するプロトコル」と「薬剤の安全使用に関する手順書」は同一のものでよいか。

A249 「周術期薬剤管理」及び「医薬品の安全使用や,重複投与・相互作用・アレルギーのリスクを回避するための手順等」が盛り込まれた内容であれば同一のものでも差し支えない。

〔一回線量増加加算〕

Q250 「M001」体外照射の「3」強度変調放射線治療(IMRT)の注2に規定する一回線量増加加算について,令和4年3月31日以前に1回の線量が2.5Gy以上3Gy未満の前立腺照射を行った患者について,旧医科点数表における当該加算を算定した場合であって,同年4月1日以降においても当該患者の診療を継続し,1回の線量が2.5Gy以上3Gy未満の前立腺照射を行った場合は,当該加算は算定可能か。

A250 不可。

〔ホウ素中性子捕捉療法〕

Q251 「M001-5」ホウ素中性子捕捉療法(注2に規定するホウ素中性子捕捉療法適応判定加算及び注3に規定するホウ素中性子捕捉療法医学管理加算を含む。)の施設基準における「関連学会」とは,具体的には何を指すのか。

A251 現時点では,「日本中性子捕捉療法学会」を指す。

Q252 「M001-5」ホウ素中性子捕捉療法の施設基準における「関係学会から示されている指針」とは,具体的には何を指すのか。

A252 現時点では,日本中性子捕捉療法学会及び日本放射線腫瘍学会の「加速器BPA-BNCTに係るガイドブック」を指す。

〔横断的事項〕

Q253 カンファレンス等の実施について,複数のカンファレンス等を同時に実施することは可能か。

A253 それぞれの要件を満たしていれば可能である。ただし,実施の記録の管理を適切に行うこと。

〔リフィル処方〕

Q254 処方箋の交付について,リフィル処方を行う医薬品と行わない医薬品を処方する場合には,処方箋を分ける必要があるか。

A254 処方箋を分ける必要がある。

Q255 処方箋の交付について,リフィル処方により2種類以上の医薬品を投薬する場合であって,それぞれの医薬品に係るリフィル処方箋の1回の使用による投薬期間が異なる場合又はリフィル処方箋の使用回数の上限が異なる場合は,医薬品ごとに処方箋を分ける必要があるか。

A255 処方箋を分ける必要がある。

〔先進医療〕

Q256 陽子線治療及び重粒子線治療について,令和4年4月1日から保険診療において実施可能となる腫瘍に係る治療を,同年3月31日以前に開始した患者に対して,同年4月1日以降も当該治療を継続する場合は,同日以降の治療に係る費用は,保険診療として請求可能か。

A256 不可。令和4年3月31日以前に先進医療による治療を開始した患者については,同年4月1日以降の治療についても先進医療の枠組みにおいて実施し,費用の請求を行うこと。なお,同年3月31日時点において,先進医療による治療に係る同意を取得しているが,一連の治療を開始していない患者が,同年4月1日以降に保険診療による治療を開始することを希望する場合には,改めて保険診療による治療に係る同意を取得することで,保険診療に切り替えて治療を開始して差し支えない。

〔横断的事項〕

Q257 オンライン会議システムやe-learning形式等を活用し,研修を実施することは可能か。

A257 可能。なお,オンライン会議システム,動画配信やe-learning形式を活用して研修を実施する場合は,それぞれ以下の点に留意すること。
<オンライン会議システムを活用した実施に係る留意点>
○出席状況の確認
(例)
・受講生は原則として,カメラをオンにし,講義中,事務局がランダムな時間でスクリーンショットを実施し,出席状況を確認すること。
・講義中,講師等がランダムにキーワードを表示し,受講生に研修終了後等にキーワードを事務局に提出させること。
○双方向コミュニケーション・演習方法
(例)
・受講生からの質問等については,チャットシステムや音声発信を活用すること。
・ブレイクアウトルーム機能を活用してグループごとに演習を実施後,全体の場に戻って受講生に検討内容を発表させること。
○理解度の確認
(例)
・確認テストを実施し,課題を提出させること。
<動画配信又はe-learning形式による実施に係る留意点>
○研修時間の確保・進捗の管理
(例)
・主催者側が,受講生の学習時間,進捗状況,テスト結果を把握すること。
・早送り再生を不可とし,全講義の動画を視聴しなければレポート提出ができないようにシステムを構築すること。
○双方向コミュニケーション
(例)
・質問を受け付け,適宜講師に回答を求めるとともに,質問・回答について講習会のWebページに掲載すること。
・演習を要件とする研修については,オンライン会議システムと組み合わせて実施すること。
○理解度の把握
(例)
・読み飛ばし防止と理解度の確認のため,講座ごとに知識習得確認テストを設定すること。

不妊治療関係

〔一般不妊治療管理料〕

1.基本的な算定要件

Q1 不妊症の原因検索の検査や不妊症の原因疾病に対する治療等を実施する場合,一般不妊治療管理料は算定可能か。

A1 算定不可。一般不妊治療とは,いわゆるタイミング法及び人工授精をいい,一般不妊治療管理料は,不妊症と診断された患者に対して,当該患者の同意を得て,いわゆるタイミング法又は人工授精に係る計画的な医学管理を継続して行い,かつ,療養上必要な指導を行うなど,必要な要件を満たす場合に算定する。

Q2 「生殖補助医療管理料を算定している患者については算定しない」こととされているが,例えば,生殖補助医療管理料を算定したが,翌月に治療計画を見直し,一般不妊治療管理料に切り替えた場合は,当該月において一般不妊治療管理料は算定可能か。

A2 算定可。

Q3 Q2において,例えば,生殖補助医療を実施していたが,同一月に一般不妊治療に切り替えることとし,治療計画を作成し,一般不妊治療を開始した場合,当該月に生殖補助医療管理料と一般不妊治療管理料のいずれも算定可能か。

A3 主たるもののみ算定可。

Q4 タイミング法を実施するに当たり,勃起障害を伴う男性不妊症患者に対するホスホジエステラーゼ5阻害剤(以下「PDE5阻害剤」という。)の使用を伴う場合,当該患者に対して一般不妊治療管理料は算定可能か。

A4 算定可。

Q5 令和4年3月31日以前に一般不妊治療を開始した患者について,同年4月1日以降においても当該治療に係る診療が継続している場合,保険診療として実施することは可能か。

A5 令和4年4月1日以降に,一般不妊治療について改めて治療計画を作成し,その作成日から治療を開始する場合には保険診療として実施可能。

2.治療計画の説明・同意 ※生殖補助医療管理料と共通(Q30 参照)

Q6 治療計画の同意の取得は,文書で行う必要があるか。また,その保存は必要か。

A6 文書により同意を取得し,当該文書をカルテに添付して保存する必要がある。

Q7 治療計画の文書交付に係る費用は,別に徴収してよいか。

A7 不可。

Q8 一般不妊治療管理料の算定要件のうち,治療計画に係る患者及びそのパートナーへの説明・同意の取得については,両者が受診した上で行わなければならないのか。6月に1回以上行うこととされている「治療内容等に係る同意について確認」についても両者の受診が必要か。

A8 初回の治療計画の説明に当たっては,原則として当該患者及びそのパートナーの同席の下で実施すること。ただし,同席が困難な場合には,その理由をカルテに記載するとともに,やむを得ない事情がある場合を除き同席ができなかった者に対しても以後の診療機会に説明を行い,同意を得ること。
 後段の「治療内容等に係る同意について確認」については,同意について確認がとれればよい。

Q9 一般不妊治療管理料の算定要件のうち,治療計画に係る患者又はパートナーへの説明・同意の取得について,同席が困難な場合には,リアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な機器を用いて説明を行った上で,同意の確認を行ってもよいか。

A9 よい。この場合,身分証明書の提示等により確実に本人確認を行うとともに,文書による同意を得ること。この際,パートナーからの文書による同意の取得については,後日,同意を得た文書をカルテに添付することで差し支えない。なお,単にパートナーへの説明を行い,同意を取得することのみでは,当該パートナーに対する診療報酬は算定できない点に留意すること。

Q10 患者及びそのパートナーに対して一般不妊治療に関する治療計画の説明を行うに当たり,当該パートナーに対しては特段の診療を行わず,治療計画の説明及び同意の取得のみを行う場合には,当該パートナーに関して一般不妊治療管理料を算定することはできないということか。

A10 そのとおり。一般不妊治療管理料は,当該一般不妊治療を実施する患者について算定するものとし,単に患者及びそのパートナーに対して治療計画の説明及び同意の取得を行ったのみでは,患者及びそのパートナーそれぞれについて算定することはできない。

Q11 患者及びそのパートナーの両者に診療や必要な療養上の指導等を行った場合は,両者についてそれぞれ一般不妊治療管理料を算定することは可能か。

A11 可能。この場合,それぞれの診療についてカルテを作成し,実施した指導内容の要点をカルテに記載すること。

3.婚姻関係の確認等 ※生殖補助医療管理料と共通(Q30 参照)

Q12 一般不妊治療管理料の初回算定時における婚姻関係等の具体的な確認方法如何。

A12 法律婚である場合はその事実関係を,法律婚以外の場合は患者及びそのパートナーが事実婚関係にある旨の申告を受けるとともに以下アからウまでの内容について,それぞれ確認を行うこと。その際の具体的な確認方法については,個別の事情に応じた医療機関の判断に委ねるが,例えば,患者及びそのパートナーの申告書による確認を行うことなどが考えられる。その際,確認した内容をカルテに記載し,申告書により確認を行った場合は当該申告書をカルテに添付すること。
ア 当該患者及びそのパートナーが重婚でない(両者がそれぞれ他人と法律婚でない)こと。
イ 当該患者及びそのパートナーが同一世帯であること。なお,同一世帯でない場合には,その理由について確認すること。
ウ 当該患者及びそのパートナーが,治療の結果,出生した子について認知を行う意向があること。

〔人工授精〕

Q13 患者又はそのパートナー以外の第三者からの精子提供による人工授精(AID)は,保険診療で実施可能か。

A13 不可。

Q14 「K884-2」人工授精を一の月経周期内に複数回実施した場合の算定方法如何。

A14 一の月経周期(※)ごとに1回に限り算定可。
※一般的に,「月経」とは,約1ヶ月の間隔で自発的に起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血であり,月経周期日数はおおよそ25~38日とされており,採卵術における「月経周期」とは,採卵を予定する直近の月経開始日から次の月経または破綻出血が起こるまでの期間と想定される。以下同じ。

Q15 複数の月経周期にわたり人工授精を実施することも考えられるが,人工授精の算定要件には,採卵術のように患者ごとの回数制限はないということか。

A15 そのとおり。ただし,医学的に妥当適切な範囲で実施すること。なお,治療が奏効しない場合には,治療計画の見直しを検討すること。

Q16 同一月の別の月経周期において,それぞれ人工授精を実施した場合(例えば,月初めと月末に計2回実施した場合)は,それぞれについて人工授精を算定可能か。

A16 算定可。その場合,同一月に算定する理由をレセプトの摘要欄に記載すること。なお,採卵術,体外受精・顕微授精管理料,受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料においても同様の取扱いであること。

〔生殖補助医療管理料〕

1.基本的な算定要件

Q17 生殖補助医療管理料について,例えば遠方から病院に通院している患者について,当該病院と当該患者の自宅近くの診療所といった複数の医療機関が治療管理を行っている場合には,それぞれの医療機関において当該管理料を算定できるか。

A17 当該患者に対して主として診療を行う医療機関においてのみ算定できる。

Q18 生殖補助医療管理料の施設基準における「他の保健医療サービス及び福祉サービス」とは,具体的には何を指すのか。

A18 都道府県等において実施されている不妊症・不育症に関する相談支援(令和4年度からは「性と健康の相談センター事業」)や,不妊症・不育症支援ネットワーク事業(※)等を指す。

※不妊症・不育症支援ネットワーク事業(国庫補助事業)
 都道府県等において,以下の⑴~⑷を実施することとされている。
 ⑴ 不妊症・不育症の診療を行う医療機関や,相談支援等を行う自治体,当事者団体等の関係者等で構成される協議会等の開催
 ⑵ 当事者団体等によるピア・サポート活動などへの支援の実施
 ⑶ 不妊症・不育症の心理社会的支援に係るカウンセラーを設置し,相談支援を実施
 ⑷ 不妊症・不育症患者への里親制度・特別養子縁組制度の紹介の実施

Q19 一般不妊治療管理料については,「生殖補助医療管理料を算定している患者については算定しない」こととされているが,一般不妊治療管理料を算定したが,翌月に治療計画を見直し,生殖補助医療管理料に切り替えた場合は,当該月において生殖補助医療管理料は算定可能か。

A19 算定可。

Q20 Q19において,例えば,一般不妊治療を実施していたが,同一月に生殖補助医療に切り替えることとし,治療計画を作成し,生殖補助医療を開始した場合,当該月に一般不妊治療管理料と生殖補助医療管理料のいずれも算定可能か。

A20 主たるもののみ算定可。

Q21 生殖補助医療と一連のものとして実施するカウンセリングに係る費用は,別に徴収してよいか。

A21 不可。生殖補助医療管理料の算定要件においては,「治療に当たっては,当該患者の状態に応じて,必要な心理的ケアや社会的支援について検討し,適切なケア・支援の提供又は当該支援等を提供可能な他の施設への紹介等を行うこと」とされており,生殖補助医療と一連のものとして実施するカウンセリングは,生殖補助医療管理料において包括して評価されていることから,別途費用を徴収することは認められない。

Q22 患者又はそのパートナー以外の第三者からの精子・卵子・胚提供による不妊治療や代理懐胎は,保険診療で実施可能か。

A22 不可(不妊に悩む方への特定治療支援事業(以下「特定治療支援事業」という。)と同様の取扱い)。

Q23 令和4年4月1日より前に治療を開始した診療が同日以降も継続している場合,保険診療として実施することは可能か。

A23 年度をまたぐ「1回の治療」(※)に対して,特定治療支援事業の経過措置が設けられており,1回に限り助成金の活用が可能とされているため,当該事業をご活用いただきたい。
 なお,令和4年4月1日より前に凍結保存した胚については,一定の条件下で,保険診療において使用することを可能としている(具体的には,Q78参照のこと。)。
※特定治療支援事業における「1回の治療」とは,「採卵準備のための「薬品投与」の開始等から,「妊娠の確認」等に至るまでの特定不妊治療の実施の一連の過程」とされている。また,融解凍結胚移植を実施する場合については,「以前に行った体外受精又は顕微授精により作られた受精胚による凍結胚移植も1回とみなす」こととされている。詳細は,同事業の要領等をご参照いただきたい。

2.年齢制限

Q24 生殖補助医療管理料の年齢制限の基準日である「当該生殖補助医療の開始日」とは,当該生殖補助医療に係る治療計画を作成した日を指すのか。

A24 そのとおり。

Q25 初診料を算定した日に生殖補助医療に係る治療計画を作成した場合,生殖補助医療管理料は算定できないが,このときも年齢制限の基準日は治療計画を策定した日(この場合,初診料を算定した日)となるのか。

A25 そのとおり。この場合,生殖補助医療管理料における治療計画の作成に係る算定要件は,当該治療計画を作成した日において満たしている必要があるため,初診料の算定日において,当該患者及びそのパートナーに交付した治療計画の文書や同意を得た文書をカルテに添付すること等を行うとともに,生殖補助医療管理料の請求に当たっては,レセプトの摘要欄に,治療計画を作成した日が初診料を算定した日である旨を記載すること。

Q26 治療計画を作成し,採卵より前に精巣内精子採取術等の男性不妊治療を行った場合であっても,生殖補助医療管理料における女性の年齢制限の基準日は,治療計画を作成した日となるのか。

A26 そのとおり(特定治療支援事業と同様の取扱い)。

Q27 年齢制限に係る年齢のカウントは,43歳の誕生日以降は保険診療での要件を満たさなくなるという理解でよいか。

A27 よい。年齢のカウントについては,誕生日を基準とすることとし,年齢計算に関する法律や民法上の解釈による誕生日の前日ではないことに留意すること(特定治療支援事業と同様の取扱い。)。
 なお,こうした年齢のカウント方法は,胚移植術の回数制限においても同様であること。

Q28 年齢制限の基準日において女性の年齢が43歳であるが,胚移植術の回数の上限を超えていないときには,保険診療として生殖補助医療を開始することは可能か。

A28 不可。特定治療支援事業と同様,胚移植術の回数の上限を超えていない場合であっても,生殖補助医療管理料の年齢制限の要件を満たさない場合には算定できない。

Q29 女性の年齢が年齢制限の基準日において43歳未満である場合に限るとされている。保険適用の施行当初は,例えば,医療機関において不妊治療を保険診療として実施する準備ができていないこと等も考えられるが,43歳未満で治療を開始できず,43歳で治療開始することになってしまった場合の取扱い如何。

A29 令和4年4月1日から同年9月29日までの間に43歳に達する女性(※)について,43歳に達した日の翌日(43歳の誕生日)以後に初回の治療を開始した場合であっても,同年9月30日までに治療を開始したのであれば,当該治療開始日を含む1回の治療(胚移植を目的とした治療計画に基づく一連の診療をいう。)に限り,年齢制限の基準日において生殖補助医療管理料の年齢に関する算定要件を満たすものとみなす。この場合,当該初回の治療を開始した年月日及び当該患者の生年月日をカルテ及びレセプトの摘要欄に記載すること。
※令和4年4月1日に43歳に達する女性とは,同年4月2日が43歳の誕生日である者をいい,同年9月29日に43歳に達する女性とは,同年9月30日が43歳の誕生日である者をいう。

3.治療計画

Q30 一般不妊治療管理料に係るQ6からQ12までの取扱いは,生殖補助医療管理料における治療計画や婚姻関係の確認等に係る取扱いに関しても同様と考えてよいか。

A30 よい。

Q31 治療計画の作成に当たって把握することとされている患者及びそのパートナーのこれまでの治療経過等について,具体的な確認内容如何。

A31 患者及びそのパートナーについて,過去の不妊治療等の産婦人科・泌尿器科領域における治療歴(出産,流産,死産等の経過を含む。),保険診療/保険外の診療の別,保険診療における生殖補助医療の実施回数,過去に治療を実施した他の医療機関など,治療上又は算定要件上必要となる事項について申告を求め,可能な限り確認を行うこと。過去に治療を実施した他の医療機関がある場合には,当該医療機関に照会の上,治療歴の詳細や実施回数などを把握すること。
 なお,確認した内容についてカルテに記載(文書で確認した場合にあっては,当該文書をカルテに添付)すること。また,これらの確認を怠っている場合は,生殖補助医療管理料及び採卵術等の診療料の算定を行うことができないこと。

(参考) 生殖補助医療管理料の算定要件及び施設基準(抄)
[算定要件]
(4) 治療計画の作成に当たっては,当該患者及びそのパートナーのこれまでの治療経過を把握すること。特に,治療計画の作成時点における胚移植術の実施回数の合計について確認した上で,カルテに記載するとともに,当該時点における実施回数の合計及び確認した年月日をレセプトの摘要欄に記載すること。なお,確認に当たっては,患者及びそのパートナーからの申告に基づき確認するとともに,必要に応じて,過去に治療を実施した他の医療機関又は保険者に照会すること。
[施設基準]
(18) 胚移植術の回数を含む患者の治療経過について把握する体制を有していること。また,当該医療機関において実施した胚移植術の実施回数について,他の医療機関から情報提供を求められた場合には,それに応じること。

Q32 2回目以降の胚移植の計画策定の際は,初回に確認した婚姻関係等の状況から変更がないことを確認すればよいか。

A32 よい。この場合においても,確認した方法について,カルテに記載するとともに,文書等が提出された場合には,当該文書等をカルテに添付すること。

Q33 治療計画に記載する一連の診療過程について,「採卵術(実施するための準備を含む。)から胚移植術(その結果の確認を含む。)までの診療過程を含めて作成すること」,「既に凍結保存されている胚を用いて凍結・融解胚移植術を実施する場合には,当該胚移植術の準備から結果の確認までを含めて作成」とあるが,診療過程の始期と終期についてどのように考えればよいか。

A33 始期は治療計画を作成した日,終期は医学的に当該生殖補助医療が終了した日をいう。なお,採卵術を「実施するための準備」とは,採卵のための投薬や投薬を実施する時期を判断するための検査等を想定している。また,「胚移植術の準備」とは,胚移植のための投薬等を想定している。

Q34 治療計画は,「採卵術(実施するための準備を含む。)から胚移植術(その結果の確認を含む。)までの診療過程を含めて作成すること」とされている。治療開始日においては,胚移植までの診療過程全ての具体的な内容や診療日程を確定することが難しいことも想定されるが,具体的にはどの程度記載する必要があるか。

A34 具体的な記載内容は医師の判断による。採卵術から胚移植術までの診療過程を記載するなど,生殖補助医療管理料の算定要件における治療計画の記載事項を満たしていればよい。なお,治療計画の作成後,その見直しを行う場合にも,患者及びそのパートナーに文書を用いて説明の上交付し,文書による同意を得ること。また,交付した文書の写し及び同意を得た文書をカルテに添付すること。

Q35 治療計画に基づき実施される一連の診療過程において,保険外の診療が含まれる場合には,算定要件を満たさないという理解でよいか。例えば,①治療計画に基づく保険診療の過程で保険適用外の検査(先進医療等の保険外併用療養に該当しないもの)を追加的に行う場合,②胚移植を保険外の診療で行うことを前提に採卵術を保険診療で実施する場合についてはどうか。

A35 よい。①及び②の場合については,いずれも算定要件を満たさない。

Q36 当該一連の診療において,年齢制限等の生殖補助医療管理料の算定要件を満たさない場合又は回数制限等の胚移植術の要件を満たさない場合には,治療計画に従って実施することとされている採卵術等の一連の算定要件も満たさないという理解でよいか。

A36 よい。生殖補助医療管理料の算定要件において作成することとされている治療計画に従って実施する必要があるため,年齢制限等の要件を満たしていない場合には,採卵術等も算定不可。また,回数制限を超えている場合は,治療計画の目的とする胚移植術がその算定要件を満たさないため,同管理料及び以降の採卵術等も算定不可。

Q37 生殖補助医療管理料の治療計画については,当該管理料を算定する医療機関において治療を完結させる必要があるのか。例えば,治療計画の作成等をA病院で行い,採卵準備等のための外来診療(頻度の高い投薬等)については患者のかかりつけのBクリニックで実施する場合,A病院は当該管理料を算定できるか。

A37 算定可。この場合,Bクリニックにおける治療の内容を含めて,治療計画に記載した上で,患者及びそのパートナーの同意を得ること。また,A病院においては,Bクリニックにおける診療内容について,患者から都度聴取し,必要に応じてBクリニックに照会すること。

Q38 Q37の場合において,A病院からBクリニックに対して,患者の同意を得て,診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合,A病院は診療情報提供料(Ⅰ)を算定することは可能か。

A38 要件を満たす場合には算定可。

Q39 患者との間で2回目以降の胚移植も念頭に置いて治療方針を決定している場合,胚移植に向けた2回目以降の一連の診療についても,初回の治療において作成する治療計画に記載する必要があるか。

A39 胚移植に向けた初回の一連の診療過程のみを記載すればよい。なお,2回目以降の胚移植に向けた診療過程をあわせて記載しても差し支えない。

Q40 初回の胚移植に向けた治療結果を踏まえて治療方針を見直し,改めて2回目の胚移植に向けた治療計画(採卵から胚移植までの一連の診療)を作成した場合,2回目の治療は初回の治療とは別の診療過程として取り扱ってよいか。

A40 初回の治療と一連をなさない場合には,それぞれ別の診療過程として取り扱ってよい。

4.その他

Q41 不妊症の診断がされていない者に対して,①将来子どもを出産することができる可能性を温存するための妊孕性温存療法及び②妊孕性温存療法により凍結した検体を用いた不妊治療等(以下「温存後不妊治療」という。)を実施する場合,保険診療として実施可能か。

A41 不可。保険診療として実施する生殖補助医療は,患者及びそのパートナーが不妊症と診断されていることが算定要件となっている。
 なお,「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」(厚生労働省健康局がん・疾病対策課)では,小児・AYA世代のがん患者で,妊孕性が低下することが見込まれる等の者を対象にした支援メニューが用意されているため,対象となる場合には当該事業をご活用いただきたい。

Q42 不妊症の診断がされていない者が,妊孕性温存療法の後にパートナーと共に不妊症と診断された後に,温存後不妊治療を実施した場合には,診断後に実施した温存後不妊治療は保険診療として実施可能か。

A42 不可。今般,保険適用された生殖補助医療に係る算定項目のうち,「胚移植術」に用いる初期胚及び胚盤胞は,保険診療において採取した卵子及び精子を用いて作成されたものでなければならないこととされている。
 なお,「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」(厚生労働省健康局がん・疾病対策課)では,小児・AYA世代のがん患者で,妊孕性が低下することが見込まれる等の者を対象にした支援メニューが用意されているため,対象となる場合には当該事業をご活用いただきたい。

Q43 不妊症と診断された患者及びそのパートナーについて,がん等の他の疾患が発覚し,その治療を行うこととなった場合には,不妊治療を中断せざるを得ない場合がある。この場合において,以下を保険診療として実施してよいか。
① がん等の治療のため,不妊治療を中断するまでに実施した生殖補助医療(例えば,採卵,体外受精・顕微授精,受精卵・胚培養,胚凍結保存等の生殖補助医療を実施した場合)
② がん等の治療の終了後,不妊治療を再開する場合における生殖補助医療

A43 いずれも可能。

〔採卵術〕

Q44 「K890-4」採卵術について,採卵実施前に卵胞が消失していたこと等により,採卵が実施できなかった場合,採卵術の算定はどのような取扱いとなるか。

A44 採卵術は算定できない。

Q45 採卵術については,採取された卵子の数に応じて注に掲げる点数を所定点数に加算することとされているが,採卵の結果,
① 体外受精又は顕微授精を実施しても受精卵の作成が見込めない卵子が採取された場合
② 未成熟な卵子であって,培養後に体外受精又は顕微授精を実施することにより受精卵の作成が見込めるものが採取された場合
には,どのような取扱いとなるか。

A45 それぞれ以下のとおり。
① 当該卵子については,採取された卵子の数に含めない。当該卵子のみが採取された場合は,注の加算は算定できず,採卵術の所定点数を算定すること。
② 当該卵子については,採取された卵子の数に含め,注の加算を算定してよい。
 なお,当該卵子を培養し,体外受精又は顕微授精を実施した場合の培養に係る費用については,体外受精・顕微授精管理料に含まれ,別に算定できない。

Q46 一の月経周期内において,例えば,
① 同一日に2回採卵を実施した場合
② 発育度合いが異なる卵胞について,初回の採卵の1週間後に2回目の採卵を実施した場合
のそれぞれについて採卵術の算定方法如何。

A46 ①及び②のいずれの場合においても,一の月経周期ごとに1回に限り算定可。なお,同一月経周期内において採卵を複数回実施した場合における採取された卵子の数に応じた加算については,当該月経周期内において採取された卵子の合計の個数に応じて加算する。

Q47 複数の月経周期にわたり採卵を実施することも考えられるが,採卵術の算定要件として,一連の診療における採卵術の算定回数について制限はないという理解でよいか。

A47 よい。医学的な判断によるものであり,例えば,治療計画において,卵子が得られなかった場合,得られた卵子が少なかった場合等に複数回採卵術を行うことは可能であること。ただし,当該治療計画における採卵術は,あくまで保険診療として胚移植術を行うことを目的に実施されるべきものであり,患者の身体的な負担にも配慮しつつ,必要な範囲内で実施すべき点に留意すること。

Q48 初回の胚移植が終了した時点で凍結胚を保存している場合であっても,次の胚移植に向けた治療計画の作成を行う際に,採卵から開始する治療計画を作成し,採卵術を算定することは可能か。

A48 医学的に必要性が認められる場合には,算定可。

〔精巣内精子採取術〕

Q49 「K838-2」精巣内精子採取術について,精巣上体精子採取術又は精管精子採取術を実施した場合の算定は,どのように考えればよいか。

A49 精巣内精子採取術の「1 単純なもの」を算定する。

〔体外受精・顕微授精管理料〕

Q50 「K917」体外受精・顕微授精管理料について,採卵の結果,成熟した卵子が得られず,体外受精及び顕微授精のいずれも実施できなかった場合には,どのような取扱いとなるか。

A50 体外受精及び顕微授精のいずれも実施できなかった場合には,体外受精・顕微授精管理料は算定できない。

Q51 体外受精又は顕微授精の実施前に精子を凍結した場合には,要した費用を請求できるか。

A51 体外受精又は顕微授精の実施前の卵子又は精子の凍結保存に係る費用は,体外受精・顕微授精管理料の所定点数に含まれ,別に算定できない。

Q52 顕微授精を実施したが,受精卵に至らなかった卵子の取扱いについては,どのように考えればよいか。

A52 顕微授精を実施した卵子の個数に含めてよい。

Q53 令和4年3月31日以前に精巣内精子採取術により採取及び凍結された精子を用いて,同年4月1日以降に体外受精又は顕微授精を実施した場合には,体外受精・顕微授精管理料の注2に規定する採取精子調整加算は算定可能か。

A53 令和4年3月31日以前に実施した精巣内精子採取術の後に初めて「1 体外受精」又は「2 顕微授精」を算定する場合には,算定可。
 ただし,この場合においては,以下の⑴から⑷までを全て満たす必要がある。また,これらを確認した方法等をカルテ及びレセプトの摘要欄に記載し,確認に当たって文書を用いた場合は,当該文書をカルテに添付すること。
⑴ 令和4年4月1日以降に,治療計画を作成し,生殖補助医療管理料を算定すること。
⑵ 以下のいずれかに該当すること。
 ① 特定治療支援事業の実施医療機関として指定を受けている又は日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植に関する登録施設である医療機関において精巣内精子採取術が実施された場合
 ② 当該精巣内精子採取術により採取された精子を用いて生殖補助医療を実施する医師が,その採取・保存に関して,①の医療機関と同等の水準において実施されていたと判断できる場合
⑶ 保険診療に移行することについて患者の同意を得ること。
⑷ 令和4年4月1日以降に実施される不妊治療に係る費用について,同年3月31日以前に患者から徴収していないこと(同日以前に費用を徴収している場合にあっては,同年4月1日以降に実施される不妊治療に要する費用の返金を行っていること。)。

Q54 体外受精・顕微授精管理料を算定する医療機関以外の医療機関において精巣内精子採取術が実施された場合,採取精子調整加算の算定はどのように考えればよいか。

A54 採取精子調整加算は体外受精・顕微授精管理料を算定する医療機関において算定する。なお,この場合の医療機関間での診療報酬の分配は,相互の合議に委ねるものとする。

Q55 一の月経周期内において,例えば,①体外受精を複数回,それぞれ別日に実施した場合,②顕微授精を複数回,それぞれ別日に実施した場合について,それぞれ体外受精・顕微授精管理料の算定方法如何。

A55 ①及び②のいずれの場合においても,一の月経周期ごとに1回に限り算定可。なお,②の場合においては,同一月経周期内において顕微授精を実施した卵子の合計の個数に応じて「2 顕微授精」の所定点数を算定する。

Q56 複数の月経周期にわたり体外受精・顕微授精を実施することも考えられるが,一連の診療における体外受精・顕微授精管理料の算定回数について制限はないという理解でよいか。

A56 よい。医学的な判断による。

Q57 採卵術,体外受精・顕微授精管理料,受精卵・胚培養管理料,胚凍結保存管理料及び胚移植術について,それぞれの算定日の考え方如何。

A57 個々の事例により異なる場合もあるものと考えられるが,取り扱う胚等の個数により算定すべき点数が異なること等も踏まえると,一般的には以下の算定方法が考えられる。
 ・採卵術及び体外受精・顕微授精管理料は,採卵を実施した日に算定することが想定される(体外受精・顕微授精管理料を採卵日に算定しない場合には,下記の例2又は例3の受診日において算定することが想定される。)。
 ・受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料は,胚培養を実施した後に,その結果報告及び今後の治療方針の確認のための受診日がある場合には,当該受診日に算定することが想定される。なお,採卵日以降,受診日がない場合には,胚移植を実施した日に算定することが想定される。

(参考)算定方法の例
例1)
 ①採卵時に受診:採卵術及び体外受精・顕微授精管理料を算定
 ②胚培養後に受診:受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料を算定
 ③胚移植時に受診:胚移植術を算定
例2)
 ①採卵時に受診:採卵術を算定
 ②胚培養後に受診:体外受精・顕微授精管理料,受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料を算定
 ③胚移植時に受診:胚移植術を算定
例3)
 ①採卵時に受診:採卵術を算定
 ②胚移植時に受診:体外受精・顕微授精管理料,受精卵・胚培養管理料,胚凍結保存管理料及び胚移植術を算定

〔受精卵・胚培養管理料〕

Q58 「K917-2」受精卵・胚培養管理料について,前核期胚はどのような取扱いとなるか。

A58 初期胚と同様の取扱いとなる。

Q59 一の月経周期内における受精卵・胚培養管理料の算定数について制限はあるか。

A59 一の月経周期ごとに1回に限り算定可。なお,同一月経周期内において必要な医学管理を実施した受精卵及び胚の合計の個数に応じて算定する。

Q60 複数の月経周期にわたり体外受精・顕微授精を実施することも考えられるが,一連の診療過程における受精卵・胚培養管理料の算定回数について制限はないという理解でよいか。

A60 よい。医学的な判断による。

〔胚凍結保存管理料〕

1.基本的な算定要件

Q61 「K917-3」胚凍結保存管理料について,前核期胚はどのような取扱いとなるか。

A61 初期胚と同様の取扱いとなる。

Q62 「2 胚凍結保存維持管理料」について「1年に1回に限り算定する」こととされているが,具体的には,過去1年間に「1 胚凍結保存管理料(導入時)」又は「2 胚凍結保存維持管理料」を算定していない場合に算定可能という理解でよいか。

A62 よい。

Q63 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」については,胚の凍結とその後1年間の凍結保存及び必要な医学管理に要する費用を評価するものであり,同管理料を算定してから1年を経過した後に,継続して胚凍結保存を実施する場合には,「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することとなるという理解でよいか。

A63 よい。

Q64 「凍結保存の開始日から起算して3年を限度として」算定することとされているが,「1 胚凍結保存管理料(導入時)」及び「2 胚凍結保存維持管理料」に係る保存期間を通算して3年と考えればよいか。

A64 よい。

Q65 令和4年4月1日より前から凍結保存されている初期胚又は胚盤胞については,「1 胚凍結保存管理料(導入時)」と「2 胚凍結保存維持管理料」のいずれを算定すべきか。その際の算定年数の限度(3年)の起算点の考え方如何。

A65 「2 胚凍結保存維持管理料」を算定する。この場合,令和4年4月1日以降に算定した生殖補助医療管理料に係る治療計画に記載した場合には,当該治療計画を策定した日を起算点とすることとなるが,同日より前に凍結保存に関する費用を徴収している場合には,同日以降であってもその契約期間中は「2 胚凍結保存維持管理料」は算定できないこと。この場合において,例えば,同日より前の診療に係る当該契約を解消し,令和4年4月1日以降の保存に要する費用を患者に返金した上で,同日から「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することは差し支えないこと。
 いずれの場合においても,令和4年4月1日より前から不妊治療を実施している場合には,胚の凍結保存の費用負担の在り方を含め,保険適用の内容も踏まえつつ,今後の治療方針について患者及びそのパートナーに十分説明の上,同意を得て実施する必要がある点に留意すること。

Q66 Q65について,保険適用前から胚の凍結保存に関する費用を徴収している場合において,令和4年4月1日以降,契約期間が終了した後に「2胚凍結保存維持管理料」を算定した場合,「凍結保存の開始日」は,令和4年4月1日ではなく「2 胚凍結保存維持管理料」を算定した日になるということか。

A66 そのとおり。

Q67 年齢制限や回数制限を超えた場合,それ以降の「2 胚凍結保存維持管理料」の算定は可能か。

A67 新たに「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することはできない。また,「2 胚凍結保存維持管理料」を算定してから,1年を経過していない場合には,患者及びそのパートナーに対し凍結保存及び必要な医学管理に関する費用負担を求めてはならないこと。

2.複数回凍結保存を行う場合の算定方法

Q68 一連の診療過程において,複数回採卵を行う場合には,胚凍結保存を実施する回数も複数回に及ぶことになるが,その場合,「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を複数回算定することができるか。また,その後,「2 胚凍結保存維持管理料」への算定に切り替わる時期についてどのように考えればよいか。

A68 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」は,採卵と同様に一の月経周期ごとに1回に限り算定可。なお,同一月経周期内において胚凍結保存を複数回実施した場合における「1 胚凍結保存管理料(導入時)」の算定については,当該月経周期内において凍結保存した胚の合計の個数に応じて算定する。
 後段については,「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を複数回算定している場合には,当該管理料の直近の算定日から1年が経過するまでは,「2 胚凍結保存維持管理料」は算定できず,「2 胚凍結保存維持管理料」は,「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を最後に算定した日から1年を経過した場合に算定する。
※算定イメージ

Q69 複数の胚を凍結している場合,「2 胚凍結保存維持管理料」についても複数回算定可能か。

A69 算定不可。凍結保存する胚の個数にかかわらず,患者ごとに1年に1回算定する。

Q70 「凍結保存の開始日から起算して3年を限度として」算定することとされているが,複数回「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を算定した場合,その起算日は,それぞれの凍結胚ごとに当該管理料を算定した日となるのか。

A70 そのとおり。

Q71 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を複数回算定した場合,既に3年を超えて保存している凍結胚があったとしても,他の凍結胚の通算の保存期限が3年を超えていない場合には「2 胚凍結保存維持管理料」を算定可能か。

A71 算定可。

3.治療の中断

Q72 「妊娠等により不妊症に係る治療が中断されている場合であって,患者及びそのパートナーの希望により,凍結保存及び必要な医学管理を継続する場合には,その費用は患家の負担とする」こととされているが,
① 妊娠以外には,どのような場合に「治療が中断」したことになるのか。
② 妊娠した場合はその時点から必ず治療が中断するのか。

A72 それぞれ以下のとおり。
① 不妊症に係る治療の中断とは,例えば,
 ・不妊治療を実施している途中にがん等の他の疾患(合併症を含む。)が発覚し,その治療を行うこととなった場合
 ・不妊治療の一連の診療過程が終了した後,次回の不妊治療の実施について,患者及びそのパートナーの意向が確認できていない場合
などが考えられる。
② 妊娠による不妊治療の中断は,当該不妊治療に係る一連の診療過程の終了を意味し,その時点は医師の医学的な判断による。例えば,体外受精による妊娠判定後であっても,妊娠継続のため黄体ホルモンの補充を実施する必要があるなど医学的に不妊治療を継続する必要があると医師が判断する場合には,妊娠後も保険診療として不妊治療を継続することは想定される。

Q73 治療計画に基づく一連の診療過程の終了後,次の胚移植に向けた治療の予定が決まっていない場合においても,胚凍結保存管理料を算定することは可能か。

A73 患者及びそのパートナーについて,引き続き,不妊治療を実施する意向を確認しており,次の不妊治療に係る治療計画を作成している場合には算定可。
 ただし,治療計画に基づく一連の診療過程の終了後,次回の不妊治療の実施について,患者及びそのパートナーの意向が確認できない場合には,不妊症に係る治療が中断されているものと考えられるため,胚凍結保存管理料の算定は認められない。

Q74 Q73において,「患者及びそのパートナーについて,引き続き,不妊治療を実施する意向を確認しており,次の不妊治療に係る治療計画を作成している場合」には,胚凍結保存管理料を算定可とされているが,妊娠等により当該生殖補助医療が終了した場合には,その時点において,次の胚移植に向けた具体的な診療日程等を含む治療計画を作成することは困難であると考えられる。この場合,治療計画には,次の不妊治療を実施することについて患者及びそのパートナーの意向がある旨や,そのとき記載可能な範囲で一連の診療過程を記載することで要件を満たすという理解でよいか。

A74 よい。なお,具体的な記載内容は医師の判断による。そのほか,生殖補助医療管理料に係るQ34の場合と同様の取扱いとなる。

Q75 不妊治療が1年間以上中断した後,次の妊娠に向けた治療を開始する場合における胚凍結保存管理料の算定方法如何。また,胚凍結保存管理料を算定してから1年を経過しない間に,治療を中断し,再開した場合はどうか。

A75 治療中断後,患者及びそのパートナーの次回の不妊治療に向けた意向を確認し,治療計画を作成して生殖補助医療の受診を開始した場合には,再度,算定要件を満たすこととなった時点から算定可。この場合,胚凍結保存の開始日(「1 胚凍結保存管理料(導入時)」又は「2 胚凍結保存維持管理料」を算定した日を言う。以下同じ。)から起算して1年間の胚凍結保存に係る費用については,既に当該管理料により評価が行われたこととなり,次の不妊治療の治療開始日から「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することとなる。
 後段については,当該胚凍結保存の開始日から1年を経過するまでは「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することはできない。なお,この場合において,当該管理料を算定してから1年を経過するまでは,治療を中断している時期があったとしても,当該期間において患者及びそのパートナーに対し凍結保存及び必要な医学管理に関する費用負担を求めてはならない。
※算定イメージ

〔胚移植術〕

1.基本的な算定要件

Q76 「K884-3」胚移植術について,凍結保存していた胚を融解したが,胚移植が実施できなかった場合は,どのような取扱いとなるか。

A76 胚移植術の「2 凍結・融解胚移植の場合」は算定できない。

Q77 胚移植術において用いる初期胚及び胚盤胞は,保険診療(先進医療等の保険外併用療養を含む。)において採取した卵子及び精子を用いて作成されたものでなければならないという理解でよいか。

A77 よい。

Q78 令和4年4月1日より前に凍結した胚を用いて保険診療を実施することは可能か。可能な場合,その留意事項如何。

A78 令和4年4月1日より前に不妊症と診断された患者及びそのパートナーに対して実施した生殖補助医療において作成された初期胚又は胚盤胞を用いて,同年4月1日以降に胚移植術を行う場合,以下の⑴~⑷の全てを満たす場合には保険給付の対象とする。この場合,これらの確認方法等をカルテ及びレセプトの摘要欄に記載し,確認に当たっての文書がある場合は,当該文書をカルテに添付すること。
⑴ 令和4年4月1日以降に,治療計画を作成し,生殖補助医療管理料を算定すること。
⑵ 以下のいずれかの場合に該当すること。
 ① 特定治療支援事業の実施医療機関として指定を受けている若しくは日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植に関する登録施設である医療機関において作成・保存された初期胚若しくは胚盤胞である場合
 ② 当該初期胚又は胚盤胞を用いた生殖補助医療を実施する医師が,その作成・保存に関して,①の医療機関と同等の水準で実施されていたと判断できる場合
⑶ 保険診療に移行することについて患者の同意を得ること。
⑷ 同年4月1日以降に実施される不妊治療に係る費用について,同年3月31日以前に患者から徴収していないこと(同日以前に当該費用を徴収している場合であって,同年4月1日以降の不妊治療に要する費用の返金を行ったときを含む。)。

Q79 年度をまたぐ治療に係る特定治療支援事業の経過措置により助成を受ける場合において,令和4年4月1日以降に保険外の診療で凍結した胚についてはどう考えればよいか。

A79 Q78と同様に,要件を満たす場合は保険給付の対象となる。この場合において,⑷は,「当該保険診療の治療開始日以降に実施される診療に係る費用を徴収していないこと。」と読み替えること。

Q80 Q78及びQ79に関して,精子又は卵子の凍結保存に関してはどうか。

A80 Q78又はQ79に示された要件を満たす場合には,保険給付の対象となる。この場合,体外受精・顕微授精管理料を算定することとなる。

2.回数制限

Q81 回数は,保険診療における実施回数をカウントするものであり,保険外の診療で実施した回数は含まないという理解でよいか。

A81 よい。
 なお,特定治療支援事業では,採卵したが卵子が得られない等の理由により中止した場合(同事業における移植に至らない区分D~Fに該当する場合)について支給対象とし,支給した場合には1回とカウントしていたが,保険診療において当該場合は胚移植術の実施回数に含まない。

Q82 令和4年4月1日より前に特定治療支援事業において実施された治療の回数は含まないという理解でよいか。また,同事業の経過措置により年度をまたいで令和4年4月1日以降に胚移植を実施し,同事業の助成金の支給を受ける場合はどうか。

A82 いずれの場合も,保険診療における胚移植術の実施回数に含まない。

Q83 患者及びそのパートナーについて初めての胚移植術に係る治療計画を作成した日における年齢(以下「回数制限の基準日」という。)が40歳未満である場合は,患者1人につき6回に限り算定することとされている。保険適用の施行当初は,例えば,医療機関において不妊治療を保険診療として実施する準備ができていないこと等も考えられるが,40歳未満で初めての治療を開始できず,40歳で治療開始することになってしまった場合の取扱い如何。

A83 令和4年4月1日から同年9月29日までの間に40歳に達する女性(※)について,40歳に達した日の翌日(40歳の誕生日)以後に保険診療として初めて治療を開始した場合であっても,同年9月30日までに治療を開始したのであれば,回数制限の基準日において40歳未満で初めて治療を開始したものとみなし,当該患者1人につき胚移植術を6回に限り算定して差し支えない。この場合,当該初めての治療を開始した年月日及び当該患者の生年月日をカルテ及びレセプトの摘要欄に記載すること。
※令和4年4月1日に40歳に達する女性とは,同年4月2日が40歳の誕生日である者をいい,同年9月29日に40歳に達する女性とは,同年9月30日が40歳の誕生日である者をいう。

Q84 「次の児の妊娠を目的として胚移植を実施した場合」の「次の児の妊娠」には,特定治療支援事業と同様に,直前の妊娠において出産に至った後の妊娠のほか,妊娠12週以降に死産に至った後の妊娠を含むという理解でよいか。

A84 よい。この場合,原則として,母子健康手帳等(死産の場合は診断書や医師の証明書を含む。)により,出生に至った事実等を確認すること。

Q85 保険診療において不妊治療を実施し,回数制限を超えた場合などにおいて,その後,保険外の診療で実施した不妊治療により妊娠・出産に至った後に,不妊治療を再開するときは,「次の児の妊娠を目的として胚移植を実施した場合」に該当し,改めて保険診療において実施することが可能か。

A85 可能。この場合,原則として,母子健康手帳等(死産の場合は診断書や医師の証明書を含む。)により,出生に至った事実等を確認すること。

〔医薬品〕

Q86 PDE5阻害剤の算定要件において,「本製剤を投与される患者又はそのパートナーのいずれかが,本製剤の投与日から遡って6か月以内に,医科点数表「B001」の「32」一般不妊治療管理料又は医科点数表「B001」の「33」生殖補助医療管理料に係る医学的管理を受けていること」とされているが,他の医療機関からの紹介を受けてPDE5阻害剤を処方する場合等であって,当該他の医療機関において当該患者について一般不妊治療管理料等を算定している場合にあっては,PDE5阻害剤を処方する医療機関において当該患者について一般不妊治療管理料等を算定していなくても,当該要件を満たすと考えてよいか。

A86 よい。

Q87 PDE5阻害剤の使用を伴う一般不妊治療又は生殖補助医療の治療計画を作成し,一般不妊治療管理料等を算定する医療機関が,PDE5阻害剤の処方を他の医療機関に依頼するため,患者の紹介を行う場合には,一般不妊治療管理料等を算定していることやその治療計画など,必要な診療情報の提供を行う必要があるか。

A87 そのとおり。

Q88 不妊治療での医薬品の使用に関して,「生殖医療ガイドライン」(日本生殖医学会編)において推奨されている以下の①から③までについては,「生殖医療ガイドライン」(日本生殖医学会編)における推奨度や,代替薬の有無等を考慮の上,「保険診療における医薬品の取扱いについて」(昭和55年9月3日保発第51号厚生省保険局長通知)を踏まえ,レセプトの摘要欄に記載されている投与の理由を参考に,個々の症例ごとの医学的判断により診療報酬の審査がなされると理解してよいか。
① modified natural cycle IVF,又は中等量までの卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤とゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アンタゴニストの投与に基づくmild IVFにおける,排卵抑制のためのジクロフェナク又はイブプロフェンの使用
② 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)ハイリスク患者に対する,OHSS発症予防のためのレトロゾールの使用
③ 胚移植における黄体補充での,プロゲスチン製剤との併用におけるエストロゲン製剤の使用

A88 よい。

〔その他〕

Q89 不妊症の患者とそのパートナーの属する保険者が異なる場合において,①一般不妊治療,②体外受精・顕微授精又は③精巣内精子採取術を経由する顕微授精のそれぞれについて請求方法如何。

A89 
[①一般不妊治療]
 個々の治療内容にもよるが,患者及びそのパートナーそれぞれに対して実施される診療の場合は,一般不妊治療管理料も含めそれぞれの保険者に対して請求することができる。この場合において,当該診療を実施する対象者が「患者」であり,男性及び女性のいずれにも診療を実施する場合には,双方が「患者」となること。
 また,人工授精については,主に女性に対して医行為を行うものであるため,当該治療を受ける女性の属する保険者に請求すること。
[②体外受精・顕微授精]
 個々の治療内容にもよるが,患者及びそのパートナーそれぞれに対して実施される診療の場合は,生殖補助医療管理料も含めそれぞれの保険者に対して請求することができる。この場合において,当該診療を実施する対象者が「患者」であり,男性及び女性のいずれにも診療を実施する場合には,双方が「患者」となること。
 また,体外受精・顕微授精を含む生殖補助医療については,最終的には胚移植という女性に対する医行為を行うものであるため,採卵術,体外受精・顕微授精管理料,受精卵・胚培養管理料,胚凍結保存管理料及び胚移植術は,当該治療を受ける女性の属する保険者に請求すること。
[③精巣内精子採取術を経由する顕微授精]
 精巣内精子採取術等の男性不妊治療については,当該治療を受ける男性の属する保険者に対して請求すること。その後,顕微授精に移行する場合は,②の考え方に基づき,顕微授精による治療の開始日以降は当該治療を受ける女性の属する保険者に請求すること。
 この場合において,精巣内精子採取術における「患者」は男性となり,顕微授精に係る採卵術等における「患者」は女性となること。

Q90 託児室の使用料等の診療と直接関係ないサービスに係る料金を別途徴収してよいか。

A90 「療養の給付と直接関係ないサービス等の取り扱いについて」に沿って実施される場合には,よい。

DPC関係

〔1.DPC対象病院の基準について〕

Q1-1 診療記録管理者とはどのような業務を行う者か。

A1-1 診療情報の管理,入院患者についての疾病統計におけるICD10コードによる疾病分類等を行う診療情報管理士等をいう。

〔2.DPC対象患者について〕

Q2-1 DPC対象患者は,自らの意志で診断群分類点数表と医科点数表のいずれにより算定するかを選択することができるのか。

A2-1 選択できない。

Q2-2 同一日に入退院する,いわゆる「1日入院」の患者は包括評価の対象と考えてよいか。

A2-2 包括評価の対象と考えてよい。

Q2-3 午前0時をまたぐ1泊2日の入院についても,入院した時刻から24時間以内に死亡した場合には包括評価の対象外となるのか。

A2-3 包括評価の対象外となる。

Q2-4 DPC算定の対象外である病棟からDPC算定の対象病棟に転棟したが,転棟後24時間以内に死亡した場合には包括評価の対象外となるのか。

A2-4 包括評価の対象外となる患者は「当該病院に入院後24時間以内に死亡した」患者であり,転棟後24時間以内に死亡した患者はその範囲には含まれない。

Q2-5 包括評価の対象外となる臓器移植患者は,DPC算定告示に定められた移植術を受けた入院に限り包括評価の対象外となるのか。

A2-5 そのとおり。

Q2-6 DPC対象病院において,回復期リハビリテーション病棟入院料又は緩和ケア病棟入院料を算定する一般病棟に入院している者のうち,当該入院料の算定対象外となる患者については包括評価の対象となるのか。

A2-6 入院している病棟(床)で判断するため,包括評価の対象とならない。

Q2-7 分娩のために入院中の患者が,合併症等に罹患して保険給付が開始された場合には包括評価の対象となるのか。

A2-7 保険給付が開始された時に包括評価の対象となるか否かを判断する。なお,包括評価の対象となる場合には,保険給付が開始された日を入院の起算日とする。

Q2-8 治験,臓器移植,先進医療を行った患者等,包括評価の対象外となる患者がいったん退院し,同じ病院に再入院した場合は,包括評価の対象患者として算定してよいか。

A2-8 医学的に一連の診療として判断される場合は,医科点数表により算定すること(包括評価の対象患者とはならない。)。

Q2-9 外来で治験を行っている患者が骨折等で入院した場合,当該患者は包括評価の対象となるのか。

A2-9 入院時に既に治験の対象者であることから包括評価の対象とはならない。

Q2-10 先進医療として認められている技術が,医療機器の保険収載等の理由により,途中で保険適用となった場合,該当する先進医療の技術による治療を受けた患者は包括評価の対象となるのか。それとも次回改定までの間は引き続き包括評価の対象外となるのか。

A2-10 保険適用となる前に当該技術による治療を受けた入院の場合には包括評価の対象外となる。保険適用後に当該技術による治療を受けた患者については包括評価の対象となる。

Q2-11 厚生労働大臣が告示する高額薬剤が投与された患者であるが,告示されていない診断群分類区分が適用される場合,その患者は「厚生労働大臣が別に定める者」に該当する患者として包括評価の対象外となるのか。

A2-11 当該患者については「厚生労働大臣が別に定める者」には該当せず,包括評価の対象となる(薬剤名と対象診断群分類区分が一致しなければ包括評価の対象外患者とはならない。)。

Q2-12 主たる保険が労災又は公災の適用患者は包括評価の対象外となるのか。

A2-12 包括評価の対象外となる。

Q2-13 労災又は公災が適用される入院患者が,他科受診において医療保険が適用される場合は,医科点数表により算定するのか。

A2-13 医療保険が適用される診療については医科点数表により算定する。

Q2-14 交通事故による患者も,医療保険が適用される場合には包括評価の対象となるのか。

A2-14 包括評価の対象となる。

Q2-15 DPC対象病院において「A400」短期滞在手術等基本料3の対象手術等を実施した患者については,どのように算定するのか。

A2-15 DPC対象病院においては,DPC/PDPSによる算定を行う病床に限らず,全ての病床において短期滞在手術等基本料3は算定できない。

Q2-16 一般病棟用の重症度,医療・看護必要度に係る評価票評価の手引きにおいて「基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)は評価の対象としない。」とあるが,例えば短期滞在手術等基本料3の対象となる手術等を実施して入院から4日目に退院した患者であって,当該期間中に短期滞在手術等基本料3の対象となる手術等を複数実施した場合も対象から除外されるのか。

A2-16 除外されない。基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件に準じて,短期滞在手術等基本料3が算定できない場合は,一般病棟用の重症度,医療・看護必要度の評価の対象から除外されない。

〔3.診断群分類区分の適用の考え方について〕

〔「医療資源を最も投入した傷病」について〕

Q3-1-1 「医療資源を最も投入した傷病」はどのように選択するのか。

A3-1-1 「医療資源を最も投入した傷病」は,入院期間において治療の対象となった傷病の中から主治医がICD10コードにより選択する。

Q3-1-2 「一連」の入院において独立した複数の疾病に対して治療が行われた場合にも,「医療資源を最も投入した傷病」は一つに限るのか。

A3-1-2 そのとおり。

Q3-1-3 「医療資源を最も投入した傷病」については,DPC算定病床以外の医療資源投入量も含めて考えるのか。

A3-1-3 含めない。DPC算定病床に入院していた期間において,「医療資源を最も投入した傷病」を決定する。

Q3-1-4 合併症に対する治療に医療資源を最も投入した場合に,合併症を「医療資源を最も投入した傷病」として診断群分類区分を決定するのか。

A3-1-4 そのとおり。

Q3-1-5 「医療資源を最も投入した傷病」と手術内容が関連しないこともあり得るか。

A3-1-5 あり得る。

Q3-1-6 抜釘目的のみで入院したが,「医療資源を最も投入した傷病」は「○○骨折」でよいか。

A3-1-6 「○○骨折」でよい。

Q3-1-7 「医療資源を最も投入した傷病」を決定するに当たり,医療資源に退院時処方に係る薬剤料や手術で使用した薬剤料を含めることができるか。

A3-1-7 含めることはできない。

Q3-1-8 いわゆる疑い病名により,診断群分類区分を決定してよいのか。

A3-1-8 原則として入院期間中に診断を確定し,確定した病名で診断群分類区分を決定すること。ただし,検査入院等で入院中に確定診断がつかなかった場合においては,疑い病名により診断群分類区分を決定することができる。

Q3-1-9 「医療資源を最も投入した傷病」として「U07.1 コロナウイルス感染症2019,ウイルスが同定されたもの」又は「U07.2 コロナウイルス感染症2019,ウイルスが同定されていないもの」を選択した患者については,どのような算定となるか。

A3-1-9 医科点数表により算定する。レセプトの摘要欄に「U07.1」又は「U07.2」と記載すること。

Q3-1-10 「医療資源を最も投入した傷病」として「心拍の異常(R00)からその他の診断名不明確及び原因不明の死亡(R99)まで」は選択しないこととされているが,以下のように,「R798 遺伝性乳癌卵巣癌症候群」が選択されうる患者については,どのようにすればよいのか。
① 乳癌の既往がある遺伝性乳癌卵巣癌症候群の患者に対して「K888」子宮附属器腫瘍摘出術(両側)を行う場合
② 卵巣癌の既往がある遺伝性乳癌卵巣癌症候群の患者に対して「K475」乳房切除術を行う場合

A3-1-10 実施した手術等に基づき,卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍(120010)又は乳房の悪性腫瘍(090010)に該当するICD10コードを選択し,「傷病情報」欄の「入院時併存傷病名」には「R798 遺伝性乳癌卵巣癌症候群」を記載すること。問の例の場合については以下のとおり。
① 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍(120010)に該当するICD10コードを選択し,「子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等あり」を選択する。
② 乳房の悪性腫瘍(090010)に該当するICD10コードを選択し,「その他の手術あり」を選択する。
 なお,いずれの場合においても「傷病情報」欄の「入院時併存傷病名」に「R798 遺伝性乳癌卵巣癌症候群」を記載する。

〔「手術」について〕

Q3-2-1 手術を実施する予定で入院したもののその手術が実施されていない時点における診療報酬の請求であっても,入院診療計画等を勘案して「手術あり」の診断群分類区分により算定をしてよいか。

A3-2-1 入院診療計画等に手術を実施することが記載されており,かつ,患者等への説明が行われている場合には「手術あり」の診断群分類区分により算定する。

Q3-2-2 同一手術野又は同一病巣につき,2以上の手術を同時に行った場合の費用の算定は,原則として,主たる手術の所定点数のみ算定することとされているが,算定しなかった手術が診断群分類区分の定義テーブルの項目に含まれている場合,当該手術に係る分岐を選択することができるのか。

A3-2-2 選択することができる。ただし,算定しなかった手術の,名称及び実施日をレセプトの「診療関連情報」欄に記載すること。

Q3-2-3 「K678」体外衝撃波胆石破砕術(一連につき)のように一連の治療につき1回しか算定できない手術について,算定できない2回目以降の手術に係る入院についても「手術あり」で算定することができるのか。

A3-2-3 「手術あり」で算定することができる(2回目の入院で「K678」体外衝撃波胆石破砕術を再び行った場合,手術料は算定することができないが,診療行為として行われているため,「手術あり」として取り扱う。)。ただし,その,名称及び実施日をレセプトの「診療関連情報」欄に記載すること。

Q3-2-4 診断群分類区分を決定するにあたり,医科点数表第2章第10部手術に定める輸血のみを実施した場合は「手術あり」「手術なし」のいずれを選択することとなるのか。

A3-2-4 「手術あり」を選択する。ただし,第13款に掲げる手術等管理料又は「K920-2」輸血管理料のみを算定した場合は「手術なし」を選択する。

Q3-2-5 手術の有無による分岐の決定において,第13款に掲げる手術等管理料又は「K920-2」輸血管理料のみを算定し他の手術がない場合は「手術なし」となるのか。

A3-2-5 そのとおり。

Q3-2-6 他院において手術の実施後に自院に転院した患者については,自院において手術が実施されなかった場合は「手術なし」の診断群分類区分に該当するのか。

A3-2-6 そのとおり。

Q3-2-7 入院日Ⅲを超えた後に手術を行った場合も,診断群分類区分は「手術あり」として選択するのか。

A3-2-7 そのとおり。

Q3-2-8 手術の「K○○○」において,「●●術は「K△△△の▲▲術に準じて算定する」と記載されている場合,診断群分類区分を決定する際は「準用元の手術で判断すること」となっているが,これは「K○○○」で判断するということか。

A3-2-8 そのとおり。

〔「手術・処置等1・2」について〕

Q3-3-1 「D291-2」小児食物アレルギー負荷検査を16歳以上の患者に対して行った場合,食物アレルギー(080270)の「手術・処置等1」は「あり」を選択するのか。

A3-3-1 「なし」を選択する。

Q3-3-2 DPC留意事項通知の「用語等」に示されている「神経ブロック」について,例えば「L100」神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素使用)の「1」神経根ブロックには,他に医科点数表に示されている「トータルスパイナルブロック」や「三叉神経半月神経節ブロック」は含まれないのか。

A3-3-2 含まれない。「L100」の「2」腰部硬膜外ブロック及び「L100」の「5」仙骨部硬膜外ブロックについても,同様に明示された手技に限る。

Q3-3-3 手術に伴う人工呼吸は,医科点数表では「手術当日に,手術(自己血貯血を除く。)に関連して行う処置(ギプスを除く。)の費用及び注射の手技料は,術前,術後にかかわらず算定できない。」とされているが,DPCについても同様の取扱いか。

A3-3-3 手術当日に手術に関連して行う人工呼吸については,術前・術後にかかわらず「人工呼吸なし」の診断群分類区分を選択する。

Q3-3-4 診断群分類が胃の悪性腫瘍(060020)等であり,一入院中に化学療法と放射線療法の両方を行った場合の「手術・処置等2」は「2(放射線療法)あり」を選択することとなるのか。

A3-3-4 そのとおり。「放射線治療あり」については特に明記されていない場合,化学療法を併用した患者も含まれるため注意されたい。

Q3-3-5 化学療法の「レジメン別分岐」は,分岐の対象となっている薬剤に加えて,他の薬剤を併用しても選択することができるのか。

A3-3-5 選択することができる。

Q3-3-6 診断群分類区分の決定に当たり,手術中に行った化学療法のみをもって「化学療法あり」を選択することができるか。

A3-3-6 選択することはできない。「化学療法」には手術中の使用,外来・退院時,在宅医療での処方は含まれていない。

Q3-3-7 診断群分類区分の決定に当たり,手術中に使用した薬剤のみをもって「手術・処置等2」の特定の薬剤名(成分名)での分岐を選択することができるか。

A3-3-7 選択することはできない。特定の薬剤名での分岐には手術中の使用,外来・退院時,在宅医療での処方は含まれていない。

Q3-3-8 活性NK細胞療法は,化学療法に含まれるか。

A3-3-8 化学療法に含まれない。

Q3-3-9 化学療法の定義として「悪性腫瘍に対して抗腫瘍効果を有する薬剤を使用した場合」とあるが,高カルシウム血症の治療薬「ゾメタ」は骨転移に対して適応がある。このような薬剤の場合,ゾメタを使用すれば全て「化学療法あり」を選択することができるのか。

A3-3-9 抗腫瘍効果を有する薬剤が,悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果を目的に使用された場合にのみ「化学療法あり」を選択できる。問の例では,高カルシウム血症の治療を目的に投与されている場合は,当該薬剤の使用をもって「化学療法あり」を選択することはできない。ただし,抗腫瘍効果の目的で使用した場合は「化学療法あり」を選択することができる。

Q3-3-10 「手術・処置等2」に特定の薬剤名(成分名)での分岐がある場合,その薬剤の後発医薬品が保険適用された場合にも同じ分岐を選択することができるのか。

A3-3-10 選択することができる(薬剤による診断群分類の分岐の指定については,原則として成分名で行っており,先発品か後発品かは問わない。)。

Q3-3-11 「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射を実施した場合,「手術・処置等2」の分岐の区分で「G005」中心静脈注射を選択することができるのか。

A3-3-11 選択することはできない。定義テーブルに記載されている項目のみで判断する。

Q3-3-12 手術に伴って中心静脈注射を実施した場合は,医科点数表では「手術当日に,手術(自己血貯血を除く。)に関連して行う処置(ギプスを除く。)の費用及び注射の手技料は,術前,術後にかかわらず算定できない。」とされているが,診断群分類区分は「中心静脈注射あり」又は「なし」どちらを選択するのか。

A3-3-12 手術当日に手術に関連して行う中心静脈注射については,術前・術後にかかわらず「中心静脈注射なし」の診断群分類区分を選択する。

Q3-3-13 閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸を手術直後に引き続いて行う場合は,「閉鎖循環式全身麻酔の所定点数に含まれ別に算定できない。」とされているが,診断群分類区分は「人工呼吸あり」又は「なし」どちらを選択するのか。

A3-3-13 閉鎖循環式麻酔装置による人工呼吸を手術直後に引き続いて行う場合は,「なし」の診断群分類区分を選択する。

Q3-3-14 肺の悪性腫瘍(040040),小腸の悪性腫瘍,腹膜の悪性腫瘍(060030)及び卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍(120010)の「手術・処置等2」において「カルボプラチン+パクリタキセル」が定義されているが,「カルボプラチン」と「パクリタキセル(アルブミン懸濁型)」を併用した場合には,どの分岐の区分を選択するのか。

A3-3-14 「カルボプラチン+パクリタキセルあり」を選択する。

Q3-3-15 「K740」直腸切除・切断術及び「K740-2」腹腔鏡下直腸切除・切断術を実施し人工肛門造設術を併せて実施した場合に算定する「人工肛門造設加算」について,当該加算を算定する術式及び人工肛門造設術を実施した場合,診断群分類における手術・処置等1の「K726」人工肛門造設術又は「K726-2」腹腔鏡下人工肛門造設術を実施したとして,手術・処置等1「あり」を選択してよいか。

A3-3-15 そのとおり。なお,レセプトの「診療関連情報」欄に,「K726」人工肛門造設術又は「K726-2」腹腔鏡下人工肛門造設術を記載すること。

Q3-3-16 放射線療法の定義として「医科点数表第2章第12部に掲げる放射線治療(血液照射を除く。)をいう。」とあるが,「放射線治療」の部において評価される特定保険医療材料のみを使用した場合,診断群分類区分は「放射線療法あり」又は「なし」どちらを選択するのか。

A3-3-16 「なし」の診断群分類区分を選択する。

〔「その他(定義副傷病名等)」について〕

Q3-4-1 網膜剥離(020160)については,「片眼」「両眼」に応じて診断群分類区分が分かれているが,いずれの診断群分類区分に該当するかは,一手術で判断するのか,一入院で判断するのか。

A3-4-1 一入院で判断する。

Q3-4-2 白内障,水晶体の疾患(020110)について,一入院中において,片眼に白内障の手術を,もう一方の片眼に緑内障の手術を行った場合,重症度等は,「両眼」を選択するのか。

A3-4-2 「片眼」を選択する。

Q3-4-3 網膜剥離(020160)について,一入院中において,片眼に「K275」網膜復位術を実施し,もう一方の片眼に「K2761」網膜光凝固術(通常のもの)を実施した場合,重症度は「両眼」を選択するのか。

A3-4-3 「両眼」を選択する。
 診断群分類区分上6桁が同一の疾患について,定義テーブルの「手術」又は「手術・処置等1」に掲げられた複数の手術(フラグ97「その他のKコード」を除く。)を左眼,右眼それぞれに実施した場合は「両眼」を選択する。

Q3-4-4 他の医療機関において出生した場合も,出生時の体重により診断群分類区分を決定するのか。また,出生時の体重が不明である場合には診断群分類区分をどのように決定するのか。

A3-4-4 他の医療機関において出生した場合も,出生時の体重により診断群分類区分を決定する。また,出生時の体重が不明である場合には,最も重い体重が定められた診断群分類区分を適用し,レセプトには「出生時体重不明」と記載する。

Q3-4-5 定義副傷病の有無については,いわゆる疑い病名により「定義副傷病あり」と判断してよいか。

A3-4-5 確認される傷病が疑い病名に係るもののみである場合には,「定義副傷病なし」と判断する。

Q3-4-6 定義告示内の定義副傷病名欄に診断群分類区分上6桁の分類が記載されているが,その疾患の傷病名欄に記載されたICD10コードに該当する場合に「定義副傷病あり」になるということか。

A3-4-6 そのとおり。

Q3-4-7 定義副傷病は治療の有無によって「あり」「なし」を判断するのか。

A3-4-7 医療資源の投入量に影響を与えているのであれば,治療の有無にかかわらず「定義副傷病あり」と判断する。最終的には医学的な判断に基づくものとする。

〔4.診療報酬の算定について〕

Q4-1 4月1日から新規にDPC対象病院となる場合,同日以前から入院している患者については,同日から5月31日までの2か月間は医科点数表により算定し,6月1日より包括評価の算定となるのか。

A4-1 そのとおり。なお,入院期間の起算日は入院日とする。

Q4-2 外泊した日数は包括評価に係る入院期間に算入するのか。

A4-2 そのとおり。

Q4-3 入院日Ⅲを超えた日以降に,医科点数表に基づき算定する場合,入院基本料はどの入院料を算定すればよいのか。

A4-3 医療機関が当該病棟について届出を行っている入院基本料を算定する。

Q4-4 DPC算定の対象となる病床から「A308-3」地域包括ケア入院医療管理料を算定する病室に転室した場合は,どのように算定するのか。

A4-4 転室前に算定していた診断群分類区分によって,当該診断群分類区分における入院日Ⅲまでの期間は診断群分類点数表により算定すること(この期間は地域包括ケア入院医療管理料は算定できない。)。また,入院日Ⅲを超えた日以降は,地域包括ケア入院医療管理料を算定すること。

Q4-5 DPC算定の対象となる病床から「A308-3」地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟に転棟した場合は,どのように算定するのか。

A4-5 転棟前に算定していた診断群分類区分によって,当該診断群分類区分における入院日Ⅱまでの期間は診断群分類点数表により算定すること(この期間は地域包括ケア病棟入院料は算定できない。)。また,入院日Ⅱを超えた日以降は,地域包括ケア病棟入院料を算定すること。

Q4-6 4月1日から新規にDPC対象病院となる場合,同日4月1日以前から入院している患者が同月以降に退院(入院A)し,その後同一傷病により7日以内に再入院した場合(入院B),入院Aおよび入院Bはどのように算定するのか。

A4-6 入院Aについては医科点数表により算定する。また,入院Bについては,診断群分類点数表によって算定することとし,起算日は当該再入院した日とする。

〔5.医療機関別係数について〕

Q5-1 医療機関別係数は次の診療報酬改定時まで変更されないのか。

A5-1 医療機関別係数のうち,機能評価係数Ⅰは施設基準の届出の変更に伴い変更されうる。また,機能評価係数Ⅱは毎年度(4月1日)に実績を踏まえ変更される。

Q5-2 検体検査管理加算の届出を複数行っている場合(例:ⅠとⅣ),医療機関別係数は両方の機能評価係数Ⅰを合算して計算するのか。

A5-2 両方の機能評価係数Ⅰを合算することはできない。どちらか一方を医療機関別係数に合算すること。

Q5-3 検体検査管理加算に係る機能評価係数Ⅰは検体検査を実施していない月も医療機関別係数に合算することができるか。

A5-3 検体検査管理加算に係る機能評価係数Ⅰは,その体制を評価するものであり,検体検査の実施の有無にかかわらず,医療機関別係数に合算することができる。

Q5-4 機能評価係数Ⅰに関連した施設基準を新たに取得した場合,医科点数表に基づく地方厚生局等への届出の他に,何か特別な届出が必要か。

A5-4 医科点数表に基づく届出のみでよい。なお,機能評価係数Ⅰ(データ提出加算に係るものを除く。)は,算定できることとなった月から医療機関別係数に合算すること。

Q5-5 入院基本料等加算を算定することができない病棟(床)にDPC対象患者が入院している場合,当該入院基本料等加算に係る機能評価係数Ⅰを医療機関別係数に合算することができるか。(例:DPC対象患者が特定入院料を算定する病棟に入院している場合の急性期看護補助体制加算に係る機能評価係数Ⅰ)

A5-5 機能評価係数Ⅰは人員配置等の医療機関の体制を評価する係数であるため,医療機関が施設基準を満たすこと等により,算定することができるのであれば,全てのDPC対象患者に係る診療報酬請求の際に医療機関別係数に合算することができる。

Q5-6 「A244」病棟薬剤業務実施加算(1 病棟薬剤業務実施加算1)を入院日Ⅲを超えて医科点数表に基づき算定することはできるのか。

A5-6 「A244」病棟薬剤業務実施加算(1 病棟薬剤業務実施加算1)のように,機能評価係数Ⅰで評価される項目のうち,医科点数表において週1回または月1回算定できることとされているものについては,入院日Ⅲを超えた場合,医科点数表に基づき算定することができる。ただし,入院日Ⅲを超えた日の前日の属する週又は月は算定することができない。なお,「週」,「月」とは,それぞれ日曜日から土曜日までの1週間,月の初日から月の末日までの1か月をいう。

Q5-7 医科点数表第1章第2部入院料等の通則第8号の規定による栄養管理体制に係る減算に該当する場合,入院日Ⅲまでの期間は当該機能評価係数Ⅰを合算して包括算定するが,入院日Ⅲを超えた日以降は医科点数表に基づき1日につき40点を減じて算定するのか。

A5-7 そのとおり。

Q5-8 「A245」データ提出加算について,DPC対象病院において,DPC算定病棟(包括評価の対象)に入院している患者はデータ提出加算1又は2を算定することができるか。

A5-8 機能評価係数Ⅰで評価されているため算定することができない。

Q5-9 ①DPC算定病棟(包括評価の対象)→②DPC算定病棟以外の病棟→③DPC算定病棟(包括評価の対象外)と転棟した事例について,データ提出加算1又は2を算定することはできるのか。

A5-9 ①DPC算定病床(包括評価の対象)において機能評価係数Ⅰで既に評価されているため,算定することができない。

Q5-10 ①DPC算定病棟(包括評価の対象)→②DPC算定病棟以外の病棟に転棟した事例について,データ提出加算3又は4はどのように算定するのか。

A5-10 ②の病棟がデータ提出加算3又は4の算定対象病棟の場合のみ,転棟した日から起算して90日を超えるごとにデータ提出加算3又は4を算定する。

〔6.診断群分類点数表等により算定される診療報酬について〕

Q6-1 診断群分類点数表による算定を行った患者が退院した場合,退院した月と同じ月に外来において月1回のみ算定することとなっている点数(診断群分類点数表により包括される点数に限る。)を別に算定することができるのか。(例:検体検査判断料等)

A6-1 算定することができない。

Q6-2 外来で月1回のみ算定することとなっている点数(診断群分類点数表により包括される点数に限る。)を算定した後,同じ月に入院となり診断群分類点数表による算定を行った場合に,入院前に実施した月1回のみ算定することとなっている点数(診断群分類点数表により包括される点数に限る。)について算定することができるのか。(例:検体検査判断料等)

A6-2 算定することができる。

Q6-3 外来受診した後,直ちに入院した患者について初・再診料を算定することができるか。また,この場合,外来受診時に実施した検査・画像診断に係る費用を別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-3 初診料を算定することはできるが,再診料又は外来診療料(時間外加算等を除く。)については算定することはできない。また,検査・画像診断に係る費用は包括評価の範囲に含まれており,別に医科点数表に基づき算定することはできない。

Q6-4 医科点数表第2章第2部在宅医療に定める「薬剤料」は,包括評価の範囲に含まれるのか。

A6-4 「在宅医療」は包括評価の範囲に含まれていないため,「在宅医療」に定める「薬剤料」は別に医科点数表に基づき算定することができる。

Q6-5 医科点数表の「検査(内視鏡検査)」の通則第1号に定める超音波内視鏡検査を実施した場合の加算点数は,別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-5 算定することができる。

Q6-6 医科点数表の「検査(内視鏡検査)」の通則第3号に定める当該医療機関以外の医療機関で撮影した内視鏡写真について診断を行った場合に算定することとされている点数は,別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-6 算定することができる。

Q6-7 コロンブラッシュ法については,「D311」直腸鏡検査の所定点数に,沈渣塗抹染色による細胞診断の場合は「N004」細胞診の所定点数を,また,包埋し組織切片標本を作製し検鏡する場合は「N001」電子顕微鏡病理組織標本作製の所定点数を合算した点数を算定するが,合算した点数を別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-7 合算した点数を算定することができる。

Q6-8 医科点数表の「検査(内視鏡検査)」については,写真診断を行った場合は使用フィルム代を10円で除して得た点数を加算して算定するが,本加算点数を別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-8 算定することができない。

Q6-9 心臓カテーテル法による諸検査,内視鏡検査等の検査の実施に伴う薬剤料,特定保険医療材料料は,包括評価の範囲に含まれるか。また,新生児加算等の加算は算定することができるのか。

A6-9 そのとおり。また,新生児加算等の加算は算定することができる。

Q6-10 月の前半が包括評価,月の後半が医科点数表に基づく評価(又は外来)の場合で,月の前半と後半に1回ずつ「D208」心電図検査を実施した場合,心電図検査の費用は全額算定してよいか。また,その他の生体検査やCT,MRI等についても同様の取扱いとしてよいか。

A6-10 いずれも当該検査等の実施回数に応じて減算の上,算定することとなる。

Q6-11 「D206」心臓カテーテル法による諸検査の注9に定められたフィルムの費用は,医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-11 算定することができない。

Q6-12 包括評価の対象患者について,手術中に行った超音波検査や造影検査は医科点数表により算定することができるか。

A6-12 算定することができない。

Q6-13 包括評価の範囲に含まれない検査又は処置等において,医科点数表の注で定められている加算点数については,別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-13 フィルム代,薬剤料等に係る加算を除き,算定することができる。

Q6-14 経皮経肝胆管造影における「E003」造影剤注入手技は,「D314」腹腔鏡検査に準じて算定することとされているが,医科点数表に基づき別に算定することができるか。

A6-14 算定することができない。

Q6-15 入院を必要とする侵襲的処置を含む医科点数表第2章第4部画像診断に係る費用は,別に医科点数表に基づき算定することができるか。

A6-15 「画像診断」は包括評価の範囲に含まれており,別に医科点数表に基づき算定することはできない。

Q6-16 核医学検査(核医学診断)に伴い使用する放射性医薬品についても包括評価の範囲に含まれるか。

A6-16 そのとおり。包括評価の範囲に含まれる。

Q6-17 医科点数表第2章第9部処置の通則に規定する休日加算,時間外加算及び深夜加算は,当該処置の開始時間が入院手続の後であっても算定できることとされているが,包括評価の範囲に含まれない処置料について,本加算を医科点数表に基づき別に算定することができるか。

A6-17 算定することができる。

Q6-18 包括評価の範囲に含まれない処置料については,人工腎臓の導入期加算等の処置料に係る加算点数を算定することができるか。

A6-18 算定することができる。

Q6-19 医科点数表に基づき算定するギプスの項目について,100分の20等の例により,ギプスシャーレ,ギプスシーネ,ギプス除去料,ギプス修理料等を算定した場合も医科点数表に基づき算定することができるのか。

A6-19 ギプスの項目の基本点数が1,000点以上であっても,ギプスシャーレ,ギプスシーネ,ギプス除去料,ギプス修理料等を100分の20等の例により算定した結果,1,000点未満の処置に該当する場合,包括範囲に含まれ,算定することができない。

Q6-20 診断群分類区分が手術の有無により区別されていない傷病については,「手術料」は別に医科点数表に基づき算定することができないのか。

A6-20 診断群分類区分の内容にかかわらず,「手術料」は別に医科点数表に基づき算定することができる。

Q6-21 「輸血料」は包括評価の範囲に含まれないのか。また,輸血に伴って使用する薬剤及び輸血用血液フィルターは別に医科点数表に基づき算定することができるのか。

A6-21 「輸血料」は包括評価の範囲に含まれない。また,輸血に係る薬剤及び特定保険医療材料のうち,「手術」の部において評価されるものについては,別に医科点数表により算定することができる。

Q6-22 包括評価の範囲に含まれない手術や麻酔に伴う薬剤・特定保険医療材料はどの範囲か。

A6-22 医科点数表に定める手術又は麻酔の部により算定される薬剤・特定保険医療材料である。

Q6-23 「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を実施した場合,注7に規定する加算は算定できるのか。

A6-23 算定することができる。

Q6-24 「L100」及び「L101」神経ブロックは別に医科点数表に基づき算定するのか。また,神経ブロックを実施した際に使用する薬剤も医科点数表に基づき算定するのか。

A6-24 そのとおり。

Q6-25 出来高算定可能な抗HIV薬には,「後天性免疫不全症候群(エイズ)患者におけるサイトメガロウイルス網膜炎」に対する治療薬も含まれるのか。

A6-25 含まれない。

Q6-26 手術に伴い,術前・術後に用いた薬剤(例:腹部外科手術の前処理として用いた経口腸管洗浄剤,術後の疼痛緩和に用いた非ステロイド性鎮痛薬等)は,手術に係る費用として別途算定することが可能か。

A6-26 手術に係る費用として別途算定可能な薬剤は,当該手術の術中に用いたものに限られ,それ以外の薬剤については別途算定できない。

Q6-27 Q6-26において,手術に係る費用として別途算定可能な薬剤は,当該手術の術中に用いたものに限ることとされているが,「注射用レザフィリン100mg」,「アラベル内用剤1.5g」及び「アラグリオ顆粒剤分包1.5g」についても同様の取扱いとなるか。

A6-27 いずれも術前に使用する薬剤であり,別途算定できない。なお,いずれの薬剤も包括評価部分において評価されていることに留意されたい。

Q6-28 グランツマン血小板無力症患者(GPⅡb-Ⅲa及び/又はHLAに対する抗体を保有し,血小板輸血不応状態が過去又は現在見られるもの)に使用する「遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤)」は出来高で算定することができるのか。

A6-28 算定できる。

Q6-29 von Willebrand病患者に使用する「遺伝子組換えヒトvon Willebrand因子製剤」は出来高で算定することができるのか。

A6-29 算定できる。

〔7.特定入院料の取扱いについて〕

Q7-1 1日当たりの加算により評価される特定入院料に係る施設基準の取扱いはどうすればよいのか。

A7-1 従来どおり,医科点数表,基本診療料の施設基準等に基づき,所定の手続を行う。

Q7-2 「A301」特定集中治療室管理料を14日間算定していた患者が,引き続き「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料を算定する病床に転床した場合,21日目まで「15日以上21日以内の期間」の点数を算定するのか。

A7-2 そのとおり。

Q7-3 急性血液浄化(腹膜透析を除く。)又は体外式心肺補助(ECMO)を必要とする患者が,「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料を21日間算定した後に「A301」特定集中治療室管理料を算定する病床に転床した場合,25日目まで「15日以上30日以内の期間」の点数を算定するのか。

A7-3 そのとおり。

Q7-4 一度目の入院時に「A300」救命救急入院料を上限日数に満たない日数分算定し,診断群分類区分上2桁が同一である傷病名で退院後7日以内に再入院した場合において,「救命救急入院料」の算定可能病室に入室した際,上限日数まで「A300」救命救急入院料を算定可能か。

A7-4 1回の入院期間とみなし,算定することができない。特定入院料の算定可否については医科点数表における取扱いと同様である。

Q7-5 診断群分類区分上2桁が同一である傷病名で7日以内に再入院した場合は,退院してから再入院するまでの期間の日数は入院期間として算入しないが,「A307」小児入院医療管理料を継続して算定する場合,当該期間中の日数は「A307」小児入院医療管理料に係る期間として算入しないのか。

A7-5 そのとおり。

Q7-6 包括評価の対象患者について特定入院料に係る加算を算定している期間においては,その期間中に実施した心臓カテーテル法による諸検査,内視鏡検査,診断穿刺・検体採取料又は包括評価の範囲に含まれていない入院基本料等加算を算定することができるか。

A7-6 心臓カテーテル法による諸検査,内視鏡検査及び診断穿刺・検体採取料については,診断群分類点数表による包括評価の範囲に含まれていないため算定することができる。また,包括評価の範囲に含まれていない入院基本料等加算については,特定入院料に係る加算の種類により算定できる範囲が異なるため注意すること。

〔8.入院日Ⅲを超えて化学療法が実施された場合の取扱いについて〕

Q8-1 悪性腫瘍患者に対して入院日Ⅲを超えて化学療法が実施された場合,化学療法と同日に使用された抗悪性腫瘍剤以外の薬剤に係る薬剤料(制吐剤等)は算定することができるのか。

A8-1 算定することができる。ただし,特定の薬剤名で分岐されている診断群分類区分に該当する場合には,当該薬剤と同時に併用される薬剤(併用療法を行うことが添付文書等により医学的に明らかなものに限る。)に係る薬剤料については算定することができない。また,生理食塩水等溶剤として使用される薬剤に係る薬剤料についても算定することができない。

Q8-2 入院日Ⅲを超えるまでの間に化学療法が実施された悪性腫瘍患者について,入院日Ⅲを超えて投与された抗悪性腫瘍剤に係る薬剤料は算定することができないのか。

A8-2 算定することができる。

Q8-3 悪性腫瘍患者に対して入院日Ⅲを超えて化学療法が実施された場合であって,手術・処置等2の分岐が「2放射線療法」「3化学療法ありかつ放射線療法なし」となっているDPCコードについて,化学療法と放射線療法を実施したため,分岐2を選択した場合は,抗悪性腫瘍剤に係る薬剤料は算定することができるのか。

A8-3 算定することができる。

Q8-4 悪性腫瘍患者等以外の患者について,例えば「D206」心臓カテーテル法による諸検査ありを手術・処置等1の分岐で選択している場合であって,当該検査を入院日Ⅲを超えて実施した場合は,「D206」心臓カテーテル法による諸検査に係る特定保険医療材料等の費用は算定することができるのか。

A8-4 算定することができる。

〔9.同一傷病での再入院の取扱いについて〕

Q9-1 包括評価の対象患者が退院日同日に同一医療機関に再入院し,当該再入院に係る「医療資源を最も投入した傷病名」が前回入院時と異なる場合,どのように取り扱うのか。

A9-1 例えば,胃がんにより入院していた患者であって包括評価の対象であった患者が,退院した日に事故に遭い再入院する場合など,退院時に予期できなかった状態や疾患が発生したことによるやむを得ない再入院については,新規の入院として取り扱い,当該再入院を入院期間の算定の起算日とする。ただし当該再入院について,再入院日の所定診断群分類点表により包括される点数は算定できないものとする。

Q9-2 「一連」の入院とみなす7日以内の再入院は,「診断群分類区分の上2桁が同一の場合」とされているが,再入院時の入院期間における「医療資源を最も投入した傷病名」が決定した後に「一連」か否かを判断することになるのか。

A9-2 以下のような7日以内の再入院については「一連」とみなす。
① 再入院時の「入院の契機となった傷病名」から決定される診断群分類区分上2桁と前回入院の「医療資源を最も投入した傷病名」から決定される診断群分類区分上2桁が一致する場合
② 再入院時と前回入院の「医療資源を最も投入した傷病名」から決定される診断群分類区分上6桁が一致する場合
③ 再入院時の「入院の契機となった傷病名」に,定義テーブルにおいて診断群分類ごとに定める「医療資源を最も投入した傷病名」欄に掲げるICDコード以外のICDコード又は診断群分類手術・処置等の合併症(180040)に定義されるICDコードを選択した場合

Q9-3 ①DPC算定病棟(診断群分類点数表により算定)→②地域包括ケア病棟入院料1から4まで又は地域包括ケア入院医療管理料1から4までのいずれかを算定する病棟又は病床に転棟又は転室(引き続き診断群分類点数表により算定)→③退院→④DPC算定病棟に再入院した事例において,どの時点を起算日として,「7日以内」の再入院であるかを判断することになるのか。

A9-3 ②において,引き続き診断群分類点数表により算定していることから,退院日の翌日から起算して7日以内かどうかで判断する。

Q9-4 一度目の入院期間中に,入院日Ⅲを超えて退院した後,診断群分類区分上2桁が同一である傷病名で7日以内に再入院した場合,どのように算定すればよいか。

A9-4 「一連」の入院とみなし,傷病名・処置等を勘案し退院時に一の診断群分類区分を決定し算定する。

Q9-5 DPC対象病院から特別の関係であるDPC対象病院に診断群分類区分上2桁が同一の傷病で転院した場合又は7日以内に再入院した場合は「一連」の入院とみなすのか。

A9-5 そのとおり。なお,この場合は,レセプトの出来高欄に「特別」と記載すること。また,レセプトの今回入院日欄に「一連」の入院とみなした入院年月日を記載し,摘要欄に「特別」と記載すること。

Q9-6 一度目のDPC算定対象となる病棟に入院していた期間中に入院日Ⅲを超えた後,DPC算定対象とならない病棟へ転棟し,診断群分類区分上2桁が同一である傷病名で7日以内に再度DPC算定対象となる病棟に転棟した場合,どのように算定するのか。

A9-6 「一連」の入院とみなし,傷病名・処置等を勘案し退院時に一の診断群分類区分を決定し算定する。

Q9-7 一般病棟において包括評価により算定している途中で精神病棟等へ転棟し,その後,一般病棟へ転棟して再度包括評価により算定する場合には,入院期間の起算日は入院日とするのか。

A9-7 DPC算定病棟以外の病棟からDPC算定病棟へ転棟した日を起算日とする。ただし,診断群分類区分上2桁が同一である傷病で転棟日から起算して7日以内にDPC算定病棟へ再転棟した場合には,前回入院日を起算日とし,一入院とする。

Q9-8 同一傷病に該当するか否かは,前回入院の「医療資源を最も投入した傷病名」と再入院の「入院の契機となった傷病名」の診断群分類区分上2桁が同一であるかによって判断することとされているが,次の事例も一連とみなすのか。(例)半月板損傷(160620)にて入退院後,7日以内に上腕骨骨折(160730)にて入院

A9-8 そのとおり。

Q9-9 7日以内の再入院であって,前回の入院と今回の入院の「医療資源を最も投入した傷病名」がそれぞれ,唾液腺の悪性腫瘍(030011),上咽頭の悪性腫瘍(030012)のように,診断群分類区分の上6桁が03001xとして同一となる場合は,「一連」の入院として取り扱うか。

A9-9 「一連」の入院として取り扱う。

〔10.退院時処方の取扱いについて〕

Q10-1 退院時処方は,「退院後に在宅において使用するために薬剤を退院時に処方すること」とあるが,転院先で使用するために薬剤を処方する場合も退院時処方として医科点数表に基づき算定することができるのか。

A10-1 算定することができない。

Q10-2 診断群分類区分上2桁が同一の傷病で退院日の翌日から起算して7日以内に再入院した場合は,前回入院の退院時処方を算定することができるか。

A10-2 退院中に使用した分に限り算定することができる。ただし,退院日当日に診断群分類区分上2桁が同一の傷病で再入院した場合は算定することができない。

Q10-3 入院中に処方した薬剤に残薬が生じた場合,在宅でも使用可能なものについては退院時処方として医科点数表に基づき別に算定することができるか。

A10-3 残薬に相当する処方を中止した後に,改めて退院時処方として処方することで算定することができる。

Q10-4 退院の予定が決まっている患者に対して,退院日の前日又は前々日に在宅で使用する薬剤を処方した場合,退院時処方として算定することができるか。

A10-4 土曜日・日曜日の退院で,退院日当日に薬剤部門の職員が休みであるなど正当な事情が認められる場合には算定することができる。ただし,予定していた退院が取りやめになった時には退院時処方の算定を取り下げること。

Q10-5 「フォルテオ皮下注キット600μg」及び「テリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」」は,内容量が600μg,1回の使用量が20μgであるが,28日用の製剤として薬価収載されている。入院時に1回分のみ使用する場合,フォルテオ皮下注キット600μg及びテリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」の算定方法はどのようになるか。

A10-5 フォルテオ皮下注キット600μg及びテリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」は28日用製剤であるため,それぞれの薬価を28(日分)で除したものを1日分(1回分)の薬剤料とする。

Q10-6 薬価を使用可能日数(回数)で除したものを1日分(1回分)の薬剤料として算定することとされている薬剤(「フォルテオ皮下注キット600μg」及び「テリパラチドBS皮下注キット600μg「モチダ」」)を,入院中に処方した場合,入院中に使用しなかった分については,それに相当する日数分を退院時に処方したものとすることは可能か。

A10-6 入院中に使用しなかった分については,引き続き在宅で使用する分に限り,退院時に処方したものとして差し支えない。

Q10-7 薬価を使用可能日数(回数)で除したものを1日分(1回分)の薬剤料として算定することとされている薬剤について,入院中に使用しなかった分については,引き続き在宅で使用する分に限り,それに相当する日数分を退院時に処方したものとして差し支えないこととされているが,インスリン製剤や点眼薬等についても,同様の取扱いとなるのか。

A10-7 当該取扱いは薬価を使用可能日数(回数)で除したものを1日分(1回分)の薬剤料として算定することとされている薬剤に限る。

Q10-8 退院後に介護老人福祉施設に入所する場合,退院時処方の薬剤料は別に算定することができるのか。

A10-8 算定することができる。

〔11.対診・他医療機関受診の取扱いについて〕

Q11-1 DPC算定病棟に入院しているが,医科点数表により算定している患者が他医療機関を受診した場合,どのような取扱いとなるのか。

A11-1 DPC算定病棟に入院している患者が,他の医療機関を受診し診療が実施された場合における診療の費用(対診が実施された場合の初・再診料及び往診料を除く。)は,当該医療機関の保険医が実施した診療の費用と同様に取り扱い,当該医療機関において算定する。なお,この場合の医療機関間での診療報酬の分配は相互の合議に委ねるものとする。DPC算定病棟に入院している患者については,算定方法にかかわらず(診断群分類点数表・医科点数表のいずれにより算定していても)同じ取扱いである。また,DPC算定病棟内にある病室単位で算定する特定入院料を算定する病床(例:地域包括ケア入院医療管理料)に入院している患者についても同じ取扱いである。

Q11-2 DPC算定病棟に入院中の患者が他の医療機関を受診した場合,他の医療機関で行われたDPCの包括対象外となる診療行為については,入院中の医療機関で別に医科点数表に基づき算定することができるのか。

A11-2 算定することができる。なお,この場合,診断群分類区分の選定については,他の医療機関で行われた診療行為を含めて決定すること。また,当該診療行為に係る費用の分配については,医療機関間の合議に委ねるものとする。

Q11-3 DPC算定病棟に入院中の患者が他の医療機関を受診した場合,他の医療機関で行われたDPCの包括範囲内の診療行為については,入院中の医療機関で別に医科点数表に基づき算定することができるのか。

A11-3 算定することができない。ただし,この場合,診断群分類区分の選定については,他の医療機関で行われた診療行為を含めて決定すること。また,当該診療行為に係る費用については,医療機関間の合議に委ねるものとする。

Q11-4 DPC算定病棟に入院中の患者が,他の医療機関に依頼して検査・画像診断(PET・MRI等)のみを行った場合の診療報酬については,他の医療機関では算定できず,合議の上で精算することとしてよいか。

A11-4 よい。

Q11-5 DPC算定病棟に入院中の患者が他の医療機関を受診した場合であって,入院中の医療機関において施設基準の届出を行っていないが,当該他の医療機関で施設基準の届出を行っている診療行為が行われた場合は,入院中の医療機関で別に医科点数表に基づき算定することができるのか。

A11-5 算定することができる。なお,この場合,診断群分類区分の選定については,他の医療機関で行われた診療行為を含めて決定すること。また,当該診療行為に係る費用の分配については,医療機関間の合議に委ねるものとする。

Q11-6 DPC算定病棟に入院中の患者が他の医療機関を受診した場合,外来でしか算定できない診療行為について入院中の医療機関で別に医科点数表に基づき算定することができるのか。

A11-6 算定することができない。

Q11-7 DPC算定病棟に入院中の患者が他医療機関を受診し先進医療を受けた場合について,入院中の医療機関で請求し合議の上で精算することになるのか。

A11-7 他医療機関で実施した診療行為に係る費用のうち,保険給付の対象となるものは合議にて精算するが,保険外の費用は合議の対象とはならない。なお,先進医療を受けた患者については包括評価の対象外となるため注意すること。

Q11-8 DPC算定病棟に入院中の患者に対診を実施した場合,入院中の医療機関において施設基準の届出を行っていないが,他の医療機関で施設基準の届出を行っている診療行為は入院中の医療機関で別に医科点数表に基づき算定することができるのか。

A11-8 算定することができない。

Q11-9 DPC算定病棟に入院中の患者に対し他医療機関での診療が必要となり,当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)の他医療機関において実施された診療に係る費用は,入院医療機関において請求し,この場合の医療機関間での診療報酬の分配は,相互の合議に委ねるものとされているが,当該分配により他医療機関が得た収入には消費税は課税されるか。

A11-9 健康保険法等の規定に基づく療養の給付等は,消費税が非課税となる(消費税法第6条)。
 質問のケースの場合,他医療機関が行う診療にあっては,社会保険診療であるから,当該療養の給付に係る診療報酬は入院医療機関との合議で受け取ったものについても非課税となる。(当該合議により得る収入については,診療報酬に照らして妥当であればよく,必ずしも他医療機関が行った診療に係る診療報酬と同額である必要はない。)

〔12.データ提出加算について〕

Q12-1 「DPC導入の影響評価に係る調査」の提出について,提出方法不備,提出期限超過・未到着及び媒体内容不備等があった場合でも,「A245」データ提出加算を算定することができるのか。

A12-1 「DPC導入の影響評価に係る調査」の提出(データの再照会に係る提出も含む。)において提出方法不備,提出期限超過,未到着及び媒体内容不備等があった場合は,データ提出月の翌々月の1か月分については「A245」データ提出加算は算定できない。

Q12-2 データ提出に遅延等が認められたため,1か月「A245」データ提出加算を算定できなくなった場合,当該1か月の診療分はどのように算定するのか。

A12-2 包括評価対象分については,当該月診療分の「A245」データ提出加算に係る機能評価係数Ⅰを医療機関別係数に合算せずに算定すること。
 また,包括評価対象外の患者については,当該月の診療分において,医科点数表に基づき,「A245」データ提出加算を算定することができない。

〔13.診療報酬の調整等について〕

Q13-1 退院時に診断群分類区分が確定した時に,差額を調整する必要が生じた場合の一部負担金はどのように算定するのか。

A13-1 差額の調整に係る点数は退院月の請求点数と合算するため,その合算点数を基礎として一部負担金を算定する。

Q13-2 包括評価の対象患者に関する高額療養費の額はどのように算定するのか。

A13-2 高額療養費の額は,従来どおり,各月の請求点数に応じて算定する。

Q13-3 診断群分類区分の変更に伴う差額を調整する場合は,請求済みのレセプトの返戻,高額療養費の再計算等は必要か。

A13-3 診断群分類点数表のみで算定する場合は,診断群分類点数表による請求額も月ごとに確定するため,請求済みのレセプトの返戻,高額療養費の再計算等は必要ない。

Q13-4 切迫早産で入院し診断群分類点数表により算定した後,自費で分娩を行った患者が,分娩後に引き続き,分娩の合併症により診断群分類点数表により算定することとなった場合において,診断群分類点数表による算定の起算日は,分娩後の合併症により医療保険の適用となった日となるのか。

A13-4 そのとおり。

Q13-5 入院の途中で先進医療や治験等の評価療養の対象となった場合,包括評価の対象外となる時期はいつか。また,その後先進医療や治験等を終了した場合は再び包括評価の対象となるのか。

A13-5 診療報酬の請求方法は,患者の退院時に決定された請求方法をもって一の入院期間において統一するため,当該入院全てを医科点数表に基づき再請求する。

Q13-6 臓器移植や治験等の実施を予定して入院し,前月は医科点数表により請求していたが,患者の容態の急変等により実施しないことが決定された場合には,どのように算定するのか。

A13-6 診療報酬の請求方法は,患者の退院時に決定された請求方法をもって一の入院期間において統一するため,退院時に診断群分類区分に該当する場合には,当該入院全てを当該診断群分類区分により再請求する。

Q13-7 入院中に新たに高額薬剤として告示された薬剤を,当該入院中に投与する場合,どの時点から包括評価の対象外となるのか。

A13-7 診療報酬の請求方法は,患者の退院時に決定された請求方法をもって一つの入院期間において統一するため,投与時点で高額薬剤として告示されている場合は,入院期間全てを医科点数表に基づき算定をする。

Q13-8 入院日Ⅲを超えて包括評価の算定対象病棟に入院している患者が再び診断群分類区分に該当すると判断された場合は,再度包括評価の対象となるのか。

A13-8 診療報酬の請求方法は,患者の退院時に決定された請求方法をもって一の入院期間において統一するため,再度包括評価の対象となる。

Q13-9 診療報酬の請求方法は,患者の退院時に決定された請求方法をもって一の入院期間において統一することとされているが,退院時に決定された診断群分類区分において,入院日Ⅲを超えて医科点数表による算定を行っている場合はどのように請求するのか。

A13-9 入院日Ⅲを超えて医科点数表に基づき算定する場合は,診断群分類点数表に基づく算定の一部であり統一された請求方法とみなされる。

Q13-10 診断群分類区分の決定が請求時から患者の退院時に変更となったが,月をまたいで入院する場合は,各月の請求時に一旦,診断群分類区分の決定を行い請求することでよいか。

A13-10 そのとおり。
 なお,手術等が行われていない場合であっても,予定がある場合には手術あり等の診断群分類区分を選択し請求しても差し支えないが,退院時までに予定された手術が行われなかった結果,退院時に決定された請求方法が異なる場合は,請求済みのレセプトを取り下げた上で手術なしの分岐により再請求をする。

〔14.令和4年度改定に係る経過措置について〕

Q14-1 改定前は高額薬剤として告示されていた薬剤が,改定により高額薬剤から除外され,かつ,「手術・処置等2」に分岐がない場合,当該薬剤を使用した場合の診断群分類区分についてはどのように決定するのか。

A14-1 当該薬剤は改定において包括評価に移行している(高額薬剤として告示されていない)ことから,ツリー図上の分岐の区分に従い診断群分類区分を決定する。改定後も引き続き告示されている薬剤のみを高額薬剤として取り扱うことになる。

Q14-2 改定を挟んで7日以内の再入院があった場合の入院日の取扱いはどのようになるのか。

A14-2 診断群分類点数表が改正されるため,入院日の起算日は再入院した日とする。

Q14-3 改定で新たに追加された分岐に係る処置や薬剤の投薬を3月中に実施した場合であって,4月に診断群分類区分を決定する場合,新たに追加された分岐を選択することができるのか。

A14-3 選択することができる。

Q14-4 改定前後で診断群分類区分の入院日Ⅲが変化する以下の事例について,4月分の請求は診断群分類点数表と医科点数表のいずれに基づき算定することになるのか。
(例1) 2月16日に入院し,改定前は入院日Ⅲが60日で改定後は入院日Ⅲが30日となっている診断群分類区分が適用される患者の4月分の請求
(例2) 2月16日に入院し,改定前は入院日Ⅲが30日で改定後は入院日Ⅲが60日となっている診断群分類区分が適用される患者の4月分の請求

A14-4 例1の場合は医科点数表に基づき算定し,例2の場合は診断群分類点数表に基づき算定する。

Q14-5 改定を挟んで診断群分類区分の変更があった場合,改定後の診断群分類区分は4月1日から適用となるが,改定前の診断群分類区分による差額調整は3月31日で終了しているため,4月1日以降の診療報酬からが調整の対象となるのか。

A14-5 そのとおり。

〔15.レセプト関連について〕

Q15-1 入院中毎月薬物血中濃度を測定した場合,「特定薬剤治療管理料の初回算定日」をレセプトに記載する必要はあるか。また,退院した翌月の外来において測定した場合も同様の記載をする必要があるか。

A15-1 医科点数表に従い,記載する必要がある。

Q15-2 レセプトの「副傷病名」欄には,該当する定義告示上の定義副傷病名を副傷病名と読み替えて記載するのか。

A15-2 そのとおり。

Q15-3 該当する定義告示上の定義副傷病名が複数存在する患者については,レセプトの「副傷病名」欄には主治医が判断した定義副傷病名を記載するのか。

A15-3 そのとおり。

Q15-4 傷病名ごとに診療開始日をレセプトに記載する必要はあるか。

A15-4 記載する必要はない。

Q15-5 診断群分類区分の決定に影響を与えなかった併存疾患等についても「傷病情報」欄に記入し,ICD10コードを記入するのか。

A15-5 そのとおり。

Q15-6 入院中に処置を複数回実施した場合は,処置の実施日をどのように記載するのか。

A15-6 初回の実施日を記載する。

Q15-7 分娩のために入院中の患者が合併症等に罹患して保険給付が開始され包括評価の対象となる場合,レセプトの「今回入院年月日」欄には保険給付が開始された日を記入するのか。また,「今回退院年月日」欄には保険給付が終了した日を記入するのか。

A15-7 そのとおり。

Q15-8 審査支払機関による特別審査の対象となるレセプトはどのようなものか。特に,医療機関別係数の取扱いはどうなるのか。

A15-8 DPCのレセプトのうち,請求点数が38万点以上のものが対象となる。このため,医療機関別係数についても別段の取扱いはされない。

Q15-9 入院期間中に患者の加入している医療保険等が変更された場合はどのように請求するのか。

A15-9 保険者ごとにレセプトを作成して請求する。変更前及び変更後のレセプトに医療保険等が変更された旨を記載するとともに,変更後のレセプトに変更前のレセプトの患者基礎情報及び包括評価部分の記載内容を記載する。なお,診断群分類区分の変更があった場合であっても,退院月に退院日の点数により調整される額を請求するため,従前の保険者への請求額は変更されない。

Q15-10 診療報酬改定をまたいで入院している場合,3月診療分DPCレセプトの「今回退院年月日」欄及び「転帰」欄はどう記載するのか。

A15-10 改定前の診断群分類区分による差額調整は3月31日に実施するが,入院中であるため「今回退院年月日」欄及び「転帰」欄は空白(記載不要)とする。

Q15-11 令和4年3月以前から継続して入院している患者で,3月に分岐に係る手術等を行った場合,4月診療分レセプトの「診療関連情報」欄の手術等は,どのように記載するのか。

A15-11 3月に実施した手術等について,4月診療分のレセプトには改定後の点数名称・Kコードによって記載する。なお,3月診療分のレセプトには改定前の点数名称・Kコードによって記載する。

Q15-12 「K921」造血幹細胞採取を行うに当たり,造血幹細胞の末梢血中への動員のためにG-CSF製剤やプレリキサホルを投与するが,「K921」造血幹細胞採取を算定する日以外の日に投与したこれらの薬剤料について,DPCレセプトにおいて手術の部で出来高で算定することができるか。

A15-12 本件は,「K921」造血幹細胞採取の注2の規定による加算に該当するため,造血幹細胞採取に当たって当該薬剤を使用した場合についても,「K921」造血幹細胞採取を算定する日に「K921」造血幹細胞採取の所定点数に当該薬剤の点数を加算する。

費用請求関係

〔記載要領〕

Q1 「診療報酬請求書等の記載要領等について」の別表Ⅰ「レセプトの「摘要」欄への記載事項等一覧」により示されているレセプトの摘要欄に記載する事項等において,「「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について」(令和4年3月25日保医発0325第1号)により,電子レセプト請求による請求の場合は,新たに令和4年10月診療分以降は該当するコードを選択することとされた診療行為について,令和4年9月診療分以前の電子レセプト又は書面による請求を行う場合においても,当該一覧の「左記コードによるレセプト表示文言」のとおり記載するのか。

A1 必ずしも当該文言のとおり記載する必要はないが,その旨が分かる記載又は当該診療行為に係る記載事項であることが分かる記載とすること。
 なお,当該取扱いについては,別表Ⅱ「レセプトの「摘要」欄への記載事項等一覧(薬価基準)」及び別表Ⅲ「レセプトの「摘要」欄への記載事項等一覧(検査値)」においても同様である。

※以下のQ2からQ28までについては,DPC対象病院における取扱いであることに留意されたい。

〔血液化学検査〕

Q2 「D007」血液化学検査の「25」フェリチンについては,複数回実施した場合には検査結果を記載することとなったが,同一月に実施した検査結果のうち最も低かったものについて,男性の場合にあっては10ng/ml以下,女性の場合にあっては5ng/ml以下であった場合には,以後,複数回の検査実施も必要と考えるが,当該検査実施料を算定してよいか。

A2 よい。なお,上記以外の検査結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

〔血液形態・機能検査〕

Q3 「D005」血液形態・機能検査の「5」末梢血液一般検査として算定するHb測定については,複数回実施した場合には検査結果を記載することとなったが,同一日に実施した検査結果のうち最も低かったものについて,8.0g/dL未満であった場合には,以後,複数回の検査実施も必要と考えるが,当該検査実施料を算定してよいか。

A3 よい。なお,上記以外の検査結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

〔出血・凝固検査〕

Q4 「D006」出血・凝固検査の「17」Dダイマーについては,複数回実施した場合には検査結果を記載することとなったが,同一月に実施した検査結果のうち最も高かったものについて,5.0μg/mL以上であった場合には,以後,複数回の検査実施も必要と考えるが,当該検査実施料を算定してよいか。

A4 よい。なお,上記以外の検査結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

〔血漿蛋白免疫学的検査〕

Q5 「D015」血漿蛋白免疫学的検査の「11」β2-マイクログロブリンについては,複数回実施した場合には検査結果を記載することとなったが,同一月に実施した検査結果のうち最も高かったものについて,10.0mg/L以上であった場合には,以後,複数回の検査実施も必要と考えるが,当該検査実施料を算定してよいか。

A5 よい。なお,上記以外の検査結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

〔医薬品〕

Q6 人赤血球液製剤を投与するに当たってHb値を測定した場合には,投与の直前に測定したHb値を記載することとなったが,例えば次の疾患等に使用する場合は,当該Hb値が6g/dL未満であれば少なくとも2単位の投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

再生不良性貧血,骨髄異形成症候群,造血器腫瘍に対する化学療法及び造血幹細胞移植治療,固形癌に対する化学療法,消化管出血,消化管出血以外の急性出血,術中投与,敗血症(参考:「血液製剤の使用指針」)。

A6 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q7 人血小板濃厚液製剤を投与に当たって血小板値を測定した場合には,投与の直前に測定した血小板値を記載することとなったが,例えば次の疾患等に使用する場合は,当該血小板値が次の値未満であれば少なくとも5単位の投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。
① 外科手術の術前状態,中心静脈カテーテル挿入時,腰椎穿刺又は播種性血管内凝固(DIC)の場合 血小板値2万未満。
② 急性白血病(急性前骨髄球性白血病を除く)),固形腫瘍に対する化学療法又は造血幹細胞移植(自家,同種)の場合 血小板値1万未満。
③ 再生不良性貧血又は骨髄異形成症候群の場合 血小板値5千未満(参考:「血液製剤の使用指針」)。

A7 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q8 新鮮凍結人血漿製剤を投与するに当たってプロトロンビン時間(PT)及びフィブリノゲン値を測定した場合には,投与の直前に測定したPT及びフィブリノゲン値を記載することとなったが,例えば,DIC,大手術又は大量出血・輸血時に使用する場合であれば,当該PTがINR2.0以上又は30%以下で,かつ,フィブリノゲン値150mg/dL以下であれば少なくとも400mlの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。(参考:「血液製剤の使用指針」)。

A8 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q9 乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体製剤を投与するに当たって,投与以前に実施したインヒビター力価測定の結果を記載することとなったが,血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者の出血抑制の目的で投与する場合に,当該インヒビター力価測定結果が陽性である場合には,少なくとも2,500単位/kgの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A9 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q10 乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第Ⅶ因子製剤を投与するに当たって,投与以前に実施したインヒビター力価測定の結果を記載することとなったが,血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者の出血抑制の目的で投与する場合に,当該インヒビター力価測定結果が陽性である場合には,少なくとも3,000μg/kgの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A10 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q11 ラムシルマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,AFPの検査値を記載することとされているが,がん化学療法の実施後に増悪した血清AFP値400ng/ml以上の切除不能肝細胞癌に用いる場合に,AFPの測定結果が400ng/ml以上である場合には,少なくとも400mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A11 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q12 エプタコグアルファ(活性型)(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,インヒビター力価測定結果を記載することとなったが,血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者の出血抑制に用いる場合に,投与前に実施したインヒビター力価の測定結果が陽性であった場合については,少なくとも初回投与時は5mg,初回投与時以外は3mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A12 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q13 エプタコグアルファ(活性型)(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,抗血小板抗体検査の測定結果を記載することとなったが,血小板に対する同種抗体を保有し,過去又は現在において血小板輸血不応状態が見られるグランツマン血小板無力症患者の出血傾向の抑制に用いる場合であって,投与前に実施した抗血小板抗体検査の測定結果が陽性であった場合には,少なくとも4mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A13 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q14 エクリズマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,抗アセチルコリン受容体抗体検査の結果を記載することとなったが,重症筋無力症に対して投与する場合であって,投与前に実施した抗アセチルコリン受容体抗体検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも初回から4回目までの投与時は900mg,5回目以降の投与時は1,200mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A14 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q15 エクリズマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,抗アクアポリン4抗体検査の結果を記載することとなったが,視神経脊髄炎スペクトラム障害に対して投与する場合であって,投与前に実施した抗アクアポリン4抗体検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも初回から4回目までの投与時は900mg,5回目以降の投与時は1,200mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A15 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q16 チサゲンレクルユーセル製剤を投与するに当たって,CD19抗原検査測定結果を記載することとなったが,再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病に用いる場合であって,投与前に実施したCD19抗原検査の結果が陽性であった場合には,本製品の投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A16 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q17 イネビリズマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,抗アクアポリン4(AQP4)抗体検査の結果を記載することとなったが,投与前に実施した抗アクアポリン4(AQP4)抗体検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも300mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A17 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q18 イットリウム(90Y)イブリツモマブチウキセタン(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CD20抗原検査測定結果を記載することとなったが,投与前に実施したCD20抗原検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも1セットまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A18 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q19 サトラリズマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,抗アクアポリン4(AQP4)抗体検査の結果を記載することとなったが,投与前に実施した抗アクアポリン4(AQP4)抗体検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも120mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A19 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q20 イノツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CD22抗原検査の結果を記載することとなったが,投与前に実施したCD22抗原検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも1日目の投与時は2mgまで,8日目及び15日目の投与時は1mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A20 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q21 ブロスマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,FGF23の測定値を記載することとなったが,投与前に実施したFGF23の測定値が30pg/ml以上であった場合には,少なくとも50mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A21 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q22 ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CD30抗原検査の結果を記載することとなったが,投与前に実施したCD30抗原検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも100mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A22 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q23 オビヌツズマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CD20抗原検査の結果を記載することとなったが,投与前に実施したCD20抗原検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも1000mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A23 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q24 モガムリズマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CCR4抗原検査の結果を記載することとなったが,CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫又は再発若しくは難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫に用いる場合であって,投与前に実施したCCR4抗原検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも50mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A24 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q25 リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CD20抗原検査の結果を記載することとなったが,B細胞性非ホジキンリンパ腫又は免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患に用いる場合であって,投与前に実施したCD20抗原検査の結果が陽性であった場合には,少なくとも600mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A25 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q26 リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,CD20抗原検査の結果を記載することとなったが,慢性リンパ性白血病に用いる場合であって,投与前に実施したCD20抗原の測定結果が陽性であった場合には,少なくとも初回投与時は600mgまで,2回目以降の投与時は800mgまでの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A26 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q27 レボカルニチン製剤を投与するに当たって,遊離カルニチンの測定結果を記載することとされたが,投与前に実施した遊離カルニチンの測定結果が20μmol未満である場合には,当該薬剤料を算定してよいか。

A27 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

Q28 エポエチンベータ(遺伝子組換え)製剤を投与するに当たって,投与する前に測定したHb値を記載することとされているが,貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血に用いる場合であって,Hb値の測定結果が13g/dl以下である場合には,少なくとも1回につき6,000国際単位までの投与は妥当と考えるが,当該薬剤料を算定してよいか。

A28 よい。なお,上記以外の測定結果にあっては従前のとおり医学的判断による。

調剤報酬点数表関係(抜粋)

〔リフィル処方箋による調剤〕

Q6 「リフィル処方箋により調剤した場合は,調剤した内容,患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと」とされているが,この場合において,服薬情報等提供料は算定可能か。

A6 算定要件を満たしていれば,服薬情報等提供料1又は2を算定可。

Q7 リフィル処方箋による2回目以降の調剤については,「前回の調剤日を起点とし,当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし,その前後7日以内」に行うこととされているが,具体的にはどのように考えればよいか。

A7 例えば,次回調剤予定日が6月13日である場合,次回調剤予定日を含まない前後7日間の6月6日から6月20日までの間,リフィル処方箋による調剤を行うことが可能である。ただし,調剤した薬剤の服薬を終える前に次回の調剤を受けられるよう,次回調剤予定日までに来局することが望ましいこと等を患者に伝えること。

Q8 リフィル処方箋の写しは,いつまで保管する必要があるのか。

A8 当該リフィル処方箋の写しに係る調剤の終了日から3年間保管すること。

Q9 一般名処方によるリフィル処方箋を受け付けた場合,2回目以降の調剤においてはどのように取り扱えばよいか。

A9 2回目以降の調剤においても,一般名処方されたものとして取り扱うことで差し支えないが,初回来局時に調剤した薬剤と同一のものを調剤することが望ましい。

Q10 リフィル処方箋を次回調剤予定日の前後7日以外の日に受け付けた場合は,当該リフィル処方箋による調剤を行うことはできるか。

A10 不可。なお,調剤可能な日より前に患者が来局した場合は,再来局を求めるなど適切に対応すること。

訪問看護療養費関係

〔届出受理後の措置〕

Q1 届出受理後において,届出内容と異なった事情が生じ,当該届出基準を満たさなくなった場合又は当該届出基準の届出区分が変更となった場合には,変更の届出を行うこととされているが,
 ① 機能強化型訪問看護療養費に係る届出に記載した看護職員数等について,当該届出基準に影響がない範囲で変更が生じた場合
 ② 専門管理加算に係る届出に記載した専門の研修を受けた看護師が退職し,新たに同様の専門の研修を受けた看護師を雇用した場合
について,変更の届出を行う必要があるか。

A1 ①の場合については不要。
   ②の場合については,専門管理加算の算定要件に影響する変更であるため,変更の届出が必要。

〔訪問看護基本療養費〕

Q2 複数の訪問看護ステーション等から指定訪問看護を受けている利用者に対して,現に指定訪問看護(訪問看護基本療養費(Ⅰ)のハ及び訪問看護基本療養費(Ⅱ)のハを除く。)を実施している訪問看護ステーションの専門の研修を受けた看護師が,他の訪問看護ステーション等の専門の研修を受けていない看護師又は准看護師と共同して同一日に指定訪問看護を実施した場合,訪問看護基本療養費(Ⅰ)のハ及び訪問看護基本療養費(Ⅱ)のハは算定可能か。

A2 算定不可。なお,医科点数表「C005」在宅患者訪問看護・指導料の「3」及び「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料の「3」についても同様である。

Q3 医科点数表「C005」在宅患者訪問看護・指導料の「3」,「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料の「3」,訪問看護基本療養費(Ⅰ)のハ及び訪問看護基本療養費(Ⅱ)のハの届出基準において求める看護師の「褥瘡ケアに係る専門の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A3 現時点では,従前の研修に加えて,特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる「創傷管理関連」の区分の研修が該当する。

〔専門管理加算〕

Q4 専門管理加算のイの場合において求める看護師の「緩和ケア,褥瘡ケア又は人工肛門及び人工膀胱ケアに係る専門の研修」には,具体的にはそれぞれどのようなものがあるか。

A4 現時点では,以下の研修が該当する。
① 褥瘡ケアについては,日本看護協会の認定看護師教育課程「皮膚・排泄ケア」
② 緩和ケアについては,
 ・日本看護協会の認定看護師教育課程「緩和ケア」,「乳がん看護」,「がん放射線療法看護」及び「がん薬物療法看護
 ・日本看護協会が認定している看護系大学院の「がん看護」の専門看護師教育課程
③ 人工肛門及び人工膀胱ケアについては,日本看護協会の認定看護師教育課程「皮膚・排泄ケア」
※平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修を含む。

Q5 専門管理加算のロの場合において求める看護師の「特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものに係る研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A5 現時点では,特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる以下の研修が該当する。
① 「呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連」,「ろう孔管理関連」,「創傷管理関連」及び「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」のいずれかの区分の研修
② 「在宅・慢性期領域パッケージ研修」

Q6 専門管理加算を算定する利用者について,専門性の高い看護師による訪問と他の看護師等による訪問を組み合わせて指定訪問看護を実施してよいか。

A6 よい。ただし,専門管理加算を算定する月に,専門性の高い看護師が1回以上指定訪問看護を実施していること。

Q7 専門管理加算について,例えば,褥瘡ケアに係る専門の研修を受けた看護師と,特定行為研修を修了した看護師が,同一月に同一利用者に対して,褥瘡ケアに係る管理と特定行為に係る管理をそれぞれ実施した場合であっても,月1回に限り算定するのか。

A7 そのとおり。イ又はロのいずれかを月1回に限り算定すること。

〔機能強化型訪問看護管理療養費〕

Q8 機能強化型訪問看護管理療養費1及び2の届出基準における「人材育成のための研修等」には,期間や内容の基準はあるか。

A8 期間や内容について一律の基準は設けていないが,内容については,例えば,地域の訪問看護ステーションと連携した業務継続計画の策定,研修及び訓練の主催,地域の医療従事者等に対する同行訪問による訪問看護研修等が想定される。なお,当該研修等については,ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

Q9 機能強化型訪問看護管理療養費の届出基準における「専門の研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A9 現時点では,以下の研修が該当する。
① 日本看護協会の認定看護師教育課程
② 日本看護協会が認定している看護系大学院の専門看護師教育課程
③ 日本精神科看護協会の精神科認定看護師教育課程
④ 特定行為に係る看護師の研修制度により厚生労働大臣が指定する指定研修機関において行われる研修
 なお,①,②及び④については,それぞれいずれの分野及び区分(領域別パッケージ研修を含む。)の研修を受けた場合であっても差し支えない。

〔24時間対応体制加算〕

Q10 特別地域若しくは医療を提供しているが医療資源の少ない地域に所在する訪問看護ステーション又は業務継続計画を策定した上で自然災害等の発生に備えた地域の相互支援ネットワークに参画している訪問看護ステーションが,連携して24時間対応体制加算に係る体制にあるものとして届出を行う場合において,一方のステーションが医療資源の少ない地域に所在し,もう一方のステーションが地域の相互支援ネットワークに参画している場合も届出可能か。

A10 届出可能。

〔訪問看護情報提供療養費〕

Q11 18歳の誕生日を迎えた利用者について,医療的ケアの変更等により学校等からの求めに応じて情報提供を行う必要がある場合は,訪問看護情報提供療養費2の算定についてどのように考えればよいか。

A11 当該利用者が18歳に達する日以後最初の3月31日までは算定可。

〔遠隔死亡診断補助加算〕

Q12 遠隔死亡診断補助加算の届出基準において求める看護師の「情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修」には,具体的にはどのようなものがあるか。

A12 現時点では,厚生労働省「在宅看取りに関する研修事業」(平成29~31年度)及び「ICTを活用した在宅看取りに関する研修推進事業」(令和2年度~)により実施されている研修が該当する。

〔訪問看護指示書〕

Q13 医科点数表「C007」訪問看護指示料における訪問看護指示書について,「留意事項及び指示事項」のⅡの1の記載が変更されたが,既に交付している訪問看護指示書については,令和4年4月1日以降に改めて変更後の様式により再交付する必要はあるか。

A13 令和4年3月31日以前に交付している訪問看護指示書については,変更後の様式による再交付は不要である。

材料価格基準関係

〔吸着式血液浄化用浄化器(閉塞性動脈硬化症用)〕

Q1 「209 吸着式血液浄化用浄化器(閉塞性動脈硬化症用)」における「関連学会の定める適正使用指針」とは,具体的には何を指すのか。

A1 現時点では,日本フットケア・足病医学会の「閉塞性動脈硬化症の潰瘍治療における吸着型血液浄化器に関する適正使用指針」を指す。

〔前立腺用インプラント〕

Q2 「214 前立腺用インプラント」における「関連学会が定める適正使用指針」とは,具体的には何を指すのか。

A2 現時点では,日本泌尿器科学会,日本排尿機能学会及び日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会の「前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia)に対する経尿道的前立腺吊り上げ術に使用されるUroLiftシステムの適正使用指針」を指す。

〔経カテーテル人工生体弁セット(ステントグラフト付き)〕

Q3 「215 経カテーテル人工生体弁セット(ステントグラフト付き)」における「関連学会の定める適正使用基準」とは,具体的には何を指すのか。

A3 現時点では,経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会の「Harmony経皮的肺動脈弁システム適正使用指針」及び「Harmony経皮的肺動脈弁システム実施施設・実施医基準」を指す。

2022年4月15日号TOP