地域医療部通信 – 新型コロナウイルス感染症関連情報 第40報

新型コロナウイルス感染症対策 ~京都府医師会での対応,2022年3月~

2022年3月31日
京都府医師会新型コロナウイルス感染症対策チーム

1.はじめに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波における新規感染者数は2月に急増したが,中旬以降から3月になってもゆっくりと減少傾向がみられ,今週前週比は1を下回っていた。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株(B1.1.529系統)のサブタイプBA.1が主流であったが,BA.2の出現が確認され,その比率が徐々に増えてきた。当初,オミクロン株は重症化しにくいと考えられていたが,感染者数の増加にともなって第6波においても重症者および死亡者が増加した。ピークは越えたと判断されるが,感染者数の減少速度は緩徐であるため,重症者累積数および新規死亡者数は増加すると予測される。
 3月21日をもって,まん延防止等重点措置(まん防措置)適用の18都道府県のすべてが解除となった。その後,人流の増加,卒業式/春休みなどで会食の機会や普段会わない人との接触が増えることにより,月末に向けて今週前週比が1を超えてきた。
 新型コロナウイルスワクチン(コロナワクチン)の追加接種の接種率は右肩上がりに上昇してきた。5歳以上11歳の小児対象のコロナワクチン接種が3月から始まった。
 2022年3月の1か月間の動向について述べる。
 なお,本文中に記載した数値や対応策等は,3月31日時点のものであり,今後の動向により変化することを予めお断りしておく。

2.COVID-19の流行状況とその対策

⑴ 全国の感染者数の推移と対策
 全国の新規感染者数は,3月中旬には今週前週比が0.87で1週間では人口10万人あたり約296,下旬になって0.79で約232と減少が続いてきた。また年代別の新規感染者数はすべての年代で減少が続いた。まん防措置適用区域の18都道府県のすべてにおいて今週前週比が1以下となり,まん防措置が21日をもってすべての都道府県で解除された。1か月以上にわたって実効再生産数および今週前週比が1以下で新規感染者数は緩やかな減少が続いた。新規感染者における10代以下の割合は増加傾向が続き,依然として高い水準であった。高齢者では,介護福祉施設や医療機関における集団感染が継続していた。また,新規感染者の感染場所として,20代では飲食店の割合が増加傾向にあった。感染レベルの高い大都市では減少傾向が続くものの,比較的感染レベルが低かった地域での減少傾向が弱く,下げ止まりや増加が見られ,感染状況の推移には地域差がある。夜間停留人口は,まん防措置解除直前では,首都圏で減少傾向がみられるが,その他の地域では継続して増加したところもあった。3月下旬以降は謝恩会,歓送迎会,お花見などの時期を迎え,特に夜間滞留人口が増加する可能性があり,今後の新規感染者数の動向と併せて注視する必要がある。
 第6波の感染状況は,継続的な減少傾向がみられた昨年夏の第5波とは異なり,新規感染者数の減少が緩やかであり,ピークを過ぎた2月下旬から3月を通じて高いレベルで推移している。今後BA.2系統に置き換わりが進むことで再度増加に転じる可能性があること,まん防措置が解除されたことや,下旬には春休みや年度替わりの時期を迎えることによる感染状況への影響に注意する必要がある。実際,3月25日以降に感染者数の減少スピードが止まり,むしろ増加に転じてきた様相を呈しており,新規感染者数のリバウンドが懸念される。

表1.基本的対処方針に基づく対応

 全国的な新規感染者数減少にともない,病床使用率や自宅療養者数は,地域差はあるが低下傾向が続いた。ただし,新規感染者数の下げ止まりあるいは増加がみられる多くの地域では,入院者数が横ばいまたは緩やかな減少となっている。救急搬送困難事案については,非コロナ疑い事案およびコロナ疑い事案ともに減少傾向があるものの未だに高いレベルにあり,コロナ医療と通常医療,特に救急医療とのバランスには留意が必要である。
 第6波における死亡者数は,80歳以上の占める割合が高くなった。感染前に医療機関に入院中あるいは高齢者施設入所中の方が多いことが示された。高齢者の中には,侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化などの影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など,コロナが直接の死因でない事例も少なくないことは,3月に入ってからも続いていた。基礎疾患を有する陽性者では,コロナ感染による肺炎がみられなくても感染によって基礎疾患が増悪すること,高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎を発症することが,入院を要する感染者の増加に繋がる可能性が高い。

⑵ 京都府の感染者数の推移と対策
 3月の京都府内の新規感染者数の推移は,ほぼ全国レベルと並行していた。2月中旬のピークアウト後は,3月になっても減少が続き今週前週比は1.0を下回っていたが,減少のスピードは緩やかであった。児童福祉施設,教育機関,障害者施設,高齢者施設等でのクラスターがみられた。3月の最多は2日の1,960人で,増減を繰り返しながら全体的には減少傾向にあった。7日以降,1,000人を下回る日が多くなり,22日には今週前週比が0.67まで下がってきた。しかし,その後は前週比の漸増があり,29日0.96,30日1.21,31日1.28となった。オミクロン株のBA.1からBA.2への置き換わりが進んでいること,卒業式や転勤シーズンで会食等の機会が増えること,さらには春休みや花見シーズンで人流の増加が顕著であることなどが関与していると考えられる。4月には第6波が収束しないまま,感染のリバウンドで第7波となることが懸念される。第1波から第6波まで,大凡4か月間隔で感染拡大がみられたが(第1波;2020年4月,第2波;20年8月,第3波;20年12月,第4波:21年4月,第5波;21年8月,第6波;22年1月),この周期に合致するなら4月は要注意である。
 年代別新規感染者は,2月と同様に10歳未満と10代に多く,小児での感染拡大を示していた。感染小児の親世代である30代40代も多かった。第5波までは20代が相対的に多かったが,第6波では10代以下と30代40代に比べると20代が少なかったが,月末には20代の新規感染者数が急に増加しており,卒業式や転勤などのイベントが関与している可能性がある。3月の10代および10歳未満が新規感染者に占める割合は連日32.2%~44.4%で,平均37.1%であった。3月下旬後半には40%超の日が多く,10代以下の減少に下げ止まりがみられた。5~11歳対象のコロナワクチンの接種が遅れ気味であることからも,4月の新学期に10代以下の再拡大が懸念される。

図1 第6波 新規感染者数・前週比(2022年1月1日~3月31日)

図2 第6波 年代別新規感染者数

 病床使用率は,3月1日に71.5%と高かったが,新規感染者数の減少とともに漸減し,中旬には50%を下回り,31日には23%まで低下した。重症者は5名を超えることはなく高度重症病床使用率は30%を下回り,下旬には重症者は1名であった。一方,死者数は2月から引続き1日に5~10人で推移したが,下旬には減少傾向がみられ,月末には5名を下回った。感染者数の減少が緩やかでかつ月末にやや増加傾向がみられることから,特に高齢者の入院は減ることなく横ばいで継続すると予想されることから,注視する必要がある。

表2.京都府のモニタリング指標の状況

⑶ オミクロン株に関する情報
 SARS-CoV-2の変異株であるオミクロン株は,BA.1,BA1.1,BA.2,BA.3の4つのサブタイプに分けられる。日本を含めて世界の流行の主体はBA.1系統に属する株であるが,デンマーク,インド,フィリピン,スウェーデンなど一部の国ではBA.2系統に属する株が主流であり,日本をはじめ諸外国で置き換わりが進み始めている。

① オミクロン株の重症化リスク
 2021年11月29日~22年1月9日に英国在住のCOVID-19症例413万5,347例のうち,デルタ株またはオミクロン株感染が確認でき,解析基準に合致した151万6,702例(37%)の個人データとワクチン接種,受診歴,入院,死亡に関するデータを照合し,デルタ株とオミクロン株とを比較した。診断確定から14日以内の受診および入院,確定診断後28日以内の死亡の相対リスクを検討した。解析では検体採取日,年齢(10歳ごと),民族,居住地,ワクチン情報による層別化を行い,また性,貧困指数,過去のCOVID-19発症歴,年齢(1歳ごと)による調整を行った。二次解析では,オミクロン株に対するワクチンの種類別の有効性を検討し,さらに重症化リスクの低さがオミクロン株固有の特徴なのか否かをデルタ株との比較で検討した。なお,対象にはBA.2系統のオミクロン株の症例は含まれていない。
 対象の151万超のうち,オミクロン株感染は106万7,859例,うち再感染が10万2,957例(9.6%),デルタ株感染は44万8,843例で,うち再感染は5,983例(1.3%)であった。
 デルタ株感染に対するオミクロン株感染によるリスクの調整ハザード比(aHR)は,受診・入院の複合では0.56(95%信頼区間(CI):0.54~0.58),入院のみ(当日死亡を含む)は0.41(同0.39~0.43),死亡は0.31(同0.26~0.37)と,いずれもリスクが低かった。言い換えると,オミクロン株はデルタ株感染に比べて,入院リスクは約6割,死亡リスクは約7割低減していたことになる。
 オミクロン株による受診,入院,死亡リスクはいずれも年齢の影響を強く受けており,入院のaHRは10歳未満では1.10(95%CI:0.85~1.42)でデルタ株と同等であったが,60~69歳群では0.25(同0.21~0.30)と大きく低下し,70歳以上も半減した(80歳以上0.47(同0.40~0.56))。
 過去のCOVID-19発症歴はワクチン接種の有無を問わずに死亡率の低下と関連しており,死亡のaHRはワクチン接種群で0.47(95%CI:0.32~0.68),非接種群で0.18(同0.06~0.57)であった。また入院に関してはワクチン非接種群のみ中等度のリスク低下が認められた(aHR 0.55,同0.48~0.63)。ワクチン非接種群において,デルタ株に対するオミクロン株の入院aHRは0.30(95%CI:0.28~0.32)で,一次解析のどのグループよりも低かったが,これはオミクロン株固有の重症化リスクはかなり低いものの,同株に対するワクチンの有効性が低いことにより,ある程度相殺されていることが示唆される。mRNAワクチンの追加接種は,オミクロン株感染による受診・入院,死亡リスクを低下させた。また追加未接種に対する追加完了後8~11週の入院aHRは0.22(95%CI:0.20~0.24)で,追加接種の有効性は示された。
 以上の解析結果から,オミクロン株感染後の重症化リスクは,デルタ株の場合と比べて実質的に低く,重篤な転帰はさらに減少すること,リスクには年齢により有意差が認められることが明らかになった。またmRNAワクチンの追加接種により,オミクロン株へのブレークスルー感染にともなう入院・死亡の予防効果を7割超に維持できることも判明した。

② オミクロン株による入院率とワクチン接種
 オミクロン株は,それまでのSARS-CoV-2変異株に比べて伝播性は高いが,デルタ株と比較すると重症化リスクは低いことが示唆されている。しかしながらオミクロン株感染者数が極めて多くなった状況では,それまでの変異株の流行期間に比べて医療現場の負担が大きくなっている。
 米国ロサンゼルス公衆衛生局は,同地の18歳以上の地域住民を対象とした2週間単位のSARS-CoV-2累積感染率と累積入院率を調べる横断研究を行い,ワクチン接種状況と照合した。2021年11月7日から2022年1月8日までにPCRあるいは抗原検査で感染が確定した住民42万2,966人で,ワクチン接種状況はカリフォルニア州のCOVID-19サーベイランスおよびコロナワクチン登録のデータを照合した。ファイザー社(BNT162b2)やモデルナ社(mRNA-1273)の2回目接種から14日以上経過した人と,ジョンソン・エンド・ジョンソン社(Ad.26.COV2.S)の単回接種から14日以上経過した人を接種完了者とし,ワクチン初回接種から14日未満の人とワクチン登録に接種歴データのない人を未接種者とみなした。また接種完了者のうち追加接種を受けてから14日以上経過した人を追加接種者に分類した。COVID-19関連入院は,SARS-CoV-2感染が確認されてから14日以内の入院とした。検査で陽性となった標本を対象として全ゲノムシークエンスデータを用いて,変異株ごとに各州の感染者の割合を算出した。オミクロン株の感染が確認されてから置き換わりまでは早く,12月18日までの1週間のオミクロン株の割合は57%で,2022年1月8日までの1週間には99%になっていた。対象期間に感染が確認された42万2,966人のうち,未接種者は14万1,928人(53.2%),接種完了者は22万4,853人(53.2%),追加接種者は5万6,185人(13.3%)であった。年齢の中央値は,それぞれ,35歳(IQR27~48歳),36歳(27~49歳),46歳(33~59歳)であった。
 感染後の重症化のリスクは,ワクチン未接種者で高く,2.8%が入院し,0.5%がICUに入院,0.2%が気管挿管での人工呼吸管理を受けた。接種完了者ではその割合は,1.0%,0.12%,0.05%で,追加接種者では0.7%,0.08%,0.03%だった。死亡についても,未接種者に多く0.3%に発生したが,接種完了者で0.08%,追加接種者で0.07%だった。
 デルタ株が主流だった2021年12月11日までの14日間での,年齢調整した累積感染率と入院率は,未接種者が10万人あたりそれぞれ443.9と45.9で,接種完了者では115.9と3.6で,追加接種者では36.1と0.6であった。この期間の未接種者の感染率と入院率は,接種完了者追加接種者に比べて,それぞれ12.3倍,23.0倍であった。
 オミクロン株の流行が拡大して以降は,どのグループでも感染率と入院率が上昇した。2022年1月8日時点で,年齢調整した14日間累積感染率と入院率は,未接種者が10万人あたり6,743.5と187.8で,接種完了者は3,355.5と35.4で,追加接種者が1,889.0と8.2であった。この期間の比率は,デルタ株流行期に比べて低くなり,未接種者の感染率と入院率は,追加接種者に比べて,それぞれ3.6倍と23.0倍であった。
 これらの解析の結果,変異株の主流がオミクロン株に置き換わった後は,どのグループでも感染率と入院率が増加しており,ワクチンの予防効果が下がったと考えられる。しかし未接種者に比べると接種者の重症化リスクが低い状態が続いており,このことから医療機関への負担を軽減するためにもワクチン接種が重要と結論づけている。

③ 既感染者における再感染予防効果
 SARS-CoV-2の既感染は,これまでのアルファ株(B.1.1.7系統),ベータ株(B.1.351系統),デルタ株(B.1.617.2系統)に対して再感染予防効果が高いことが判っているが,オミクロン株は従来株よりも免疫を回避することも明らかにされてきた。カタールでのケースコントロール研究で,国内のSARS-CoV-2データベースからCOVID-19の検査結果,ワクチン接種,臨床感染データ,関連する人口動態を抽出し,再感染予防効果を評価した。既感染者の未感染者と比較したときの感染感受性の減少率を再感染予防効果と定義した。研究サンプルでの,既感染から新たなPCR検査までの中央値は,アルファ株279(四分位範囲(IQR);194~313)日,ベータ株285(213~314)日,デルタ株254(159~376)日,オミクロン株314(268~487)日であった。ワクチン接種の有無を調整した再感染予防における既感染の有効性は,アルファ株90.2(95%CI:60.0~97.6)%,ベータ株85.7(75.8~91.7)%,デルタ株92.0(87.9~94.7)%,オミクロン株56.0(50.6~60.9)%と推定された。再感染した既感染者のうち,重症へ移行したのはアルファ株1例,ベータ株2例,デルタ株0例,オミクロン株2例であったが,再感染が重篤に進行あるいは死亡した例はなかった。既感染の重症化予防の有効性は,アルファ株69.4(-143.6~96.2)%,ベータ株88.0(50.7~97.1)%,デルタ株100(43.3~100)%,オミクロン株87.8(47.5~97.1)%と推定された。
 全体として,既感染のアルファ,ベータ,デルタ株への再感染防止効果は高く(約90%),オミクロン株ではこの効果は落ちるものの,既感染による重症化予防効果は変異株に関係なく強固であった。

④ コロナ治療薬のオミクロン株に対する効果
 オミクロン株は,初期のSARS-CoV-2と比較して,スパイク蛋白に少なくとも33の変異があることが判明しているため,米国食品医薬品局(FDA)で承認されているモノクローナル抗体は,オミクロン株に対して効果が低い可能性が示唆されていた。国立感染症研究所の研究グループは,FDAと日本で承認済み,および臨床試験中の7種類の抗体薬と3種類の抗ウイルス薬について,in vitroでのオミクロン株に対する効果を検証した。その結果,抗体薬のetesevimab/bamlanivimab併用(米国承認,イーライ・リリー社)とカシリビマブ/イムデビマブ併用(ロナプリーブ)のオミクロン株に対する中和活性は著しく低いことが判った。それに対して,tixagevimab/cilgavimab併用(米国承認,アストラゼネカ社)とソトロビマブ(ゼビュディ)は,オミクロン株に対して中和活性を維持していることが判明した。また,3種類の抗ウイルス薬(レムデシビル,モルヌピラビル,PF-07304814)について,50%阻害濃度を測定し,レムデシビル(ベクルリー)とモルヌピラビル(ラゲブリオ)はオミクロン株に対する有効性が高く,PF-07304814ではその有効性が低いことが判明した。
 同研究グループは引続き動物モデルでの検証を行い,また臨床データでも同様の結果が得られるかを今後検討する必要があるとしている。

⑤ 新たな変異株:XE変異
 同じ時期に2つのウイルスが流行する場合,同時感染したヒトの体内で新たな変異株ができる可能性がある。この機序でBA.1とBA.2が結合したハイブリッド型のSARS-CoV-2の新たな変異が,1月19日に英国で初めて確認され「XE」と命名された。英国では1月から3月22日までに637件の感染事例を確認した。その後,台湾(チェコからの入国者)やタイでも感染事例が報告され,イスラエルでも確認された。3月29日に世界保健機関(WHO)は,XE変異がBA.2よりも感染力が強く,これまでで最も強い感染力の可能性があるとし,今後の情報収集と追加確認が必要と表明した。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)は,XEがBA.2より約10%感染力が強いと見通した。
 今後,諸外国で大量にXE感染者が増えた場合は我が国にも流入してくる可能性がある。現時点ではまだ影響は出ていないが,万一流入した場合は第7波に繋がる可能性があることから,検疫体制の維持と諸外国での感染状況を含めての注視が必要である。

3.府医の3月の活動

⑴ 会議等
 府医の会議(定例理事会,各部会,各委員会,地区庶務担当理事連絡協議会等)は引続きWebあるいはハイブリッドで開催した。3月19日の府医第207回臨時代議員会は,議長,副議長および府医役員は府医会館で,代議員はWebでの参加となった。13日のワークライフバランス塾in京都,23日の府医令和3年度学校医部会総会もWeb開催であった。24日のコロナワクチンに関する京都市との協議は府医会館で行われた。松井府医会長は,府庁で開催された17日の京都府新型コロナ対策専門家会議および京都府新型コロナ対策本部会議,28日の京都府新型コロナ対策専門家意見交換会に参加した。4日の近畿ブロック日医代議員協議会,27日の日医臨時代議員会は,府医会館からWeb参加した。

⑵ 宿泊療養施設健康管理および自宅療養者
 ヴィスキオ京都(V),アパホテル京都駅東(AE),アパホテル堀川(AH)の3か所の宿泊療養施設への3月の新規入所者は1,030人,退所者は1,026人でそれぞれ1日平均33人であった。入所者総数は3箇所を合わせて,200人前後から220人前後(3月14日が最多233人)を増減していた。Vには1~2名,AEとAHはそれぞれ1名の出務医で,保険診療は261件であった。転院したのは7人,陽性者外来受診は2人であった。新規入所者は中旬から下旬にかけて減少傾向がみられたが,26日以降は増加傾向に転じていた。総入所者数は下旬に150人前後に下がったものの(25日最少135人),31日には199人へと増加した。
 自宅療養者数は,新規感染者数の減少に並行して減少がみられた。京都府内の自宅療養者は,3月初旬は1万4,000人超で,中旬には1万1,000人超に減じ,月末には9,000人超であった。発生届が出てから保健所による自宅療養者へのファーストタッチは,軽症者の場合は中2~3日あるいはそれ以上であったが,徐々にファーストタッチまでの期間が短縮されてきた。

図3 3月 宿泊療養入所者数の推移

4.COVID-19ワクチン

⑴ 接種状況
 京都府の2回目接種完了の状況は,府内全人口の約78%で,65歳以上では90%超となっている。追加接種(3回目接種)は,京都府全体で約40%になってきた。日本国内の全人口あたりの2回目接種完了者は約80%で,追加接種は40%超となった。65歳以上高齢者の追加接種は80%を超えた。2月と3月の2か月間で80%を超えるまでになっており,追加接種の開始は遅かったものの,接種が進むスピードは速いと考える。なお,3月31日時点において追加接種で使用されたワクチンは,一般接種では,ファイザー社2,950万回接種,モデルナ社2,236万回で,職域接種でのモデルナ社は199万回接種であった。
 世界的に見ると追加接種の割合が30%を超えていない米国よりも我が国は上位ではあるものの,60%を超えている国はチリ(83%),シンガポール(67%),イタリア(65%),韓国(63%)があり,50%超の国は,ドイツ,英国,イスラエル,フランス,スペイン,アラブ首長国連邦と続いている。
 京都府での追加接種は,1回目2回目接種と同様に,集団接種会場や個別接種医療機関,あるいは職域接種会場で実施している。京都市の場合は,国立京都国際会館(左京区岩倉)を会場として,事前予約なしでの集団接種を実施してきたが,4月も引続き実施する予定としている。先着順で1日500名としている。
 5歳~11歳の小児対象のコロナワクチン接種が全国的に3月から始まった。個別接種医療機関あるいは集団接種会場での接種としているが,学校での集団接種は行わない。始まったばかりで,31日時点での接種人数などの具体的な数値は明らかにはできない。なお,小児対象ワクチンでは,京都市では接種費用に1,000円の上乗せとなった。6歳未満(5歳)では乳幼児加算として国が660円の上乗せを行うことになっている。

⑵ コロナワクチンの効果等
① 妊婦へのコロナワクチン接種
 妊婦は一般の女性に比べてSARS-CoV-2に感染しやすいわけではないが,COVID-19を発症すると重症化リスクが高く,妊娠関連の合併症(妊娠高血圧症,早産,死産)のリスクが上昇することが示唆されている。コロナワクチンの臨床試験では妊婦が除外されていたため,接種プログラムが開始された時点では妊婦への接種を推奨できるエビデンスがなかった。妊婦に対するワクチンの安全性は,臨床試験に参加した時点で妊娠に気づいていなかった女性のデータなどから徐々に蓄積されたものである。スコットランドでは,2020年12月8日からワクチン接種プログラムが始まり,妊婦が推奨に加えられたのは21年4月16日からであった。スコットランドの疫学研究のサブスタディーとして,妊婦を対象にしたCOVID-19 in Pregnancy in Scotland(COPS)を実施した。2020年3月1日以降に妊娠したスコットランドの女性全員をCOPSコホートに組み入れ,SARS-CoV-2感染とワクチン接種状況をリンクして,21年10月31日までの妊娠関連アウトカムに対する影響を調べた。
 対象期間中に妊娠した女性は13万1,751人(多胎妊娠を含めた妊娠数は14万5,424件)で,このうち個人識別番号によるデータ照合が可能だったのは13万875人(14万4,548件)であった。10月31日までに妊娠期間が終了したのは11万7,190件で,1万3,933件は流産や異所性妊娠で出産に至らなかった。出生児数は8万183件,273件は死産で,10月31日時点で妊娠継続中が2万7,358件であった。
 ワクチン接種状況によって,(i)未接種者(COVID-19発症時点でワクチン接種歴なし,または初回接種から21日以内に発症),(ii)部分接種者(初回接種から21日を超えてから発症,または2回目接種から14日以内の発症),(iii)接種完了者(2回目の接種から14日を超えてから発症)の3群に分類した。
 21年10月31日までに,1万8,399件の妊娠に対して延べ2万5,917回のワクチン接種が行われたが,初回接種が1万2,518回(48%),2回目接種1万2,194回(47%),追加接種1,205回(5%)であった。妊娠第1期が9,905回(38.2%),第2期9,317回(35.9%),第3期6,695回(25.8%)行われた。使用ワクチンはファイザー社2万572回分,モデルナ社3,224回分,アストラゼネカ社2,121回分であった。
 スコットランドの一般女性の18~44歳でのコロナワクチン接種率は21年10月31日時点では80万3,241人(84.7%)で,このうち2回接種完了は77.4%であった。これに対して21年10月に出産した4,064人の妊婦では1,738人(42.8%)で,出産前までに2回接種を完了していたのは32.3%に留まっていた。
 20年3月1日~21年10月31日までに妊婦の5,653人がSARS-CoV-2に感染したが,感染率は18~44歳女性全体と同様であった。妊娠中のSARS-CoV-2感染確定患者は4,950人で,第1期に1,453人(31.2%),第2期に1,850人(37.4%),第3期に1,557人(31.5%)が感染しており,823人(16.6%)が陽性判定から14日以内に入院または入院中に感染陽性が判明した。感染者に占める入院患者の割合は,妊娠第1期が6.7%,第2期が10.7%,第3期は33.5%で,104人(2.1%)が陽性判明から21日以内にICU入院またはICU入院中に陽性判定を受けていた。第1期にICU入院はなかったが,第2期には感染者の2.0%,第3期は4.3%にみられた。
 妊婦感染者4.950人中3,833人(77.4%)がワクチン未接種者であった。部分接種者は567人(11.5%),接種完了者は550人(11.1%)であった。SARS-CoV-2関連で入院した823人中748人(90.9%)とSARS-CoV-2関連のICU入院の104人中102人(98.1%)がワクチン未接種妊婦であった。
 分析対象期間内に,妊娠中のいずれかの時期に感染妊婦が2,364人の新生児を分娩し,生児出生は2,353人で,うち241人(10.2%)が37週未満の早産児であった。発症から28日以内の生児出生は610人で,早産での生児出生は101人であり,早産率は16.6%になっていた。妊娠中のいずれかの時期にSARS-CoV-2感染陽性となった妊婦の在胎24週以降の死産は11件,新生児死亡は8件発生しており,これらを合わせた拡大周産期死亡率は分娩1,000件あたり8.0(95%CI:5.0-12.8)であった。それらはすべて感染時点でワクチン未接種だった妊婦に発生していた。また,発症から28日以内に分娩した場合の,在胎24週以降の死産または新生児死亡はそれぞれ10件と4件で,拡大周産期死亡率は分娩1,000回あたり22.6(12.9-38.5)であった。
 2020年3月1日~21年10月31日までのパンデミック下でのすべての分娩データに基づくバックグラウンド早産率は8.0%で,拡大周産期死亡率は5.6(5.1-6.2)であった。妊娠中にSARS-CoV-2感染がなかった妊婦に限定すると,早産率は7.9%,拡大周産期死亡率は5.6(5.1-6.1)であった。さらに妊娠中にワクチン接種を受けていた妊婦に限定して分析すると,早産率は8.6%,拡大周産期死亡率は4.3(2.9-6.4)であり,ワクチン接種から28日以内に分娩していた妊婦ではそれぞれ8.2%,4.3(1.9-9.2)だった。
 これらの結果から,パンデミック下で母子の健康を守るためには,妊婦のワクチン接種の低さを是正する必要がある,と結論づけた。

② ワクチン接種により妊婦から新生児に移行する抗体
 妊婦がコロナワクチンを接種すると,抗スパイク蛋白IgG抗体が産生され,胎児に移行して,新生児期のCOVID-19の予防に役立つと考えられている。分娩時の臍帯血に含まれるIgG抗体価は母親の抗体価と相関し,臍帯血の抗体価が最も高くなるワクチン接種のタイミングは妊娠第2期の終わりから第3期の初めだと報告されている。米国で,妊婦が自然感染した場合も,ワクチン接種と同様に新生児の感染予防が期待できるかについて検討された。
 ボストン市の大学病院2施設で,2021年7月21日から同年10月22日に実施したが,対象は妊娠20~32週にmRNAワクチンを受けたか,SARS-CoV-2に自然感染した妊婦とした(ワクチン接種前に感染歴がある妊婦は除外)。分娩時点で,母体血と臍帯血のサンプルを採取し,ワクチン接種を受けた母親の子は生後2か月と6か月に末梢血標本を採取し,また自然感染した母親の子は生後6か月に採血した。スパイク蛋白IgG抗体はELISA法で測定した。
 ワクチン接種の妊婦77人と,COVID-19発症の妊婦12人の協力を得て,生後2か月時点の血液標本は乳児49人,6か月時点のワクチン接種妊婦から生まれた乳児28人,感染妊婦から生まれた乳児12人から提供を受けた。
 分娩時の母体血の血清抗体価は,自然感染妊婦に比べワクチン接種妊婦で有意に高かった。吸光度測定値(波長450~570nm)は,0.65(SD 0.76)と0.23(0.47)であった。臍帯血の抗体価も同様で,それぞれ1.00(0.53)と2.17(0.50)であった。生後2か月時点の乳児では,49人中48人(98%)からスパイク蛋白に対するIgG抗体を検出した。乳児の抗体価は平均値で1.29(0,53),母体血の抗体価(相関係数r=0.5)や臍帯血の抗体価(r=0.43)と相関がみられた。ワクチン接種母の児では,感染母の児に比べ,抗体価が持続していた。生後6か月の時点で,接種母の児28人中16人(57%)はELISA法で検出可能な抗体を保有していた。一方で,感染母の児12人中1人(8%)にのみ検出可能なレベルの抗体が存在していた。吸光度による平均抗体価はそれぞれ0.33(0.46)と0(0,01)だった。
 これらの結果から,自然感染よりワクチン接種の方が,妊婦から新生児に移行するSARS-CoV-2抗体レベルが高いことが判明した。妊娠20~32週にワクチン接種を受けた母親から生まれた児の半数以上は生後6か月までIgG抗体価が検出されたことから,乳児の感染予防の観点からも妊婦のワクチン接種は推奨できると結論づけていた。

③ コロナワクチン接種後のメモリーT細胞の反応
 4種類のコロナワクチン(ファイザー社/BNT162b,モデルナ社/mRNA-1273,ジョンソン・エンド・ジョンソン社/Ad26.COV2.S,ノババックス社/NVX-CoV2373)によって誘導されたT細胞応答が,アルファ株からオミクロン株までの変異株(アルファ株(B.1.1.7),ベータ株(B.1.351),ガンマ株(P.1),ラムダ株(C.37),ミュー株(B.1.621),カッパ株(B.1.617.1),デルタ株(B.1.617.2),オミクロン株(B.1.1.529))に対しても反応するか,ワクチン接種から6か月経過しても反応が維持されているかが検討された。
 ウイルスのスパイク蛋白受容体結合ドメイン(SARS-CoV-2 S protein receptor binding domain (RBD))に対するメモリーB細胞の反応は,ワクチン接種から6か月以上経過した段階で,変異株に対する平均値で71%,オミクロン株に対しては42%に減少しており,中和抗体価の減少とともにワクチンの感染予防効果の減衰への関与が示唆される。一方,メモリーT細胞の反応性はより高く維持されており,CD4細胞は変異株に対する平均値で90%,オミクロン株に対しても84%が反応した。同様にCD8細胞は変異株に対する平均値で87%,オミクロン株に対しても85%が反応していた。これらの結果から,ワクチンが誘導したT細胞の機能が保持されることが,ウイルスの新たな変異株に対しても第2段階の防御として一定の役割を果たすことが期待される。

④ BA.2に対する中和抗体価
 ファイザー社ワクチン(BNT162b)の初回(1~2回目)および追加接種済みでCOVID-19感染歴のない者と,ワクチン接種歴によらず感染歴のある者を対象に,中国武漢で分離されたWA1/2020株およびオミクロン株BA.1およびBA.2に対する中和抗体価を調査した。
 ワクチン接種の最初の2回投与後,WA1/2020株およびオミクロン株BA.1およびBA.2に対する疑似ウイルス中和抗体価の中央値はそれぞれ658,29および24で,WA1/2020に対する中和抗体価は,BA.1とBA.2に対する抗体価のそれぞれ23倍,27倍であった。初回接種の6か月後のWA1/2020に対する中和抗体価の中央値は129に,BA.1とBA.2に対しては20未満に低下した。追加接種の2週間後,WA1/2020,BA.1とBA.2に対する中和抗体価の中央値は,それぞれ6,539,1,066,776と大幅に増加したが,WA1/2020に対する中和抗体価は,BA.1とBA.2に対する抗体価のそれぞれ6.1倍,8.4倍であった。またBA.1に対する中和抗体価は,BA.2に対する抗体価と比べて1.4倍高かった。感染者のうち,WA1/2020,BA.1とBA.2に対する中和抗体価が検出されたものは,BA.1に対する中和抗体価はBA.2に対する抗体価の1.3倍高かった。中和抗体が検出されなかった感染者はワクチン接種を受けていなかった。
 以上から,BA.2に対する中和抗体価はBA.1に対するものと類似しており,BA.2に対する中和抗体価の中央値はBA.1に対するものより1.3~1.4倍低いことを示している。BA.1またはBA.2に対する一貫した中和抗体価の誘導にはワクチンの追加接種が必要であった。BA.1に感染したワクチン接種者では,BA.2に対する強力な中和抗体が発現したが,このことは交差反応性の自然免疫応答を示唆している。

⑤ 感染による免疫とワクチン接種による免疫
 英国の無症状の医療従事者の前向きコホート研究で,免疫の持続期間と有効性が検討された。過去の感染の有無で層別化し,ワクチン接種者と未接種者とで,PCR検査で感染が確認されるまでの期間を比較することで,ワクチンの有効性(1回目接種後最長10か月まで)と感染による免疫を評価した。過去のSARS-CoV-2感染の有無,ワクチンの種類と接種間隔,人口統計学的特性,職場におけるSARS-CoV-2曝露で補正し,Cox回帰モデルを用いて解析した。
 参加者35,768例中9,488例(27%)にSARS-CoV-2感染歴があった。ワクチン接種は,参加者の97%が2回接種を受けていた(ファイザー社で接種間隔が長かった者78%,接種間隔が短かった者9%,アストラゼネカ社ワクチン接種者8%)。2020年12月7日~21年9月21日に初感染2,747例,再感染210例を認めた。感染歴のない者のうち,ファイザー社の長い接種間隔の者では,補正後のワクチン有効率は2回目の接種後14~73日の時点で85%(95%CI:72~92)であったが,2回目の接種後中央値201日(IQR197~205)の時点で51%(95%CI:22~69)に低下した。この有効率に,接種間隔の長い者と短い者との間で有意差は認めなかった。アストラゼネカ社を接種した者は,補正後のワクチン有効率は2回目接種後14~73日の時点で58%(95%CI:23~77)であり,ファイザー社接種者よりも大幅に低かった。感染による免疫は,ワクチン未接種の場合1年後に減衰したが,感染後にワクチン接種した場合は,感染後18か月を経過している者でも一貫して有効率90%を超えていた。
 以上から,感染による免疫の高さはワクチン接種で増強されることと,感染後1年を超えて持続することが明らかとなったことから,COVID-19の罹患者に対して積極的にワクチン接種を行うことの根拠となる。

⑥ COVID-19回復後のワクチンの有効性
 前述の英国の報告と同様,COVID-19の回復後のSARS-CoV-2への防御免疫の持続がどの程度持続するか,また回復後のワクチン接種についてイスラエルから報告された。
 イスラエルの大規模医療機関の電子診療録をレビューし,コロナワクチン接種前にSARS-CoV-2に感染し,回復した患者における再感染率を評価した。2021年3月1日~11月26日に,回復後にファイザーワクチンを接種した者と接種しなかった者とで,再感染率を比較した。
 COVID-19の回復後の患者149,032例のうち83,356例(56%)が研究期間の270日間にワクチン接種を受けた。再感染は,ワクチン接種を受けた354例(10万人あたり2.46例/日)に発生し,ワクチン接種を受けなかった65,676例では2,168例(10万人あたり10.21例/日)に発生した。ワクチンの有効率は16~64歳で82%(95%CI:80~84),65歳以上で60%(同36~76)と推定された。1回接種の有効性は,2回接種と比較して有意差はなかった。
 以上から,COVID-19回復者において,ファイザー社ワクチンを少なくとも1回受けることは,再感染のリスクが有意に低いことに関連する。

⑶ 追加接種(3回目接種)の接種後の副反応
 ファイザー社ワクチン初回接種者に対する3回目接種後の安全性調査(コホート調査)が行われており,第77回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(3月18日)で中間報告が示された。調査内容は,体温,接種部位反応,全身反応を日誌に記入したものを提出し,胸痛出現時の詳細情報や,副反応疑い,重篤なAE(Adverse Event)などのコホート調査による頻度調査である。

表3.ファイザー社初回接種後8日目以降の健康観察日誌記録

 本調査では,追加接種者の最終接種12か月までのブレークスルー感染率,重篤なAE(因果関係問わず),追加接種者の最終接種12か月後までのCOVID-19抗体価(調査対象者の一部)の調査を予定している。
 なお,コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状が遷延する者が存在するため,厚労省は各都道府県に対して,受診を希望される方が専門的な医療機関に円滑に受診できるための医療体制を構築するよう依頼したところである。各都道府県が,新型コロナワクチン接種体制確保事業の対象として,医療体制の確保と周知に向けて準備中である。

⑷ 5~11歳対象のコロナワクチン
 米国では日本に先がけて2021年11月にファイザー社ワクチンの接種推奨年齢に5~11歳が加えられたが,米国疾病対策センター(CDC)はコホート研究で5~11歳の小児に対するワクチン接種の有効性を検証した。
 2021年7月~22年2月に,米国の4州(アリゾナ,フロリダ,テキサス,ユタ)に在住する5~11歳の小児1,346例(女児52%,5~11歳1,057例(77%),12~15歳312例(23%))を対象にコロナワクチンの有効性を検証した。観察期間中に,5~11歳381例,12~15歳127例がCOVID-19を発症した。うちオミクロン株陽性はそれぞれ352例(93%),97例(76%)であった。
 ワクチン未接種児での発症は252例,うち140例(55.6%)が有症状,112例(44.4%)が無症状であった。有症状者の内訳は,デルタ株感染67例,オミクロン株感染73例であった。症状の継続期間は平均6.9日,ベッド上安静期間は平均1.9日だった。デルタ株感染時に比べてオミクロン株感染時の症状の平均継続期間は有意に短かった(8.6日:5.3日,p=0.006)。ワクチン2回接種は,5~11歳児の682例と12~15歳児の212例で,2回目接種からの経過期間は,前者14~82日,後者14~149日であった。ワクチン接種後14~149日の間にオミクロン株に感染した186例のうち,70例(37.6%)は無症状だった。有症状者におけるベッド上での安静期間は平均1.4日で,ワクチン未接種者に比べて有意に0.6日短かった(95%CI:‒1.1~‒0.1日,p=0.016)。
 社会人口統計学的特性,健康状態,社会的接触度,マスクの有用状況,居住地,地域の感染状況を調整した解析では,ワクチン接種の5~11歳児では未接種児に比べてオミクロン株の感染リスクが31%低減していた(aVE31%,95%CI:9~48%)。またワクチン接種の12~15歳児では,未接種児に比べてデルタ株,オミクロン株の感染リスクがそれぞれ87%(aVE87%,95%CI:49~97%),59%(同59%,22~79%)低減していた。
 以上の結果から,5~15歳児へのワクチン2回接種が,オミクロン株の感染予防に有効である,とCDCの研究班は結論づけた。

⑸ 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(第31回,2022年3月24日)の論点
① 12~17歳に対する3回目接種
 諸外国における3回目接種について推奨しているのは,イスラエル(12歳以上,2021年8月29日~),米国(12歳以上,22年1月5日~),ドイツ(12歳以上,22年1月13日~),英国(12~15歳;重症化リスクの高い者や免疫不全者と同居,16歳以上は接種可,22年1月17日~),フランス(12歳以上,22年1月24日~),カナダ(12~17歳;基礎疾患を有する者など,22年1月28日~)である。対象を12歳以上の者すべてに推奨している国と,重症化リスクの高い者等に限定して推奨している国がある。
 分科会では米国からの複数の報告が示された。デルタ株流行期以前の研究では,12~18歳へのファイザー社ワクチン2回接種による入院予防効果は95%,ICU入室に対する予防効果は98%で,生命維持装置を要する治療への予防効果は99%と報告された。また12~17歳の2回目接種から救急外来受診を減少させる効果は経時的に低下し,オミクロン株流行期では2回目接種から150日以降は有意な効果を認めなかった。デルタ株あるいはオミクロン株流行期には2回目接種から5か月以上経過後の入院予防効果は12~15歳で73%,16~17歳で88%と報告されている。3回目接種の有効性については,18歳以上でのオミクロン株に対する有効性およびその推移についての報告が示された。16~17歳に対する3回目接種の有効性として,オミクロン株流行期に2回目接種から14~149日後の救急外来受診の現状効果が34%であったが3回目接種から7日以上経過後には81%に上昇するとの報告が示された。さらに12~17歳の3回目接種の安全性に関する報告も示された。
 以上を検討した結果,分科会としての意見は次の様にまとめられた。

  • 12~17歳の3回目接種に関しては,緊急のまん延予防のために実施するという趣旨を踏まえ,今後流行する変異株の状況,ワクチンの有効性・安全性に関する知見,諸外国における対応状況等も勘案して総合的に判断し,ファイザー社ワクチンを用いて特例臨時接種に位置づける
  • 12~17歳の者のうち,重症化リスクの高い者に対しては,3回目接種を推奨する

 これを受けて,新型コロナワクチンに関する関係法令等が改正となり,追加接種は「12歳以上の者」,使用するワクチンは「ファイザー社のみ」でモデルナ社は用いないこと,とされた。
 3月25日に厚労省は自治体説明会を実施し,全国自治体に向けて12~17歳への追加接種のための接種体制確保についての説明を行った。

② 4回目接種
 コロナワクチンの4回目接種の有効性(感染予防効果,重症化予防効果)および安全性に関するいずれもイスラエルからの報告が示された。ひとつは,ファイザー社ワクチンで4回目接種(3回目から4か月以上経過)を行った60歳以上の者でのオミクロン株流行下では,1.9倍の感染予防効果および4.0倍の重症化予防効果が得られたとの研究報告である。もうひとつは18歳以上の医療従事者を対象としたコホート臨床研究で,オミクロン株流行下においてファイザー社またはモデルナ社ワクチンでの4回目接種では,感染予防効果は3回目接種と比較してそれぞれ30.0%および10.8%であり,発症予防以降かはそれぞれ43.1%および31.4%であったとする報告である。安全性については,COVID-19感染既往のない18歳以上の医療従事者対象の臨床研究で,ファイザー社またはモデルナ社ワクチン4回目接種後の局所反応は80.3%,全身反応は48.5%で,重大な副作用はなかったと報告された。
 分科会では,オミクロン株の感染が収束しない中で,今後の再拡大も念頭に置きつつ,3回目接種後のワクチンの有効性の持続期間や,現時点までに得られている4回目接種の有効性,安全性,諸外国における4回目接種の対応状況を踏まえ,重症化予防・発症予防を目的として,4回目接種を特例臨時接種として実施するための準備を開始すること,3回目接種としては薬事承認されているワクチン(現時点ではファイザー社,武田/モデルナ社)を使用すること,3回目接種からの接種間隔は薬事上安全性が認められている間隔を基本とする(諸外国の動向を踏まえて改めて検討する)こと,対象者は3回目接種を完了したすべての者に4回目接種の機会を提供することを想定しつつワクチンの有効性・安全性,効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえて引続き検討する,とした。
 政府は今夏にも4回目接種を開始することを想定しており,3回目接種の全対象者分を上回る1億2,820万回分のワクチンの配送を4月末までに終える計画を発表している。4回目接種用として,2022年に輸入するファイザー社7,130万回と同年上半期にモデルナ社2,350万回分を回す方針としている。
 3月25日に厚労省は各自治体に向けて追加接種(4回目接種)の体制確保に向けた準備を進めるよう,事務連絡を発したが,具体的な接種開始時期や対象者,接種方法等は未定である。

③ ノババックス(武田ワクチン)
 ウイルス抗原(SARS-CoV-2スパイク蛋白)の遺伝子をもとに,昆虫細胞を用いて発現させた遺伝子組み換えSARS-CoV-2スパイク蛋白質をナノ粒子化して製造されたワクチンで,アジュバントが添加されている。不活化ワクチンの一種であり,B型肝炎ウイルスワクチンをはじめ幅広く使用されている技術である。本剤の接種により,抗原提示細胞がSARS-CoV-2の組換えスパイク蛋白質を取り込み,リンパ組織で抗原提示細胞がT細胞に抗原提示を行い,T細胞がB細胞を刺激することによりCOVID-19に対する抗体を産生する。
 ノババックスワクチン接種後約3か月における野生株・アルファ株・ベータ株・ガンマ株に対する発症予防効果は90.4%と報告された。安全性については,18歳以上で接種後7日までの局所・全身反応は軽度~中等度で一過性であり,安全性の懸念は認めなかったと報告された。ファイザー社またはアストラゼネカ社ワクチンを2回接種後にノババックスで追加接種(交互接種,半量)を行った場合,初回シリーズがファイザー社およびアストラゼネカ社のいずれでもデルタ株に対する中和抗体が有意に上昇したと報告された。またノババックスでの追加接種の安全性は,報告された副反応は許容される範囲で,重篤な副反応はワクチンとは関連性がない,と報告された。
 諸外国におけるノババックスの接種は,次のとおりである。

  • WHOとEUは18歳以上で初回シリーズとして接種しうる
  • フランスは18歳以上でその他のワクチン接種が禁忌あるいはmRNAワクチンを拒否する者に対して初回シリーズとして3週間隔で2回接種しうる
  • ドイツは18歳上以上で妊娠中または授乳中以外の者に対して初回シリーズとして3週間隔で2回接種しうる
  • カナダは18歳以上で初回シリーズとして8週間隔で2回接種しうる,またはmRNAワクチンが接種できないまたは希望しない者への追加接種として接種しうる
  • イスラエルはmRNAワクチンを接種できない,または希望しない者への初回シリーズ接種の使用を審査中
  • 米国と英国は接種指針に記載がないが,英国は2022年2月3日に18歳以上の初回シリーズの使用を承認した。

 分科会として,ノババックスを我が国で用いることについて,明確な結論は出さなかった。今後も引続き検討すると思われる。

⑹ 4回目接種の有効性と意義について
 イスラエルではすでに4回目接種が行われており,その結果の一部が報告されたが,この報告は前述の厚生科学審議会ワクチン分科会で協議のための資料として提示された。結論からいえば,めざましい効果が確認されなかった。イスラエルで医療従事者1,250人にファイザー社3回目接種から4か月後以降に154人がファイザー社で,120人がモデルナ社で4回目接種を受けた。ワクチン接種後のスパイク蛋白RBD(ウイルス中和抗体)の量の推移を検討した。2回目よりは3回目,3回目よりは4回目接種後の方が抗体価は高くなっているが,それほど大きな変化とは言えない。3回目の接種後は時間経過とともに抗体価が減少するが,4回目接種によってそれが再上昇することは確認できた。ワクチン接種後に産生される中和抗体の量は,変異株の種類によって異なる。ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンは,武漢で検出されたSARS-CoV-2(いわゆる野生株)のスパイク蛋白を細胞内で産生して免疫を得るというものであるが,オミクロン株では非常に多くのスパイク蛋白の変異が起こっており,野生株のスパイク蛋白とは大きく異なっている。このため,mRNAワクチン接種によって野生株に対する中和抗体は多く産生されるが,オミクロン株に反応するための中和抗体は十分ではない。4回目の接種では,野生株と比べるとオミクロン株では10分の1以下の量であり,十分とは言えない。中和抗体の量は感染予防効果と概ね相関すると考えられており,オミクロン株に対して十分な中和抗体が産生されないことは,感染予防効果は十分ではないことが推測される(重症化予防効果は中和抗体価とは相関しない)。この報告では,3回目接種まで(4回目未接種)の人は観察期間中に25%がオミクロン株に感染したのに対し,4回目接種のうちファイザー接種群は18.3%,モデルナ接種群は20.7%が感染しており,3回目接種のみの人と比べると感染予防効果はそれぞれ30%,11%と算出された(ただしこの研究は参加人数が少ないことと,対象者が比較的若年層であることから,過小評価の可能性もある)。また,オミクロン株に感染した医療従事者は,4回目接種群の方が無症候性感染の割合が多く(25.0~29.2%),4回目接種群は3回目接種群と比べてウイルス量は多く,感染した場合に周囲へ感染を広げるリスクは恐らく変わらないと考えられる。安全性については,3回目接種に比べて副反応が多くなることはないようである。
 ファイザー社のプレリリースでは,イスラエルでの60歳以上の高齢者対象の4回目接種(3回目接種から4か月後以降に4回目)では,3回目接種と比べて4回目接種で感染者が半分,重症化が4分の1と報告した。
 これらのデータを基に,米国FDA(食品医薬品局)に対して,ファイザー社は65歳以上高齢者への4回目接種,モデルナ社は18歳以上の4回目接種緊急使用許可の申請を行った。我が国では,現時点では前述のとおり,4回目接種体制確保を各都道府県に事務連絡がされただけの段階である。
 すでに3回接種を完了して重症化リスクが大きく下がった人にとって,3回目から4か月という短い間隔で4回目の接種を行うのは,現実的ではない。今回の4回目接種に関する報告は,有効性を示したものではなく,既存のワクチンの限界を示したと捉えるべきである。既存のワクチンでは重症化予防効果が保たれているが,短期間で出現する新たな変異株に対して十分な感染予防効果を持続的に維持することができなくなっており,4か月ごとに追加接種を延々と行うことは,一部の免疫不全者や基礎疾患を有する人や高齢者以外の人にとっては現実的には難しいと考える。
 追加接種の効果を高めることを目的として,ファイザー社やモデルナ社はオミクロン株に合わせて開発した特化型ワクチンの臨床試験に取組んでいる。3月10日にモデルナ社はオミクロン特化型を組み合わせた2価ワクチンの臨床試験を開始したことを発表した。しかし,これらの臨床試験結果が出そろう頃には,すでに新たな変異株が出現している可能性が高く,特化型が最適とは限らない。今後,さらなるワクチン開発,特に中長期的に複数の変異株に効果があり,新たな変異株にも対応できる汎用型ワクチンの開発が望まれるところである。
 我が国が,先行するイスラエルに右に倣えで,短絡的に4回目接種の開始を決めないことを望むばかりである。

⑺ ジョンソン・エンド・ジョンソン社(J&J)ワクチン(Ad26.COV2.S)の単回投与と追加接種
 J&JのAd26.COV2.Sワクチンは,複製能力のない組換えアデノウイルス血清型26(Ad26)ベクターに,スパイク蛋白質遺伝子の全長を安定化して組み入れたもので,ワクチンの塩基配列は最初に単離された武漢株を採用している。
 南アフリカ共和国の18歳以上の医療従事者47万7,102例(女性74.9%:男性25.1%,年齢中央値42歳)が,2021年2月17日~5月17日の間にAd26.COV2.Sワクチン(ウイルス粒子量5×1010)単回接種を受け,このうちワクチン接種者21万5,813例とワクチン未接種者21万5,813例とマッチングして分析した。主要評価項目は,一般集団と比較した重症COVID-19(COVID-19関連入院,救命救急または集中治療を要する入院,死亡)に対するワクチンの有効性で,ワクチン接種またはマッチングから28日以降のデータカットオフ日(21年7月17日)まで評価した。
 データカットオフ日時点で,マッチングされた全コホートにおけるワクチンの有効性は,COVID-19関連死の予防が83%(95%CI:75~89),救命救急または集中治療を要するCOVID-19関連入院の予防が75%(同69~82),COVID-19関連入院の予防が67%(同62~71)であった。この試験の期間中にベータ株,その後デルタ株が流行したが,ワクチンの有効性は一貫していた。
 このようにAd26.COV2.Sワクチン単回接種で重症COVID-19の予防に有効性があることが示されたが,SARS-CoV-2スパイク蛋白の特異的抗体価は,mRNAワクチンと比較して低い。そこで,Ad26.COV2.Sワクチンによる初回免疫を受けた人における,同種ワクチンあるいは異種ワクチンによる追加接種の免疫原性と反応原性を明らかにするため,医療従事者を対象とする単盲検多施設共同無作為化比較試験が行われた。
 オランダでAd26.COV2.Sワクチンにより初回免疫を受けた医療従事者を対象とし,同種ワクチンまたは異種ワクチンによる追加接種後28日の時点での免疫原性と反応原性の評価を行った。参加者を追加接種なし,Ad26.COV2.Sワクチンによる追加接種,モデルナ社ワクチンによる追加接種,ファイザー社ワクチンによる追加接種に割り付けた。主要評価項目はスパイク蛋白特異的抗体価とし,副次的評価項目は中和抗体価,スパイク蛋白特異的T細胞応答,反応原性(副反応)とした。同種または異種ワクチンによる追加接種により,Ad26.COV2.Sワクチンの単回接種(追加接種なし)と比較して,高いスパイク蛋白特異的結合抗体価,中和抗体価,T細胞応答が得られた。結合抗体の増加は,mRNAワクチンの異種ワクチンが,同種ワクチンによる追加接種よりも有意に大きかった。モデルナ社ワクチンによる追加接種は,免疫原性が最も高く,ファイザー社ワクチン,Ad26.COV2.Sワクチンによる追加接種よりも高い反応原性をともなった。局所反応および全身反応は大部分が軽症~中等症で,追加接種の最初の2日間にみられた。以上から,Ad26.COV2.Sワクチンにより初回免疫を受けた医療従事者において,Ad26.COV2.SワクチンまたはmRNAワクチンによる追加接種は,容認可能な安全性プロファイルを示し,免疫原性を有していた。またmRNAワクチンによる追加接種では,最も強い反応が得られた。追加接種なしと比較して,いずれのワクチンを用いた追加接種では良好な結果が得られた。

5.その他

⑴ 「みなし陽性」からの見直し
 第6波の感染急拡大にともなって,一部の地域の医療機関において抗原定性検査キットが不足する事態に陥り,検査を十分に実施できなくなっていた。そのため,1月下旬に,すでに陽性が判明している感染者の同居家族の濃厚接触者に対しては,検査を行わなくても臨床診断で陽性と判断することを可能とする国の通知が発出された。これにより臨床診断で陽性と判断(「みなし陽性」)した上で,疑似症届を提出することになった。その後,検査キットを診療・検査医療機関等の医療機関に優先して配布することと,国からの要請で検査キットの増産が行われ,検査キットの供給状況が改善してきた。このことから,4月1日以降は,可能な限り検査で陽性を確認した上で診断するよう,3月30日付けで京都府健康福祉部健康対策課および京都市保健福祉局医療衛生企画課の連名で診療・検査医療機関に依頼があった。ただし,例えば,乳幼児を含む小児が濃厚接触者であって保護者が陽性者であるなどで,受診することが困難な場合は,「みなし陽性」は許容されることになろう。
 なお,厚労省は薬局での抗原定性検査キット(2021年9月27日から特例的に販売を可とした)の取り扱いについて,販売にあたっての留意点を一部改正した。今回の改正で,陰性の場合の対応として「抗原定性検査の性質上,感染の可能性が否定されたわけでなく,偽陰性の可能性もある」との記述が追加され,また「無症状者への使用は推奨されていない」の但し書きが削除された。同時に,これまで求められていた購入者への確認書の署名も廃止された。

⑵ 新たなSARS-CoV-2検査
 現時点では,鼻咽頭拭い液などを標本とするPCR検査が,SARS-CoV-2感染を判定する標準的検査であるが,この方法では短時間で大人数を調べる空港検疫所やイベント会場などでのスクリーニング検査には適しているとは言えない。短時間で判定結果が得られ,検査精度が高く,侵襲の少ないかつ費用対効果の高い検査システムは,感染の管理をより容易にできることになる。イスラエルから,フーリエ変換赤外光(FTIR)分析技術とAI技術を組み合わせて,呼気中の有機化合物を検出することによって,SARS-CoV-2感染を検査する技術を開発したことが報告された。
 イスラエルBreath of Health社(BOH社)の呼気分析システムを利用したFTIR分光分析とAIを組み合わせて,持ち運び可能(W70cm×D90cm×H115cm)で,FTIR分光器とMCT検出器などで構成された装置を作製した。分析から結果の表示までにかかる時間は45秒で,次のサンプルを分析する前のクリーニングに45秒を要するが,サンプルの採取から2分15秒で検査結果が得られる。この新たな検査システムのSARS-CoV-2検出における感度と特異性を,病院の検査室で行われたPCR検査と比較した。
 被験者は,2021年2月から4月にイスラエルの病院2施設の救急部門を受診した患者で,COVID-19の症状はないがSARS-CoV-2感染の可能性のある者で,呼吸困難や発熱等の明らかに感染を疑う症状のある者は除外した。被験者全員から,鼻/咽頭拭い液を採取してPCR検査を行い,同時に深く息を吸い込んでからプラスチックバッグに呼気を吐き出して0.7Lを回収してBOH呼気分析を行った。297人の被験者のうち,PCR陽性は96人(男44:女50:不明2)で,201人(男112:女89)が陰性であった。被験者の年齢中央値は57.08歳。297人から得られた呼気標本を3群に分け,AI学習とアルゴリズム開発に100検体(陽性と陰性が50件ずつになるようにランダムに選んだ),アルゴリズムの予備的検証に100検体,さらに別の専門家が実施したPCR検査結果と照合した。
 AI学習段階では,赤外光分画で検査した場合の検体の信号強度のピークとトラフのパターンを調べ,PCR陽性検体と陰性検体のそれぞれに特異的なパターンをAIに学習させたところ,波長が2808.44nm,3230.31nm,3404.36nmの信号強度を指標にすれば,PCR陽性患者の呼気と陰性患者の呼気を識別できることが示唆された。予備的検証段階では,評価者の1人が,得られたアルゴリズムの検証を行い,100検体(PCR陽性34:陰性66)を分析したところ,AIの判定結果とPCR検査の結果が完全に一致した。第2段階検証では,さらに異なる評価者間の結果との相関についても検討し,医療従事者の2人が97検体について判定したが,やはりFTIR/AIとPCR検査の結果は一致していた。ここまでの仮定で,すべての標本を正確に陽性または陰性と判定することができたため,PCR検査の結果と比較した感度と特異性はいずれも100%になった。
 今後は,さらに大規模なサンプルで確認する必要があるが,SARS-CoV-2のスクリーニング検査として有望な方法になると思われる。

⑶ コロナ治療薬
① 中等症へのアスピリン投与
 米国立衛生研究所(NIH)のNational COVID Cohort Collaborative(N3C)のデータベースを用いて,中等症のCOVID-19入院患者11万例超を対象としたコホート研究で,早期アスピリン投与の有効性が検討された。
 米国の64施設が参加するN3Cデータベースに登録された患者のうち,SARS-CoV-2陽性が確認されて入院し,入院初日に中等症COVID-19と診断された18歳以上の11万2,269例(年齢中央値63歳)で,入院初日にアスピリンを投与された早期アスピリン群が1万5,272例(13.6%),投与されなかった非アスピリン群が9万6,997例(86.4%)を解析対象とした。主要評価項目は28日以内の院内死亡率,副次評価項目は肺塞栓症および深部静脈血栓症とした。
 28日以内の院内死亡率は非アスピリン群の11.8%に対して早期アスピリン群では10.2%と有意に低かった(オッズ比OR 0.85,95%CI:0.79~0.82,p<0.001)。この死亡率低下の効果が最も大きかったのは,60歳超の高齢者と基礎疾患を有する患者であった。高齢者の死亡のORは,61~80歳で0.79(95%CI:0.72~0.87,p<0.001),80歳超で0.79(同0.69~0.91,p<0.001)であった。60歳以下では有意なリスク低下はなかった。基礎疾患を有する患者の死亡のORは,併存疾患が1疾患で0.68(95%CI:0.55~0.83,p<0.001),2疾患で0.80(同0.69~0.84,p=0.003),3疾患で0.78(同0.68~0.89,p<0.001),3疾患超で0.74(同0.66~0.84,p<0.001)であった。つまり早期アスピリン群では60歳超と併存疾患ありで院内死亡率の低下が顕著であったといえる。
 肺塞栓症の発症率は,非アスピリン群の1.4%に対して早期アスピリン群では1.0%と有意に低かったが,深部静脈血栓症の発生率は両群とも1.0%であった。また,出血性合併症(消化管出血,脳内出血など)の発生率に両群で有意差はみられず,早期アスピリン群による有意な発生率上昇は認められなかった。
 本研究は観察研究であるため因果関係を証明できておらず,多様な高リスク患者を対象としたランダム化比較試験による検証が必要である。

② パキロビットと薬物相互作用
 2022年3月に承認されたCOVID-19の経口治療薬ニルマトレビル/リトナビル(商品名パキロビッドパック)について,日本血栓止血学会は血栓止血領域の薬剤との相互作用をとりまとめて,28日に公式サイトで公表した。
 パキロビッドは,3CLプロテアーゼ阻害薬のニルマトレビルと,抗HIV薬のリトナビルを併用しているが,リトナビルは主にCYP3A4およびCYP2D6,P糖蛋白質(P-gp)の阻害作用,CYP1A2の誘導作用を有している。そのため,次のような基質となる薬剤との併用時は,リトナビルが血中濃度に影響を及ぼす可能性がある,とした。

  • CYP3A4やDYP2D6の基質となる薬剤は血中濃度が上昇
  • CYP1A2の基質となる薬剤は血中濃度が低下
  • P-gp基質薬剤は血中濃度が上昇する可能性

 しかしながら,CYP3A4の代謝を受けるものの併用で多大な影響が及ぶとは限らない,としている。その上で,ワルファリン,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC),抗血小板薬,ヘパリン,その他の薬剤との併用の可否について公式サイトで解説している。
 ワルファリンは使用注意とした。併用に関するデータはないが,パキロビッドとの併用でワルファリンの血中濃度が低下する可能性がある。そのためプロトロンビン時間(INR)の測定が望ましいとした。
 DOACは,リバーロキサバンが併用禁忌とした。パキロビッド併用によって血中濃度が著しく上昇し出血リスクが増すため,併用が推奨されない。併用時は心臓専門医/血液専門医に相談の上,リバーロキサバン投与を中止した場合,パキロビッド最終投与3日後に再開する,とした。

 アピキサバン,エドキサバン,ダビガトランはいずれも併用注意とした。アピキサバンは米国では必要に応じて減量(2.5mg)して使用するオプションが提示されている。またアピキサバンを減量(2.5mg×2回/日)し,パキロビッドを併用したHIV感染者6例において有害事象が報告されていないなど,ガイドラインによってアピキサバンへの見解が分かれている。心臓専門医/血液専門医に相談の上,アピキサバンを中止した場合はパキロビッド最終投与3日後に再開する。アルガトロバンは使用可とされた。併用データはないが,ヒトでの検討では強力なCYP3A4阻害薬との併用でも薬物動態に変化がなく,CYP3A4は主な代謝経路ではないと考えられている。
 抗血小板薬のうち,クロピドグレルは併用注意から禁忌となった。パキロビッド併用によりクロピドグレルの効果が減弱する可能性があり,特に冠動脈ステント留置後6週間以内の血栓症の高リスク例には併用を避けるべしとしている。
 チカグレロルは併用禁忌で,CYP3A4による代謝を受けるため,パキロビッド併用により血中濃度が大幅に上昇する。プラスグレルで代替可能であり,変更することを求めている。
 アスピリン,ジピリダモール,プラスグレルの3剤は併用可とした。プラスグレルは併用データがあり,CYP3A4およびCYP2D6によって活性を受けるため,併用時に活性化濃度が52%低下するものの,抗血小板効果は減弱しなかったため,パキロビッド併用時はプラスグレルがクロピドグレルの代替薬になりうる。
 ヘパリンは,未分化ヘパリン,ダルテパリン,エノキサパリン,フォンダパリヌクスはいずれも併用可である。これらはCYPによる代謝をほぼ受けず,尿中に排泄されるなどの理由から,併用による薬物相互作用は考えにくいとしている。
 その他の薬剤として,トラネキサム酸,トロンボモジュリン製剤,血栓溶解療法(rt-PA)はインタビューフォームに基づき,CYPとの関連は考えにくいとしている。

<資料>
#「SARS-CoV-2 Infection and Hospitalization Among Adults Aged ≧18 Years, by Vaccination Status, Before and During SARS-CoV-2 B.1.1.529 (Omicron) Variant Predominance — Los Angeles Country, California, November 7, 2021 – January 8, 2022」(P Danza, TH Koo, et al. MMWR, Vol.71, No.5, Feb 4, 2022)
#「Efficacy of Antiviral Agents against the SARS-CoV-2 Omicron Subvariant BA.2」(E Takashita, N Kinoshita, et al. N Eng J Med. 2022 Mar 9, Epub ahead of print)
#「Protection against the Omicron Variant from Previous SARS-CoV-2 Infection」(HN Attarawneh, H Chemaitelly, et al. N Eng J Med. 2022 Mar 9, Epub ahead of print)
#「Durability of omicron-neutralising serum activity after mRNA booster immunization in older adults」(K Vanshylla, P Tober-Lau, et al. Lancet Infect Dis. 2022 Feb 28)
#「Occurrence and significance of Omicron BA.1 infection followed by BA.2 reinfection」(M Stegger, SM Edslev, et al. medRxiv. 2022 Feb 22)
#「Reinfection with different subtype of Omicron is possible」(Statens Serum Institut, Denmark, 2022 Feb 22)
#「Detection of SARS-CoV-2 infection by exhaled breath spectral analysis: Introducing a ready-to-use point-of-care mass screening method」(IB Shalomo, H Frankenthal, et al. eClinMed 2022;45:101308)
#「Covid-19 Vaccine Effectiveness against the Omicron (B.1.1.529) Variant」(N Andrews, J Stowe, et al. N Eng J Med. Mar 2, 2022)
#「SARS-CoV-2 vaccination induces immunological T cell memory able to cross-recognize variants from Alpha to Omicron」(A Tarke, CH Coelho, et al. Cell 185:947-59)
#「Transmission of SARS-CoV-2 Omicron VOC subvariants BA.1 and BA.2: Evidence from Danish Households」(FP Lyngse, CT Kirkeby, et al. medRxiv. 2022 Jan 30)
#「Efficacy of Antibodies and Antiviral Drugs against Covid-19 Omicron Variant」(E Takahashi, N Kinoshita, et al. N Eng J Med. 386;10, Mar 10, 2022)
#「Durability of Anti-Spike Antibodies in Infants After Maternal COVID-19 Vaccination or Natural Infection」(LL Shook, CG Atyeo, et al. JAMA 327;11, Mar 15, 2022)
#「Comparative analysis of the risks of hospitalization and death associated with SARS-CoV-2 omicron (B.1.1.529) and delta (B.1.617.2) variants I England: a cohort study」(T Nyberg, NM Ferguson, et al. Lancet online, Mar 16, 2022, s0140-6736(22)00462-7)
#「Neutralization of the SARS-CoV-2 Omicron BA.1 and BA.2 Variants」(J Yu, AY Collier, et al. New Eng J Med Org, Mar 16, 2022, c2201849)
#「SARS-CoV-2 Omicron Variant Neutralization after mRNA-1273 Booster Vaccination」(R Pajon, X Shen, et al.N Eng J Med 386;11, Mar 22, 2022)
#「Immunogenicity and Reactogenicity of Vaccine Boosters after AD26.COV2.S Priming」(RSG Sablerolles, WJR Rietdijk, et al. New Eng J Med 2022;386:951-63)
#「Homologous and Heterologous Covid-19 Booster Vaccinations」(RL Atmar, KE Lyke, et al. N Eng J Med 2022;386:1046-57)
#「Association of Early Aspirin Use With In-Hospital Mortality in Patients With Moderate COVID-19」(JH Chow, A Rahnavard, et al. JAMA Network 2022;5:e223890)
#「Effectiveness of 2-Dose BNT162b (Pfizer BioNTech) mRNA Vaccine in Preventing SARS-CoV-2 Infection Among Children Aged 5-11 Years and Adolescents Aged 12-15 Years – PROTECT Cohort, July 2021 – February 2022」(AL Fowlkers, SK Yoon, et al. MMWR 2022. Vol.71, No.11:422-428)
#「SARS-CoV-2 infection and COVID-19 vaccination rates in pregnant women in Scotland」(SJ Stock, J Carruthers, et al. Nature Medicine 2022;28:504-12)
#「Protection against SARS-CoV-2 after Covid-19 Vaccination and Previous Infection」(V Hall, S Foulkes, et al. New Eng J Med 386;13:1207-20)
#「Effctiveness of the BNT162b2 Vaccine after Recovery from Covid-19」(A Hammermann, R Seggienko, et al. New Eng J Med 386;13:1221-29)
#「武田/モデルナ社ワクチンのバイアルのゴム栓形状変更について」(2月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「小児への筋肉内注射の方法と注意点に関する動画の公開について」(2月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「軽症患者等を対象とした新型コロナウイルス感染症治療薬の治験等への挟瘀力依頼について」(2月25日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬(パキロビッドパック)の医療機関及び薬局への配分について(別紙及び質疑応答集の修正)」(2月28日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.0版」の周知について」(2月28日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き」の改訂について」(2月28日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナウイルス感染症の感染急拡大時の外来の対応について」(3月1日,健Ⅱ580F;地526,日医)
#「「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第5版)」について」(3月1日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「例外的な取扱として接種券が届いていない5歳以上11歳以下の者に対して新型コロナワクチン接種を実施する際の事務運用について」(3月1日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナワクチン追加接種に使用するファーザー社ワクチンの追加配分及び武田/モデルナ社ワクチンの配送の前倒し等について」(3月1日,事務連絡,厚労省健康局)
#「学校保健安全法に基づく児童生徒等の健康診断の実施等に係る対応について(周知依頼)」(3月1日,事務連絡,,文科省初等中等教育局)
#「新型コロナウイルス感染症対策に係る人材と医療提供状況に関するG-MIS調査項目の一部変更について(依頼)」(3月1日,地525:健Ⅱ579,日医)
#「新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品の承認情報について」(3月2日,地532,日医)
#「オミクロン株の特性を踏まえた保健・医療提供体制の対策徹底について」(3月2日,事務連絡,厚労省対策推進本部/医政局/健康局/老健局/保険局)
#「初回接種として武田/モデルナ社ワクチンを2回接種した者を対象とした追加接種に係る接種後の健康状況に関する調査について」(3月3日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置等に関する周知依頼について」(3月7日,事務連絡,厚労省医政局)
#「新規薬剤の導入に伴う抗原定性検査の活用について」(3月4日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「5歳以上11歳以下の者を対象とした新型コロナワクチン接種後の健康状況に関する調査について」(3月8日,事務連絡,厚労省健康局)
#「「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更等について」(3月4日,事務連絡,紋歌手緒初等中等教育局)
#「「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンに関する予防接種後健康状況調査の実施について」の一部改正について(3月10日,事務連絡,厚労省健康局)
#「12歳以上17歳以下の者への新型コロナワクチンの3回目接種に向けた接種体制の準備について」(3月11日,事務連絡,厚労省健康局)
#「B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び幸道制限並びに積極的疫学調査の実施について」(3月16日(3月18日一部改正),事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「医療従事者である濃厚接触者に対する外出自粛要請への対応について」(3月16日一部改正,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「抗原定性検査キットの供給に係る優先付け措置等の終了について」(3月16日,事務連絡,厚労省対策推進本部/医政局)
#「障害者支援施設等の従事者である濃厚接触者に対する外出自粛要請への対応について」(3月16日,事務連絡,厚労省対策推進本部/健康局/社会・援護局)
#「「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第5.1版)」について」(3月17日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「「オミクロン株が主流である間の当該株の特徴を踏まえた濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施に伴う学校に関する対応について」等の周知について(依頼)」(3月17日,事務連絡,文科省初等中等教育健康教育・食育課)
#「新型コロナウイルス感染症流行下における薬局での医療用抗原定性キットの取扱いについて」(3月17日一部改正,事務連絡,厚労省対策推進本部/医薬・生活衛生局:)
#「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について(一部改正)」(3月18日,事務連絡,厚労省健康局)
#「オミクロン株の特性を踏まえた保健・医療提供体制の対策徹底を踏まえた対応について」(3月18日,事務連絡,厚労省対策推進本部/医政局/健康局/老健局/保険局)
#「小児の新型コロナワクチンの接種に使用するファイザー社ワクチンの配分等について(その2)」(3月18日,事務連絡,厚労省健康局)
#「高齢者施設等の従事者等に対する検査の実施について」(3月18日,事務連絡,厚労省老健局)
#「新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報:発生動向の状況把握,2022年第11週(2022年3月14日~2022年3月20日;3月22日現在」(3月22日,国立感染症研究所感染症疫学センター)
#「新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の終了等に関する周知依頼について」(3月22日,事務連絡,厚労省医政局)
#「診療・検査医療機関の公表等について(再依頼)」(3月22日,府医/京都府健康福祉部)
#「職場における積極的な検査等の実施手順に関するQ&Aについて(周知依頼)」(3月22日,事務連絡,厚労省医政局)
#「新型コロナウイルス感染症の検査体制の強化について」(3月23日,事務連絡,厚労省対策推進本部)
#「遷延する症状を訴える方に対応する診療体制の構築について」(3月24日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保について,自治体説明会⑫資料」(3月25日実施,厚労省健康局)
#「「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について」(3月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬(ラゲブリオカプセル)の医療機関及び薬局への配分について(別紙及び質疑応答集の修正)」(3月25日最終改正,事務連絡,厚労省対策推進本部/医薬・生活衛生局)
#「新型コロナワクチン追加接種(4回目接種)の体制確保について」(3月25日,事務連絡,厚労省健康局)
#「5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」(3月16日改訂/28日一部修正,日本小児科医会)
#「パキロビッドパック(リトナビル含有COVID-19治療薬)との薬剤相互作用血栓止血領域における薬剤について」(3月28日一部改訂,日本血栓止血学会HP)
#「新型コロナウイルス感染症の感染拡大時の外来診療の対応(みなし陽性)について」(3月30日,事務連絡,京都愚健康福祉部/京都市保健福祉局)

2022年4月15日号TOP