2022年5月1日号
左京医師会と府医執行部との懇談会が1月15日(土),Webで開催され,左京医師会から22名,府医から10名が出席。「COVID-19関連」,「京都市介護認定審査会」,「医薬品や各種ワクチン供給不足と出荷調整」,「令和4年度診療報酬改定」をテーマに活発な議論が行われた。
〈注:この記事の内容は1月15日現在のものであり,現在の状況とは異なる部分がございます〉
懇談会開催時点において,年明け以降にオミクロン株による感染者が増加傾向にあった状況を受け,今後の新型コロナウイルス感染症への対応に向けて,3回目のワクチン追加接種,中和抗体薬・経口内服薬等を中心に情報共有と意見交換が行われた。
平成30年4月より,介護認定審査会における二次判定を保険者の判断で簡素化できるようになったことを受けて,京都市においても,認定者の増加・要介護認定審査の事務量の増加に対する負担軽減を目的として令和3年4月から簡略化することとし,京都市運用ルールで介護認定審査会の審査件数が最大35件とされたが,簡素化対象案件は1件=0.5件と換算されるため,審査件数が増加している状況にあると説明。令和3年の改正により,直前の要介護度と同じ要介護度と判定された者は更新申請の認定有効期間が最大48か月に延長されたことで,今後は簡素化が進むとトータルの審査件数は減少していくのではないかと推察した。
地区からは,認定審査時の膨大な資料について,要点をまとめた資料の添付により簡略化することが要望されるとともに,認定有効期間が48か月に延長されたことで区分変更が増え,より審査件数の増加につながるとの懸念が示された。
府医からは,主治医意見書をしっかりと記載することにより質の担保を図ることが重要であるとした上で,合議体において簡素化で対応すべき案件と,がん末期や区分変更等,十分な議論を要する案件とのすみ分けができるのではないかとの考えを示し,京都市に対しては,認定審査時の資料の簡素化を図り,より分かりやすいものにするよう改善を求めていくとした。
国内製薬企業の不祥事を契機として後発品を中心とした多くの医薬品が欠品し,供給不足の状態が続いていることについて,厚労省および日医の対応について説明。
日医では,かねてから後発品の企業数,品目数が多いことを指摘し,企業再編や品目数の絞り込みが最終的に流通改善や品質確保につながるとの見解を示していることと併せて,今回の供給不足に関しては,製薬企業から供給再開時期や代替薬等に関する情報提供が不十分であり,現場の医療機関に混乱をきたしているとの現状認識であることを報告した。
今後の対応として,医療用医薬品の供給不足が生じる場合の対応スキームに基づき,製薬企業から情報提供がされた場合には日医ホームページにて情報公開するとともに,医療機関に対しては,市場占有率の高い品目が出荷調整や回収の対象となる場合は,同種同効薬についても通常どおりの供給が難しくなることが考えられるため,患者の適格性,長期処方の見直しや処方の必要性の検討を積極的に行うよう呼びかけていることを紹介した。
厚労省は,安定供給を維持するための監督体制が手薄であったとして,販売から5年以内に欠品が生じた際の罰則規定を設けるなど,規制の見直しに向けた動きを見せているが,安定供給の責任の所在や法的な位置づけをどのように定めるかが今後の検討課題であると説明。
日本ジェネリック製薬協会もコンプライアンス・ガバナンス・リスクマネジメントの強化,品質最優先体制の強化,安定確保の取組み,積極的な情報提供と開示,その他信頼回復策を提案しているが,府医としては,京都府の後発医薬品に関する会議や日医,近医連等の会議において,改めて製薬企業に対する医薬品の適正な管理や品質管理の徹底,コンプライアンスの徹底等,信頼回復のための取組みについて要望していく考えを示した。
令和4年度診療報酬改定では,改定率が本体プラス0.43%を確保したものの,看護の処遇改善および不妊治療の保険適用のための特例的な対応にそれぞれプラス0.2%を充てることとされていることや,リフィル処方箋の導入と小児の感染防止対策に係る加算の令和4年3月末での終了等により,これらを除く改定率はプラス0.23%となることを説明した。
併せて,中医協におけるリフィル処方箋の取り扱いやオンライン診療に係る点数・要件の見直し等の議論の状況について情報共有を行った。